オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

マイク・フェイスト、カンヌ国際映画祭(2024)でショパール・トロフィー受賞❗


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 「(ヲタクの熱烈推し)マイク・フェイストがカンヌ国際映画祭に❗」……という記事を読んで、「え❓全米で話題沸騰中の新作『チャレンジャーズ』(監督 ルカ・グァダニーノ、共演・ゼンデイヤ)はもうすでに公開が始まったからプレミア公開でもないし……」とアタマぐるぐる🌀なヲタク。おまけにデミ・ムーアと腕組んじゃって良さげな雰囲気だから、(すわ、※年下キラーのデミ・ムーアにカンヌに到着早々ロックオンされちゃったか❗❓)とやきもきしましたが、マイクがカンヌ国際映画祭ショパール賞を受賞すると聞いて納得(笑)

※16才年下のアシュトン・カッチャーと一時結婚してたからねぇ。……マイクとは29才差だからさすがにそれはないか(^_^;)

 

 ショパールはご存知の通り全世界憧れのジュエリー&時計ブランド。カンヌ国際映画祭では、パルム・ドールをはじめとする全てのトロフィーをショパールが制作しています。今回マイクが受賞するショパール・トロフィーは、前途有望な若手俳優に贈呈されるもので、例年男女1人ずつが選ばれ、プレゼンターはベテラン俳優が務めます。今回は、一番上の写真でわかるように、マイクと※ソフィー・ワイルド(左)が選出され、デミ・ムーアがプレゼンターを務めるんでしょうね。

※A24のホラー映画『トーク・トゥ・ミー』で素晴らしい演技を見せたソフィー・ワイルド。この作品の演技で彼女は、AACTA(オーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞)主演女優賞受賞、BAFTA(英国アカデミー賞ライジングスター賞ノミネート。これから大注目の女優さんです。


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じつは、ヲタクのもう一人の推し、ジャック・ロウデンが一昨年の2022年に同賞を受賞してるんです。その時のプレゼンターはジュリア・ロバーツでした。
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 『ウェストサイド・ストーリー』の時は、新人のレイチェル・ゼグラーを気遣って、パーティの時はいつも彼女のエスコート役を引き受けていたマイクでしたが、カンヌはお初で慣れてないし、相手が海千山千のデミ姐御とくれば、何やら引き摺られ……いやもとい、エスコートされてる感ありありですな(笑)

裏『BON』を呟いてみる〜Number_i in Mステ 2024.5.16


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  わわわわ、や、ヤバくなかったですか❗❓今日のMステ、Number_iの『BON』。今日は盂蘭盆会……いやいや違う違う、ヲタクの裏『BON』考察を語ってみたいと思います。

 

 紫耀くんプロデュースって聞いた時から、『GOAT』の流れを汲むゴリゴリのヒップホップかなと想像はしてたけど、『BON』はある意味『GOAT』を超えてきた気がする。『GOAT』は曲とダンスパフォーマンスがキンプリ時代とはガラッと変わった先鋭的なもので、昔からのファンの方々はびっくりしたと思うけど、彼らの佇まいはまだどこか少年っぽくてアイドルの甘さを残していたように思う。しかし…しかし…今回の『BON』は……

風来坊 NOT アイドル NO NO

 

大人エロすぎる!笑

 

『Blow Your Cover』は叙情的な「切なさ」が加味されてたからまだマイルドだったけど、『BON』のエロティシズムはもっと原始的で、土くさくて、体内の欲望をストレートに呼び覚ます感じなのよ。『FUJI』にもそれは感じたけど、今回はもっと凄い。ヲタク的には、盆栽というより、盆踊り(明治時代以前限定)のBONかな。例えば、江戸時代の盆踊りの会場は現在で言うクラブ、それもかなりいかがわしいクラブだったわけです。一緒に踊った村の男女が手を取り合って周囲の茂みに消えていく……っていう。もし子どもが出来て男が怖気づいて逃げちゃったら、村のじいちゃんばあちゃんたち(もちろん他人)が「子どもは村の財産じゃ、みんなで育てるんじゃ」とか言って面倒みてくれる……っていうね。何にせよ大らかな時代。サザンの『盆ギリ恋歌』の世界観です、ハイ。(去年の夏は『盆ギリ』聴きまくってたけど、今年の夏は『BON』ね😉)

なーーんて良からぬことを考えてたら、ジンくんの

あゝ 夕焼け盆踊り 踊る一億人

がキタ〜〜〜〜❗

 

わわわ、ジンくんの艶っぽい歌声に合わせて日本人全員が踊り狂うのね、そして、漲る欲望のままに№¥&‡@%€$℃<✕℉……ってか。ちょっとヤンチャをすればよってたかって袋叩き、コンプラだらけの今の世の中、こういう野生をどこかに置き忘れてしまった私たち。

この曲だってお前が価値を決めるんだ

 

迷ってる暇なんてない Goes On

で、岸くんがぐいっと歯を噛みしめる表情、めっちゃセクシー。なんでこんなに決め顔がいつもいつも素敵なんだ、この人。

 

世界を背負う BAD BOY

乗り込みな

To be in the world(with you)

行くぜ行くぜ、どこまでも❗

 

 紫耀くんが曲の前に説明してくれたように、彼らがここで表現したいテーマは、アーティストとしての決意表明であったり、いつも支えてくれるファンへの感謝だったり、もっと真面目で誠実なものなんだと思うけど……。妄想の羽を好き勝手にはばたかせている汚れた大人を許して^^;

 でも、

Touch The Sky 邪魔者一網打尽 

抱きしめるあなたの煩悩

って言ってくれる慈悲深いNumber_iだから、こんなヲタクでも許してくれるわね、きっと。紫耀くんも

まあ気楽に楽しんで

って歌ってくれてることだし。盆栽、煩悩、盂蘭盆、盆踊り、梵語、凡語、C'est BON…。観ている者に多様なイメージを抱かせてくれる、『BON』は懐の深い楽曲だってことですね。


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かっこいいBON!!!!!!!!!!!!!!!!もっと聴くBON!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 それにしてもサビの「花咲かせろ BON BON」のくだり、3人の胸のアイソレ、ヤバくなかったですか❗❓衣装がさ、胸元深く切れ込んでるから、ヒットするたびに……&✕℉#§%@‡3&

 

 今回は(今回も?^^;)最初から最後までBON悩まみれの文章で、どーもスミマセン(笑)

 

 

韓国映画の底力〜『梟』


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 盲目の鍼灸師ギョンス(リュ・ジョンヨル)は、心臓病を患う弟と二人暮らし。ある日のこと、その天才的な腕を認められ、宮廷に召し上げられます。最初の1ヶ月は言わば仕事を覚える研修期間で、宮廷内の医院に泊まり込みをしなければならず、弟に心を残しながらも彼は家を後にしました。

 

 ギョンスが宮廷で働き始めて程なく、反乱防止のため清国に人質として囚われていた世子(朝鮮王朝における、王の正式な世継ぎ。王子)が、妻である世子嬪(将来の王妃)と共に8年ぶりに帰国します。清国に長い間住んで、清の偉大さと恐ろしさを身を持って体験した世子は、「清と友好関係を結び、朝鮮半島の安寧を図るべき」と国王に進言しますが、国王は「そんな屈辱は受け入れ難い」と、聞く耳を持ちません。2人の対立は日に日にその強さを増していくようでした。

 

ある夜、肺を患う世子の咳が悪化し、侍医のイ・ヒョンイクとギョンスが鍼治療のため、呼び出されることになりました。しかしヒョンイク侍医が治療を始めてほどなく、世子の身体は烈しく痙攣し、目、鼻、耳、口から血が吹き出し始めたのです。その様子を見たギョンスは、世子の無惨な姿に声も出ません。ギョンスは盲人と騙ってはいますがじつは、(梟のように)暗闇ではうっすら目が見える奇妙な体質の持ち主だったのです。このまま行けば世子の死は単なる病死として闇に葬られてしまう。勇気を振るってギョンスは世子嬪に自分の見た真実を話しますが、そのことは犯人も知るところとなり、ギョンスは犯人の策謀により、反対に世子暗殺の濡れ衣を着せられてしまいます。それはギョンスにとって、筆舌に尽くし難い恐怖と不安の日々の幕開けでした……❗

 

世子暗殺の犯人は誰なのか?

 

そしてその黒幕は?

 

濡れ衣を着せられた彼が、果たして真実を暴き、身の潔白を証明できるのか?

 

 身体的にハンディキャップを負った主人公が、知力体力精神力を総動員して凶悪な敵と戦うストーリー展開は緊迫感に満ち、息をもつかせません。2時間弱もあっという間。身体強張らせて見てたから、終わった後肩凝ってたもん(笑)。同じように視覚障害者を主人公にしたサスペンスの名作と言えば、オードリー・ヘップバーンの『暗くなるまで待って』が有名ですが、それに匹敵する面白さだと思います。また、盲目の鍼灸師を演じるリュ・ジョンヨルの演技がリアルで、思わず引き込まれます。歴史上の実話を朝鮮王朝のドロドロした権力闘争に絡めて、壮大なエンターテインメントに仕立て上げており、韓国映画の底力を見た思い。……日本人としてはちょっと悔しいよね(笑)

 

 それにしても韓国サスペンスって、ハリウッドや日本の探偵ものみたいに「最後に正義は勝つ」的な、勧善懲悪感がみじんもないのよね(^_^;)結局、貧しき者は富める者には勝てないし、悪い奴ほどよく眠る、結局はそれが現実だよ……みたいな。その種の虚無感って、ちょっと北欧ミステリのダークさに相通じるものを感じる。

 

 めちゃくちゃ面白いんだけど、全編を通じて緊張感の連続、おまけに多少後味の悪いイヤミスだから、心身ともに元気な時に見てね。

 

 

 

 

Purely Collaborativeな関係性〜Number_i in 『Zach Sang Show』


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 いやー、良かったね、感動したね❗『Zach Sang Show』のNumber_i。

 

 前半からZachさんがGOATの製作過程における3人の役割分担について切り込んできて。すかさず紫耀くんが「明確には決めていませんでした。僕らは三者三様の意見を持っているので、(あの事についてもっと自分の意見を)言っておけばよかったな……という思いを各々がしなくてもいいように、常に話し合っていた。他のメンバーのレコーディングにも一緒に参加したり」って答えていたけど、これ、Zachさん、かなり驚かれたんじゃないでしょうか。感に堪えない…って感じで、「Purely Collaborative(純粋な協力関係)なんだね」って呟いておられましたけどね。小さい頃からディベートの訓練をして育つアメリカ人からしたら、違う意見や思想を持つ人同士はすなわち対立関係にあり、自分の意見を通すためには、相手を納得させるための根拠を総動員して相手をねじ伏せるわけです。違う意見を持つ者同士が話し合って、最後は1つの結論に収束していくプロセスなんて、想像もできないと思う。でも、Number_iの若い御三方は、西洋式の個人主義と、日本古来の「和の精神」を軽々と融合させてる。彼らはさらっと言ってのけていたけど、これは凄いことだよ❗

 

 ……まあでも、それもおそらく、彼らの言うところの、家族よりも一緒の時間が長い関係、友達のような、同僚のような、家族のような「唯一無二の関係性」があればこそ。彼らが少年時代から苦楽を共にし、人生の各頁を積み重ねてきたというバックグラウンドがあり、それが最終的には彼らの楽曲が、Zachさん言うところの、彼ら自身の生き方の「Manifestation(顕現)」になっている…という点がもう、胸アツだった😭一方で、ことあるごとに互いに新しい発見があるという点も。(新しい発見と言えば、『裏Heroes』で紫耀くんが「ジンってこんなに美人だったんだ……」って言った後に、「ちょいワル王子」って呟いてたのがめっちゃツボで^^; ジンくんご本人は誠実で気遣いの人だとお見受けしますが、彼が舞台やMVで演じるちょいワル王子はゾクゾクするほど魅力的❤……でもチョコ食べさせる動画ではけっこうSっぽかったよね。え❓ひょっとしてジンくんって……✕№@‡%§¥℉)

 

 そしてそしてもう1つ感激したのは、彼らの楽曲は日本語と英語のミックスで作詞されているけど、それもちゃんと、彼ら独自のポリシー……「日本語は英語と違って1カウントに1文字しか入らないから、そこを生かしたキャッチーさがある。日本語のメタファー、言葉運びでしか表現できないこともある」(平野)「日本文化には独特の良さがある」(岸)、「アニメ等の影響で、日本語の良さをわかって下さる人が増えた。もっと広めていきたい」(神宮寺)に則って作られていることがわかったこと。……いつかどこかのネット記事で、Number_iの楽曲について「世界進出するなら全歌詞英語じゃないと」なんて書いてる人がいたけど、それってじつは、日本人の欧米(=英語)コンプレックスの最たるものじゃないのか、と思います。3人が意味するところの「世界進出」は、妙に卑屈になって欧米文化に迎合するわけではなく、日本人としてのアイデンティティを保ちながら、音楽を通じて自分たちの良さをアピールしていくことなんだと、はっきりわかるインタビューでしたね。もう最初っから、彼らには明確なヴィジョンがあったんだなぁ…。凄い人たちだよ、本当に。Number_iが歌い上げる美しい日本語が海外の人たちの耳に心地よく響いて、少しでも日本や日本語に興味を持ってもらえたら……。それこそ真のエンタメの力。今回のインタビューも、通訳をつけたお陰で、自分たちの言いたいことを堂々と、しかもリラックスして話せたのも良かった。英語を話せる日本の政治家も、正式な会談では誤解を避けるために通訳つけますもんね。英語は単なるコミュニケーション手段であって、大事なのはHow to talkではなく、What to talkだから。Number_iは、ダンス&ヴォーカルという万国共通・最強の言語を持っているんですから、全精力はそちらに集中すればいいと思う。英会話は専門家に任せときゃいいんです、大谷選手みたいに(笑)

 

 新しいミニ・アルバム「No.O -ring-」についてもちょっと触れてたね。個人的には「ロックも入ってる」って聞いたのがツボ〜。めっちゃ嬉しい。なんてったってロック世代なんで(^_^;)今回はさすがに時間に追われて、担当を分けたみたいですね。紫耀くんはやはりヒップホップ担だったもよう。ロック担は誰❗❓ジンくんかな岸くんかな。楽しみ❗

 

 歌のジャンルにはこだわらないらしいNumber_i。「日本語で歌ってるからJポップかもね 笑」(平野)っていうこだわりのなさ、大人の余裕が頼もしい。楽曲を出すたびに変幻自在に姿を変えていくトリックスターの彼らから、これからも目が離せない❗

 

 

 

4Kリマスター版で蘇るダニエル・シュミット監督作品②〜『季節のはざまで』


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 4Kデジタルリマスターで蘇ったスイスの至宝、ダニエル・シュミット監督作品第2弾は、『季節のはざまで』。

 

 スイスの山中奥深く、ひっそりと佇む古いホテル。かつて経営を任されていた祖父母と共にこのホテルで少年時代を過ごしたヴァランタン(サミー・フレー)がやって来ます。最盛期には数多くのセレブが訪れたものでしたが、今はすっかり朽ち果てて、取り壊しを待つばかり。当時の従業員の中でただ一人、ホテルに残っていたフロントのガブリエルさん(アンドレア・フェレオル)も今ではすっかり年老いて、認知症も始まったよう。懐かしさが胸に込み上げ、廃墟となったホテルを彷徨うヴァランタンの脳裏には、家族やホテルの従業員、常連客たちとの甘く、切なく、そして思わず笑っちゃうような奇妙な思い出が去来して……。


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ヴァレンタインを演じたのは、フランスのイケおじ代表、サミー・フレー(『真実』、『恋のマノン』)。あのブリジット・バルドーと付き合ってたのよね、この方。

 

 少年時代のヴァランタン(カルロス・デヴェーザ)にとって、最初の「性の目覚め」は、エレベーターの中で他の男性客とコトに及んでいるアニタ・ステュデール夫人(アリエル・ドンバール)のあられもない姿と、遠い日本から来たエロ写真の数々(春画の写真版みたいなもんですな^_^;)。坂東玉三郎ドキュメンタリー映画を撮ったくらい、バリバリのジャポニストであるダニエル・シュミット監督の面目躍如でございますことよ。

 

「来年こそは豪華客船の仕事に就くんだ!」と豪語しつつ、やっぱり毎年ホテルに舞い戻ってきてホテルのバーで演奏するピアノ弾きマックス(ディーター・マイアー)と歌手リロ(イングリッド・カーフェン)や、自分のかけた催眠術のせいで客たちを珍事に巻き込んでしまうマジシャン・マリーニ教授(ウリ・ロンメル)など、ホテルに集う人々は、どこかズレているけど憎めない、愛すべき人たちばかり。

 

 そしてヴァランタン少年にとっていつもワクワクする瞬間は、話上手なおばあちゃん(マリア・マッダレーナ・フェリーニ)の、昔話を聞く時。ホテルに乗り込んできてロシアの外務大臣に発砲し、「革命万歳!」と叫んだものの、じつは殺した男はロシアの外務大臣などではなく、パリに住む下着屋だった……というアナーキストの女(ジェラルディン・チャップリン……あのチャールズ・チャップリンのお嬢さんです。)の悲喜劇。そして若き日のおじいちゃん(モーリス・ガレル)がサヴォイホテルに勤めていた頃、大女優サラ・ベルナール(マリサ・パレデス……ミュシャの描くサラ・ベルナールにそっくり❗)に可愛がられて専属のウェイターになった話などなど。


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サラ・ベルナールがサヴォイの大階段から降りてくるシーンは、まるで一幅の絵画のよう。

 

 ……しかしそんなあれやこれやも、過ぎてしまえば今は昔。月日は百代の過客にして、行き交ふ年もまた旅人なり。人々は去り、今ヴァランタンの前にあるのは、今にも朽ち果てんとする思い出の抜け殻。すでに老境に入ったヲタクから見てみれば、様々な思いに胸の奥がぎゅっとなるような、そんな映画でしたね。

 

 現在、横浜黄金町のミニシアター「ジャック&ベティ」で上映中です。

4Kリマスター版で蘇るダニエル・シュミット監督作品①〜『デ ジャ ヴュ』

 スイスの至宝と称されるダニエル・シュミット監督の『デ ジャ ヴュ』がデジタルリマスター4K版で蘇った❗


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 ジャーナリストのクリストフ(ミシェル・ヴォワタ)は、17世紀に生きた革命家※ゲオルク・イェナチュの墓を発見し、遺骨と遺品を持ち帰ったという学者のトブラー博士(ジャン・ブィーズ)を取材しますが、まるで眼の前の出来事であるが如くイェナチュの暗殺現場について語る博士の言葉に魅入られてしまいます。何かに操られるようにイェナチュの居城ローデルスを訪れたクリストフは、イェナチュがプロテスタントの牧師を拷問する場面に遭遇、後からそれが史実であることを知り、恐怖におののきます。それからと言うもの、クリストフは幾度となく17世紀のスイスに引き戻されるようになり……❗

※スイス・グラウビュンデン地方生まれの革命家・政治家。当時南北欧州の交通要路として各国(特にスペイン・オーストリア)の侵略を受け続けたこの地域を独立に導いた英雄。最大の政敵ポンペイウスを斧で殺害、政治家として確固たる地位を築くが、20年後の謝肉祭の夜、奇しくも同じ斧で惨殺される。

 

 果たしてこれはクリストフの妄想に過ぎないのか❓

まるで取り憑かれたかのようにクリストフがイェナチュの人生を追い始めたのはなぜなのか❓

……が、サスペンスタッチで描かれていきます。ストーリーそのものは映画ファンならどこかで見聞きしたもので、ラストのオチも想像はつきますが、この映画が凡作に終わらなかったのは圧倒的な映像美と、イェナチュというスイス以外ではあまり知られていない人物を題材にしたこと、そして何よりも舞台がヨーロッパであることに尽きるのではないでしょうか。

 

 ご存知の通り、地震大国で、太平洋戦争を経験した為に数百年生き残った建造物など数えるほどしかない日本と違って、ヨーロッパは歴史的建造物の宝庫。今作品を観ながらヲタクは、ヨーロッパに住んでいた頃訪れたロンドン塔やノイシュバンシュタイン城、エルツ城のひんやりした冷気や、黴の匂いなどを思い出しました。今にも物陰からエドワード5世とその弟王子や、ルートヴィヒ狂王が飛び出してきそうな気がしましたもん(^_^;)

 

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※幻想に悩まされ、次第に追い詰められていくクリストフ。当初、単なる歴史の傍観者であった筈が、次第に「当事者」になっていく過程が恐ろしい。

 

 日本の歌舞伎や映画にも造詣の深いジャポニストでもあったシュミット監督。東大の田中純教授が、ご自身の「チマタのエロティシズム 映画による夕占(ゆうけ)」中で、以下のようにシュミット監督の言葉を引用されています。

 暗闇のなかにまぎれ込んでしまえば、目に見えなくなる。独りで映画館に行き、その映画をわがものにする──見終わったあと、それについて話す必要さえなければ。この神秘は決して長くは続かないが、ひょっとしたらうまくバランスをとりながらさらに街路を横断し、つい先ほど起こったこの変身のことなど何も知らない人々のあいだをすり抜けてゆくことはできるかもしれない。


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※父ポンペイウスを眼の前でイェナチュに惨殺され、しかもその後イェナチュの愛人になることを強要されるルクレツィア。演じるのは、『007ユア・アイズ・オンリー』でボンドガールを務めたキャロル・ブーケ

 

……かようにシュミット監督の絢爛たる映像世界を堪能し、「わがものにする」ためにはやはり、映画館の暗闇で息を潜めながら見入るしかないのでしょう。そして、映画という神秘を少しでも長く続けさせるため、ヲタクは今日も、こうして駄文を書き続けるのです。

 

 現在、横浜黄金町のミニシアター「ジャック&ベティ」で上映中。

 

 

播磨屋から高麗屋へ〜松本幸四郎『鬼平犯科帳 血闘』


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 ヲタクも寄る年波のせいか、ここ数年時代劇が大好きになった。とはいえ、先が読めないダークなストーリー展開、登場キャラも善悪渾然一体となった曖昧なやつじゃなくて、スッキリ勧善懲悪、殺陣も歌舞伎みたいに型がバッチリ決まってて、水戸黄門大岡越前みたいに最後は決め言葉でシャンシャンシャン、安心して見れるやつ。だから池波正太郎のホンだったら、仕掛人シリーズより鬼平のほうがいいの、最近は(笑)去年、映画でトヨエツの藤枝梅安を観た時はスタイリッシュでワルの魅力に溢れててそれは素敵だったけど、ダークでスリリングすぎるストーリー展開にちと疲れちゃって(^_^;)鬼平観たいなーと思ってたから、今回の松本幸四郎鬼平は「よっ、待ってました高麗屋!」って感じよ。

 

 ……って、前置き長すぎ。

 

 悪党どもから“鬼の平蔵”と恐れられる、江戸の火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)の頭・長谷川平蔵の捕物を描いた「鬼平犯科帳」(原作・池波正太郎)。さてさて、今回の事の顛末は……。


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※平蔵(松本幸四郎…右)を慕い、身命を賭して働くおまさ(中村ゆり)。

 

 ある日のこと、長谷川平蔵松本幸四郎)が若い頃(深川本所の鐵と呼ばれて、放蕩者のワルだった頃ですね)馴染みだった居酒屋の娘おまさ(中村ゆり)が突然平蔵を訪ねてきて、「密偵になりたい」と申し出ます。当時、おまさの父親は居酒屋を営みながらもそのじつ、裏の顔は腕利きの盗賊だったのです。父親の死後、おまさは引き込み女(商家などに住み込み、盗賊の手引をする)を生業にしていたものの、平蔵が火付盗賊改方の頭に就任したことを聞きつけ、引き込み稼業からきっぱりと足を洗い、自ら密偵となって彼の下で働きたいと思ったのです。しかし平蔵は昔妹のように可愛がっていたおまさをそんな危険な目には会わせられないと、けんもほろろに彼女を追い返します。折も折、押し込み先の老若男女を皆殺しにして金品を強奪する極悪非道な盗賊・網切の甚五郎(北村有起哉)一味が江戸の町を夜な夜な恐怖のどん底に陥れていました。そんなある夜のこと、芋酒屋を営みながら盗みを働く錠前破りの天才・鶯原の九平(柄本明)は、偶然にも商家に押し込みに入った甚五郎一味とバッタリ鉢合わせ。命からがら逃げ帰ります。ひょんなことから九平と知り合いになったおまさは、鉢合わせた夜甚五郎一味の後をつけ、彼らの居場所を突き止めたと言う九平と共に一味のアジトに潜入しますが……!


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※平蔵の若き日を演じる市川染五郎。さすが高麗屋の未来を担う御曹司、「水も滴るいい男」とはこのことでございますよ(笑)

 

 今回の「血闘」は、吉右衛門のドラマでも人気キャラだった鬼平密偵・おまさが、いかにして鬼平から密偵の盃を受けるに至るか……を描いたもの。吉右衛門版では『女囚さそり』シリーズの梶芽衣子が演じてて、めっちゃカッコよかったのよね。いわゆる江戸時代の粋な女の代名詞「小股の切れ上がったいい女」ってやつかしら(笑)今回中村ゆりが演じてますが、毅然として気丈ではあるけれども、胸の奥では鬼平に対する一途な思いを燃やし続けるおまさのイメージにぴったりですね。

 

 ヲタクの世代だと、鬼平と言えば幸四郎のオジサマに当たる故・中村吉右衛門のイメージが強いですよね。映画を見るまではヲタクもちょっぴり不安でした。でもひとたび作品世界に入り込んだら、そんな不安はふっとんだ❗やはり血は争えないなぁ。幸四郎鬼平は、ふとした瞬間に吉右衛門を彷彿とさせて…。このキャスティングは良かったよねぇ。時代劇はやはり歌舞伎役者ですよ。まずもって低重心の腰の据わり方が決まってるし、歩き方や立ち回りが現代劇の俳優さんとは全然違う。吉右衛門は「鬼」に相応しく眼光鋭く人を射るようで、何とも言えない凄みがありましたが、幸四郎は、若い頃放蕩三昧のワルでしたが、改心の末酸いも甘いも噛み分けた大人になった鬼平の、強面の裏にある人たらし的な愛嬌を巧く出していて、ヲタク個人的には幸四郎推しかも(笑)


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※甚五郎一味の引き込み女おりん(志田未来…左)と、若き日の本所の銕(市川染五郎)の想い人、すあい女(呉服類などの取次ぎ販売をしながら、かたわら売春をした)のおろく(松本穂香…右)。生まれ落ちた時から、一生を定められてしまった彼女たちは、何とか泥沼から這い上がろうとしたが故に悲劇に見舞われます。ベテラン揃いのキャストの中、そんな江戸の女たちの悲哀を全身で表現したお二人。素晴らしかった❗

 

 原作者の池波正太郎生誕100年を記念して、昨年の『藤枝梅安』に引き続き制作開始となった『新・鬼平シリーズ』シーズン1。今年2024年の1月に放送・配信された『鬼平犯科帳 本所・桜屋敷』、本作である劇場版『鬼平犯科帳 血闘』、そして今後放送・配信予定の『鬼平犯科帳 でくの十蔵』『鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛』の計4作品から構成されます。

 

 次は小野十蔵のエピソードかぁ……。柄本時生が演じるんだよね。でもこの役、吉右衛門版では時生のパパ、柄本明が演じてるんですよ。幸四郎から染五郎柄本明から時生と、技の継承……って感じがして、なんともまあ、粋なキャスティングじゃござんせんか。

 

 

ハリポタ VS ファンタビ対決❗❓〜トニー賞2024


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 早いもので、米国最大の舞台演劇・ミュージカルの祭典トニー賞のシーズンがやって来ました。ヲタクの独断と偏見で選んだ注目ポイントはコチラ🔻🔻🔻🔻🔻🔻🔻🔻🔻🔻🔻

 

ファンタスティック・ビースト VS. ハリー・ポッターの因縁対決〜〜〜❗(ぱちぱちぱちぱち)

 

 なんと、ファンタビ・シリーズの主役ニュート・スキャマンダーことエディ・レッドメインハリー・ポッターことダニエル・ラドクリフが、それぞれ主演男優賞と助演男優賞にノミネートされたんです。彼らの出演作品である『キャバレー』(エディ)と『Merrily We Roll Along』(ダニエル)もまた、※「リバイバル・ミュージカル作品賞」にノミネートされています。

※過去にブロードウェイで上演された作品の再演に贈られる賞。古典的名作である場合が多い。

 

エディ・レッドメイン
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 エディがMC役を務める『キャバレー』は、3年前にロンドンのウェストエンドで上演され、アメリカのトニー賞に相当する英国ローレンス・オリヴィエ賞をなんと7部門受賞し、中でもエディが主演男優賞、ヒロインの歌姫サラ・ボウルズ役のジェシー・バックリーが主演女優賞、演出のレベッカ・フレックノールが演出賞、主要な賞を独占しました。超辛口で知られるガーディアン紙が

エディの演技はある意味「衝撃」と言っていいだろう。スケールの大きい肉体表現、力強く、そして繊細な演技は、伸縮する四肢から細やかに動く指先‥‥隅々にまで行き渡っている。

と超絶賛したくらいですからね。チケットの売り上げが少しでも悪いとすぐ上演中止になってしまう、まさに「生き馬の目を抜く」ブロードウェイを席巻したんですから、トニー賞にノミネートされるのも必定。ローレンス・オリヴィエ賞とトニー賞のダブル受賞なるか❗❓って感じですよね。


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ローレンス・オリヴィエ授賞式。主演女優賞を受賞したジェシー・バックリー(左……『ロスト・ドーター』、『もう終わりにしよう』、『MEN 同じ顔の男たち』)と。

 

ダニエル・ラドクリフ


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 アメリカのショービジネス界の内幕と、そこで生きる人々の愛と友情を描いた、ミュージカル界の巨匠ステファン・ソンドハイム作の『Merrily We Roll Along(愉快に転がろう)』は、ブロードウェイで何度も上演されているにも関わらずヒットの過去はなく、「ソンドハイム最大の失敗作」と酷評されたこともありました。ところがところが❗今回オフ・ブロードウェイで上演された『Merrily We Roll Along』は大ヒット、批評家たちからも絶賛されました。その成功の一因は、売れない作詞家の複雑な感情を繊細に表現したダニエル・ラドクリフの好演によるところが大きいと言われています。

 

 子役から出発し、映画史上最大の当たり役とも言えるハリー・ポッターを演じたラドクリフは、ハリポタ卒業後は今までのイメージを払拭すべく、映画でもインディーズをはじめとして様々な役に果敢に挑戦してきました。……っていうと聞こえはいいけど、『スイス・アーミーマン』の死体の役とか、『ガンズ・アキンボ』の腕が拳銃化しちゃった男とか、『ロスト・シティ』のメンヘラ億万長者とか、ぶっ飛んだ役ばかり。彼はハリポタの大ヒットですでに一生で使い切れないほどのお金持ちらしいから、ギャラに関係なく自分の好みで選んでいるんだろうけど…。それにしてもヘンな役のオンパレード(^_^;)ブロードウェイには久しぶりの登場ですが、作中で、金と権力に目がくらんだ友人をなじる「超早口ソング」を見事に歌い切り、ヤンヤの喝采を浴びたもよう。

 

 授賞式は、6月17日(月)8:00〜WOWOWプライムで放送予定のようです。

 

 

 

 

 

露伴、絶体絶命〜『岸辺露伴は動かない 密漁海岸』


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久しぶりの『岸辺露伴』❗あー、めっちゃ嬉しい。しばらく見ないと禁断症状が出ちゃうくらい好き❤さて今回は……。

 

 露伴先生(高橋一生)も泉くん(飯豊まりえ)も最近はお疲れ気味のようで、露伴先生は胃もたれと肩こり(職業病だよね^^;)、泉くんは歯痛と慢性睡眠不足(これまた職業病^^;)に悩まされていました。ある日のこと、泉くんは露伴邸の近くに良さげなイタリアンレストランがオープンしたという情報をどこかから仕入れてきて、「イタリアンは(胃にも)ヘルシーだからいいでしょ」と、先生をそこへ無理やり連れて行きます。暴言を吐きながらも、先生が結局泉くんの言いなりになるのは毎度のお約束(笑)。広いダイニングにたった1つのテーブルしかないそのレストランで、2人は摩訶不思議な体験をします。なんと、料理を一口食べた泉くんが洗面器一杯の涙が吹き出して寝不足が一気に解消したり、一方の先生は肩から次から次へと「肩凝り」のアカが剥がれ落ちてきて(泉くんも逃げ回ってたけど、ちとバッチイ 笑)、肩がすっかり軽くなった……といった具合。それもそのはず、オーナーシェフのトニオ(Alfredo Chiarenza)は、客の手を触っただけで病がわかり、それが治癒するような料理を作ることができるという「医食同源」のスペシャリストなのでした。しかし彼の腕をもってしても、重い病気に罹った最愛の人、森嶋初音(蓮佛美沙子)を治すことが出来ずに、焦燥の日々を送っていたのです。トニオはどこからか、あらゆる病を治してしまうという伝説のヒョウガラクロアワビの話を聞きつけ、日本の伝承に詳しい露伴先生にそれを手に入れたいので手伝って欲しいと頼みこみます。しかしそのアワビは希少種中の希少種、穫れば法律で厳しく罰せられる禁断の海の幸なのでした……!

 

 これまで、人間を闇の世界に引き摺り込む人外の者たち(幽霊やら妖怪やら地縛霊やら)の強大な力を恐れるでもなく、唯々諾々と従うのでもなく「これは面白い」「私は(真実を)知りたいだけなのだ」と言い放ち、ヘブンズ・ドアーというスタンド(異能力)と並外れた知能を武器に、果敢に立ち向かっていき、常に彼らに勝利してきた岸辺露伴。……しかし今回は、いくら動機が人救いであるとは言え、密漁という禁忌を犯してしまうのですから、当然の帰結として絶体絶命のピンチに陥ります。岸辺露伴、最大の危機といってもいいでしょう。『岸辺露伴』シリーズの特徴は、因果応報、(悪いことをすれば)罰が当たる……といった日本古来の思想が根底にあることで、我々のようなシニア世代が見てもどこか懐かしく、共感できるのはそんな点にもあるのではないでしょうか。

 

 岸辺露伴にとって最大の危機に、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」の如く朗々と響き渡るのが、能『阿漕』の法華経方便品第二。『阿漕』は、昔阿漕という漁師が禁漁区で魚を取り、それが見つかって、見せしめのため沖に沈められた故事を詠ったもの。阿漕の霊は罪の深さにより、地獄で悶え苦しんでおり、それを知った旅僧が彼の慰霊のために方便品を唱える…というストーリー。しかし現代の阿漕たる岸辺露伴は、持てる知力体力精神力を振り絞り、仏の慈悲に頼ることなく、彼のスタンド「ヘブンズ・ドアー」を使って、最後は自力で危機を切り抜けます。方便とは仏が民衆を救うための「手段」を意味しますが、露伴にとって「自らを助くる方便」がヘブンズ・ドアーなわけですね。

 

 ラスト、泉くんが「(次作は)食をテーマにした怪奇ミステリー、舞台は美食の国イタリア!ぴったりじゃないですか!次の取材旅行はこれで決まりですね」と叫んだことで、映画化?の期待が一気に膨らみ、SNSはただいまお祭り状態(笑)。

 

 押せ押せ泉くん、無理やり先生をイタリアに連れてっちゃえ❗

 

 

 

 

 

 

グレイテスト・ショーマンはフランスにもいた❗❓〜映画『ショータイム❗』


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 U-NEXTにて、フランス映画『ショータイム❗』鑑賞。

 

 舞台はフランスの中南部カンタル県。カンタル県で酪農業を営むダヴィッド(アルバン・イワノフ)は3代目。しかし歴史ある彼の農場は深刻な経営難に陥り、税金も払えず崖っぷち。とうとう差し押さえの勧告を受けたダヴィッドは祖父が嘆くのを見て地方裁判所の判事に頼み込み、やっとのこと2か月の猶予期間をもらいます。しかし、さりとて打開策を思いつくはずもなく、いつものようにパブで仲間とグチりながら酒を酌み交わすしかないダヴィッド。その帰り道、看板に惹かれてふと立ち寄ったキャバレーで、彼はボニー(サブリナ・ウアザニ)というダンサーが繰り広げる※エアリアルシルクの華麗なパフォーマンスを見て、彼女の演技に涙が出るほど感動します。ダヴィッドはそこでなんと、納屋を改装してキャバレーを作り、田舎町のエンタメ起こしをしようという奇想天外なアイデアを思いつきます。翌朝ボニーの引き抜き?のため店を訪れると、ボニーが店主と大喧嘩の末飛び出すところに出くわします。ダヴィッドはボニーに自分の大構想を語り、演出家として彼女を誘いますが、当然のことながら「バッカじゃないの」と相手にされません。一度は諦めかけたダヴィッドですが、祖父の励ましもあり、再度アタック、やっとのことでボニーを口説き落とすことに成功。早速2人はパフォーマー探しに奔走しますが……。

※天井から吊るされたシルクを用いるアクロバティックパフォーマンス。フランス発祥とされ、サーカスのなどで行われています。


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※クセつよパフォーマーたち。

 

 まずもって、主人公のダヴィッドのキャラがイイ❗ボニーをスカウトしたのも純粋に彼女のエアリアルパフォーマンスに感動したからだし、おじいちゃんが始めた農場を町興しに活用したいって真剣に考えてるとこが純粋すぎて可愛すぎる(笑)。アイバン・イワノフとボニー役のサブリナ・ウアザニは共演2度目のようで夫婦漫才みたいに息もピッタリ、パフォーマー探しの珍道中には思わず吹き出します。またパフォーマーたちが『グレイテスト・ショーマン』も真っ青のクセ者揃いなんだよねぇ(笑)そんなキャラの濃いパフォーマーたちをボニーがビシバシ鍛える場面は、やはりフランス映画の『タイピスト!』を彷彿とさせます。まるで日本のスポ根みたいだな……と思ったのはヲタクだけ❓(さすが日本のアニメ大好きなフランス人だけあるわ(……ち、違う❓^^;)『アタックNo.1』並み(例えが古すぎる…笑)の特訓を乗り越えて村の人々にお披露目されるパフォーマンスは圧巻❗最後に歌われるダリダの『歌わさせておいて(マンデー・チューズデー)』が、この作品を貫くテーマになっています。


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※『アラベスク』のユーリ・ミロノフか、はたまた『エースをねらえ!』の宗方仁か、熱血コーチのボニー(サブリナ・ウアザニ…左)

 

 この、アメリカンドリームならぬフレンチドリームなストーリーが実話に基づいている……というのがビックリです。フランスというと、文化と芸術の都パリのイメージが強すぎて、EU最大の農業国であるという事実はあまり知られていません。主要農作物は、小麦・大麦等の穀物、牛乳、肉類。特に小麦の産出額はEUの36%を占めており、「ヨーロッパのパン籠」と呼ばれています。 ヲタクが当時住んでいたベルギーからフランスのグルノーブルまで車でスキー旅行に行った時も、ひとたびパリを抜けると、ひたすら森や大平原、山岳地帯が広がる景色に驚いた覚えがあります。ということはつまり、他のヨーロッパ諸国と違い、国土の大半が条件不利地域なわけで、フランス人はその困難な条件を乗り越えて農業を根付かせたわけですが、近年は特に牛乳価格の下落が進み、特に酪農業者は厳しい状況に追い込まれています。昨年はこの映画の舞台となったカンタルからほど近いレンヌ近郊で、酪農業者が彼らを取り巻く状況の改善を求めて、道路を封鎖したり、牛乳を道路に撒くなど、政府に対する抗議行動を繰り返し行いました。明るく楽しいコメディに、こういった社会風刺を織り交ぜるところは、フランス映画っぽいですよね。


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※キャバレーのオープンに向けて必死で宣伝活動を行うボニーたちですが、オープンの前日にとんでもない事態が勃発、絶体絶命の危機に……❗

 

 仲間同士「さまざまなハプニング、苦難を乗り越えて、どん底人生から一発逆転❗」する、笑いあり、涙ありの人情コメディって、ひと昔前はハリウッド映画の定番だった気がするけど、前出の『タイピスト!』にしろ、『ダンサー in Paris』、『アプローズ、アプローズ!』、『ウィ、シェフ!』、アイバン・イワノフも出演していた『シンク・オア・スイム〜イチかバチか俺たちの夢』にしろ、最近はフランス映画に多い印象。ヲタク的には、フランス人ってリアリストでクールな個人主義者…ってイメージを勝手に抱いてたけど、そのじつ熱血の人情家だったのかしらん(笑)

 

 

 

 

推しの大渋滞❤〜METガラ2024

 ニューヨークのメトロポリタン美術館で毎年5月に開催される特別展のオープニングセレモニー「METガラ」。世界中からセレブたちが集結し、各々のゴージャスなファッションを競い合うモードの祭典ですが、今年は5月6日に開催されました。何と言ってもヲタクにとってビッグニュースは、熱烈推しのマイク・ファイストのMETガラデビュー❗❗

 

★マイク・ファイスト

 最新作『チャレンジャーズ』(ルカ・グァダニーノ監督)で共演しているゼンデイヤが今年ホスト役に抜擢された為、同じく共演者のジョシュ・オコナーと一緒に招待されたもよう。この3人、ヨーロッパ各国のプレスツアーを終えたばかりなのですが、どこに行ってもわちゃわちゃしてて、まるでハイスクールの仲良しグループみたい(笑)METガラでもマイク、ジョシュとふざけ合ってて、最先端のファッションでバッチリキメた人々の中でそこだけ異空間(^_^;)…でも、そんなバブーな感じがまたいいの。さらに深みにハマったわ(笑)
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※マイク・ファイスト……可愛い😍『ウェストサイド・ストーリー』の時は、ヒロイン・マリアを演じたレイチェル・ゼグラーに本当のお兄さんみたいに懐かれちゃって、パーティではいつもエスコート役だったけど、METガラでは久々に会えたかな❓


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※まるで本当の兄弟か仲良しカップル❓みたいなマイク・ファイスト(左)とジョシュ・オコナー(右)。めっちゃ癒やされるわ〜〜❤Xで「マイクとジョシュはセレブになることを拒否しているように見える」ってポストしてた人がいるけど、納得(笑)


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※今回のMETガラでのレイチェル・ゼグラー。『ウェストサイド・ストーリー』当時(3年前)から比べると、ずいぶんと大人になったなぁ。


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※『チャレンジャーズ』プレスツアーではJKみたいにワチャワチャしてたゼンデイヤですが、METガラでは一転、ファッションアイコンのオーラ全開。サスガです❗

 

アンドリュー・スコット
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 現在日本でも絶賛公開中の『異人たち』の神演技で、昨年は欧米の主な映画賞ほぼ全てにノミネートされたアンドリュー・スコット。一方Netflixの『リプリー』では、『異人たち』とは正反対の悪のカリスマに満ちたダークヒーローを見事に演じ切り、その天才的な演技力を全世界に見せつけました。今月末からは、ローレンス・オリヴィエリバイバル賞を受賞した『ワーニャ』(チェーホフの『ワーニャ伯父さん』を脚色したアンドリューの一人芝居。1人で何役も演じるらしい)のナショナル・シアター・ライブ上映も控えており、今からワクワクです❗

 

バリー・コーガン

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 ポール・メスカルと共に、英国で(ハリウッドでも)今最も熱視線を浴びている俳優の1人と言っていいでしょう。名だたる巨匠たちが競ってキャスティングするほど独特の魅力を持つ彼。コリン・ファレルと共演した『イニシェリン島の精霊』でアカデミー助演男優賞に初ノミネート、それからはあれよあれよという間に売れっ子スターの仲間入り。Amazonプライム・ビデオで大ヒット中の『ソルトバーン』をはじめ、オースティン・バトラーと共演の『マスターズ・オブ・ザ・エア』(Apple TV+)……と新作が目白押しですが、ヲタクが最も楽しみにしているのが、ロブ・パティンソン版『ザ・バットマン2』のジョーカー役❗マブダチのコリン・ファレルがペンギンだからね。来年公開予定がさらに1年延びちゃったけど、いつまでもお待ちしています(笑)

 

 今回はお付き合い中のサブリナ・カーペンターを同伴して、アツアツぶりをアピールしてましたね。


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バリー・コーガン(左)とサブリナ・カーペンター(右)

 

セバスチャン・スタン
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 会場に入る時、居並ぶファンと次々ハイタッチして、相変わらず気さくで神ファンサなウィンターソルジャーことセバちゃん😍Xで「彼はルーマニアの誇り」ってポストしてた人いたけど、ルーマニア移民から今ではネイティブなアメリカ人を演じるまでになった彼はアメリカンドリームそのもの。なんてったって、次の作品で演じるのがあのドナルド・トランプだからね(笑)

 

 彼、確か去年「来年はトーキョーに行くよ❗」って言ってくれてたような……。もしかして東京コミコンに来てくれるのかな❓もし本当に来てくれるのなら、ヲタク絶対撮影券GETしてセバちゃんに突撃しちゃう(笑)

 

エディ・レッドメイン


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 御年42才だというのに、エディの少年のような透明感はどうしたことでしょう。一昨年は、ロンドン・ウェストエンドの舞台『キャバレー』MC役で見事、ローレンス・オリヴィエ賞主演男優賞を受賞したエディ。『キャバレー』はブロードウェイでも上演され、エディは今度はトニー賞の主演男優賞にノミネートされています。初の英米2連覇なるか!?と言ったところですね。彼、最近舞台づいてるみたいですが、もっと映画にも出て欲しいなぁ。全5部作の予定だった『ファンタビ』の4作目も只今頓挫中だしねぇ…(タメ息)。

 

 写真は学生時代からお付き合いしていた奥さまのハンナさんと。まるで『真夏の夜の夢』の妖精王オーベロンと女王のタイターニアみたいだね。

 

 今は参加者の人たちがXにどんどん動画を上げてくれるから、まるで会場にいるみたいな気分になってシアワセ😍去年に引き続き、眼福な2024年METガラでございました〜〜❗

 

ハイブラを着こなすNumber_i〜『MAPS JAPAN』


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 ゴールデンウィークもあと僅か。今日も良い天気。乾いた外気の中、翠ジンソーダ缶を開ける。このシュワシュワした爽やかな音と、硝子のコップに立ち上ってくる細かな泡が、新しく届いた彼らの雑誌を紐解くドキドキ感、ワクワク感と完ぺきにリンクする。

 

 ヲタクは仕事柄ゴールデンウィークとは名ばかりで飛び石だけど、たとえ長期の旅行とか観光に行けなくても、彼らのお陰で、今この時、確実に幸福である。推し活バンザイ、Number_iありがとう❗

 

 平野紫耀くんがウォンジョンヨ・ヘアケアシリーズの広告キャラクターに就任したと思ったら、今度は3人揃って韓国の雑誌に初登場。いいよねぇ、この流れ。日韓は歴史的にも政治的にも難しい状況がずっと続いているけど、それを緩和してくれるのはエンターテインメントの力だと、ヲタクは思ってる。その昔、『冬のソナタ』のパク・ヨンハにハマってた頃も(オタクはヨンさまよりパク派だったのですね^^;)彼がどこの国の人かなんて思って見てなかったもん。万国共通良いものは良い、素敵なものは素敵なのよ❗(断言)「HIGHSNOBITETY」も「MAPS」もこれまではその存在も知らなかったけど、掲載されている他の記事も読んでみると、エッジーな話題やファッションを取り上げていて、Number_iのお陰でヲタクの視野も広がっている今日この頃。

 

 さて「MAPS」のグラビア。紫耀くんは当然のことながらLOUIS VUITTONそしてAMIRI、神くんはCELINE HOMME、岸くんはBottega Veneta、DSQUARED2、MONCLER。AMIRIはロス発祥のアメカジだから、等身大の今の彼らにぴったりで、「とべばん」や「Mステ」でも実際に着てたよね。プライベートでも愛用してそう。All VUITTONを着こなす紫耀くんはもはや神領域、また、岸くんのDSQUARED2ブラックのセットアップと、神くんのCELINEのスリムフィットスーツは個人的にめちゃくちゃツボ。Number_i、ヤバすぎるっしょ(by 神宮寺勇太)。じんくんは、誰が見てもモデル体型、岸くんと紫耀くんはじんくんに比べて小柄ではあるけれど、2人とも頭が小さい上に、肩幅とW&Hが美ボディの黄金比率だから、やっぱりモデル体型(笑)

 

 CELINEのメンズラインHOMMEが登場したのはまだ日が浅い。Number_iとして新たな挑戦を始め、日々そのオーラの耀きを増しつつあるじんくんは、ブランドの清新なイメージにぴったりと思うのですが、いかがでしょうか? 一方岸くんは健全なる野球少年だったから、MONCLERみたいなスポーツブランドにはドンピシャね!(ヲタクはベルギーに住んでいた頃、グルノーブルにスキー旅行に行く時MONCLERのスキーウェアを新調したかったんだけど、高くて手が出なかったのを覚えてる^^;)CELINEさん、MONCLERさん、2人に案件お待ちしてます(笑)。

 

  インタビューは、韓国の読者向けの質問に、一つ一つ真摯に答える3人が可愛かった😍しばらくは、いつか彼らが韓国でコンサートをすることになって、自分も韓国遠征する日を妄想して楽しめそう(笑)

 

 

 

 

 

 

 

アイルランドの闇と光〜『コット、はじまりの夏』


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 前世はアイルランド人だったのでは?と勝手に妄想しているオタク。アイルランドが舞台で、しかも全編セリフはケルトゲール語という、正真正銘のアイルランド映画が公開された……ということで、早速観に行ってきました❗横浜は黄金町のミニシアター「ジャック&ベティ」。


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※コットを演じるのは、本作品がデビュー作となるキャサリン・クリンチ。台詞は少ないながら、喜怒哀楽の感情を全て瞳と表情で語る繊細な演技が素晴らしい❗同じアイルランド出身のシアーシャ・ローナン以来の逸材ではないでしょうか。彼女は本作品の卓越した演技により、IFTA賞(アイリッシュ映画&テレビアカデミー賞)主演女優賞を史上最年少(12歳)で受賞しました。

 

 舞台は1981年、アイルランドの片田舎。主人公コットは、両親と、彼女を含めて子供5人(しかも母親は妊娠中)の大家族の中で暮らしていました。ひどく無口な彼女は、学校はおろか、家族からさえ関心を持たれることがなく、父親などは彼女のことを「はぐれ者」と言って憚らない始末。農場の収益を父親がギャンブルに持ち出してしまうため、子どもたちの日々の食事もままならず、コットは「口減らし」のため、夏休みに母親のいとこであるアイリン・キンセラ(キャリー・クロウリー)と夫のショーン(アンドリュー・ベネット)夫妻が営む農場に預けられることに。初めは戸惑っていたコットも、アイリンに髪を梳かしてもらったり、一緒に料理を作ったり、本の読み方を教えてもらったり、また、頑固で不器用だが心優しいショーンと仔牛の世話や牛小屋の清掃をしたりするうちに、生きることの喜びを見出していきます。……しかし楽しい生活も永遠には続きません。家に帰る日がやってきました。打ちひしがれるコット。彼女を送り届けた後、農場に戻ろうとするキンセラ夫婦の車を、コットは必死になって追いかけるのでしたが……。

 

 3食きちんと食事をとること、日の終りにはお風呂に入って1日の汚れを落とすこと、清潔な衣服を身につけること、生活するのに最低限必要な技術を教えてもらうこと……。9歳になるまで、家庭において当たり前なことが当たり前に与えられていなかったコットの日常に胸が痛みます。原題は『The Quiet Girl 無口な少女』ですが、キンセラ夫妻に次第に心を開き、次第におしゃべりをするようになっていくコットを見ていると、これまで彼女が無口だったのは、学校にも家庭にも彼女の言葉を真剣に聞こうとする人がいなかったのだ、そして彼女自身もまた、貧困のために家族がいがみ合う中、自分の意思や希望など話しても無駄だ……と諦めていただけなのだと、我々は気づくのです。

 

 映画の舞台は1981年。これが、この作品を理解する上で、大きな意味を持ってくるんですね。というのは、アイルランドは、80年代までは、ヨーロッパの病人とも言われ、西欧諸国の中では生活水準が最も低い国の一つであり、70年代〜80年代は、インフレと高い失業率、財政赤字に悩まされ続けてきました。ところが1990年代ヨーロッパ統合に伴い、アイルランドは積極的に外国資本による直接投資を受け入れ、特にアメリカ系企業のヨーロッパ向けIT生産拠点となることで飛躍的な経済成長を遂げます。コットとその家族は、言わばアイルランドの夜明け直前、薄闇の時代に生きているわけです。

 

 キンセラ夫妻の優しさに触れ、生きる希望を取り戻したコットはラスト、初めて自分の言葉で自分の意志を叫ぶのです。しかし、これまでドキュメンタリー作品を中心に、子どもの視点から家族の問題を描き続けてきたコルム・バレード監督は、予定調和的な、センチメンタルで甘い結末を用意してはくれません。少女は愛に満ちたアルカディアから、再び過酷な現実に戻っていかなくてはならないのです。しかし、ひとたび真の愛情を知った少女はきっと、それを心の支えに、困難を力強く乗り越えていくに違いない……。そんな微かな光明を、観ている私たちに与えてくれるようなラスト。(がんばれ、コット!君が大人になる頃には、環境はずいぶん豊かになっているよ)と。

 

 英国からの搾取政策をくぐり抜け、幾多の困難を乗り越えて生き抜いてきたアイルランド人たちに捧げる讃歌……とも言うべきでしょうか。バレード監督の故郷、アイルランド愛が溢れる作品でしたね。

 

 

なんか、ゾワゾワする〜NHKドラマ10『燕は戻って来ない』第1回


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 うー、なんかゾワゾワするドラマだったなぁ。「ゾワゾワする」……gooの辞書によれば、
嫌悪や不快、また、感情の高ぶりのために身震いするさま。鳥肌が立つようなさま。ぞくぞくする。

って感覚らしい。うーーん、言い得て妙❗まさにしょっぱなからゾワゾワさせられたよ。

 

 ヒロインの大石リキ(石橋静河)は29歳。派遣社員で病院の受付事務をしていますが、手取り14万の給料では古ぼけたアパート代を払って食べていくのがやっと。夢も希望もない毎日に疲れ果てていましたが、同僚の照代(伊藤万理華)から、生殖医療エージェントに卵子を提供して稼がないかと誘われます。奨学金500万(彼女の親は、生活費も上乗せして借り入れていたらしい…)の返済のため、夜はキャバクラで働く照代は、「卵子なんてただのタマゴだよ。献血と同じじゃん」とあっけらかんと言いますが、リキは倫理的な抵抗感から照代のようには割り切れません。しかし生活は日に日に逼迫していき、事務の仕事の契約終了時期も迫っています。そんなある日、リキは自転車の置き方に端を発して、同じアパートの住人(酒向芳)からしつこく絡まれ……。


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※自身が性的に搾取されていることへの1種の復讐心から、卵子提供を決意する照代役を巧みに演じるのは、伊藤万理華。ヲタクは、映画『もっと超越したところへ。』がお初だったけど、あの時の彼女も振り切った演技が素晴らしかった。

 

 1話は、リキが米国の生殖医療エージェント「プランテ」日本支社を訪れ、代理母出産を決意するまで。彼女の契約相手となるらしいのが、元バレエダンサーの草桶基(稲垣吾郎)と悠子(内田有紀)夫婦。悠子は不育症を患い、3人の子を流産で失っていました。社会で活躍するバリキャリにも関わらず、子供を産めないことを姑(黒木瞳)に責められ続け、萎縮する悠子、親の借金のために風俗で働く照代、貧困に苦しむリキ……と、このドラマに登場する女性たちは皆女性であるがゆえの生きづらさを抱えており、見ているヲタクは同じひとりの女性として胸が痛い😭


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※元バレエダンサーって、ゴローちゃんにぴったりの役❤ドラマ中に出てくる現役時代の写真がめちゃくちゃカッコいい❗一見ジェントルマンな理想の夫に見えるけど、これから彼が1番欲望を露わにしていきそうで……コワイ(^_^;)2面性のある、危うい役も巧いからなぁ。

 

 原作は読んでないけど、作者は桐野夏生だもんなぁ(^_^;)これからどんどん登場人物たちの、心の奥底に潜む欲望と闇深さが剥き出しになって来るんだろうな。ポスターでも、内田有紀の悲しげな表情とは対象的に、ヒロインの石橋静河とゴローちゃんがどこか不気味に微笑んでいて…。彼らの「笑い」は、作品のテーマを象徴しているような気もする。彼女の小説を読むと、自分が今まで、どうしようもないどす黒い悪意や憎しみを抱くことがなかったのは、出逢う縁に恵まれていたに過ぎなかったんじゃないか……って気分にさせられるのよね。このドラマも心して見続けなければ(笑)

 

 さすがNHK、キャストがめっちゃ豪華で、カメオ出演黒木瞳と酒向芳だもんねー。またさ、この2人がやな役なんだわ。特に酒向芳の変態オヤジっぷりは、気持ち悪い通り越して恐怖でしかない

((((;゚Д゚))))

 

 これから森崎ウィンや戸次重幸も登場するみたいで、第2回以降が楽しみ❗

Number_i『Be On Your Side』の歌詞カードにじわる


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 平野紫耀くんが広告キャラクターを務める韓国のブランド「ウォンジョンヨ」のヘアケア製品が本日販売開始となりました〜〜❗(ぱちぱちぱち)今日は仕事休みだったので、11時過ぎに公式のオンラインストアに行ってみたけど、既に売り切れ^^;ロフトのほうも「繋がりにくくなっております」の表示が延々と出て、やっとサイトにアクセスできたと思ったらまたもや売り切れ。予想はしていたけど、これほどまでとはねぇ…。次の入荷を待ちましょう。

 

 韓国の人って、昼間は反日、夜は親日になるって言われているじゃないですか。仕事などパブリックな場では反日のフリ?してるけど、夜飲みの場では一転親日になるって……。韓国でも今回の平野くん起用についていろいろ言ってるパブリックな反日派はいるみたいだけど、当然それは予想した上で起用して下さったウォンジョンヨさんと、それにがっつり応えた平野くんの漢気に拍手、拍手👏👏👏今回の起用についていろいろ言ってる人たちの中にも「夜の親日」は絶対大勢いて、こっそりシャンプー買ってるはず(笑)


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※これじゃーねー、即完売だよね(笑)

 

閑話休題

 

 ウォンジョンヨ完敗でガックリ来てたら、しばらくして『Be On Your Side』のCDが届いたので、早速Number_iを初め、TOBEのアーティストたちが紡ぎ出す優しい世界観に浸っております。折しも外はしとしと雨。こんな日は、彼らの透き通った歌声が、耳にも心にも心地良い。

 

 歌詞カードには当然、「作詞:Number_i」の文字が燦然と輝いて、オタク的にはかなりじわりました。歌詞を追っていくと、なんだろう、彼らの、音楽の持つ力を純粋に信じてる、アーティストとしての心意気が行間から滲み出ているようで、彼らの優しく誠実な人柄がひしひしと伝わってくるようで。不思議だなぁ、この感覚。彼らの歌を聴き、彼らの姿を遠くから、しかも映像を通して見ているだけなのに、彼らのことをすっかり理解しているような気分になってる(笑)平野くんは「(僕たちが存在することで)明日が来るのが楽しみになるような、そんな存在になりたい」って言っていたけど、君たちはもうすでに十分なっているよ❗

 

 これからもきっと彼らは、世の中の有象無象の雑音には耳も貸さず、ひたすら彼らが生み出す音楽の力を信じて、私たちの側に寄り添い、背中を押し続けてくれることでしょう。

 

いま、同じ瞬間(とき)を生きていること、それこそがまるで奇跡なんだから。