オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

映画のパワー、再確認❗~『パブリック/図書館の奇跡』

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  こういう映画を見ると、映画の力、エンタメの力ってバカにできないよ、とつくづく思います。映画やドラマ、小説などエンターテイメントが、決して現実逃避の手段や単なる時間潰しではなく、ひょっとすると、観た人の価値観を揺るがすような、社会のしくみを変えるきっかけになりうるような潜在的な力を持っているのだと。以前、当ブログで取り上げたドイツの法廷小説『コリーニ事件』等はその代表的なものだけれど(この小説がきっかけになって、ドイツのある法律が改正された❗)、今回U-NEXTで鑑賞した映画『パブリック/図書館の奇跡』もそんな作品のひとつ。

 

  米オハイオ州シンシナティ公共図書館で働いている一見平凡なおじさん図書館員スチュアート(エミリオ・エステベス)。この図書館には行き場のないホームレスたちが厳寒の冬、暖を求めにやって来ます。(朝の図書館のトイレは、そんな彼らの朝の身繕いの場で、顔洗ったりひげ剃ったり😅)ある年の大晦日シンシナティには未曾有の大寒波が襲来、ホームレスの凍死が相ついでいました。閉館の時間になっても出ていこうとしないなじみのホームレスが、突然「ホームレスのシェルターはどこも満杯だ。俺たちは今夜出ていかない。図書館を占拠する❗これは公共のデモ行為である」と宣言。驚いたスチュワートが後ろを振り返ると、一夜の宿を求めてやって来た大勢のホームレスたちが…。

 

  最初はホームレスの占拠騒動に巻き込まれた形のスチュワートが、次第にホームレスたちに肩入れし、社会の不条理に憤って、彼らと共闘していく過程が泣かせます(そこには、彼自身のそれまでの半生が深く関わって来るのですが…)

 

  彼らが起こした騒動が、自分の売名の為に彼らを利用しようとする狡猾な市長候補(お久しぶりね、のクリスチャン・スレーター)や、視聴率アップを狙ってフェイクニュースをでっち上げようとするビッチなニュースキャスターによって、あれよあれよという間に驚きの展開を見せ、ついには機動隊が出動することに。強行突破しようとする警察に対して、スチュワートやホームレスたちがとった行動は……❗❓

 

  ハリウッドの名バイプレーヤー、エミリオ・エステベスが、制作・脚本・監督・主演と、八面六臂の大活躍😊実話を基に11年にわたり構想を練ったというだけあって、所々に皮肉とユーモアを交えながら、正義とは何か、人権の尊重とは何か、真のデモンストレーションとは何か…様々な問題を提起する作品となっています。エミリオ・エステベスといえばトム・クルーズと共にかつて数多くの青春映画(『セントエルメスファイアー』など)に出演、ブラットパックの一員だったけど、当時は一番地味な存在😅しかも私生活でもお父さんはマーティン・シーンで弟はチャーリー・シーンだからなんだか可哀想なことに…😅でも今こうしてみると、彼が一番良い年の取り方してる。今まで誠実に人生を歩んで来たんだろうなぁ…ということが、顔に滲み出てるよ、うん。こういう、「アメリカの良心」を代表するような役者さん、とても貴重な存在だから、これからも頑張ってほしい😊

 

  最初はスチュワートたちの行動に懐疑的だった図書館長が、警察権力の横暴さに耐えかね、「図書館は全ての人を公平に受け入れる場所だ❗民主主義の最後の砦なんだ。お前らの思うようにはさせないぞ」とタンカを切る場面は、アメリカン・ヒューマニズムここにあり、って感じでスカッとしましたね😊

 

 邦題にあるように、この映画の中にはさまざまな「奇跡」が散りばめられていると思うのですが、その見方・捉え方は人によって違うと思います。なかなか外出が難しい昨今、家族で見て、感想を話し合ってみるのも楽しいかもしれません😊

 

  

 

  

 

  

次期ジェームズ・ボンドはスコットランド人であるべき❗?

  BBC スコットランドのエンターテイメント情報番組『The Edit』(土曜日 19:15~)のインタビューに、ジャクロくんご登場~❗

 

  インタビュアーの「次期ジェームズ・ボンドスコットランド人でよくない?」っていう質問に、最近のショーン・コネリー(初代ボンド)の逝去に触れつつ、「ああもちろん素晴らしいことだけど…。偉大すぎる役だよね。個人的にはトム・ハーディ推しなんだよなぁ」と、率直に答えるジャック。熱烈スコットランド独立推進派のジャクロくんから出た意外な答えに、少々戸惑い気味のインタビュアー😅でも、インタビュアーが"should be"という言い方をするのも、根拠がないわけじゃないんですね。ヲタクの記憶が正しければ、イアン・フレミングの原作中、ボンドは半分スコットランドの血を引いている設定だったはず。だからボンドっていわゆる典型的な英国紳士ではなくて、組織(MI6)の中の一匹狼、政府に対しても反骨精神が旺盛な男として描かれている、とヲタクはずっと思ってた。ショーン・コネリーが初代ボンドに選ばれたのも意味があることだと。

 

  スコティッシュ・ラブに燃えるジャクロくんの口から出た答に、インタビュアーもさぞかし驚いたことでしょう(笑)…でもジャクロくんがボンドにトム・ハーディ(『ダンケルク』『裏切りのサーカス』『ピーキーブラインダース』『ヴェノム』等々)を推しているのはもう、随分昔からなんだよね。それだけ、俳優、監督、脚本家としてのトムに心酔してるのね。英国空軍のパイロットとしてトムとダンケルクの空でバディを組み、クリストファー・ノーラン鬼監督の演出で生死すれすれの演技をした時から…ね😉

 

  そんなマブダチ、トム・ハーディと『ダンケルク』(クリストファー・ノーラン監督)以来再度タッグを組んだ映画『カポネ』が、2年の長い時を経て、やっとこの2月に日本初公開~❗暗黒街の栄光は今いずこ、病から来る幻覚に苦しむ落日のカポネをトム・ハーディが演じ、ジャクロくんは彼の闇資金ルートを追及するFBI捜査官に扮しています。

 

あっ、そうだわ❗トム・ハーディのボンドにジャクロくんのQっていう絵柄はどうかしら?Qってヲタク的には可愛いイメージなのよねー。

うん、それいい、絶対❗(⬅️ひとり悦に入るヲタク😅)

 

  


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モース、キャラ変❗❓😅『刑事モース』第7シリーズ

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(モースが活躍するオックスフォードの街…From Pixabay)

『刑事モース』ついに第7シリーズ突入~❗エピソードとしては今回、28「愛の序曲」、29「望郷の調べ」、30「永遠のアリア」が一挙放送となりました。だいたい、半年に一度のペースですね😅2月放送のエピソードでは、エンデバー・モース(ショーン・エバンス)が所属していた署が統廃合され、新しく配属された署は陰謀と腐敗の匂いふんぷん、信頼していた上司サーズデー(ロジャー・アラム)からも距離を置かれたモースは孤立無援。ひじょうに雲行きが怪しくなったところで、ぷっつり終了(笑)しかも実際に次エピソードが放送された7月の数ヵ月前にネットで放送再開の情報が流れたりして、ヲタク気が気じゃありませんでしたよ。(結局はガセネタと判明😅)まあ、第6シリーズの最終エピソードでは、様々な伏線が全て回収され、大いに胸のすく結末だったので、許す❗(…何様❓😅)それに比べると、今回はかなり落ち着いた心持ちで放送を待っていたヲタク😊

 

  し、しっかし放送開始早々、モースの激しいラブシーンで幕開け!!(⊃ Д)⊃≡゚ ゚

  新年に2週間の休暇をとったモースがヴェネツィアでオペラを観劇していて、偶然前の席にいた美女にひとめぼれ。し、しかも「一目会ったその晩に」って…。

いくらなんでも早すぎるやろー❗

モースってこーゆーキャラだったっけ?しかもしかも、のっけからモースのモノローグ…

オペラは序曲だけでは、悲劇か喜劇かわからない。これは愛の物語である。

…って、オイ❗


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(モースが運命の人と巡りあったヴェネチア…From Pixabay)

 

 

  まあ、ヴェネツィアからオックスフォードに帰ってからはいつものワーカホリックなモースに戻っていて、「パブのウェイトレス殺人事件」の捜査に当たるのですが…。このヴェネツィアの美女とは、エピソード28のラストでなんとも皮肉な再会をするのです。

 

しかしなー、今回もヤな予感しかしない😅美女と初めて巡り会う歌劇場で観ているオペラの内容も、なんだか不吉な感じだし…。(「悪魔の花嫁」ってポスターに書いてあるけど、オリジナル作品かしら?昔少女漫画の題名にあった気はするけど…😅)今までもモースって、どーゆーわけかワケありな女性とかファム・ファタール系に惹かれる傾向があるんだよな(今回みたいに激しいのは初めてだけど=笑)そして、結果的には失恋に終わる。心理学的に言うと、だめんずやワケあり女性に惹かれるタイプは、男女共に総じて優しくて真面目、相手のメンヘラ部分を何とかしてあげたいという奉仕精神と責任感が強いらしい。

…まんま、モースぢゃん❗(笑)

 

今回の3つのエピソードは「愛の三部作」と呼ばれているようで、モースの恋は、オックスフォードで彼が担当する様々な事件とどう関わってくるのか❓一見平和そのものに見えるオックスフォードにも、人々の激しい愛憎、怒りが渦巻き、差別主義が蔓延っている。彼の追う事件、その関係者たちも大なり小なり秘密を抱え、互いに複雑怪奇に絡み合い、先が見えないのはいつも通り😅

 

  今は第2エピソードの放映が始まったばかり。10時45分には一連の事件もモースの恋も決着がつく(…たぶん😅)

 

  前作ではモースくん、髭をたくわえていてちょっとビックリでしたよね?今シリーズはお髭はありません。お髭姿もダンディでステキだったけど、どこか少年っぽさが抜けきらないモースのキャラには今のほうがピッタリくるかな😊

 

  エピソード28、演出がショーン・エバンスの名前になってましたね😮…見かけによらず、パッショネートなお人柄のようです(笑)

 

  

 

 

  

こんな北欧ミステリーもアリです😉~WOWWOW『凍てつく楽園』


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 元旦から北欧ミステリを見ているヲタク(笑)WOWWOWに入った時から、いつか見たいと思っていた作品がお正月早々オンエア❗ばんざーーい🙌

 

  今まで拙ブログでもさんざん話題にしてきた北欧ミステリ。その特徴は、暗く沈鬱なムード、人の心の暗部と社会の様々な問題を鋭く抉ったストーリー展開にあります。ところが、このドラマ『凍てつく楽園』は、スウェーデンのミステリー作家ヴィヴェカ・ステンの作品の映像化なので、いわゆる通常の北欧ミステリとはかなり毛色が違うんですね😊…というのが、舞台になっているのがスウェーデンのリゾート地、サンドハムン島だから。ストックホルム群島の一つで、スウェーデンの首都ストックホルムからフェリーで3時間の高級リゾート。スウェーデンの人たちにとっては、こういうリゾート地にサマーハウスを買って、夏休みは家族揃ってそこで過ごす…というのが人生のひとつの目的であり、夢。ステンの作品はそんなサンドハムン島が舞台なので、当然作品中の季節の大半は夏、そのせいか雰囲気も明るく開けていて、いながらにして珍しいスウェーデン・リゾート旅行も楽しめちゃいます😉

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  ヲタクは以前から原作のファンでして😊…しかしこれまでステンの作品は、「静かな水の中で」「夏の日射しの中で」「煌めく氷の中で」の3作品(別名ヴィヴェカ・ステンのサンドハムンシリーズ)しか日本で翻訳されておらず😢美しい風景描写と共に、ミステリの謎解きをする刑事トーマス(写真右の人)と幼馴染みの女性検察官ノラ・リンデ(写真中央の女性)、この二人の付かず離れずの大人の関係もまたステキなんですよ~💕(幼馴染み…ってとこがツボね)第3作、非常に気がかりな終わり方だったものですから、次作品の出版を待ち望んでいましたが、それから既に数年が経ち…😅(ネットで調べても、当然のことながら何も手掛かり見つからず=笑)

 

  WOWWOWで『凍てつく楽園』というタイトルで実写ドラマが放映されている…との情報をゲット、WOWWOW入会以来楽しみにしていましたがようやく今日念願叶った~~❗

 

…しっかしエピソードは既に10を数えている…😅(今回放映されるのは、エピソード10『青い毒の誘惑』、11『水平線に連なる悲劇』)そして主人公だった筈のトーマスは、ドラマの舞台のナッカ署からいなくなってる~~😭…まあしかし、ヒロインのノラは、アレクサンデル・フォースマンという新任のイケオジ刑事と今度はバディを組むことになるんですが。このアレクサンデル、スウェーデン人とノルウェー人のハーフで、諸事情あってサンドハムン島に着任…って設定。「オレはノルウェー人の血が半分混じってるから、テキトーなんだ」ってセリフがあるんだけど、あっちではそういう認識なのかしらん(笑)ノルウェーから転勤してきたばかりで少々スウェーデン語が不自由で、思ってもいないところで下ネタ口走っちゃうとこが超キュート😍

 

  主演がどんどん若返って、円熟期を迎えた女優さんでもたいていはヒロインのお母さん役に回ることの多い日本と違って、ヨーロッパでは華も実もある中年女性(一言で言えばオバサン=笑)が堂々と主役を張っていて、同世代のヲタクには嬉しい限り😊原作ではノラはサンドハムン島にサマーハウスを所有していて、夏のバカンスの度に事件に巻き込まれるんですが(偶然が重なりすぎ😅)ドラマではさすがに永住してる設定みたい(笑)

 

  風光明媚、心洗われる美しさのサンドハムン島、眩しい白浜のビーチ、カラフルで可愛い家々…。そんな絵画のように美しい島にも、人々の愛憎は渦巻いている。事件の謎解きに並行して、家族の絆やそこはかないロマンスも織り込んで…。 上記の新入り刑事の他に、エピソード11で登場するノラの部下パールも天然系の若いイケメン😍…なんだかんだ言ってイケメン祭り(笑)

 

  大人の為の大人による大人のミステリーかな?(笑)

 

 

ドラマ『岸辺露伴は動かない』が面白すぎた件

 3夜連続のドラマ、NHKの『岸辺露伴は動かない』が面白すぎた❗

 

  ヲタク的には露伴と言えば幸田、泉と言えば鏡花…なのであるが、今ドキはきっと岸辺に京香なのよね❓😅ヲタクは原作漫画『ジョジョの奇妙な冒険』も未読だし、実写映画も未見なので、原作の再現度とかリスペクト具合については何も語る資格はないのであるが、何しろ純粋にひとつのドラマとして見てみても…

全てが素晴らしすぎる❤️

 

  シャーロック・ホームズ金田一耕助ロジャー・シェリンガム、猫丸先輩をはじめとして、ヲタクはちょっとした奇人変人マニア(笑)…なので、まずもって岸辺露伴という主人公に魅了されてしまった😍一見、独善的で周囲のことを何も考えていないように見えても、それを言葉や態度で表現しようとしないだけで、そのじつ、心の奥にはヒューマニズムが溢れているところ。また高橋一生が、その愛すべき変人キャラを心憎いばかりに巧みに演じているのです❤️直近で見た映画『スパイの妻』では、優しく、妻に理解が溢れているように見えながら、シンは人を人とも思わぬヒヤリとした冷たさを感じさせる複雑な人物を好演していた一生氏。今回は真逆のキャラで…これまたピタリとハマってる。

 

  第1話『富豪村』シチュエーションからして、江戸川乱歩横溝正史ばりのおどろおどろしき展開になるかと思いきや、マナーに固執することの非寛容、つまり大事なのは形式よりも思い遣りなのだ、そして禁忌と呼ばれる場所にはそれなりの正当な理由があるのだ…という至極真っ当な教訓が胸を打ち、第2話『くしゃがら』森山未來の鬼気迫る顔芸コワすぎる演技にうち震えながらも、「過ぎたるはおよばざるが如し」という諺が脳裏をかすめ、第3話『D.N.A.』、奇妙な事件の裏に潜む家族の愛と絆に涙する…という次第。つまり、摩訶不思議で怪奇な事象を扱いながら、見終わった後の印象がとても感動的で爽やかなんである😊

 

  共演者も超豪華❗

  露伴の相棒、泉京香(飯豊まりえ)の能天気な鈍感力にはつくづく脱帽("`д´)ゞヲタクも、職場で見習わなくては…と真剣に思った(笑)また、記憶喪失の画家平井太郎役の中村倫也(記憶喪失の原因は第3話で判明)、京香がムリヤリ付き合ってる設定なんだけど、露伴が「ふんわり彼氏」と呼ぶだけあって、京香だけでなく全女性の庇護本能を誘発しそうな圧倒的魅力(…いや、もはや、魔力?)…凄い😮(ちなみにヲタクは、D-RoomのCM、上野樹里がメキシコ旅行に出かけるやつを捕獲して繰り返し見てるアブナイ女😅)また、映画『火口のふたり』と同一人物とはとても思えない瀧内公美の、娘の奇癖に不安を募らせる繊細な母親役も素晴らしかった😊

 

  しかし、ネットでも「再現度高し」と話題になっていた露伴のスタンド、ヘブンズドア。1話2話では、相手の顔がメリメリ裂けてぱかっと割れて、パラパラページがめくれるとこが見所だったんだけど(めっちゃコワかったけど😅)、3話では顔は写さず、本がポトポト落ちる設定に。なぜだろう(-ω- ?)

 

  …って、ヘブンズドア談義はさておき、3話だけって早すぎない❓😅これで終わり❓

 

シリーズ化、求む❗

 

  

 

 

トップバッターでエンディング感❓(-ω- ?)~"the Covers' Fes."宮本浩次さん

  年に一度の名曲カバー祭り❗NHK BS プレミアムの"the Covers' fes."を見ると、あまたの歌謡祭よりも、レ○ード大賞よりも、ヲタク的には(ああ、年末が来たなぁ…)としみじみ思います😅そしてそして、今年は特にヲタクの誕生日の夜に放送だったんですね。だから、宮本さんがトップバッターで(文字通り)舞台へ飛び出して来て、『喝采』を朗々と歌い始めた時には、(あー、ヲタクのために歌ってくれてるんだわ❗)ってじぶん勝手に悦に入ってました(⬅️バカ😅)

 

  ちあきなおみさんが歌われていたドラマティックな名曲『喝采』。ヲタクも子ども心にうっすら覚えている程度なんですが、ちあきさんご本人は最愛のご主人が病でお亡くなりになってからはふっつりと表舞台から消えて、引退同然になられたそうなんです。そういった特別な事情のある曲って、ともすれば人々の記憶から風化しがち。作曲者の中村泰士さんもつい先日他界されましたしね…😢だからこそこうして、宮本さんがカバーされ、新風を吹き込んで甦らせるということは、本当に価値あることだとヲタクは思います❗

 

  しっかしMCのリリー・フランキーさんのコメント(いつも楽しみなんだけど😍)、「トップバッターは宮本浩次さんでした❗…エンディング感がスゴいですが(笑)」ってオイ❗出て来ていきなり終了なんて困るわ😅…でもさすが言い得て妙、常にパワー全開で全力疾走、いつでもどこでもクライマックスだもんね、宮本さん(笑)

 

  そしてそして2020カバフェス、スペシャルゲストは寺尾聰さん❗宮本さん、寺尾さんの大ファンとのことで、舞台上で同席、「『ルビーの指環』発表当時、クラスの男の子全員が寺尾さんのギターの弾きかたをマネしてた」エピソードを披露。寺尾さん、歌われる前に宮本さんの肩に手を置いて、何か一言声をかけたんだけど、それを受ける宮本さんがまるで少年😍か、可愛いい…。(番組で後程、宮本さんの口から、「お前、歌上手いなぁ。…バンドやってるんだろ?大事にしなくちゃダメだぜ」と言われた…と判明❤️なんてステキな寺尾パイセン❗)『ルビーの指環』発表当時、日本のミュージシャンにしては珍しくスタイリッシュ、まるでハンフリー・ボガードみたいだった寺尾さん。今もじゅうぶんダンディなイケオジでいらっしゃいます。歌を聴いただけで、目の前に映像が浮かんで来るような歌を歌いたい、という寺尾さんに、一同深く頷くの巻😊

 

  …そして、後半の宮本さんは『異邦人』(アルバム『ROMANCE』より)と『ハレルヤ』(アルバム『宮本、独歩。』より)熱唱❗「みんな、イイ顔してるぜぃ、よく見えねぇけど」のライブのいつもの名言も飛び出し、もはや宮本さんの独壇場😅そしてダメ押しは、リリーさんのコメント「驚くべきことに、これが最後の曲じゃないんですよ、みなさん」(笑)

 

  池田エライザちゃんの言葉通り…

(宮本さんのおかげで)

来年は良い年になりそうだね❗❗

 

ハートは乙女のアマゾネス~『ワンダーウーマン1984』


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(ワンダーウーマンが活躍するワシントンの街…From Pixabay)

 やっと公開~~❗コロナ禍のせいで未公開の話題作が山積みだけど、この作品もその一つ。前作の舞台は第一次世界大戦中でしたが、時代は一気に飛んで1984年。見ている私たちにしたら、当時のバブリーな雰囲気や、ファッション、音楽がすでに懐かしいのだけど😊

 

  冒頭、現在のダイアナの基礎を築いた一つの出来事として、少女時代のダイアナが故郷の島セミッシラでアマゾネス版SASUKEみたいな競技に参加するシーンから始まるんだけど、もうしょっぱなから手に汗握りまくり(笑)背景に広がる真っ青な海、急峻な山谷を馬で一気に駆け抜けるアマゾネスたち。

 

  馬に振り落とされてやむなく近道したダイアナを、「勝利に値しない❗」と一刀両断するアマゾネス史上最強の将軍と言われたアンティオペ役のロビン・ライトが前作に引き続きめちゃくちゃカッコいい❗ロビン・ライト…そう、大ヒットドラマ『ハウス・オブ・カード~野望の階段』で、夫(ケビン・スペイシー)の後を引き継いでアメリカ初の女性大統領に上り詰めた鉄の女。ロビンはいつでもどこでもアマゾネス(笑)

 

  ヲタクはチビで童顔(しかもタヌキ顔😅ヨーロッパに住んでいた頃は、30代だというのにしょっちゅう中学生に間違えられてた)なんで、長身でパワフルな美女を見ると無条件で憧れちゃう😍『ドクターストレンジ』のティルダ・スウィントンとか『マイティソー』のケイト・ブランシェットとか今回のロビン・ライトとかね。

 

 さて1984年のダイアナですが、 前作のラストから引き続きスミソニアン博物館の学芸員として働きながら、ワンダーウーマンとして街の悪を挫き、困った人々を助ける日々。(ニューヨークにはスパイダーマンが、ワシントンD.Cにはワンダーウーマンあり…というわけ😉)そんな彼女が今作では、世界征服の陰謀に立ち向かいます。

 

  ダイアナの一番の魅力は、オニ強いのに、心は乙女のままのピュアハート、アマゾネス族の王女らしく、立ち振舞いもとっても淑女なところ。アクションも美しいんですよね。まるでバレエを見てるみたい😍

 

  前作で悲しいお別れをした😢スティーブが、(え、それ❗?)っていう形で甦ってきます😅これ以上はネタバレになっちゃうから言えないけど…。でもそれも、ダイアナの純粋さがなせるわざ…と思えば納得がいく、うん。

 

  ヒール役もそんな彼女に相応しく?😅人間離れしたサイコパスなんかじゃなくて、しごく人間くさいんですよ。今回ダイアナのライバルとなるチーターも、元はと言えばドジでモテないいじめられッ子。それが思わぬ力を与えられて…って、『ミザリー』を思い出します。ラスボスも貧しいヒスパニック系で、人生逆転を狙ったがために正道から踏み外してしまった設定。ダイアナも、そんな彼らの心の痛みがわかるからこそ、力でねじ伏せたり、断罪しようとは決してしない。ラスト、彼女が全世界の人々へ向けて語りかけるメッセージが泣かせます😢

 

  最近はヒーローものと言ってもダークな内容のものが多くなってきましたが、この作品は安心して家族揃って見に行けます。特に母娘で見るのにおススメ❗

 

TVドラマ版でダイアナを演じた元祖ワンダーウーマン、リンダ・カーターが一瞬だけカメオ出演しています😉ガル・ガドットが取材の時に着ていた衣装も、リンダのファッションを踏襲したものだとか。監督やキャストをはじめとして、関係者たちの、大先輩に対するリスペクトが清々しい😊

 

 

 

 

  

 

  

 

  

 

  

岩田剛典は日本のアーミー・ハマー❗~『コールドケースIII』

 今夜の『コールドケースIII』第3話『女優』、ゲストは今をときめく有村架純と岩田剛典❗

 

  有村架純は、田中絹代かはたまた京マチ子か、多くの巨匠たちに愛される昭和の大女優役。彼女の黒目がちな大きな瞳とふっくらした顔立ちが、古風な外巻きカールに似合うこと😊その美しさは眩しいばかりです。

 

  そしてそして、岩田剛典ですよ❗大女優を献身的に支えるマネージャー役。今回の作品も然り…なのですが、この人はなんて「受け」の演技が巧いんだろうといつも思う。

 

  『植物図鑑』の高畑充希、『ディア・シスター』の石原さとみ(彼女のそれまでのイメージを打ち破るような役柄になりました)、『去年の冬、君と別れ』の山本美月、『パーフェクトワールド』の杉咲花、『空に住む』の多部未華子、そして今回の有村架純…。美貌と演技力を兼ね備えた、綺羅星のような女優さんたち。どの作品でも、岩ちゃんは自分が目立つというよりもむしろ、彼女たちの魅力を耀かせ、それによってまた彼自身もさらに高みに登って行っているような気がするんです😊

 

  それってアーミー・ハマーに凄く似てる気がする。彼自身にエッジーな、または強烈な個性があるわけではないけれど、決して相手役(女優さんばかりでなく、ティモシー・シャラメのような同性の相手でも😉)の魅力を相殺することはない、いやむしろ共演することで相乗効果を生んでいく…。アーミーもその素晴らしい「受け」の演技で、作品が途切れませんよね。

 

  うん、岩ちゃんは日本のアーミー・ハマーだ❗二人ともセレブ出身の正真正銘のおぼっちゃまくん(笑)生来のおっとりとした育ちの良さが滲み出るような演技、人を押し退けて前に出なくても、いつのまにか、しっかり自分の地位を確立してる…。

 

それって、スゴイことだ、素晴らしい個性だ😮

最も過激で最も恐ろしく最も美しいフローレンス・ピュー~『レディ・マクベス』

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  最近ヲタク大注目のフローレンス・ピュー、彼女の出世作『レディ・マクベス』U-NEXTで期間限定配信❗…これ、東京でしか上映してなくて、迷っているうちに終わってた作品😢半年くらい待たなきゃダメかな…と思っていたので、嬉しい~~😍(但し超新作なので、1,200円です😅)

 

  原作はロシアの作家ニコライ・レスコフの小説『ムツェンスク郡のマクベス夫人』で、オペラ化もされているそう😮舞台を英国に置き換えて撮影されたのがこの映画なんですね。どの批評読んでも「シェイクスピアの『マクベス』とは違います」って書いてある😅しかしヲタク的には、ヒロインの、欲望と野心を満たすためには手段を選ばない感じが、どう見てもシェイクスピア作品中最大のヒール(リチャード三世と双璧を為す😅)、マクベス夫人を想起させます。周囲のオトコたちの情けない腰抜けぶりも似てますね(笑)

 

  ストーリーは、20才以上も年の離れた夫に嫁いだ17才の少女キャサリンが、馬の世話係によって性の歓びに目覚め、彼を我が物にする為に次々と手を血に染めていく…というトンデモナイ話なんですが😅何が凄いかって、冒頭、少々野暮ったい無垢な少女として登場したキャサリンが、当時の女性に課せられた意味のない数々の風習や社会通念に次第に苛立ちと怒りを募らせ、ついには数々の軛を自ら断ち切ることによってあらゆるものから解放され、どんどん美しく変貌していくところ((( ;゚Д゚)))フローレンス嬢、この時若干20才❗ヲタクは『ファイティングファミリー』『ミッドサマー』『ストーリーオブ・マイライフ~わたしの若草物語』と彼女の多彩な演技を見て来ましたが、この映画が彼女の原点だったなんて❗……いやはや末おそろしや😅(特に『ミッドサマー』の、典型的巻き込まれ型ヒロインとのギャップ、スゴすぎ=笑)

 

  ロケ地はどこなんでしょう?冷たい風が吹きすさぶ、見渡す限りの索漠とした荒野。イングランドのヨークシャー地方か、はたまたスコットランドのハイランドか。自由を得る代わりに、人間として何かが欠落してしまったかのような孤独なヒロインの、荒涼たる心象風景をそのまま表しているかのようです。

 

 なんと、世界の映画祭・映画賞で21部門受賞47ノミネートされたという話題作かつ問題作。U-NEXTでの配信は、来年2021年1月10日まで❗

 

  

 

  

この魔女、狂暴につき😅~映画『魔女がいっぱい』

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  ギレルモ・デル・トロロアルド・ダールの『魔女がいっぱい』を映画化~~❗こりゃ、見ないとアカンやつでしょう(笑)(注・但し今回は監督ではなく、プロデュース&脚本に名を連ねています)

 

  ロアルド・ダールの原作は、祖母と暮らす一人の少年が魔女によってネズミに変えられてしまい、「世界中の子どもたちをネズミに変身させる❗」という魔女たちの悪辣な陰謀(魔女は世界中でいちばん子どもがキライ…という設定)を阻止しようとする…というおはなし。監督はロバート・ゼメキス(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フォレスト・ガンプ』)だから、そのまま行ったら、少年の、アメリカン・スピリットに溢れたアドベンチャー、そして苦難を乗り越え大人に成長するというビルディングスロマンになったところでしょうが(まっ、それはそれで楽しそうだけど)、そこにデル・トロが加わったことで、原作のけっこうダークでシビアなテイストも保ちつつ、魔女のキャラ造型が、彼ならではの独特な魅力に溢れているのです。

 

  デル・トロの「異形への偏愛ぶり」は、『パンズ・ラビリンス』のペイルマンや、『シェイプ・オブ・ウォーター』の半魚人の、セクシャルな造型で既に実証済みですが、今回デル・トロの期待を一身に受けて登場したのが(おそらく…ね😅)なんと、あのアン・ハサウェイ❗これはねー、ドギモ抜かれましたよね(笑)厚化粧やカツラで覆い隠してはいるけれど、そのじつ「手の指はかぎ爪、子どもの匂いを嗅ぐと鼻柱は20センチも広がり、口は耳まで裂ける」という恐怖の魔女軍団の頂点に君臨するラスボス((( ;゚Д゚)))ロシアか東欧?なまりの巻き舌英語を駆使し、恐ろしく狂暴で圧倒的オーラを放つ、眩しいばかりのゴージャスなヒール❤️…ギレルモ・デル・トロの「異形への偏愛」は、アン・ハサウェイを得て、ここに極まれり(笑)

 

  この映画の凄いところは、アン・ハサウェイ演じる大魔女が、長い間、異質なものを排除しようとする人間たちに恐れられ、忌み嫌われ、時には中世の魔女裁判のように迫害を受けてきて、ひょっとするとその復讐をしようとしているのでは…と思わせる場面があること。脚本の力か、演技の力か…。きっとその両方😊

 

  ネズミに変えられた孫の少年を助け、アン・ハサウェイの大魔女とガップリ四つ、堂々と戦い抜く肝っ玉おばあちゃんにオクタヴィア・スペンサーという名女優を持ってきたのもナイスキャスティング❗(『ヘルプ 心をつなぐストーリー』『ドリーム』『シェイプ・オブ・ウォーター』等々、逆境に負けないガッツな役柄はこの人ハマリ役ですよね😊)この、アカデミー賞女優二人のガチンコ勝負も見ものですゾ😉

 

  ハラハラドキドキの冒険譚に、(幸せは目に見えるものじゃなくて、決まった形があるものでもなくて、自分の置かれている状況をどう捉えるか、そして自らがどう行動するかにかかってる)…というさりげない教訓も滲ませて、大人も子どもも楽しめる、そして見終わった後は自然と、自分の日頃の生活を振り返る……そんな映画になってます。

 

  人生に必要なことはみんな、映画が教えてくれる。今までも、そしてこれからも😊

 

 

 

 

 

 

 

終わり良ければすべて良し~ドラマ『七人の秘書』


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  いやー、とうとう終わってしまった『七人の秘書』。木曜日の夜、伊良(いよし)コーラ片手にソファに寝そべって、大口あけて笑いながら「うっわー、キモいコイツ❗」とか、「いいぞ、やっつけちゃえ~」とか叫びまくる楽しみも、もはやこれまで(笑)

 

  題名見て、(秘書の話か~、懐かしいなぁ)と思いながら見始めたヲタク(昔むかし5年ほど、とある機関で秘書をしていたことがあるので)。時にはボスの代わりに文書等作成してボスはめくらサイン…なんてこともあるのに、実際のところは何ら権限も決定権もない、それこそドラマにあるように、何者にもなれない黒子の秘書稼業。…そんな悲哀とリアルを描く「お仕事モノ」かと思って見始めたら…。

 

なんの、なんの、全然違った❗(笑)

 

  社会の中枢で働く秘書たちが、その情報収集能力を駆使して、社会にはびこる悪い奴らをお仕置きしちゃうお話だったんですねぇ。

月に代わってお仕置きよ、秘書バージョン(笑)

結論として、ヲタク的にはリアルなお仕事ドラマよりこっちのほうが面白かった😉木曜日の夜っていちばん仕事の疲れが押し寄せる時だから、リアルなドラマより、こういう荒唐無稽(もちろん、良い意味です😊)なほうがストレス発散できる(笑)

 

  ストーリー展開は、毎回かなり突っ込みどころ満載なんだけど😅面白いんだから、カタイこと言いっこなし(笑)…それに、何より秘書たちがもうそれぞれキャラ立ちがスゴイ。室井滋の老獪なユーモア、木村文乃の気っ風の良さ、水を得た魚のごとき菜々緒のアネゴ肌(やっぱり菜々緒はこうでなくっちゃ❗)、大島優子のコケティッシュな小悪魔的魅力(『生きちゃった』と同じ人とはとても思えない😮)、シム・ウンギョンの汚れなき純情、そして、一緒に見ていた夫イチ推し、広瀬アリスの壮大な天然ボケ…誰も彼もみんな魅力満開でした🌸🌸

 

  秘書たちに相対するオトコたち…ワケありラーメン店の亭主・江口洋介、ラスボス岸部一徳はサスガの安定感😊

 

  なかでも、シム・ウンギョンの演技が素晴らしかったです。終盤も近づいた頃、リリー・フランキーが生き別れになっていた父親役で登場するんだけど(ゴメンなさい、1つだけネタバレ、お許し下さい🙇)二人がお互い名乗りをあげる場面、もう二人の情感籠った芝居がスゴくて、ヲタクは『愛の不時着』見た時より泣いちゃったゾ😭

 

  最終回、超絶アクションを誇る現代忍者の坂口拓さん(ヤクザな雑誌記者役)と秘書たちの大立回り、そして最終回ならではのゴージャスゲストも◎❗

 

  来週から木曜日寂しいなぁ…。シリーズ化してくれないかなー。

 

 テレビ朝日さん、よろしくお願いいたします(笑)

 

  

  

硝子の少年ノア・シュナップ~『アーニャはきっと来る』

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  『エイブのキッチン・ストーリー』で、そのむかしエドワード・ファーロング(『ターミネーター2』)やブラッド・レンフロ(『目撃者 刑事ジョン・ブック』)を初めて見て以来の衝撃を受けたヲタク。それ以来、ヲタクのアタマの中には、あのKinKi Kidsの名曲『硝子の少年』が鳴り響いているのです😅

 

  …あの歌は、最愛の人を年上の、地位も財力もあるオトナの男に奪われた少年の傷心と絶望を歌い上げたものだけど、ヲタクにとって『硝子の少年』とは、銀幕に登場する、硝子のように儚く脆い、あっという間に過ぎさってしまうその年齢特有の美しさを持った耀ける少年たち。

 

  この映画に主演するノア・シュナップくんも、そんな少年たちの一人。今回は、フランスはピレネー山脈の麓に住む羊飼いの少年ジョー(13才)としてご登場❗雪を戴くピレネー山脈を背に、ベレー帽を被り羊飼いのマントを翻して立ち尽くす姿は、さながら一幅の絵画のよう😍

 

  第二次世界大戦中の1942年、ナチスは既にパリを占領下に。ジョーの住む、スペインと国境を接する南仏のエスカン村にも、戦争の足音は確実に近づいてきます。村を通ってスペインに亡命しようとするユダヤ人たちを「狩る」…国境警備隊の日夜を問わないパトロールが始まったのです。そんなある日、ジョーは、山でベンジャミンという一人の男に出会います。彼はユダヤ人で、収容所列車に乗せられる直前に、一人娘のアーニャを連れて逃亡。ユダヤの子どもたちと共にスペインに亡命する為、義母オルカーダ(アンジェリカ・ヒューストン…『アダムズファミリー』のママですね😅今回も「村の災い」と呼ばれる特異なキャラを怪演)の農場に一時身を寄せていたのです。

 

  ベンジャミンと子どもたちの存在は、ジョー、そして朴訥で反骨精神旺盛なジョーのおじいちゃんアンリ(ジャン・レノ…イイ味出してます😊)から、最後には村人全員の知るところとなり、村人たちは一致団結して子どもたちを逃がそうと計画します。

 

  自分たち自身に危険に晒されている親族や友人がいるわけではない。何の利害も関係なく、ただただ見ず知らずの子どもたちを、身を賭して助けようと立ち上がる村人たち。そこに、ヒューマニズムの根源を見るような気がして、胸が熱くなります。しかもしかも、これが実話だなんて……❗

 

 ニンゲン、捨てたもんじゃないよね(笑)

 

また、この映画に登場するナチスの軍人は、戦争映画に よく見られるような非人道的キャラではなく、人間的な側面を持つ存在として描かれています。ナチスユダヤ人をテーマにした作品としては、かなり新しい視点で描かれているというか。特に、国境警備隊を率いるナチス将校のトーマス・クレッチマン。彼、アノぶっ飛びホラーの巨匠、ダリオ・アルジェント監督(『サスペリア』『フェノミナ』など)の『ドラキュラ』で、主役のドラキュラ伯爵演じてた人だー。お腹回りに貫禄がついたとはいえ😅すっかりダンディなイケオジになってるわー(笑)任務を忠実に実行しようとしながらも、平和を願い、自然を愛し、ジョーを父親のような目で見守る役を好演。さながら『ジョジョ・ラビット』のサム・ロックウェルのよう😍

 

  さまざまな苦難を乗り越え、やっと迎えた山越え決行の日。ところが、ベンジャミンが待ち焦がれる、収容所列車で離ればなれになった一人娘のアーニャだけが姿を現しません。…。子どもたちの行く手に広がる急峻な山々、谷川を流れる清流…。あの『サウンド・オブ・ミュージック』のラストシーン思い出しちゃった。

 

  果たしてアーニャは現れるのか?子どもたちの決死の逃避行の行く末は?

 

  ラストシーン、神が招来したかのような奇跡に、きっとあなたも涙するはず😢

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(ブルグ13併設のカフェから眺めるみなとみらい。カフェの円柱が映っちゃってますけど=笑)

 

  

すべてはLOVEゆえに~『ノッティングヒルの洋菓子店』

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(入場記念品☕映画に相応しく気が利いていて、オシャレ😍…あっ、記念品は紅茶のみです=笑)

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 美しい異国の街角、カラフルで見るからに美味しそうな現地の食べ物たち。最近見た『エミリー、パリに行く』や『エイブのキッチンストーリー』も然り……だけど、そんな映画が無性に見たくなるのは、やはり今海外に旅行することができない(しかも見通しも立たない)からかなぁ…😅

 

 キノシネマみなとみらいで、『ノッティングヒルの洋菓子店(原題 Love Sarah)』

  優れたパティシエのサラは、親友のイザベラ(シェリー・コン)と共にロンドンのノッティングヒル地区に長年の夢だった自分たちの店をオープン。その当日、猛スピードでロンドンの街中、店に向かって自転車を走らせるサラ。この人がヒロインかと思ったら、事故に遭って亡くなってしまうという衝撃のオープニング😭

 

  親友の死によって長年の夢を打ち砕かれたイザベラと、遺されたサラの一人娘クラリッサ(シャノン・ターベット)、そして娘と仲違いしたまま事故で失い、喪失感に悩まされるサラの母ミミ(セリア・イムリー)が、力を合わせてサラの夢だった洋菓子店を再び立ち上げようと奮闘する物語。パティシエがなかなか見つからないまま開店に向けて走り出した3人の前に、なぜかミシュラン二つ星レストランで活躍する一流パティシエのマシュー(ルパート・ぺンリー=ジョーンズ)が現れて、「僕に手伝わせて」と申し出る…。

 

  ワケありマシューは、英国の法廷ドラマ『シルク~王室弁護士マーサ・コステロ』で、女たらしのクズ弁護士役で強烈な印象を残したルパート・ペンリー=ジョーンズ。(どこかの国の芸人ぢゃないけど、トイレで&Ⅹ%#[]≠≒する場面がアタマに焼き付いて離れないんですけど😅)この映画では、やっぱり女たらしではありつつ(イザベラに"You are a womanizer"って言われてた😅)シンは優しくて誠実なパティシエを好演。

 

  お店の名前を"Love Sarah"(映画の原題)と名付けた四人の、それぞれ心に秘めた想いが胸を打ちます😢また、店をオープンしたもののちっともお客さんが来なくて、ミミが起死回生のアイデアを打ち出すのですが、それも、ロンドンっ子ならではの、街や街に住んでいる移民の人たちへの深い「愛」があるんですね😊(映画の中で、「なんで治安の悪いノッティングヒルで洋菓子店を開こうと思ったのか?」っていうセリフがあるんですが、多国籍の人々がひしめくこの地区だからこそ…の展開になっていきます)

 

  人が挫折した時、深く傷ついた時、立ち直るきっかけを作ってくれるのは、自分自身の傷にこだわるよりもむしろ、いったん視点を変えて周囲に目を向け、他者の為に自分が何ができるかを考えてみること…。その時初めて、自らの心の傷が癒されていることに気づく…。この映画は、私たちにそんな密やかなメッセージを送ってくれているような気がします。

 

  お店の将来に転機をもたらす存在として、日本人女性のタナカ・ユウナさんと、抹茶ミルクレープが登場します。(日本の代表的なお菓子がコレ…って言うのは論議を呼ぶところだと思いますが=笑)

詳しくは映画を見てのお楽しみ😉

 

Love Sarah, love people, love life❗

 

  

 

  

 

  

ロイ・アンダーソンワールド再び~『ホモサピエンスの涙』

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  寡作で知られるスウェーデンの鬼才、ロイ・アンダーソンの新作『ホモサピエンスの涙』をキノシネマみなとみらいで。

 

  前作の『さよなら人類』から6年かぁ…。月日の経つのは早いですねぇ。前作は、ひじょうに皮肉でシュールというか、ブラックコメディの要素に満ちていました。(エピソードのオチとかは、デヴィッド・ウォリアムズのBBCのTV番組『リトル・ブリテン』を思い出したりもした😅)

 

  アンダーソン監督の作品ってひじょうに独特の世界観。リアルな実物大のセット、ミニチュアの建物、マットペイントなどSFXを緻密に組み合わせたそれは、まるで動く絵画、動く美術品のよう。その静止画のような映像の美しさにぽーっと見惚れていると、人物が突然動き出して(あら、これ映画だったんだっけ)とビックリするくらい(笑)

 

  さて、最新作『ホモサピエンスの涙』

人類の歴史は悲しみの歴史、涙の歴史。美しい映像で語られるのは、そんな人間たちのさまざまに悲劇的なエピソード。ヲタク的に目に焼き付いて離れないのは、神を信じられなくなってキリストのように磔刑に処せられる悪夢にうなされる牧師や、お誕生日会に向かう途中大雨に降られてしまうパパと娘、明白な敗北の中で立ち尽くすヒットラーとそれでもなお「ハイル、ジーグ(勝利万歳)」と叫ぶ哀れな親衛隊員たち、厳寒のシベリア平原で捕虜収容所に向かう兵士たちの背中、背中…。

 

うーーん、書ききれない❗(笑)

 

  それにしても、ポスターヴィジュアルに取り上げられている場面。ナレーションは「廃墟と化した街の上を飛翔する恋人たち」とだけ。むむ…。終末論?最後の審判?監督はスウェーデン人だから、ラグナロク(神々の黄昏)?深掘りしすぎると、夜眠れなくなる(笑)

 

  ……しかし、その人間たちの悲痛な涙を見つめるアンダーソン監督の眼差しは限りなく暖かい。(…それでも、生きていくんだよ)と、背中を押してくれている気がする。映画に登場する精神分析医のセリフ「生きてることは、いいことだ」や、降りしきるクリスマスの雪を見ながら繰り返される酒場の客の叫び「それでも(この世界は)素晴らしいんだよ❗」に代表されるように。……そうやって、人類の歴史は連綿と続いていくのだ、今までも、そしてこれからも。

 

  映像の魔術師と呼ばれるロイ・アンダーソン監督。作品の魅力を説明するのは難しい😭じぶんの表現力の乏しさがうらめしい。

 

  拙い感想で恐縮ですが(汗)記事を読んで少しでも興味を持った方がいらしたら、この機会にぜひ、アリ・アスター監督(『ヘレディタリー継承』『ミッドサマー』)やイニャリトゥ監督(『バードマン』『レヴェナント』)が尊敬してやまないという、唯一無二のロイ・アンダーソンワールドを体感してみて下さい😉

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(キノシネマ前のイルミネーション)

 



  

凍てつく冬こそおススメ❗北欧ミステリー 3選

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(From Pixabay)

 いつの頃からか、何故か(小説でも映画でもTVドラマでも)北欧ミステリー好きになったヲタク。全編を流れる暗くて陰鬱な雰囲気、謎解きの奥に潜む移民差別や児童虐待、政治の腐敗等の社会問題、甘さを一切排除したようなシビアな結末…。こんなふうに書いてくると、「とてもじゃないけど、何が面白いのさ」って言われそうだけど、内容の暗さ、重さに反して、その舞台となる北欧の自然や街並みの綺麗なこと❗こんな美しい背景の中で、あんな陰惨な事件が…っていう、ギャップ萌え?……うん、そうだ❗ヲタクはギャップに弱いのだ(納得)…って、前置きはそのくらいにしまして(笑)

 

 「トラップ~凍える死体」シーズン1,2

(アイスランド)


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   シーズン1は、首都レイキャビクから遠く離れたアイスランドの港町沖合いに停泊した船が、人間の胴体を引き揚げたところからストーリーが展開します。意に反して、捜査の陣頭指揮を取ることになった警察署長アンドリ(オラフル・ダッリ・オラフソン)。殆ど事件らしい事件が起きない田舎町のことゆえ、捜査に当たることのできるのが、彼の他に女性警察官ヒンリカと、真面目だが少々ドジな独身中年男のアウスゲイルのみ。レイキャビクの首都警察に応援を頼もうにも猛吹雪で道は閉鎖。3人で何とか事件を解決しようと奮闘するアンドリだが、それを嘲笑うかのように次なる殺人が…。

 

  アンドリがシロクマ(あるいはムーミンパパ?😅)みたいな巨体を揺すりながら事件解決に走り回るさまは微笑ましい…と言いたいところですが、彼の家庭環境は微笑ましいとは程遠い状況😢離婚した妻は新しい夫とルンルン生活、なぜか彼は元妻の実家で、置いてきぼりの娘二人と同居生活(…なんでこんなことになっちゃったんだろう?ナゾである(-ω- ?))。

 

  結末は見ている我々も目を背けたくなるほど重苦しいものですが、一方で、生きることの難しさ、辛さ、切なさが胸を打ちます。やはりアイスランド出身の作家、アーナルデュル・インドリダソンの作品に相通じるものがある気がします。

 

  しかし、背景となるアイスランド雄大な自然~どこまでも続く白い山々、透明な海、深々と降りしきる雪のさまはどこまでも美しく、この世の楽園のよう。(ベン・スティラーが主演した映画『LIFE!』に登場した風景そのままです😊)そのギャップたるや、強烈。

 

  シーズン1、2ともネトフリで配信中。(シーズン2では、連続殺人事件と並行して、アンドリと次女の親子の関係性が描かれます。ずいぶん日本のお父さんと違うんですよね。もう少し父権?を行使してもいいんじゃないかと思うくらい😅そういうところも興味深い😊)


「ブリッジ」シーズン1,2,3


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  ちまたでは、「キリング」と共に、北欧ミステリーブームの先駆けになった作品と言われております。…しかしそもそも、日本で北欧ミステリーブームなどというものは存在したのであろうか❓ヲタクの回りには「北欧ミステリーが好き」と言ってる人など、一人もいないのですが(笑)

 

  ヲタク的には、ハリウッドでリメークされ、デンマーク国民の3人にひとりが見たという「キリング」よりも、どちらかと言えばこちらのほうが好みかな😅

 

  シーズン1の冒頭、デンマークスウェーデンをつなぐ、オーレスン橋のライトが突然消え、その後復旧すると、その国境線上には切断されたひとつの遺体が。上半身はスウェーデン側、下半身はデンマーク側。そして、その上半身はスウェーデンの政治家、下半身はデンマークの娼婦という、衝撃的なオープニング❗この状況から、スウェーデン側の女性刑事サーガ・ノレーンとデンマーク側の刑事マーティン・ローデは、共同で捜査を開始することになります。

 

  サーガはアスペルガー症候群という設定。なので、職場で多くの人の目があるにもかかわらず、時間がないからといって突然セーター脱いで着替えちゃうなんてシーンもあります😅でも、さすが個人主義が徹底している北欧、同調圧力が強く、障害を抱えているとなかなか職場の人間関係が上手くいかない場合が多い日本と違って、サーガの障害を理解した上で彼女の突出した才能を生かしていこうとしている職場環境が興味深いなぁ…と思って見てました。

 

  シリーズを重ねるにつれ、主人公たちが次々と驚きの展開に巻き込まれていきます😮ヒーローはいない、警官も弱さを抱えた一人の人間…という、リアルを追及する北欧ミステリーならではの展開なんですが、ここで好き嫌いは分かれるかも。

 

  デヴィッド・フィンチャー監督が「ドラゴン・タトゥーの女」をリメークしたりして、ハリウッドでも一時「北欧ミステリーブーム到来か❗❓」って騒がれましたが、その後はサッパリ😅どー考えても、アメリカでは人気出そうもないよね(笑)

 

 「湿地」


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  我が愛するアイスランドのミステリー作家、アナールデュル・インドリダソンの作品の映画化。北の湿地に立つアパートの一室に横たわる老人の死体。その部屋には、ある少女の墓石が写っている古い写真と、3つの言葉が書かれたメモが…。それを手がかりにして、老人の暗い過去を探り、ついには驚愕の真実を知ることになる主人公、エーレンデュル捜査官。

 

  見終わって、ストーリー展開にかなり偶然が続くような感じがするかもしれませんが、アイスランドの人口はわずか42万人。あの広大な土地にわずか新宿区民の人口しか住んでいません。国民のルーツを探ればどこかしらで血縁が繋がっていると言われます。この映画を見る際には、そんな知識を頭に入れておくといいかも😊

 

  インドリダソンの作品って、ある殺人事件をきっかけに、ある人物、家族の歴史を遡り、さらに遠い過去の犯罪が露になっていく…っていくパターンが多いんですよね。北欧版「コールドケース」とでも言うのかな。アメリカ版と違って、「過去がわかって良かった❗」ってカタルシスはあんまりないですけどね😅

 

  ヲタクはこれまで北欧ミステリーについては度々記事を書いておりまして、今まで記事にした作品については今回は話題にしておりません。もしこの記事を読んで北欧ミステリーに興味を持った方がいらっしゃいましたら、「ドラゴンタトゥーの女」「蜘蛛の巣を払う女」などのリスベット・サランデルシリーズ、「特捜部Qシリーズ」(2つのシリーズとも、映画化されています)、Netflixオリジナルドラマ「刑事ソフィア・カルピ」(第1・第2シリーズ)などもおススメです😉