オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、鑑賞後の感想を呟いたりしています。今はおうちで珈琲片手に映画やドラマを観る時間が至福。

1980年、戒厳令下のポーランドで…Netflixミステリ『泥の沼』

f:id:rie4771:20210522065404j:image

(Poland from Pixabay)

f:id:rie4771:20210423212035j:image

  第二次世界大戦ナチス・ドイツに占領されていたポーランドを解放したのはソ連軍でした。戦後はソ連を後ろ楯とした共産主義国となったポーランド。ところが共産主義時代のポーランドは経済状況が極度に悪化、インフレに苦しみ、食料は配給制、物資の欠乏は慢性化していました。そんな中、レフ・ワレサ率いる独立自主管理労働組合いわゆる「連帯」が民主化活動を活発化させましたが、政府は1981年に連帯を非合法化し、戒厳令を施行して厳しい言論統制を敷きます。

 

  このドラマはまさに1980年、戒厳令下のポーランドが舞台。ある田舎町の地元紙「クーリエ」の記者ウィテク・ヴァニッツ(アンジェイ・スヴェリン)は、小さな田舎町の密接な人間関係に嫌気がさし、ドイツへの亡命を目論んでいます。そんなある日、街のはずれにある広大な森の中で、社会主義党青年組合議長グロフォヴィヤクが、娼婦と共に惨殺される事件が発生。その直後、警察は娼婦の同棲相手を逮捕し、自供調書も取ってスピード解決。しかしウィテクと共に事件担当になった新米記者のピョートル・ザジツキ(ダビド・オグドロニク)は、警察の誤認逮捕ではないかと疑い、独自に捜査に乗り出します。権威に噛みつくピョートルの行き過ぎた正義感に辟易するウィテク。しかし彼もまた知人の娘ユスティナと同級生の心中事件を追ううちに、青年組合議長と娼婦の殺人事件との間に奇妙な共通点があるのに気づいて…。

 

  5話見終わってひと言…。

暗い!とにかく暗い!

…でもって結末のイヤミス感ハンパない。

勧善懲悪の爽快感も皆無(笑)

…でもね、ヲタク的にはツボにハマるテイストです。好き嫌いは分かれると思いますが、北欧ミステリがお好きな方にはおススメ。

 

  主人公二人が、新聞、それも地方紙の記者という設定が、このドラマに深みを与えていると思います。戒厳令下の記者といえば、体制側から全て統制されていますから、記事の題材と言えば、国営の食肉工場や公益事業の提灯記事ばかり。そんな状況に鬱屈たる思いを抱く野心家の若いピョートルが、それこそ泥の沼に引き摺り込まれるように、真犯人探しにのめり込んでいくのも、時代背景を知るとよく理解できます。また、お洒落な洋服を買おうと思ったらヤミで外貨を調達しなければならず、学校を出ても未来が見えない当時の若者たちの抑圧された欲望も…。

 

  ヨーロッパの人々にとって、「森」は神の眼の届かない「魔が棲む場所」というイメージがある…と、以前拙ブログの記事(『ダブリン 悪意の森』2月12日)でも書きましたが、このドラマでも同様のメタファが度々登場します。このドラマにおける「森」もまた、ピョートルの妻(ゾフィア・ビフワチュ…この女優さん、可愛い)が言う「夫婦の仲を裂こうとする」魔の森であり、かつて森にあった収容所で亡くなった大勢のポーランド人たちの亡霊がさ迷う場所なのです。

 

  第二次世界大戦でのナチスドイツからの迫害に始まり、苦難の歴史を歩んできたポーランド。多くの人々が新天地を求めて、他のヨーロッパ諸国やアメリカに渡りました。ヲタクが家族とベルギーに住んでいた頃、次女と仲の良かったお嬢さんはポーランドからの移民3世でした。あの有名なミュージカル『ウェストサイド物語』白人の不良少年グループ、ジェット団の面々はポーランドからの移民2世たち。新天地を求めて来たものの、良い就職口がなくて本国と同様貧困に苦しんでいる…という設定です。刑事が彼らに向かって、「ポラックめ!(ポーランド人の蔑称。現在は差別用語です)」って吐き捨てるシーンがありましたね。アメリカ文学では、ポーランド人と言えば肉体労働者として描かれる場合が多いですね。(テネシー・ウィリアムズ欲望という名の電車』のスタンリー・コワルスキーなど)ジェーフリー・アーチャーの小説「ケインとアベル」も、ポーランドからアメリカに密航してきた青年の成り上がり物語でしたっけ。

 

  ひと昔前まで、日本で見ることのできる海外のドラマと言えば、アメリカ、イギリス、フランス、韓国のものばかりでしたが、今ではNetflixのお陰で北欧や東欧、アイルランドスコットランドのマイナーな作品も楽しむことができる。

良い時代になりましたよね。

 

  

 

  

 

    

世紀末のパリにタイムスリップ~『パリ殺人案内』


f:id:rie4771:20210522065704j:image

f:id:rie4771:20210420181450j:image

  U-NEXTで『パリ殺人案内』全7話鑑賞。1話1時間30分程度で、主人公もそれぞれ、お話の内容も独立しているので、どのエピソードから見ても大丈夫😊以前、AXNミステリーチャンネルで放映されたみたいですね。同じくAXNミステリーで度々放映される『フランス絶景ミステリー』は、ブルターニュ地方やピレネー山脈フランスアルプスなど美しい大自然が「ウリ」ですが、今シリーズは花の都パリが舞台で、時代背景は、世界中から芸術家たちがパリに集まって文化の大輪の華を咲かせた世紀末❗ヲタク的にはツボはまりまくりです(笑)

 パリの様々な観光名所を舞台に、強くて無鉄砲、反骨心旺盛な?ヒロインたちが、国家の陰謀を暴いたり、高価な美術品を盗み出したり、難解な殺人事件の謎を解いたり…と大暴れ😅それも、見目麗しい若い女性というより、オトナの魅力に溢れた…っていうか、ぶっちゃけ「オバサン」が多かったですね(笑)ヨーロッパ、特にフランスって女性の真の魅力は四十から…なんて風土だから、日本のドラマだったらヒロインのお母さん役になるところを堂々と主役を張って、さらに堂々と濡れ場なんか演じちゃう(笑)

 

  エピソードの構成は…

1)ムーラン・ルージュ

ムーラン・ルージュの踊り子だった妹が突然行方不明に。妹の行方を追う姉のディアンヌは、当時パリの巷に出没していた、踊り子を狙う殺人鬼に狙われて…。

2)エッフェル塔

オープン間もないエッフェル塔のエレベーター内で起きた殺人事件。ヒロイン・ルイーズは、エッフェル塔建設に関わった父が、自分の知らない秘密を抱えていたことを知り…。

3)オペラ座

オペラ座では今まさにビゼーの歌劇『カルメン』の稽古真っ最中。そんなある日、舞台スタッフの女性が天井桟敷で殺される。犯人として逮捕されたのは、ミカエラ役でデビュー目前のフォスティーヌの恋人だった。恋人の無実を信じるフォスティーヌは、仲間たちの助けを借りて真犯人探しに乗り出すが…。

4)ルーブル美術館

パリを賑わす怪盗メルキュールは、実は女性だった❗盲目の妹を抱え、路上で日銭を稼ぐ青年フレデリクは、メルキュールからその軽業ぶりを見込まれて、ルーブル美術館で最も貴重な首飾りを盗む作戦に誘われる。

5)ヴァンドーム広場

ヴァンドーム広場に面した超一流ホテル、リッツの厨房で働くジャンヌ。ある日1人息子のフィリップが誘拐され、彼女の元に、「オーストリアハンガリー帝国とセルビアの友好晩餐会の日に、必ず厨房に入れ」との脅迫状が届く。

6)エリゼ宮

マドレーヌが工場で働き、女手1つで育て上げたヴィクトールは今や大統領補佐官に出世。彼の執務室があるエリゼ宮をある夜ヴィクトールにこっそり案内してもらっていたマドレーヌは、主席補佐官が殺される現場に遭遇してしまう。

7)ソルボンヌ大学

ソルボンヌ初の女子学生ヴィクトワールは、サルド教授殺人事件の第一発見者となり、容疑者として連行されてしまう。彼女の無実を信じる仲間の学生たちと、ガルボ教授が真犯人探しに奔走する。

 

  なんといっても19世紀末のパリの風俗、建物(もちろんルーブル美術館等は当時の外観を忠実に再現)、ロートレックの画から抜け出てきたような当時の貴婦人たちのファッションがステキ😍

 

  当時の文化人たちも度々登場、ヒロインがロートレックの絵のモデルに誘われたり(ムーラン・ルージュ)、ヒロインがあの有名な料理人エスコフィエの下で働いていたり(ヴァンドーム広場)、リッツのエントランスにマルセル・プルーストが立っていたり…と、コネタがたくさん😊(アメリカの作家がパリを旅している間にタイムスリップして文化人と交流する…というウッディ・アレン監督の映画『ミッドナイト・イン・パリ』思い出しますねぇ~。あの映画で主人公がタイムスリップしたのは1920年代のパリでしたけれども)

 

  また、セルビアオーストリア・ハンガリー帝国が友好的関係性を保っていた当時の時代背景(両国の関係はその後悪化、オーストリアハンガリー帝国の皇位継承者がセルビア人に暗殺されたサラエボ事件第一次世界大戦の引き金になります)、あるいはアルザス・ロレーヌ地方を巡る対ドイツの緊張を孕んだ当時の外交関係等がストーリーに巧みに織り込まれていて、大変興味深いです。

 

  個人的には今ズンバに凝っているので、ムーラン・ルージュの踊り子たちのレッスン風景や舞台裏に興味シンシン。立ったまま180度開脚しなくちゃいけないんですよ❗凄すぎる、人間ワザとは思えない。(あんなことしたら、股関節バラバラになるわ(・д・))って、呟きながら見ておりました(笑)

 

 

  

 

 

ねんどろいどニュート・スキャマンダー、キタ~~❗

f:id:rie4771:20210418111600j:image

出荷遅れてたねんどろいどニュート・スキャマンダー、ついにキタ~~❗

 

ねんどろいどは 忘れた頃に やって来る🚶

 

  でもいいや~、先週ネトフリで『シカゴ7裁判』見て、エディ・レッドメインのイケメンぶりに久しぶりにクラクラしたばかりだから、ヲタク的にはJimmy Jonesの歌ぢゃないけど、今がGood Timin'です、うん♥️

Timin' is the thing.

It's true.

Good timin' brought me to you.

 

タイミングが重要なんだ
良いタイミングが
君を僕のもとに連れてきたことは

事実なんだから🎵

 

  ニュートの表情は3種類❤️元々箱に入っているのは、左のトネリコとライムの杖持った凛々しいバージョン(写真下)なんですが、今はほっこり癒されたいので、ニュートもほけっとリラックス、ボウトラックルのピケットちゃんといっしょのバージョンに変えました(おイタをしようとしているニフラー見て焦ってるニュートもめちゃくちゃ可愛いけど😍)

…っていうか、じぶんでバラしたものの新しいお顔が首に上手くハマらず、忙しそうな夫をつかまえてムリヤリ組み立ててもらった(笑)

 

  瞳のグリーンが綺麗なの…(うっとり)

ヲタク的にはソバカスつけたくなっちゃうけど(笑)


f:id:rie4771:20210418112938j:image

 

玉木宏 The ダークヒーロー『桜の搭』~主題歌は『Sha ・la・ la・la』(宮本浩次)

  玉木宏が、警察機構の中で頂点を目指す為に手段を選ばないダークヒーローに❗

 

  銀行で改造銃を使った強盗事件が発生。犯人は多数の人質を盾に立て籠り、その中の一人に重傷を負わせて逃走。逃走を防げなかった警察の失態を関連部署のトップ同士がなすり合う事態に。その逃走した犯人逮捕という、言わば「貧乏くじ」的な捜査の陣頭指揮を任されたのが、警視総監レースで一番遅れをとっていると言われている千堂刑事部長(椎名桔平)の腹心の部下・上條漣(玉木宏)だった。上條は鋭い推理とプロファイリング能力で犯人を追い詰めるが、そこには二転三転のどんでん返しが待っていた…。

 

  いやぁ、玉木さんくらい顔といいスタイルといい声といい完ぺきなイケメンには、ダークヒーローがよく似合う❗

あれだけ完ぺきなら、ダマされても、劇中のヒロスエみたいに背負い投げされてもおーるおっけー😊水樹爽(広末涼子)は、漣の幼なじみで正義派の熱血ノンキャリ刑事。漣の、血も涙もないやり方に反発してよく突っかかっていくんだけど、なんと言い争いの途中で背負い投げくらってたんですよね。えっ❓そこで幼なじみ投げ飛ばす❗❓ってカンジなんだけど、玉木さんなら許す…って思っちゃうところが…

イケメンの威力、おそるべし(笑)

っていうか、玉木宏広末涼子という超美男美女が幼なじみな設定で、安易にレンアイ関係にならないのが、ヲタクとしては◎😊

 

  次期警視総監の椅子を狙う熾烈な出世バトル(椎名桔平 vs. 吉田鋼太郎 vs. 光石研)がなかなか面白くて、一緒に見てる夫は謎解きよりそっちの方に興味シンシン(笑)警察版『ハウスオブカード ~野望の階段』かな😊  千堂刑事部長の娘・優愛に仲里依紗。独特の雰囲気がある、ヲタク大好きな女優さんで、これから漣にどう絡んでくるのか?漣が野望達成の為の手段として近づいていきそうな気配なんだけど、どうしてどうして優愛も世間知らずのお嬢とは程遠いしたたかな感じだから、はて、どうなることやら(笑)

 

  現在、NHK大河ドラマ砲術家高島秋帆を演じている玉木さんですが、その『青天を衝け』組がけっこう出ているのが、ヲタク的には嬉しいところ。まずは漣の少年時代を演じているのが、『青天~』で渋沢栄一(幼少期)を演じた小林悠仁くん。相変わらず凛々しくて可愛い…なんであんなに瞳が澄んでいるのかしら…😊岡田健史くんが正義感溢れるキャリア組の新人刑事、また渡辺大知さんが漣の同期を演じています(メガネかけてて最初わからなかった😅)

 

  そしてそして、主題歌は宮本浩次さんの『Sha・la・la・la』❗ラスト近く、バックに流れる宮本さんの歌声はひたすら伸びやかで爽やかだった。そこで思い出すのが、ドラマ『後妻業』の主題歌だった『冬の花』。ヒロイン(木村佳乃)は、孤独な老人を騙してお金を巻き上げる、いわゆる「悪女」なんだけど、宮本さんは当時「ヒロインの健気さ、哀しみに着眼して『冬の花』を作った」っておっしゃっていて、(そうか、だからこんな哀切な、だけど最後には希望の光が感じられるような楽曲なんだ)と、宮本さんの着眼点の凄さに驚いたものです。主人公の心情を主題歌という形で表現するって、ある意味凄くないですか❗❓

 

  今回も、ストーリーを聞いてもっとダークな曲調なのかと想像していたんですが、宮本さんのことだから新たな視点で、主人公・上條漣の隠れた一面を歌で表現しているのかなぁと思いました😊

 

 先の見えない権力闘争バトル、これからますます目が離せない❗

 

 

  

 

  

 

 

ダン・スティーヴンスのロシア訛りにきゅんです♥️~Netflix『ユーロビジョン歌合戦』


f:id:rie4771:20210522123840j:image

(Iceland from Pixabay)

f:id:rie4771:20210415132837j:image

 本年度アカデミー賞歌曲賞にノミネートされている『ユーロビジョン歌合戦~ファイアー・サーガ物語』。ファイアー・サーガとはアイスランドの辺境の村フーサヴィークに生まれた主人公のラーズ(ウィル・フェレル)が、いつかビッグになることを夢見て、幼なじみのシグリット(レイチェル・マクアダムス…40を過ぎても相変わらずキュートでカワイイ)と組んでいるバンドの名前。まずのっけから、アベンジャーズマイティ・ソーよろしく、バイキングの衣装に身を固めたラーズが、アイスランド雄大な自然をバックに

ボルケ~~ノマ~~ン 私の溶けるハートをトリコにしたぁ~~

火山から来た守護者 永遠のヒーローも人を愛するぅ~~🎵

と歌いまくるシーンでハートぶち抜かれたわ(笑)

 

  村の居酒屋で細々とライブをしている二人。それがひょんなことから、ユーロビジョン歌合戦のアイスランド代表に選ばれ、さらにひょんなことから(詳しい経緯は省きます=笑)スコットランドエディンバラの本選に出場できることになり…という、「オトナの夢の叶え方」コメディ。ユーロビジョン…。欧州放送連合主催のコンテストで、各国代表アーティストはライブ放送で自らの楽曲を披露、参加国が他国に投票して大会の優勝者を決定します。日本ではあまり知られていませんが、ヨーロッパではけっこう毎年話題になります。ホンモノのコンテストさながら、ユーロビジョンのライブシーンがスゴイ迫力。個人的には準決勝に出てきたベラルーシデスメタルバンドが好き♥️

 

 ストーリーは ウィル・フェレルお得意の下ネタ&ドタバタ満載😅、だけど全編を彩る楽曲の数々は素晴らしく素敵なものばかり、アカデミー賞歌曲賞ノミネートも納得❗

(ノミネートの歌曲は「Husavik(My  hometown)」。アイスランドの自然の素晴らしさと望郷の念を歌い上げる感動的なバラードは、掛け値なしにアカデミー賞に相応しい❗素晴らしいです)

 

  そしてそしてヲタクのお目当てダン・スティーヴンス🎵(『ダウントン・アビー』『美女と野獣』『レギオン』等)ヒロインのシグリットにグイグイ迫る、本選優勝候補のロシア歌手、アレクサンドル・レムトフ役。半裸のムキムキマンたち引き連れて、若き日のジョン・トラボルタみたいなラメ衣装で歌い踊るは『愛のライオン』❗

 

結ばれよう 俺は恋する獅子 愛の狩人さ🎵

サバンナで君を高く掲げる

(↑なんて力持ちなの、ステキ😍)

あの空の上へと

 

でもってここでオトコたちがアレクサンドルのキラキラ衣装を剥ぎ取る~(*´ェ`*)

(ギャランドゥも出血大サービス、しかも手にムチ持ってる)

萌えるわ、サイコー♥️(←バカ😅)

おまけに全編見終わった後も、レムトフのリハと本選のシーンだけリピしてるヲタクはただの危険人物(笑)

 

  彼のロシア訛りの英語も完ぺきです😍ピュアでクレバーなシグリットちゃんが最後までラーズにぞっこんで、アレクサンドルにはぜんぜんなびかないのがいまいち理解できん🤷ヲタクならソッコー行っちゃうけど(笑)『シカゴ7裁判』で、アメリカン・イングリッシュを早口でまくし立てるエディ・レッドメインに萌えたばかりのヲタクですが、そう言えばダン・スティーヴンスもエディと同じケンブリッジ大学出身。大学の演劇サークルで鍛えられ、様々な訛りもお手のもの😊…しっかし、ユーロビジョンにエントリーしたアーティストを集めたパーティーで、「イギリス代表はどこ?」と聞くレイチェル・マクアダムスに、ダン・スティーヴンスが「イギリス人は世界中の嫌われ者だから来てないよ」って答えさせる脚本っていったい…(笑)


f:id:rie4771:20210415161810j:image

 

  ピアース・ブロスナンがラーズの実直で頑固者の父親役でイイ味出してます😊髭面でアイスランドの漁師、初めは彼とはわからなかった(笑)それでも若々しくて、ウィル・フェレルと並ぶととてもじゃないけど父子に見えずに困った(笑)また、ちょい役ですが、Netflixのミステリードラマ『トラップ~凍える死体』(シリーズ2まで配信中)で主人公アンドリ警部を演じているアイスランド人俳優・オラフル・ダッリ・オラフソンが出てきたのは嬉しいサプライズ🎵

 

  はじめは『私というパズル』(ヴァネッサ・カービーがアカデミー主演女優賞にノミネート)を見始めたんだけど、あまりにも辛く苦しい最初の30分で挫折😢代わりに見始めたのがこの映画。癒された~(笑)『私というパズル』は、心身共に元気な時に再挑戦しようと思っています。

 

(おまけ)シグリットはエルフ(妖精)の存在を信じていて、何かというと山あいにあるエルフの可愛いおうちにお祈りしてるのがツボ(笑)

 

  

 

本命はいつだってゲイリー・オールドマン♥️~Netflix『Mank/ マンク』


f:id:rie4771:20210522124619j:image

(Hollywood from Pixabay)

f:id:rie4771:20210414171011j:image

  ゲイリー・オールドマン、『裏切りのサーカス』、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』に引き続きアカデミー主演男優賞三度目のノミネート❗(『ウィンストン・チャーチル』では悲願の初受賞)

 

  長い間、ハリウッドでは「無冠の帝王」だったゲイリー。『シド&ナンシー』で、セックス・ピストルズの伝説的ベーシスト、シド・ビシャスを驚くべき憑依的演技で演じ切り、鮮烈デビューを飾って以来しばらくの間、カミソリのような狂気を秘めた、あるいは心に闇を抱えた屈折した人物を演じさせたら右に出る者はいませんでした。幾つものラブアフェア、アルコール依存症、家庭内のトラブル…。様々な人生経験を経て、いつからか酸いも甘いも噛み分けた自由闊達な演技、声高に叫ばなくても目の表情だけで全てを語る抑制された演技を見せてくれるように。何かに開眼した…と言うか。その分岐点が『裏切りのサーカス』だったかな😊

 

  今作品では、頑固で皮肉屋の飲んだくれ、でもシンは優しくて憎めない反骨の脚本家ハーマン J  マンキウィッツ(愛称マンク)を、かなり体重増量して(チャーチルの時はハリボテ使ったみたいだけど😅今回はあのお腹回りはホンモノみたい=笑)愛嬌とユーモアたっぷりに演じています。

 

  第二次世界大戦前、ファシズムの不吉な足音が世界に響き出していた頃。マンクは、天才オーソン・ウェルズの依頼によって『市民ケーン』の脚本作りに没頭していました。ところが、そのモデルが当時の新聞王ウィリアム・ハースト(その強大な権力を行使して、政治介入や情報操作も行っていた)だった為、彼には映画業界の大立者ルイス B. メイヤー(MGMの創設者で、彼の怪物的エピソードは枚挙にいとまがない)から様々な圧力がかかってきます。(『市民ケーン』の配給会社まで買収して妨害しようとするんだから、何をか言わんや…)

 

  一方で、当時はカリフォルニア州知事選たけなわ。「カリフォルニアから貧困をなくそう」をスローガンに、作家のアプトン・シンクレアが世界恐慌後の生活逼迫に苦しむ民衆から人気を博しており、共和党候補は旗色が悪くなっていました。メイヤーやMGMのプロデューサー、アーヴィング・タルヴァーグたちは反シンクレアの一大キャンペーンを張り、なんと彼を陥れる為のフェイクニュースまで製作していたのです。その事実を知ったマンクは、何としても『市民ケーン』の脚本を書き上げようと決意します。当時の映画人たちはある意味、上層部の権力のままに、表現の自由を奪われていたわけですよね。(今でも世界のそこかしこで起きている出来事なのかもしれませんが😅)そこにマンクは筆一本の力で抵抗しようとする。かっこいい。太っちょで飲んだくれ、口から先に生まれたみたいなかなり変則的なヒーローだけど(笑)個人的にはシェイクスピアのフォルスタッフ、思い出すなぁ😊映画会社のお偉いさんたちが会食してるとこにマンクが殴り込み?に行って、『市民ケーン』の製作意図を滔々と演説するシーンがそのクライマックス。

 

  だけどヲタクは、メイヤーやハースト、オーソン・ウェルズと丁々発止と(アルコールのせいで多少足元ふらついてますが=笑)渡り合う反逆児のマンクより、彼の「女性に弱い」フェミニストの一面が好き♥️

 

  特に、脚本の口述筆記を担当する、親娘とも年が違うイギリス人秘書リタ・アレクサンダー(『エミリー、パリに行く』のリリー・コリンズ)が、婚約者が前線で行方不明になった知らせを受け、ショックを受けるシーン。彼女をさりげなく労るマンクの眼差しが限りなく優しい😊

 

  また、マンクにいつも献身的に尽くしている為、「可哀想なサラ」と呼ばれている妻(タペンス・ミドルトン)がそのじつ、自立したキャラっていうのもちょっとしたツボだった。『市民ケーン』公開のめどが立たず、窮地に立たされているマンクにサラは…。

「子供たちは私一人で育ててきた。あなたの自暴自棄なお酒やギャンブル、浮気にも耐えてきた。あなたは私に借りがある」

「じゃあ、なぜ俺と一緒にいる?映画スター並の顔?口の上手さ?」(←マンクはこの手のジョークをいつも言ってます😅)

「あなたといると退屈しないから。ここまで尽くしてきたからには、最後まで見届ける」

20年という夫婦の歳月の重み、大人の会話。大好きなシーン😊

 

あっ、あとハーストの愛人の女優マリオン・デイヴィス役を演じるアマンダ・サイフリッド(アカデミー助演女優賞ノミネート)がどこからどう見ても1930年代アメリカの退廃的な香りふんぷん。映画『市民ケーン』を模したモノクロ画面…っていうのもあるんでしょうけど。ジャズ・エージのビッチ感満載で『グレート・ギャッツビー』のデイジー役とか似合いそう。しっかし新聞王ハースト、女優を愛人にするならわかるけど、そのために?映画会社まで作って愛人を女優にするって…。当時の財界の怪物、さすがにやることがぶっ飛んでるわ(笑)

 

   アカデミー主演男優賞、愛しのゲイリーは全く下馬評に上がって来ないけど(笑)、ヲタクの本命はいつだってゲイリー・オールドマン

 

 

  

 

  

インド社会のリアル❗❓~Netflix『ザ・ホワイトタイガー』

f:id:rie4771:20210522123120j:image

(From Pixabay)

インドを舞台にした映画と言えば、突如として歌と踊りが始まるボリウッドスタイルがすぐさま思い浮かびます。しかしこれは歌も踊りもない、インド社会の「今」を鋭く抉った社会派ドラマであり、かと思えば『スラムドッグ$ミリオネア』を思い出させる一人の青年の「成り上がり」の物語でもある、なんだかとても先鋭的なインド映画といった趣。(主人公が、「クイズに勝って億万長者になるなんて、(実際には)起こりっこない」なんてセリフも😅)

f:id:rie4771:20210413185933j:image

  

 

カースト最下層に生まれたバルラム(アダーシュ・ゴーラヴ。これがデビュー作だそうですが、新人らしからぬ演技❗)。彼のモノローグ「下層のカーストに生まれた者はニワトリ小屋にいるニワトリと同じ。いくら狭くても外の世界を知らないから、逃げようとも思わない。そして最後は人間に食べられてしまう」は、映画全体を貫くテーマ。彼が閉じ込められているのは身分制度という檻だけではありません。仕事に就いたら、一族郎党20人近くを養わなくてはならないという二重の檻。…大多数がそれを運命と疑いもせず甘受しているのに、バルラムは、ニワトリ小屋が自分の唯一の世界だとは到底納得できなかった。彼は、運命に従い、全てを受け入れて生きる大多数の人々の中では異質の「ホワイトタイガー」。バルラムは、「インドのカーストはたった2つ。腹が膨れている者とぺちゃんこの者」と言い放ち、腹一杯食べることのできる生活を目指して行動を起こします。地元一の富豪の家に下っ端の運転手として潜り込んだ彼は、あらゆる(時には汚い)手を使って「ご主人様」に取り入り、憧れの生活を手中にしようとしますが…。

 

  彼が仕えたのは、富裕な家に生まれ、アメリカに留学して経営を学び、アメリカ育ちのインド人の妻を伴って母国に帰国したアショク(ラージクマール・ラーオ)。アショクは「アメリカ第一主義」で、ゆくゆくはアメリカで起業を夢見ています。バルラムは、そんなアショクのアメリカ志向を内心(時代遅れだ)と思っているフシがあり、インド独自のビジネスモデルを立ち上げるべきだと考えるのです。そんなある夜、アショクと妻のピンキー(ミス・ワールド出身のプリヤンカ・チョープラー。ゴージャスなセレブ感ムンムンで息苦しいくらい=笑)のお供で出かけたバルラムは恐ろしい出来事に遭遇し、彼の運命の歯車は大きく変転していきます。

 

  夫も私もそれぞれインド人と仕事をしたことがありますが、カースト制度と宗教がいまだに彼らの意識、価値観、生き方全てを縛っているような印象を受けましたね。当時娘が看護師を目指していたので(結局方向転換してしまいましたが😅)、夫がインド人の通訳の女性(上層カースト出身)にそれを話したところ、「まともな家の女性はそんな職業につくべきではない」と言下に切り捨てられて、真底驚いたそうです。戸籍制度も整っていないので、出先で行き倒れても、身元がわからない場合が殆どだそうです。その話を夫から聞いた時、大国インドが遠くない将来、中国に互して世界経済の覇者になるだろうと言われながら、中国のリードを許しているのも、こんなところに理由があるのかな…と思ったものでした。

 

  この映画は、バンガロール(インドのシリコンバレーと言われている街)で起業したバルラムが、どうやってここまでのしあがってきたのか、自らの半生を振り返るストーリー展開。アメリカ第一主義だったアショクとは真逆で、中国とのビジネスを始めようとしている彼。「世界は茶色(インド)と黄色(中国)に支配されてるんだ❗」という彼自身のナレーションが入りますが、パキスタン問題等を内包する現在のインドと中国の微妙なバランス関係を考えると、一見成功者に見えるバルラムにも、危うさを秘めた将来が予見されるような気が…。

 

  同じインドを舞台にした映画でも、まるでアメリカンドリームをインドで体現したようなアーミル・カーンの一連の作品とは真逆の、ブラックで苦い後味。彼が今の地位に上り詰めるきっかけになる出来事、ネタバレになるのでここには書きませんが、彼が「ニワトリの檻」から逃げるにはこの方法しかなかったのか?…と考えると(彼自身は、「この方法しかなかった」と断言していますが)、いまだにインド社会が抱える問題の根深さに戦慄します。

 

  これだけリアルにインド社会に根深く存在する格差を描いた作品ながら、脚本・監督を担当したのはイラン系アメリカ人のイラン・バーラニ。ちょっと離れた視点に立ったほうが客観的に物事を描けるのかもしれませんね。

 

アカデミー賞脚色賞にノミネートされている作品です😊

チャドウィック・ボーズマンの衝撃~『マ・レイニーのブラックボトム』

f:id:rie4771:20210522141400j:image

(Chicago from Pixabay)

「 ブルースの母」と呼ばれた実在の歌手、マ・レイニーがシカゴでレコードを録音する、スタジオでの1日を描いた映画。

劇中で披露されるのがレコードの中の1曲『ブラックボトム』なのです。

 

f:id:rie4771:20210411075834j:image

 

 

冒頭の、南部のテント・ショー、子飼いのバンドやダンサーたちを侍らせ、人生のパワーと楽しさを爆発させるように歌うマ・レイニー。観客もマと一体になって、そこにいる誰もが幸せそう。当時、南部諸州では交通機関、学校、レストラン、娯楽施設などで黒人分離政策が適用されていました。「隔離はしても平等」の名のもとに…。勿論これは詭弁であって、理論的にはこれ以上の差別はありません。しかし、黒人のみで「隔離された」テントの中で歌い踊るマ・レイニーの弾けるような笑顔…。

 

  ところがどうでしょう。レコーディングで北部シカゴにやって来たマは、高級車に乗りきらびやかな衣装は身に付けているものの、目は虚ろで常にイライラし、白人のレコード会社の重役やマネージャーにはハナからケンカ腰。確かに、白人と黒人の融合政策がとられていた1928年当時の北部でマは白人たちと交わるようになった。ところが、彼女の口から語られるように、「(白人の)マネージャーから自宅に呼ばれたことなんて一度きり。あいつらは私の才能を食い物にしているだけ」それは、自らの才能だけを頼りに、業界の白人たちと渡り合い、ねじ伏せる闘争の日々の始まりでした。

 

  一方、マを待つ間スタジオで待機しているバンドマンたちの間でも、さまざまな人間模様が展開し、同じ境遇だからと言って必ずしも1つになれない、はじめは小さな亀裂だったものが、時間が経つに連れそれが大きくなり、取り返しのつかない分断になっていくさまが乾いたタッチで描かれていきます。

 

  幼少期に母親を白人の若者たちにレイプされ、そのトラウマから「いつか有名になって白人たちをひざまずかせてやる」という一念に取り憑かれているトランペッターのレヴィ役に、先頃43才の若さでこの世を去ったチャドウィック・ボーズマン。登場した時からもう、涙が止まらない😢なぜって、ガンに蝕まれた彼の身体は痩せ細って『ブラックパンサー』の時と比べると半分くらいになってる…。自らが置かれた境遇を受け入れられず、天に向かって「神などいない❗いるなら今この俺を殺してみろ❗」と絶叫するレヴィは、栄光の最中に世を去らなければいけなかったボーズマン自身に重なり、心抉られて画面を正視できませんでした😢

 

 

 

  自由の国アメリカ、平等の国アメリカ。能力さえあれば人種を超えて「成功できるはず」だったアメリカ。しかし、その果てにあったものは…❗❓

 

  レコーディングを終え、ギャラの200ドル(たったの200ドル!)を受け取って再び高級車に乗り込むマ・レイニー。その虚ろな視線の先には何があるのか❓…一方、マお抱えのバンドマンたちの間には、取り返しのつかない悲劇が起きようとしていました…。

 

  差別とか、ヘイトとか、時代のせいだとか、そんな単純な言葉では言い表せない様々なテーマが、「スタジオでの1日」にぎゅっと凝縮されたような映画。チャドウィック・ボーズマンの人生を最後に彩った入魂の演技をぜひ❗(マ・レイニー役のヴィオラ・デイヴィスも素晴らしい)

 

  ジャズ好きにはたまらない、当時のレコーディング風景と、マ・レイニーがいみじくも「人生そのものだ」と語る、哀切で憂いを帯びたブルースの調べが魂に染み入ります。そして、映画の最後にマ・レイニー自身の当時の貴重な音源が流れます😊

(Netflixで配信中。)

 

 

アメリカ英語を話すエディ・レッドメインに…😍Netflix『シカゴ7裁判』

f:id:rie4771:20210522141014j:image

(From Pixabay)

1968年アメリカ大統領選を控えた8月28日、民主党大会に合わせてベトナム戦争反対の平和的デモを行うはずだった各反戦団体のリーダーたち。しかし、彼らの思惑とは真逆の方向に事態は進み、警察隊とデモ隊の武力衝突によって数百名の怪我人が出るという最悪の結果に…。

 

  社会問題を真っ向から取り上げた骨太な作品だというのに、お題にある通り、萌えポイントが「アメリカ英語を早口にまくし立てるエディ・レッドメイン」だなんて…😅ホントにミーハーでスミマセンm(_ _)m…でも、久々に見るエディはマジでカッコよかったのよ…。英国演劇界ではオシャレ番長のエディだけど、アイビールックも萌え~~😍

f:id:rie4771:20210407202320j:image

    …で、『シカゴ7裁判』ですが(笑)各グループのリーダーである彼らは暴動扇動罪のかどで起訴されるんですが、彼らにとって不幸だったのは、起訴されてから裁判に至るまでの間に政権が民主党から共和党に移ってしまい、当時の大統領が後年「アメリカ史上最も腐敗した大統領」と言われたニクソンだったこと。民主党時代の法務長官(マイケル・キートン❗相変わらずダンディ)は、彼らの行動は起訴に値しないと言っていたのに、政権が変わったとたん、ガチガチ保守派の裁判長(フランク・ランジェラ…昔むかしドラキュラ役を演じた時は黒髪のセクシーイケメンだったのだが、もはや髪の毛の色も定かではない=笑)があの手この手で彼らをつぶしにかかる。検事に対してすら、彼らを何とか有罪に持っていこうと圧力をかける始末。

被告人や弁護士に向かって「法廷侮辱罪❗休廷❗」って言ってるだけが裁判長の仕事ぢゃないぞ❗

思わず画面に向かって叫んだヲタク。

 

  7人の中では一番温厚な性格のデリンジャーという中年の反戦活動家でさえ、裁判長の挑発に乗って拘束しようとした警官を殴ってしまう。自分でも自覚していない暴力性が、他者の暴力によって呼び覚まされる瞬間。このシーンは怖いです😭息子さんが裁判見に来ていてね、お父さんの姿見てショック受けて…。見ているこっちがツラい😭😭

 

  そもそも7人は同じ罪で起訴されたとは言え、思想も行動原理も見事にバラバラ😅無罪を勝ち取る為にどうしたらいいかを考える民主社会学生連盟(SDS)代表トム・ヘイデン(エディ・レッドメイン)に反して、アビー・ホフマン(サシャ・バロン・コーエン…写真を見ると本人クリソツ😅彼の演説シーンは映画のクライマックス。アカデミー助演男優賞ノミネートも納得)は法廷闘争を通じて、いかに自らの活動をアピールするかしか考えておらず、ブラックパンサー党の面々は手負いの獅子の如く暴れまわり…😅ドラマ『ミセス・アメリカ』のフェミニストたちと同様あまりにも分断が深刻で、果たして彼らと弁護士のチームは裁判の落としどころを見つけることができるのか…❓と、どんどん目が離せなくなる見事なストーリー展開。だからこそラスト、トム・ヘイデンの答弁で敵も見方も一体となっていくさまが、深い感動を呼ぶのです。

 

脚本・監督は『ソーシャル・ネットワーク』でアカデミー賞脚色賞を受賞したアーロン・ソーキン❗面白くないわけがない😊『ソーシャル・ネットワーク』もそうだったけど、作品のテーマと同時に、端役に至るまで「一人一人の人間性がバッチリ描かれている」点が何よりも素晴らしい。

 

  アメリカには、権力側の恥部を容赦なく抉り出してリベラリズムを追求しようとする映画の系譜がありますよね。古くは『大統領の陰謀』から最近では『ペンタゴンペーパーズ』『スポットライト~世紀のスクープ』等々。こういう映画を見る度に、自由と平等の為に闘い、社会変革の一翼を担おうとするアメリカ映画人の気概はやっぱり凄い…と思ってしまいます。

 

  しっかし、今年のアカデミー賞Netflixの一人勝ちだな…。

 

  

 

  

池田エライザ~メロウな歌声「松本隆トリビュートアルバム」

 今朝、朝食のフランスパンを頬張りながら見てた「グッドモーニングショー」。

 

  画面で突然、池田エライザが『Woman~Wの悲劇』を歌い出したもんだから、思わず顎動かすの止めた(笑)

 

  歌い上げるは松本隆 × 呉田軽穂(ユーミンペンネーム)という最強コンビによる『Woman~Wの悲劇』❗「透明感の女王」薬師丸ひろ子のカバー。薬師丸ひろ子と言えばあの最旬俳優・柄本佑がもう好きすぎてまともに話が出来ないくらい最強な万年聖少女(聖性に年齢は関係ありません=笑)

 

  池田エライザ薬師丸ひろ子と真逆のイメージかと思えばそうでもなくて、その振り切った演技に園子温監督から「池田エロイザ」の尊称を贈呈されたかと思いきや、MCを務めていたNHK『The Covers』歌声を披露する時には顔は青ざめて「震えが止まらない」との心情を吐露するなど、アンビバレントな魅力に溢れてる。言わば「純情エロティシズム」とも言うべきその歌声は、ほんの一小節聞いただけでも、聴き手をノックダウンできる破壊力でしたことよ。

 

エライザ嬢、  我が愛する推し宮本浩次さんの『The Covers』出演回、借りてきた猫みたいに座ってる宮本さんに歌いながら近づいていったら、宮本さんますます硬直化😅リリー・フランキーさんに「ぼったくりバーの客みたい」って言われてましたっけ。ただ歌いながら近くに寄ってっただけなのに、ぼったくりバーって…(笑)そう言えば エライザ嬢、この度『The Covers』のMCご卒業とか。寂しいなぁ~。リリーさんとのゆるい掛け合いも、宮本さんとのちぐはぐな❓😅ツーショットも楽しみにしてたのに…。

 

  エライザ嬢のメロウな歌声聴いていたら、ぜひいつか、ジャズのスタンダードナンバーを歌って欲しいって思っちゃいました🎵「ニューヨークのため息」と称されたヘレン・メリルの「You'd be so nice to come home to」とか聴いてみたいなぁ~。

 

  やはり彼女の歌声は、固いフランスパンよりお酒🍸が似合う😊

これは私たちの物語…『ノマドランド』

ネットで近所の上映館を調べようとしたら、映画のジャンルが「西部劇」になっていてビックリした(笑)

 

  映画の中で、ヒロインの姉の「ノマドって開拓民じゃない?アメリカの伝統なのよ」っていうセリフが語られ、その為か、ノマドをニューフロンティアとして捉える視点も、確かにアリだと思います。

f:id:rie4771:20210406170936j:image

  

 

…しかしヲタク的には、それよりもむしろ、アメリカ人の価値観や生き方の中に、新しい潮流…あえて言わせてもらえば、東洋的生き方の潮流が生まれてきた…という感じがしてならならないんですね。数年前からNetflixで配信されている「住宅ローンを組まずに家を建てる」や、「タイニーハウス」シリーズがアメリカで人気なのも、かつては「大きいことはいいことだ❗」だったアメリカが、確実に変わりつつあることを象徴している気がします。監督が、中国系アメリカ人のクロエ・ジャオだというのも、決して偶然ではないでしょう。

 

  昔から、物質文化の鬼、消費のモンスターだったアメリカ。昼夜を問わずバリバリ働いて、でっかいマイホーム建てて、高価な家具や調度品で飾り立てる。それがあるべき幸せの形。より高価なモノをより多く「所有している」者が勝ち組。アメリカを10年後から追いかけているという日本人は、かつて「24時間働けますか?」が合言葉のエコノミックアニマルだったけど、アメリカのエリートリーマンたちはそれどころじゃない、能力一本主義であるがゆえに、その人生はもっと過酷を極めることは、例えば映画『クレイマー、クレイマー』を見れば一目瞭然。

 

  仕事人間だった夫と、そんな典型的アメリカの中流家庭を築いていたファーン(フランシス・マクドーマンド)。しかし半生を捧げた企業も、それに伴って発展した街も突如として閉鎖され、愛する夫はガンで世を去った。職も住む所も家族も一挙に失ったファーンが余生の暮らしとして選んだのは、おんぼろのヴァンに最小限の荷物と思い出を詰め込んで、所々で短期の働き口(肉体労働)を見つけながら流浪していくノマド生活だった…。

 

 ノマドの人たちは何らかの形で、ステロタイプな「幸せのかたち」からは外れた人たち。心に喪失感を抱えた人たち。しかし生き方を同じくする彼らは一年に一度荒野の真ん中で集いを開き、縁を深め、「いつかまた、会いましょう」を合言葉にまた、それぞれの旅に出掛けていく。だから彼らの挨拶に「さよなら」はない。

 

  そこかしこにサボテンが屹立する砂漠地帯、どこまでも続く一本道、荒野の果てに沈む壮大な夕陽…。スクリーンの大画面に写し出される大自然は、まごうことなく「アメリカ」そのもの…なんだけど、その底に流れるのは、私たち日本人さえ忘れてしまった「東洋的なもの」だと感じるのはヲタクだけ?😅

 

  思い起こせば、あのゴータマ・シッタールタは栄華の極みだった王宮生活を自ら放棄し、悟りを開いてブッダとなってからは、弟子たちとインド全土を放浪する旅に出た。日本では、芭蕉種田山頭火若山牧水も。欲や執着から解き放たれ小欲知足、大自然の中で風のまにまに自由に生きる。そして最後は、再び地に還っていく。こういう価値観は、私たち日本人のDNAに組み込まれているような気がしてならない😊

 

  ヒロインのファーンを演じるマクドーマンドさん、シリアスで追い詰められた状況に立たされている筈なのに、そこはかとないおかしみというか、ユーモアと逞しさを滲ませた演技がまたいい味出てるんですよねぇ。内心彼女のノマド生活を憐れんでいるらしい友人から、「車(ヴァン)の名前は?」って聞かれて「ヴァンガード(先端、先鋭的なという意味)よ」ってサラッと答えるとこなんて、マジでカッコいいっす。

 

  そろそろ終活を考えなくてはいけない年代に片足を突っ込んでるヲタク。『ノマドランド』は、そんなヲタクにとって人生の新しい指針を示してくれたような気がします。

 

…必要なことはみんな、映画が教えてくれる。

今までも、そしてこれからも😊

 

  

  

 

 

 

 

どうしちゃったのよ、マット・ボマー❗~Netflix『The sinner シーズン3』

f:id:rie4771:20210402071615j:image

  アメリカのミステリードラマにしては珍しく「イヤミス」感たっぷりな『The Sinner~隠された理由』。やっとこさシーズン3までたどり着いた(笑)

 

  何しろテーマが重くて、主人公のアンブローズ刑事(ビル・プルマン)が犯人の闇の心理にどんどん入り込んでいって事件解決するもんだから、見ているこっちもいろいろ考え込んじゃって、並行して見ていた『ディスカバリー・オブ・ウィッチズ』(U-NEXT)みたいに2晩くらいでサクサクイッキ見…というわけにはいかない(笑)

 

  『The Sinner~隠された理由』(シーズン1~3Netflixで配信中)は、副題でも想像できるように、犯人が殺人を犯すシーンから始まるのですが、その動機が皆目わからない。主人公の熱血刑事アンブローズがそれを探っていくうち、犯人の動機と、これまで歩んできた人生(大概は闇深い😅)が露わになっていく…という展開で、私たち視聴者は、アンブローズと共に、罪深き者(The Sinner)の心の謎を解き明かしていくしくみ。『シーズン2~ジュリアン』では何しろ犯人が13才の子どもで、刑事告訴されて(アメリカでは犯罪内容によって未成年でも刑事裁判の被告人になる)、もうその子の罪を犯すまでの成育過程が悲惨すぎて、見ている間ずっと胸が痛くて…😭(まあ、最後にはアンブローズ刑事の奮闘により、その子の人生に希望の光が射したところで終わって、後味は悪くなかったんですが…)

 

  でもってシーズン3、主人公を演じるのが「世界で最もハンサムな顔ランキング」常

連、ヲタク的には「世界一スーツが似合うイケメン」マット・ボマー(ドラマ『ホワイトカラー』)だと知って、見る前からヲタクの気分はアゲアゲ(笑)ところが見始めると、マット演じるジェイミー・バーンズ、高校教師で学生たちを指導する立場にありながら、いかんせん自分自身が自己確立ができていない「困ったちゃん」の「かまってちゃん」😅まもなく赤ちゃんが生まれるというのに、身重の奥さんに「人生には生まれてくる価値があるんだろうか」とか言い出したり、大学の進学相談に来た生徒に「大学進学は無意味だ」とか言い放ったり…。

まっしかし、それにガマンして見続けていると、唐突にマットのとんでもないサービスショットが…。ヲタクは、(あー、ガマンして見てて良かった)と思ったもんです(⬅️バカ😅)

 

 

おーいー、どうしちゃったのよ、マット・ボマー

って、思わず画面にツッコミたくなったヲタク。しっかりしてくれよ先生、って感じ。

まあ、マットのせいじゃないけど(笑)

 

 〈あらすじ〉

  ある画家の所有する広大な私有地で、車が木に激突し横転。男性二人が同乗しており、運転者のニックは死亡。助手席にいたジェイミー(ボマー)は九死に一生を得た。最初は単純な自損事故と思われたが、捜査を担当するドーチェスター署のアンブローズ刑事(ビル・プルマン)は、ニックは応急措置をすれば助かった可能性があったにも関わらず、彼の携帯はジェイミーにより故意に投げ捨てられたこと、長時間連絡を怠っていたことから、故殺に相当するのではと疑う。大学時代友人関係だったという二人の関係は異常で、死亡したニックはニーチェのウーバーメンシュ(超人)思想に傾倒しており、ジェイミーは彼に洗脳されているような状態だったらしい。アンブローズ刑事はジェイミーの苦悩を感じ取り、真実を明らかにしようと動き始めるが…。

 

  シーズン1、2でもそうでしたけど、アンブローズ刑事って非常にヒューマニズムに溢れた熱い人で、「罪を憎んで人を憎まず」というか、辛く悲しい過去を背負った被告人の心情を理解しようとしているうちに、次第に相手との心理的な境界線があやふやになってくる。今回ジェイミーに対しては特にその傾向が顕著のような…😅家族の縁の薄い孤独なアンブローズ刑事、まるでジェイミーの中に息子の影を見ようとしているかのよう。

 

  アンブローズ、シーズン1では特異な性的嗜好のシーンがけっこうあってビックリしたけど(笑)シーズン2で過去のトラウマが明らかになったせいか、そういった生臭い側面はシーズン3では陰を潜め、すっかり好好爺っぽくかなってます。それに今回は坐骨神経痛を発症してて、若いジェイミーを追っかけるのに足を引き摺ってて痛々しい😅

 

  シーズン4まで製作が決定しているそうですが、それまで体大事にしてね、アンブローズ(笑)

トム・ヒューズ、クリストファー・マーロウ役で登場❗~『ディスカバリー・オブ・ウィッチズ 2』

f:id:rie4771:20210522142252j:image

(From Pixabay)

ああっ、トム・ヒューズの記事書けるの、もんのすごく久しぶりだわぁ~~(* ´ ▽ ` *)

 

  作品が公開されなくてもジャクロくんの場合はTwitterやインスタあるから次回作のこととか情報が入ってくるし、性格もオープンで分かりやすいけど、トムの場合はSNSやってないし私生活も超秘密主義で有名。こっちは公に告知された情報で勝手に妄想を膨らませるしかない(笑)まっ、それはそれで楽しいんだけどね。

 

  ヲタクが今一番ドハマリしている英国製ドラマ、Sky channelの『ディスカバリー・オブ・ウィッチズ』(シーズン1のあらすじや感想については、昨日3月31日にUPした拙記事を参照して下さいまし😊)。シリーズ1を見終わっても興奮冷めやらず、新たな情報を得んと公式Twitterをフォロー、UPされていたシーズン2のTrailerを見ていたら…。

な、なんと、トム・ヒューズが出てるじゃないかーーっ❗

Trailerの宣伝文句の通り、So exciting❗


f:id:rie4771:20210403212746j:image

シリーズ1のラスト近く、自由に過去や未来を行き来できる魔術「タイムウォーク」の使い手であることが判明したヒロインのダイアナ・ビショップ(テリーサ・パーマー)。シリーズ2で、彼女と恋人の吸血鬼マシュー・ド・クレアモント(マシュー・グード)はタイムスリップして、なんとエリザベス1世の統治する16世紀テューダー朝の英国へ❗

 

  トムくんは、実在した詩人であり、シェイクスピアの先達とも言える劇作家のクリストファー・マーロウを演じるもよう。シーズン1のラスト、ダイアナとマシューがまさにタイムウォークをしようとした時、マシューが「当時の数少ない友人の一人で、万霊節と万聖節の晩には、よく集まった」「彼との賭けに負けて、チェスの駒(デーモンのナサニエルと結婚したソフィーからダイアナが渡された月の女神の駒ですね😊)を失った」と語りますが、その彼こそがクリストファー・マーロウなのです。

 

  当時、国内外から数々の刺客に狙われていたエリザベス1世は、身を守る為に子飼のスパイ軍団を擁していたことでも知られていますが、マーロウはスパイ軍団のボスであるウォルシンガム卿のもとで諜報活動を行っていたと言われています。29才の若さで彼は非業の死を遂げていますが、現在では、諜報戦の末何らかの口封じの為に暗殺されたという説が有力のようですね。その他にも謎に満ちた生涯だったようで、トムくんのミステリアスなムードにピッタリだわ~😍ドラマ『The Game』(暗い秘密を抱えたMI5のスパイを演じた)、『終わりなき世に生まれつく』(原作:アガサ・クリスティ)や、昨年公開された映画『ジョーンの秘密』と同様、「危険な香りのする男」が似合うのよね、彼💕

 

  マシュー・グードテューダー朝英国貴族の衣装が似合いすぎてるし。口髭生やしてよりワイルド&セクシーな感じになってるな~。シーズン2でも相変わらず…

イケメンが過ぎるぞ、マシュー❗(笑)

 

  あー、早くシーズン2が見たいよう…😭

Come on, please❗ I can't wait❗

 

 

https://twitter.com/adiscoverywitch/status/1337464533766598657

ジャック・ロウデン、007候補ってホント❗❓


f:id:rie4771:20220407140222j:image

 ジャクロくん、 ロンドン・タイムズ紙により実は出身地がスコットランドではなく、エセックス州チェルムスフォードであることをバラされる~~❗

 

  …って、私たちファンの間ではもうとっくに知られてる事実だよねぇ❓😅去年のスクリーン誌の「英国俳優人気投票」にもしっかり「ジャック・ロウデン~出身地 チェルムスフォード」って書いてあったし。

 

  ジャクロくん、ネット最強の映画データベースと言われているIMDB :(The Internet Movie Database)に対し「出身地=チェルムスフォード」という情報を削除して欲しいと申し入れたそうで。「なぜそこまでするのか?」とのタイムズ紙の問いに、「エセックス州の訛りで話せって言われてもヤだし」(⬅️これはたぶん、ジャクロくん流の冗談😅)「それに、スコットランドの人たちにまがい物を売りつけられたみたいに思われるのもね…」(⬅️これはたぶん、半分ホンネ=笑)

 

  そうかなぁ~。生まれ故郷でもないのにさ、ジャクロくんにそんなに気に入ってもらえて、「ボクは生まれはイングランドだけど、スコットランドに来てスコットランドを心から愛して、スコットランド人になることを自分で選択したんだ。だからボクの故郷はスコットランドだよ❗」って言われたら、スコットランドの人たちめちゃくちゃ嬉しいと思うんだけど😊

 

  ヲタクだって「ワタシ、ハマっ子ですっ❗」ってあちらこちらで言い回ってるけど実は、生まれた場所は東京の目黒区平町ってとこなんだよね😅…でも物心つく前に引っ越しちゃったし、成育過程において自分自身多大な影響を受けたのは横浜の街だし、心から横浜を愛してるから、故郷はやっぱり横浜だって思ってる。Hometownって、単に生まれた場所…ではないのはもちろんだけど、だからといって否定したり隠したりする必要はないと思うよ、ジャック😊…まっでも、裏を返せばそれだけイングランドスコットランドの間には深い溝があるってことか…。

 

  …それよりさ、タイムズ紙に

ジェームズ・ボンド候補の一人に挙がっているジャック・ロウデン

って書いてあったんですけど❗❗❗

そ、そーなの❓初耳なんだけど❗❗❗

さかんにトムハを007候補に推してたのは知ってるけど…。

 

 上の一行を読んで、 いきなりテンションMAXになるヲタクなんでした、ぢゃん、ぢゃん❗

その美男(イケメン)、吸血鬼につき~マシュー・グード in『ディスカバリー・オブ・ウィッチズ』

f:id:rie4771:20210522142519j:image

(Oxford from Pixabay)

It begins with absence and desire.

それは欠如と欲望から始まる

It begins with blood and fear.

それは血と恐怖から始まる

It begins…

それは…

A discovery of witches.

魔女の発見から始まる

(毎回このオープニングがめちゃくちゃカッコいい❗)

f:id:rie4771:20210330194831j:image

 

 

 

 全米一の大ベストセラーのドラマ化で、英国では視聴率No.1を獲得したというファンタジーラブロマンス『ディスカバリー・オブ・ウィッチズ』(残念ながら、今のところ日本ではあまり評判になっていない…😅)

ヲタクは、U-NEXTで鑑賞。

 

〈あらすじ〉

  セーレムで処刑された魔女の直系であるヒロイン、歴史学者のダイアナ・ビショップ(テリーサ・パーマー)。彼女は自らの出自を嫌い、一人の学者として生きようとしていたが、就職先のオックスフォード大学図書館で偶然、魔女やデーモン、吸血鬼など「クリーチャー」と呼ばれる種族たちの所謂『種の起源』を著した、クリーチャーの垂涎の書『生命の書』を発見する。その書を治める者はクリーチャー全体を治める者。吸血行為が上手くいかずに存亡の危機に立たされている吸血鬼一族のマシュー・ド・クレアモント(マシュー・グード)はその書を手に入れようとダイアナに近づくが、それは危険な、禁断の愛の始まりだった。マシューに対する愛によって、次第に自らの魔女としての能力に目覚めていくダイアナ。彼女が幼少期の頃の両親の死の謎も絡んで、愛し合う二人はクリーチャーたちの世界戦争に巻き込まれていく…。

 

 お話の始まりは、英国はオックスフォード大学(主人公二人ともオックスフォード大学で教鞭をとる学者って設定なんで😅)。歴史学者であるヒロインのダイアナが幻の古書を手にとるところも、オックスフォードの図書館だからいかにもそれらしいし、ワクワクしますよね。そう言えば『ハリー・ポッターホグワーツ魔術学校の大広間や図書館はオックスフォード大学で撮影されたんでしたっけ。(最初の写真参照)

オックスフォード大学は人外魔境によく似合う(笑)

 

クリーチャーは世界中に散らばってるから、いながらにして英国だけではなくヴェネチアアメリカ、フィンランドの湖、フランスの古城等に旅行している気分になれるのもGood❗

 

…しかししかし、このファンタジー通俗的なロマンスで終わらず、どこか古典文学の映像化を見ている気分になれるのは、ヒロインの相手役の吸血鬼にマシュー・グードをキャスティングしたことでしょう💕…これにつきるワ(笑)

 

 

  マシュー・グードと言えば、『イミテーションゲーム』や『マッチポイント』『ダウントン・アビー』等で、典型的な英国紳士の役がぴったり…のイメージがありますが、ある映画で、初めはいかにもジェントルな優男ふうに登場しながら、次第にサイコパスな素顔を見せ始める…っていうのがあって、案外ハマってたんですよ❗彼の最大の魅力である、澄んだ紺碧の湖のような瞳が、その時ばかりは底知れない無気味さを湛えて…いやぁ、怖かったっす((( ;゚Д゚)))また、映画『シングルマン』(トム・フォード監督の処女作)では若くして事故死したコリン・ファースの恋人役。追想場面にしか登場しないんだけど、死してなお、知的で分別のある大人の男を呪縛し、狂わせる小悪魔的な感じが凄く魅力的だった…。してみるとじつは…

マシューって人外さんがぴったりな人だったんだわ❗(笑)

 

  吸血鬼って相手の血を吸って仲間にしちゃうわけだから、吸血とは言わば彼らにとって性愛~種の繁栄に繋がる行為。しかしこのドラマでは、吸血鬼一族は血を吸っても相手が生き返らず、種の繁栄は望めない…っていう問題を抱えてる。だから、マシューはダイアナを傷つけないよう、その衝動を抑えに抑えるわけ。その時のね、苦悶と恍惚がないまぜになった彼の表情がもう、絶品なんですわ。セクシーな吸血鬼っていえば、ヲタクの中では今までゲイリー・オールドマンがぶっちぎりの1位だったけど(映画『ドラキュラ』1992年 : フランシス・コッポラ監督)、このドラマ見て大いに揺らいでおります(笑)

 

  英国ではすでにシーズン2が放映されたそうですが、日本では人気がないと新しいシリーズがなかなか動画配信されないので、このブログを読んで興味を持たれた方はぜひ❗(GYAOでも配信されてるみたいです)


f:id:rie4771:20210331135514j:image

(Oxford from Pixabay)