オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想、推し活のつれづれなどを呟いたりする気ままなブログ。

天皇皇后両陛下ご訪英とエリザベス2世ご来日の思い出


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※バッキンガム宮殿

 

 コロナ禍で延び延びになっていた天皇皇后両陛下の国賓としてのご訪英がついに正式決定❗やっと実現か……と、ヲタクは夢見心地でございます(笑)

 

 思い起こせば遥か昔……。故エリザベス2世がご来日の折、当時大学生だったヲタクは、大学の裏門の前で教授やクラスメイトたちと一緒に、赤坂迎賓館へ車でパレードされたエリザベス2世をお迎えしました。

 

 その時はちょうど英文学の講義の日。シェイクスピアの専門家であるM教授はオックスフォード大学卒業の英文学者であると同時にカトリックの司祭であり、当時既に来日20年を迎えていました。軍隊式の厳しい布教で知られるイエズス会士ですから、もちろん生涯独身。大学内の古く狭い教授館に一人暮らしをされていました。M教授は授業が始まるなり、「授業中申し訳ありませんが、もうすぐ我が英国のエリザベス女王が大学の裏をパレードで通られます。君たち、一緒にお迎えしてもらえませんか?」と、いつも通りの穏やかなQueen’s Englishで仰ったのです。私たち学生は歓声を上げていそいそと教授の後に従いました。

 

 女王様が通られたのはほんの一瞬。それでも、車窓を下げてにこやかに手を振るそのお姿は、やはり常人とは全く違う、高貴なオーラに輝いて、それは眩しいほどでありました。学生たちに囲まれて頭一つ抜けた長身のM教授は、まるで学生に戻ったかのように、一生懸命日の丸とユニオンジャックを振っておられました。その瞳に光るものを見た気がしたのはヲタクだけだったのでしょうか❓神にその全てを捧げ、故郷を離れ一人東洋の異国に来て20年、教授の胸に去来していたものは一体何だったのだろうか…。既に鬼籍に入られた教授に確かめるすべはありませんが。


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※ご来日から遡ること20年近く前のエリザベス2世の肖像画ですが、ヲタクが目に焼き付けたご尊顔は、この肖像画そのままでした。

 

 海軍兵学校出身で、戦後は海上自衛官となったヲタクの父親は、1930年ロンドン海軍軍縮会議において、山本五十六が提案した「潜水艦保有数平等化」案に賛成してくれたのは英国だけだった、しかし米国が強硬に反対した為に結果的に日本は太平洋戦争に追い込まれた。日本に必要なのは日英同盟の再締結だ……と日頃話していたので、ヲタクもいつの間にか英国びいきになってしまったと思われます(父の英国びいきは相当なもので、防衛庁に勤務していた頃には、土曜日になると午後同僚とコントラクトブリッジに興じるのが常でした)

 

 この度の天皇皇后両陛下のご訪英により、素晴らしき皇室外交が展開され、両国にさらなる強固な絆が生まれますことを心から願ってやみません。

Number_i『GOAT』イタリアの大学生が選ぶ「海外展開すべきJ-POP」第1位に❗


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 マーケティングリサーチ会社GfK JAPANが、イタリア・ナポリパルテノペ大学で、大学院生を対象に、彼らが音楽プロデューサーであるという設定で、7組の日本のアーティストの曲の中から、「海外で展開すべき曲はどれか」を選ぶワークショップを実施したそうです。で、35.3%で1位に選ばれたのが我らがNumber_iの記念すべきデビュー曲、『GOAT』❗❗


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 選曲理由をキーワードで表現してもらったようです。MVを見ての結果ということで、あの素晴らしい『GOAT』のMVという視覚的な効果が大きかったのかな……❓と最初は思いましたが、あにはからんや、「曲」がやはり1番のパワーワードだったようで、それが凄く嬉しかった。何より「曲」そのものがイタリアの若者たちに響いたってことがね。一方、「インターナショナル」というワードで表現されたのは、7組のうち、Number_iとME:Iのみだったよう。

 

 個人的には、先日プッチーニ没後100周年でロベルト・アラーニャのコンサート聞いたばかりだし、サマソニ2024、Number_iが出演する日のヘッドライナー・マネスキンはイタリアのロックバンドで、最近イタリア熱が高まってきていたので2重に嬉しい❗大体イタリア人って基本親日家だから……。(黒髪に黒い瞳、ヨーロッパの中では比較的小柄な人が多い)ちなみにマネスキンのボーカル、ダミアーノ・ダヴィドは知る人ぞ知る日本のアニメオタクで、マネスキンの『TIMEZONE』のMVでは、『BEASTERS』(板垣巴留・作)の世界観が展開しております。(オープニングには、板垣先生の描き下ろしイラストが登場❗)

 

 イタリアってクラシックのイメージが強いですが、イマドキのイタリアの若者が熱狂しているのはヒップホップとダンスミュージックだと言われているんですよね。タッキー社長、Number_iの海外進出、コーチェラに続いて次はイタリアでいかがでしょう❓(真剣)

 

 

向井理✕勝村政信の二人芝居『ウーマン・イン・ブラック〜黒い服の女』


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 渋谷PARCO劇場にて、『ウーマン・イン・ブラック』鑑賞。

 

 英国の作家スーザン・ヒルのホラー小説を舞台化したこの作品は、1987年スカボローの劇場で上演されて以来、その舞台ならではの恐怖体験が評判を呼び、その後12の言語に翻訳されて、40カ国で上演されるほどの大ヒット作となりました。

 

 そこは古ぼけたヴィクトリア様式の小さな劇場。そこへ中年の弁護士キップス(勝村政信)が現われます。キップスには若い頃、家族や友人にも告白できないような恐怖体験がありました。(余りにも衝撃的な恐怖体験は口に出すのも憚られる……というやつですね)彼はその恐怖体験のため、夜ごと悪夢に悩まされ、1日たりとも安らいだことはなかったのです。彼は悩み抜いた末に、あの忌まわしい記憶を、家族に告白する決意をしました。それはあたかも悪魔祓いの儀式によって、自らのどす黒い記憶を浄化しようとでもするように。彼はその「儀式」の前に、優れた語り部たるべく、独白の練習をしようとします。その為に相手として選んだのが、若いプロの俳優(向井理)でした。俳優が若き日のキップスを演じ、恐怖の劇中劇が幕を開けます。

【劇中劇】

 若き日のキップス(向井理)は、顧客である老婦人アリス・ドラブロウ夫人死去の報を受け、北イングランドの片田舎クリシン・ギフォードへ出向きます。葬儀と遺産整理のためでした。夫人は、潮が引いた時にしか行き来のできない孤立した場所・イール・マーシュの館で暮らしていました。しかし街でキップスがドラブロウ夫人の名前を出す度に、相手の表情は凍りつき、そそくさと逃げ去ってしまいます。夫人の葬儀に参列した彼はついに、目にします。そこに居るはずのない、蒼ざめた表情をした、黒衣の女を。街の人々を恐怖のどん底に陥れる黒衣の女。果たしてその正体は……❗❓


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 ヲタクはこのストーリー、ダニエル・ラドクリフ主演の映画の方で先に見ているんですよね。(『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』2012年)灰色の空に覆われた沼地の光景やイール・マーシュの館の陰鬱さが恐怖を煽り、とても怖い思いをした覚えがあるので、今回舞台ではその恐怖をどう演出するのかと思っていましたが……。

 

舞台のほうが断然怖かった❗(^_^;)

 

 度々暗転があり、暗闇の中で突然悲鳴や蹄の音を聞かされるのって、心臓に悪いよ(笑)……人間は想像力を働かせる生き物だから、(どの場面で恐怖が襲ってくるか)予想しているうちに、どんどん不安になってくるんですよ。お化け屋敷の原理ですよね。こっちが不安と恐怖のカタマリになってるから、ちょっとした物音でも「ぎゃ〜〜っ」ってなるっていう、アレ(笑)

 

 今回は前から3番目の、お二人の息遣いまで聞こえる良席。そのうえ、向井理さんと勝村政信さんが客席の通路を走り抜けるサービス演出❤ベテラン勝村さんはいつもながら緩急自在、恐怖の中にもユーモアが滲んだ演技で、時折我々の緊張をほぐして下さり、正統派の向井さんとは良いコンビじゃないでしょうか。

 

 それにしても向井理さん、声は朗々と通るし、立ち姿が美しいし、何より舞台映えがしますよね。もっともっと舞台で拝見したいわ〜。……次はシェイクスピア、いかがでしょう❓『ヘンリー四世』のハル王子、『ヘンリー五世』のタイトル・ロール、『ジュリアス・シーザー』のアントニウス、『リア王』のエドガーなんてピッタリだわ、きっと。いつか、期待してようっと(笑)

 

テノールの覇王、コ・ウ・リ・ン❗〜ロベルト・アラーニャ in サントリーホール


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 今年は偉大なるオペラ作家プッチーニ没後100周年。その記念すべき2024年、テノールの神、ロベルト・アラーニャサントリーホールに降臨❗18年ぶりの来日ということで、もう始まる前から客席はファンの熱気でムンムン。

 

 白いタキシードで身を固め、にこやかに登場したロベルトは、まさに水も滴るイケオジ😍御年61歳にはとても見えない若々しさ。(確実に10歳は若く見える❗)情熱的で、豊かな表現力に満ちた歌唱は、「三大テノール」が一線を退いた後、現代テノールの覇王と言っても過言ではありますまい。

 

 最初の数曲……『幸せに満ちたあの日々』(『妖精ヴィッリ』より)、『快楽の宴、ガラスのような目をしたキメラ』(『エドガール』より)『栗色、金髪の美人の中で』『何と素晴らしい美人』(『マノン・レスコー』より)辺りまでは私たち観客もガマンして❓大人しく聴いていたんだけど(笑)前半の最後の曲『ご覧下さい、狂った僕を』(同じく『マノン・レスコー』)が終わった途端、ほぼ総立ちで「ブラヴォー❗」と拍手の嵐。日本のクラシックファンは大抵遠慮がちで、座席で静かに感動を噛みしめることが多いけど、やはり偉大なる神アポロンの前にはなすすべもなく理性のタガが外れるらしい(^_^;)私たち、今日だけラテン民族(笑)

 

 休憩を挟んでの後半は、『冷たい手を』(『ラ・ボエーム』より)、『星は光りぬ』(『トスカ』より)、『さらば、愛の家』(『蝶々夫人』より)、『やがて来る自由の日』(『西部の娘』より)、『誰も寝てはならぬ』(『トゥーランドット』より)……と、誰もが知る名アリアの数々を怒涛の如く歌い上げ、天上で聴く音楽とはかくの如きか❓と、その素晴らしさにただただひれ伏したい思い。特に『誰も寝てはならぬ』〜All’alba vincero! Vincero! のくだりには、本当にトリハダが立ったよ、ゾワゾワ〜って。最近の美容医学研究によれば、トリハダが立つと肌の立毛筋が刺激されて肌のハリが戻るって言うから(カズレーザーの番組で言ってた)、ヲタクは今日確実に5歳くらい若返ったはず。いや、ホント。

 

 アラーニャは音大卒のエリートではなく、クラブで歌っていたところを認められてオペラ歌手に転身、独学で歌唱をマスターした叩き上げの苦労人だから、気さくで愛嬌があって、その人柄を愛するファンも多数。今日も指揮者の三ツ橋敬子さんの手を取って、まるで社交界のデビュタントをエスコートするかの如く会場の隅々まで挨拶して回り(何度三ツ橋さんの手の甲にキスしたかしら。三ツ橋さんも華奢でとても綺麗な方なので、これまた絵になるのよねぇ)、東京フィルの面々にも立ち上がって拍手を受けるように促し…。とうとう客席からも「ロベルト、ステキ〜〜❗」の黄色い声が飛び、お花を持って行くファンもいればウチワを振ってるファンもいて、さながらアイドルのコンサート状態(笑)その親しみやすさで、大勢の人たちにオペラを身近に感じさせたロベルトの功績は偉大だと思うなぁ。アンコールで『ジャンニ・スキッキ』を歌う時は、「これ、ホントは若いテノールが歌う歌なんだ…。もうボク、年取っちゃったからなぁ。歌えるかしら。でも、みんなのために頑張るね😉」と、どこまでも気取りのないロベルト・アラーニャ。歌というものがこんなにも、人を癒やし、励まし、勇気を与えるものかと、まざまざと見せつけられた至福の2時間でした。

 

 ヲタクは、史上最高のメゾ・ソプラノと称されるエリーナ・ガランチャと組んだ『サムソンとデリラ』や『カルメン』を観てロベルトのファンになったんだけど、偶然にもガランチャも今月末に来日するのよねぇ……。ガランチャの方は観に行けないけど😭でもまた、MET公演でアラーニャ&ガランチャのゴールデンコンビでオペラが観たい❗

 

 世界を股にかけるテノールの覇王、ロベルト・アラーニャ。今日夜の便で奥さまと共にスペインに飛び、明日の夜にはバルセロナでコンサートだそうです🫢どうぞ、また近い内に日本に来て下さいね❗

 

 

 

 

 

『i』はメンバーi=愛❓〜Number_i『No.O-ring-』


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 最近、休みの定番はNumber_iのミニアルバム『No.O-ring-』。ヲタクの家のリビングにはほぼ終日BGMで流れておりますが、その中でもヲタクの今日の気分に刺さるのはなんでアル❓アイ『i』デアル。(古すぎて誰も解らないギャグ。ちなみに出典は「こち亀」。紫耀くんたちの昭和のイケオジを見てからというもの、ヲタクの日常も昭和に逆行^^;)

 

 『i』は平野紫耀くんプロデュースの曲。『BON』とはあらゆる意味で対極にある、いわゆるJ-POPのジャンルに入るかと思います。紫耀くんは「Zach Sang Show」のインタビュー時、ZachさんにJ-POPの特性を聞かれて、確か「ストーリー性があること」と答えていましたよね。ヲタクはなるほどなぁ……と感心したんですが、だとしたらさて、『i』が表現しているストーリーは一体何❓

 

 ライナーノーツをさらっと読むと、心通わせる女性との平凡だけどささやかな幸せを大事にしている男性のストーリー……と解釈するのが妥当なんだろうけど、私はヒネクレ者のヲタクなんで、全く違う解釈です(笑)

 

 Smile 君ならば

 Love その優しさで

 Hope 繋がっていける

 

 一握りの幸せでいい

 一握りの幸せでいい

 一人きりの人生じゃない

 それだけでも GOOD LIFE

    

 思えば、これまでも(そして現在も)、誰よりも華やかでオーラを放つ存在であるが故に、一挙手一投足に注目が集まり、毀誉褒貶に晒されてきた紫耀くん。しかし果たして彼にとって、私たち一般人が当たり前のように享受している「一握りの幸せ」……自分の夢や希望を忌憚なく話し合い、励まし合い、悩みを正直に打ち明ける相手がいたのかどうか。これからずっと一人きりで、誰にも頼ることなく生きていかくてはいけないのだろうか…と、密かに自問自答した日々もあったのではないでしょうか。

 

 しかし今は、「家族のような、友人のような、表現することの難しい」唯一無二の存在であり、「そもそも、もし僕1人だったら、この世界でやっていなかったかもしれない」と彼に言わしめるほどの岸優太くんと神宮寺勇太くんの2人が、常に傍にいてくれる。彼らこそが、紫耀くんにとって「君」なのでは❓(英語のyouは単数も複数も同じyouですし)だからこそ曲のタイトルもNumber_iの『i』なのでは❓……と、ヲタクは思わずにはいられないのです。

 

 昨夜公開された待望の『BON』ダンスパフォーマンス動画。ラストに紫耀くんがとった驚くべきメンバー愛の発露を見るにつけ、ますますその意を強くするヲタクなのでした、ぢゃん、ぢゃん❗

 

 

 

 

PG12で大丈夫❓(^_^;)〜映画『チャレンジャーズ』

 
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 桜木町駅前のシネコン「ブルグ13」にて、ルカ・グァダニーノ監督の新作『チャレンジャーズ』鑑賞。

 

 ヲタクが当ブログの記事で制作情報を発信したのがおよそ2年前。待ちに待って(その間ヴェネチア国際映画祭でのプレミア上映が突然キャンセルされるというハプニングもありつつ)ついに……ついに日本で劇場公開された『チャレンジャーズ』(ルカ・グァダニーノ監督)❗長かったよぉぉぉ😭😭😭


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※10代の終り、1人の女性に夢中になった2人の男。さて、このラブ・トライアングルの結末は…❗❓

 

 天才テニスプレイヤーとして少女の頃から将来を嘱望されていたタシ・ダンカン(ゼンデイヤ)。しかし彼女は試合中のケガにより、突如として選手生命を絶たれてしまいます。それまでの人生のあらゆる局面において負け知らずだった彼女にとって、それは到底受け入れることができない事柄でした。彼女は潰えた自身の野心の代替として、自分に夢中なテニスプレイヤーのアート(マイク・フェイスト)と結婚し、彼の専属コーチとなります。結果、アートはグランドスラムに6回優勝(全豪、全英、全仏を各2回ずつ)、超一流選手に上り詰めます。しかし貪欲なタシの野望は留まるところを知りません。というのはアートは、彼女の最大の悲願である自国の全米オープンには1度も優勝していないからです。ところが彼女の意に反して、30才を迎えたアートは最近戦うことに疲れ始めているようで、若い選手たちに連戦ボロ負け状態。挙げ句の果てには、引退を口にし始める始末。焦燥に駆られるタシは、全米制覇に向けて何とかアートの士気を再び高めたいと、彼のランクにしてはかなり下位のチャレンジャーズ大会にワイルドカード枠(主催者推薦枠。集客が期待される人気選手である場合が多い)として参加させることにします。しかしそこで衝撃の事実が発覚❗なんと決勝戦の対戦相手は、アートの少年時代の親友で、共にジュニアダブルスで優勝し、タシとも一時肉体関係にあったパトリック・ズワイグ(ジョシュ・オコナー)だったからです……。


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※共に名門・スタンフォード大で学び、その後結婚してテニス界のセレブなパワーカップルとなるタシ(ゼンデイヤ…右)とアート。

 

 全てをこの手に掴み取り、周囲を自在にマニュピレートしたいという激しい欲望を抑え切れないタシ。彼女は長い間、アートという従順な人形を繰ることに成功し続け、今回のチャレンジもまた、彼女の勝ちに決まっている……はずだった。しかしそこに、粗野で傲慢、悪賢く、最後までタシの思い通りにならなかった元カレのパトリックが彼女の人生に再登場してきて、彼女の「人生の設計図」は思わぬ方向に進み始めます。本物のテニス試合と見まごうほどの白熱したゲーム展開(ゼンデイヤ、マイク・フェイスト、ジョシュ・オコナーは半年間、合宿形式でテニスの猛特訓を受けたそう)に、彼らの10年に渡る「ラブゲーム」が度々フラッシュバックします。


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 登場人物はほぼ3人のみ。タシ(ゼンデイヤ)は黒人、夫であるアート(マイク・フェイスト)はWASP(W白人、Aアングロ=Sサクソン、Pプロテスタントアメリカ人のこと)で、ライバルのパトリックはユダヤ系。ひと昔前ならアートが2人をマニピュレートする立ち位置だったかもしれませんが、彼はなぜか3人のうちで最も自己肯定感が低く、他の2人にいいように翻弄されてしまいます。そもそも舞台が2019年とは言え、アメリカのヤンエグ表現するのにWASPなんて言葉、当時でももはや時代遅れな気が……(^_^;)自身がイタリア人で(公表はしていませんがおそらく)LGBT、ハリウッドではいまだに「よそ者」、「異端児」であるルカ・グァダニーノの、米国社会への皮肉と揶揄と捉えるのはヲタクだけ❓

 

 三者三様10年という長い月日を経て、何にチャレンジして、何を得たかったのか❓アートとパトリックがタイブレークの末勝敗を決した時のラストシーンが全てを物語っている……とヲタクは感じました。自分自身の本心が掴めず迷走を続けていた彼らが、やっと自己認識に至ったのだと。あのシーンを見て初めて我々は思い知るのです。ジュニアカップ優勝の夜、アートとパトリック2人をトリコにした「筈の」タシが何故、「略奪愛は好きじゃない」というナゾの言葉を残して2人の元を去って行ったのかを。

 

 ヲタクの推理では、試合の後タシをコーチにして、アートとパトリックはジュニア時代と同様、ダブルスで再出発するような気がしてならない。

 

 オープニングからラストクレジットの曲に至るまで、全編を通じて音楽を担当したのは今業界で大注目の※トレント・レズナー & アッティカス・ロス。今回試合のシーンで多用されるのは、観客の体内に眠る欲望を呼び覚ます、アップビートなシンセサイザーの音……凄い❗❗

※『ソーシャル・ネットワーク』、『ドラゴン・タトゥーの女』、『エンパイア・オブ・ライト』、『ザ・キラー』等、最近の印象的な映画音楽といえば、必ずと言っていいほど彼ら……なんですよね。


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※ヲタクの推しマイク・フェイスト、元来はかなり細身の彼ですが、今作のために相当筋トレしたもよう。(ジョシュ・オコナーが「マイクは1日中トレーニングしてた」って言ってたもんね^^;)タシに全面的に依存していたアートが、パトリックとの試合を通じて次第に自己認識に至る過程を繊細に演じて、見事だったと思います。(推しに対するえこひいきではありません、念のため 笑)

 アート役にマイクを推薦したのは、プロデューサーも兼任したゼンデイヤだそう。彼がコナー・マーフィ役を演じた『ディア・エヴァン・ハンセン』のブロードウェイの舞台も見たらしい。立派なマイク担じゃん(笑)


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※映画の中では、激しい欲望を漲らせる大人の三角関係が描かれますが、撮影現場の裏側やプレスツアーでの3人は一転して、コドモ返り(笑)まるでハイスクールの生徒たちみたいにワチャワチャしてます。

 

しっかし米国ではR18+指定になったってニュース、以前どこかで読んだんだけど、日本ではPG12。ホントにこれで大丈夫❗❓

 

 ヲタクが溺愛するたった1人の孫👦は12才男子だけど、汚れなき天使ちゃんな彼にはとても見せられない映画だわ(笑)

 

★本日の小ネタ

クィア・コーディング

この作品、明らかにクィア・コーディング(性的少数者であると明示的ではなくても、そのように解釈できるような様々なサブテキスト要素(コード)を埋め込むこと)な作品。まっ、監督がルカ・グァダニーノだし、ある程度予想はついていたけど。だって『ブロークバック・マウンテン』(舞台)のマイク・フェイストだし、『ゴッズ・オウン・カントリー』のジョシュ・オコナーだし。コーディングと言えば、名作『君の名前で僕を呼んで』でティモシー・シャラメが食べてたスモモが、今回はチュロスやバナナなわけ。ちょっと困るじゃない〜〜、これからディズニーランドでどんな顔してチュロス食べればいいのさ(笑)

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※叶わぬ恋に悶々とするパトリック(左)を演じるのは、英国俳優ジョシュ・オコナー。クズだけど、心の奥底にどうしようもない寂しさを抱えてる役が上手いんだよなー、この人。

 

 今作を観た方の中には、「いや、これってむしろクィア・ベイティング(実際に同性愛者やバイセクシャルではないのに、性的指向の曖昧さをほのめかし、世間の注目を集める手法)じゃない?」って思う人がいると思う。……でも、グァダニーノ監督はたぶん真正のクィア(この呼び方自体が差別的なニオイがして、個人的には好きじゃないけど^^;)だから、ベイティングには当たらないというのがヲタクの考え。ノンケに惚れちゃったゲイの切なさをジョシュ・オコナーが小憎らしいくらい巧妙に演じてるけど、監督は彼の姿に自己投影しているような気がするから。

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※普段から仲良しなマイク・フェイスト(左)とジョシュ・オコナー(右)どこかで「クローゼット・ゲイ」っぽいって言われてたな、マイク(笑)

 

WASP

 今では死語と化した❓感のあるWASPですが、確かに1970年代くらいまでは彼らがアメリカ社会を牛耳っていたのは事実。ヲタクがこの言葉を知ったのは、大学時代に読んだエリック・シーガル(Erich Wolf Segal)の"Love Story"。就活してる主人公のハーバード大学生オリバーの「僕成績は3番目だけど、1番と2番はユダヤ人。彼らより良い所に就職できる筈」って言葉は衝撃的だったわー。当時のヲタクは、アメリカは「自由と平等の国」という幻想に囚われていたから。シーガル自身はハーバード大卒のユダヤ教徒だから、今思えば、作品の中でWASPハーバード大生を揶揄していたのかもね。

 

 

 

 

 

 

 

前作の熱量落ちてないよ❗〜IMAX『マッド・マックス :フュリオサ』


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 核兵器戦争が勃発して環境が汚染され、生き残った者は僅かな水と資源を力尽くで奪い合い、殺し合う世界を舞台に、極限のアクション・ムービー『マッドマックス〜怒りのデスロード』を作り上げたジョージ・ミラー監督、堂々の帰還❗『デスロード』で、水を繰ることで絶対的権力を振るう独裁者イモータン・ジョーに捨て身で反乱を起こしたフュリオサ大隊長シャーリーズ・セロン)。あまりのカッコよさに主役である筈のマックス(トム・ハーディ)がすっかり霞んでしまいましたが^^;今回はフュリオサが主役を張り、『デスロード』の前日譚となっております。(今作品、フュリオサがイモータン・ジョーの5人の妻たちを連れて逃げるところで終わっているのもいいですよね)

 

 荒れ果てた地のオアシスのように「豊かな地」で、家族や友人たちと幸せに暮らしていた幼き日のフュリオサ。しかし、独裁者イモータン・ジョーに反乱を目論む最強(最恐❓最凶❓)バイク軍団の総長ディメンタス(クリス・ヘムズワース)に誘拐され、助けに来た母を彼に惨殺されたことから、フュリオサの苦しみに満ちた波乱の人生が幕を開けます。

 

 フュリオサの若き日を演じるのは、アニャ・テイラー=ジョイ。当初キャスティングを聞いた時には、ガタイからしシャーリーズ・セロンと違いすぎるので❓❓❓ってなってたけど、最初から『怒りのデスロード』の超パワフルなフュリオサだったらかえって違和感あるよね^^;ある意味今作は、奴隷から砦(シタデル)のドッグマン、機械工、輸送部隊の副隊長、そして最後は警護隊長と、知恵とガッツでのし上がっていくフュリオサの成長物語でもあるわけだから、アニャはぴったりのキャスティングだったと思います。今作品のフュリオサは力ずくで……と言うよりむしろ、めちゃくちゃクレバーで、頭脳戦に長けている印象。アニャは、あの色白の肌を泥だらけにして、目力のある大きな瞳をギラギラさせて、ちょっと見ただけでは彼女とはわからないほど。彼女の根性と女優魂に脱帽です。

 

 作品のクライマックスは、フュリオサが母親の仇であるディメンタスを砂漠の果てまで追い詰め、両者が対峙する場面。ディメンタスはフュリオサ同様戦いの中で家族を殺され、飢餓と貧困のために闇落ちしてしまった……という設定なので、イモータン・ジョーのようなサイコパス、絶対悪キャラとは根本的に違うんですね。そういう点で、クリヘムがキャスティングされたのはドンピシャ。ヴィランであるはずのディメンタスを演じながらも、随所にクリヘム自身のユーモア溢れる人柄が顔を出して、だからこそディメンタスの「憎しみは連鎖する。俺とお前は同類なんだよ。俺たち(の心は)すでに死んでるんだ」というフュリオサへ向けての台詞が生きた❗


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※フュリオサの幸せをことごとく奪うヴィラン、ディメンタスですが、彼にもまた幼い子を亡くした悲しい過去が……。クリヘムは付け鼻付けて大熱演。素顔だと可愛いすぎるもんね(笑)


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※孤独なフュリオサの唯一の理解者となる警護隊長ジャック。フュリオサをめぐる男たちは揃いも揃ってどーしよーもないクズばかりですが、そんな中唯一マトモな人物。『デスロード』のニュークス的な立ち位置かな。演じるのはトム・バーク。英国人らしく、ジェントルマンな雰囲気醸し出してて◎❗

 

 それにしても監督であるジョージ・ミラーは御年79才。今作も8年前の『デスロード』と同じ壮大な世界観が展開し、そしてなんと言ってもその熱量がちっとも落ちてないのには驚きです。ラストクレジット、『デスロード』の名場面が次々と流れてきて、ヲタク的にはめっちゃ胸アツ。我が愛しのウォーボーイ・ニュークス(ニコラス・ホルト)と火炎ギター男もちらっと出てきたし…。ミラー監督、まだまだお元気そうなので、ニュークス誕生のスピンオフ作ってくれないかなぁ……。まあでも、主役張るにはちょっとキャラ弱すぎるか(笑)


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※前作『マッドマックス 怒りのデスロード』のヲタクの推しキャラといえば、なんと言ってもウォーボーイ・ニュークス(上…ニコラス・ホルト)と火炎ギター男(下)。前作をまだご覧になっていない方は、観てから映画館に行こう♬


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※白塗り坊主のニュークス(ニコラス・ホルト)の素顔はこんな感じ❤↑本人の名誉のために❓写真載せときます(笑)

 

 

Number_iの英語に衝撃を受けた日〜アルバム『No.O-ring-』



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※関係ないけど、手前に見えてる我が家のソファは国内ソファ専門メーカーの「NoYes(ノイエス)」のもの。勝手に推しとの縁を感じちゃう。本社は名古屋市だし♫……ってゆーか、こじつけ❓^^;

 

 

 今日は雨。でもラッキーなことに仕事は入ってなかった、バンザイ\(^o^)/朝からずっとNumber_iのミニアルバム『No.O-ring-』を聴いています。

 

 推しのアルバムの中でも、その時の気分や体の状態によって「刺さる曲」って違ってくる。今朝はなぜか『夢の続き』、『Banana(Take It Lazy)』、そして『SQUARE_ONE』の3曲がビンビン響いてくる。(ちなみに昨夜は『OK Complex』を繰り返しバカみたいに聴いてた。紫耀くんの低音のリピートがヤバかった)『夢の続き』が聴きたいのは、今日は雨だからで(カラッと晴れた日だったらきっと『No-Yes』だったんだろうな)、『Banana』はかなり疲れていてLINEを開かずチルしたい気分だから。『SQUARE_ONE』の理由は不明(笑)

 

 …とまあ、つまらない自己分析はこっちに置いといて(^_^;)

 

 今日ちょっと呟きたいのは、

Number_iってこんなに英語が上手だったの?

ってこと。

 

 英会話は発音に加えて、アクセントの強弱とイントネーションがキモだけど、『Banana』のNumber_iの御三方はそこをしっかり押さえている上に、英語の歌を歌う時に必須なリンキング(子音+母音、子音+子音、母音+母音が繋がる。例:an easy breezy life anとeasy、さらにbreezyも繋がってアニージ(ィ)ブリージィとなる)やリダクション(子音が並ぶと手前の子音が消える。例:Take it lazyのtは発音しない)も難なくクリアしていてビックリ🙀相当の練習量❓それとも音感の良さ❓特に『Banana』の英詞は韻を踏んでいる箇所が多いから、聴いていてとても心地良く、癒される。

 

 ヲタクもカラオケで海外の曲トライするけど、何とかマトモに歌えるのはビートルズカーペンターズのバラードくらい。マドンナの『Like A Virgin』が限界。テイラー・スウィフトの『Shake it off』歌ったら悲惨なことになった(^_^;)

 

 Number_iの3人なら、海外のフェスでもBTSみたいに全編英語詞でも十分勝負できるんだろうけど、きっと、彼らが何よりも大切にしているのは、あくまでも日本で支えてくれているファンダムなんだろうなぁ……。まずは日本のファンに曲を理解してもらって、愛してもらって、その上で初めて、手を携えて世界を目指そう……っていうね。だから日本語のベースは崩さないのでは❓そこまで考えたら、ちょっとうるっと来ちゃったよね。

 

 ……それにしても『SQUARE_ONE』は何度聴いても楽しくてニヤついちゃう。「なるようになるさ」的な突き抜けた明るさがあって、個人的にはラップのヒリヒリしたメッセージ性や理不尽さへの怒りよりも、ジャマイカ辺りのユルい雰囲気を感じる。

人生は廻り廻るエチュード

来やがれっちゅーの

ねぇ❓ホントだよね。なんでもかんでもまとめて来やがれっちゅーの(笑)

この曲聴いてると、トム・クルーズが映画『カクテル』でニューヨークの生活に疲れ果てて逃げてったブルー・ラグーンの光景が浮かんでくる。レゲエ聴いてる時のような軽さと心地よさ。あー、そっか。『SQUARE_ONE』を繰り返し聴きたいところみると、やっぱり疲れてるのかな、今日のじぶん(笑)

 

 彼らを取り巻く毀誉褒貶は凄まじいものがあるけど、『SQUARE_ONE』に見られるように、自分たち自身をネタにして笑い飛ばすところに大人の余裕すら感じる。大した人たちだよ、Number_iは。

 

 明日はまた仕事だから、今日は1日『No.O-ring-』を聴いて、『Banana』の岸くんのアドバイス(Take It Lazy)通りダラダラ過ごして英気を養おう、うん(笑)

 

全身、総毛立つ怖さ〜A24『関心領域』


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 桜木町駅前のシネコン「ブルグ13」にて、『関心領域』鑑賞。

 

 ヒットラーの片腕として、事実上ホロコーストの1番の責任者といえる、悪名高きアウシュビッツ収容所所長ルドルフ・ヘスクリスティアン・フリーデル)。彼は収容所のすぐ隣に邸宅を構え、妻(ザンドラ・フュラー)と子供たち、使用人と共に暮らしていたのですが、この映画は彼の所長時代の日々の生活を描いたもの。しかし作品を貫く淡々とした「日常性」が、かえって観ている我々の恐怖をじわじわと増殖させていきます。そしてそれは、まるで黒いシミになって、私たちの身体に染みついてしまうのかと思うほど。

 

 作品では決して、収容所内の酷たらしい光景を映し出そうとはしません。しかし私たちは、ローズマリーライラックが美しく咲き誇る庭の背景に、絶えず黒煙を吐き出す巨大な煙突や、蒸気機関車の煙、ヘスが髪を洗うとシンクに流れ出てくる黒い筋を見る時、不安と恐怖に苛まれます。いや、1番恐ろしいのは、1日中ユダヤ人たちの阿鼻叫喚の声や拳銃の音を遠くに聞きながら、幸せそうに笑っているヘスや妻、子どもたちの姿かもしれません。特にヘスの妻は、金持ちのユダヤ人女性の遺品である毛皮のコートを嬉々として身にまとい、ポケットに入っていたルージュをつけて鏡に向かって歯を剥き出し、ニッと笑ってみせます。彼女とSS将校たちとのお茶の話題は、ユダヤ人の遺品の中からいかに「掘り出し物を見つけるか」ということ。ヘスの妻が、「歯磨き粉の中にダイヤが入ってたのよ!……本当に(ユダヤ人たちは)悪賢いんだから」と、お菓子を頬張りながら言った時にはヲタク、恐怖と嫌悪感で全身総毛立ちましたよ。……特に、ラスト近くの「アノシーン」の衝撃は凄まじい。ヲタク的には、『夜と霧』(1955年…アラン・レネ監督)を観た時と同じくらいショックを受けました。

 

 

 様々に解釈を加えられている映画ですが、ヲタクは映画館から明るい日向に出た時、不安なく雑踏を歩けることが、しいて言えば生あることそのものが、ただただ有り難かった。これからどんなに苦しい出来事があっても、生きていたいと強烈に思いました。単純すぎると言われるかもしれないけど、それが偽らざる心境です。現在の世界に弾き比べて批評する余裕なんて、なかったよ。


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 ※広大な庭で短い夏を満喫するヘスと家族、友人たち。しかし、有刺鉄線を張り巡らした塀の向こうはアウシュビッツ捕虜収容所。今日も断末魔の叫びが聞こえる……。

 

 『関心領域』は、A24スタジオの作品。エンターテイメント性を大事にしながら、今世界が抱える様々な問題を世に問いかけるA24にはヲタク、絶対的信頼を置いているけど、今回もまた、期待を裏切らない作品でした。2023年5月19日に第76回カンヌ国際映画祭にてグランプリとFIPRESCI賞、第49回ロサンゼルス映画批評家協会賞では作品賞を受賞、2023年ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞ではトップ5に入っています。

 

 撮影監督は、ポーランド出身のウカシュ・ジャル。若干43才にして、撮る映画撮る映画、欧米の各映画賞総ナメの映像の天才。彼は、同じポーランド出身のパヴェウ・パヴリコフスキと組んで、『イーダ』(2014年)、『COLD WARあの歌、2つの心』(2018年)というモノクロ映画の名作を撮り、一方では、『ゴッホ最後の手紙』や『もう終わりにしよう。』で鮮やかな色彩感覚を見せました。今作品では、ポーランドの目に染みるような美しい風景が、ホロコーストという人類史上類を見ない非人道的行為の恐怖を際立たせています。

 

 ……しかしラスト、ヘスのあの行為は何を意味していたのだろうか❓ヒットラーの片腕として、ニュールンベルグ裁判の後若干45才で絞首刑に処せられた彼にも、一縷の良心が残っていたのだと、ヲタクは信じたい。

やっぱり「i=愛」なのね❤〜Number_i in 「Numero TOKYO」

  
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 最近のグラビアでは、大人向けのハイブランドを身に纏って登場することの多いNumber_i。今回も、紫耀くんはヴィトン、アミリ、岸くんはドルガバ、サン=ローラン、ボッテガ・ヴェネタ、アミリ、ジンくんはディオール、フェラガモ、アレキサンダー・マックイーンをさらりと着こなして、サスガです❗昔の記事でも書いたけど、ジンくんは、誰が見てもモデル体型、岸くんと紫耀くんはジンくんに比べて小柄ではあるけれど、2人とも頭が小さい上に、肩幅とW&Hが美ボディの黄金比率だから、やっぱりモデル体型で、紙面上では全く遜色がありません。

 

 さて、インタビュー記事。今回は、Number_iという稀有なユニットの関係性にフォーカスを当てたものとなっています。

 

 ヲタクは昔故あって九星気学なるものを勉強したことがあるんですけど、今回のインタビューでなるほどなぁ……と思った点があるので、今回はちょっとそれを書いてみましょう。(あくまでも占いですから、当たるも八卦、当たらぬも八卦で気軽に読んで下さいね♫)

 

 紫耀くんは四緑木星で、明るく前向きで向上心があり、天を目指す樹木のように上へ上へと目指す人。ジンくんは三碧木星で同じ「木」の性質を持っているから、この2人は「似た者同士」、言葉を交わさなくても互いの気持ちが理解できるから、阿吽の呼吸で行動できる。但し、紫耀くんの四緑木星の象意は「少女」で、ジンくんの三碧木星は「少年」なので、意外にも紫耀くんが妹でジンくんが兄のような関係性カモ。紫耀くんは四方八方に気を遣って迷いがちなので、2人の間で最後に決断を下すのはジンくんで、イニシアチブをとっているのではないでしょうか。やっぱり陰のラスボスか(笑)インタビューで、1人の仕事で海外に行った時(たぶん寂しかったけどガマンして)あえて2人に連絡はとらなかったという紫耀くん。それに対してジンくんは……

それってヤバくない!?

「パリにいて寂しいって言われてもどうにもできないし」

と一刀両断(笑)

お兄ちゃんとしては、可愛い妹の自立を願っているようです(^_^;)

 

 そしてそして(本人は拒否っているけれども)Number_iのリーダー、岸くん。五黄土星なのかー、岸くん🙀動かざること山の如し、万物を全て吸収して栄養に変える、九星の中で最も強運な星。象意は「中年の男性」。若い頃は苦労が多いですが、年を取れば取るほど運気が上がっていきます。会社の社長とか、893の親分に多い星らしいですよ。穏やかそうに見える岸くんですが、一旦こうと決めたらテコでも動きません(笑)ピンチに強いのもこの星の特徴で、人前でもめったに緊張しない筈です。

 

やっぱりNumber_iのリーダーは岸くんしかいない❗

 

 紫耀くんとジンくんは「樹木」の特性を持っていますが、それこそ木は伸び放題では形も悪くなるし、鑑賞用の樹木や盆栽になりませんよね❓チョキチョキ剪定されたり、曲げられたりが必要です。紫耀くんと神宮寺くんは才気も行動力もありアイデアマンだから、思いついたらすぐに実行したいタイプなのですが、そこを上手くコントロールしてくれるのが岸くん。2人から見ると、岸くんの行動は時に不思議で、理解に苦しむことがあるかもしれませんが(笑)そこが大事なんです。それで絶妙なバランスがとれている。考えれば考えるほどNumber_iって最強のユニットですね❗

 

 九星気学から見ると、Number_iって、ヤンチャだけど甘えっ子な妹(紫耀くん)を温かく見守るしっかり者の兄(ジンくん)と普段はぼーっとしてるけど(失礼!^^;)いざという時には頼りになるパパ(岸くん)って構図じゃないでしょうか。インタビューで「互いに愛を感じる瞬間はありますか?」の質問に岸くんは……

僕は(常に2人から)愛を感じてる。

衣装に迷ってるときもそうだし、

普段のちょっとしたことでも、

この2人はめちゃめちゃ親身になって

一緒に考えてくれるんです。

そりゃ、そうだよー。子どもたちからしたら、パパにはいつもカッコよく自慢できる存在でいてほしいもん(笑)

 

パパが名付けたその名の通り、Number_iの3人を表すキーワードはやはり「愛」以外になさそうです。

 

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※紫耀くんがインスタに#家族写真として載せてくれたもの。なんてグッドタイミングなんぢゃー。これですよ、これ❗ジンくんのアニキ感も凄い(笑)

 

Number_iは令和のドリフターズ❓〜『BON』MVついに解禁❗

 ついに待望の『BON』のMV解禁〜〜ぱちぱちぱち👏👏👏そしてなんと、紫耀くんがそれに合わせてインライしてくれて、岸くんもジンくんも参加してくれて、10万人以上のファンと一緒にカウントダウンするという夢のような展開に。

 

 Number_iは冒頭、人と音に溢れたクラブのような賑やかな場所にいる。でもそんな中、彼らは戸惑い、不安と恐怖を感じ、群衆の中の孤独に苦しんでいるように見える。彼らを見ている私たちもまた、日々フェイク情報やデマゴーグ、故なきディスリに惑わされて右往左往している。

 

王者が掻っ攫う

頑丈に閉ざした君のハートを奪う

地位名声より大事なものがある……というスタンスは、彼らがグループを結成した当時から変わっていないよう。

 

 秘密の国の三月ウサギを道案内に(…いや彼らは「王者」なんだから、King of Wonderlandか❓)、彼らを信じて、私たちは巨大な迷路の中を共に必死に逃げる。どこまでも彼らについて行く。(迷路を見下ろすジンくんの慈悲深い眼差しは、まるで罪深い私たちに『蜘蛛の糸』を垂れてくれたお釈迦さまのよう)そして私たちを取り巻く光景は

ジュラ紀から令和への日本

と移り変わる。そして、劇的に変化する環境に合わせて次々と姿を変えていくNumber_iは変幻自在な令和のトリックスター。TVの歌番組でこの曲を披露する時は大人セクシーなのに、MVではこんなにシュールでコミカルなキャラにヘンシーン❗ひと粒で2度美味しい……どころじゃない、10度くらい美味しいNumber_i(笑)

 

 炎に囲まれた結界❓みたいな場所で私たちの煩悩を鎮めるための盆踊りを踊ったかと思えば、※ターミネーターばりに蘇生してきて、悟空のジンくんと紫耀くん、桃白白の岸くんに姿を変えて飛翔する❗(それにしても彼らのお人形めっちゃカワイイ。グッズ化してくれないかしらん。枯山水の箱庭手作りしてそこに3人を立たせたいし、岸くんの人形で「ティキティキあー」って歌いながら遊びたい(⇐アブナイ人^^;)

※この場面、「ね、ここかっこいいでしょ❗❓」って一生懸命言ってるインライの時の紫耀くんが可愛いかった。みんなMV見るのに夢中であんまり反応してあげられなくて可哀想だったけど(^_^;)

 

 乗り込みな to be in the world(with you)

 

と、彼らから誘われて飛び込んだエレベーター……もといタイムマシンが超高速で走行していき、行き着いたその先は……↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓


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最初に降り立った階は「1015」彼らのはじまりの数字でしたが、次には「0」に着いたので、ジュラ紀の日本(地球)か、はたまた人類が滅亡した後、無に帰したディストピアか。

 

 そしてそしてラスト、昭和世代のヲタクにとって、嬉しさと懐かしさに涙チョチョ切れる大団円がぁぁぁ〜〜❗

 

ま、まさかNumber_iが懐かしの金だらいギャグをカマしてくれるとは❗

そして、BONとは、たらいがNumber_iのアタマに当たった音だったとは(笑)

そしてそして、「ボン ボン ボン」という、3人の超イケオジたちが作った、良い子のための紙芝居の題名だったとは。深い……深すぎるぞ、Number_i。お茶しつつ一緒にMVを見ていた夫は、昭和シーンになった途端、CMだと思って席を立とうとした(^_^;)

また、口いっぱい大福詰め込むシーン、普段なら岸くんの役回りなんだろうけど^^;、紫耀くんも優秀な飯テロキャラなのがわかった瞬間(笑)

 

 

 ああ、なんて捨て身のアーティストなんだ、Number_iは……(感涙)Number_iが目指したものは令和のドリフターズだったのか❗❓……いやでもある意味、当たっているかもしれないなぁ。紫耀くんはいつか、「明日が来るのが楽しみになるような存在になりたい」って言ってたね。ドリフターズはその昔、まさにそんな存在だった。土曜日になると『8時だョ❗全員集合』を家族全員で見て、涙が出るほど笑って、月曜日に学校に行くと、その話題でもちきり。男子はカトちゃんのギャグまんま真似してね(笑)MVの公開を待ってる間のワクワク感、昔むかし土曜日8時前、ドリフを待つ間の気持ちを思い出したよ。

 

 それにしても、普段あまりかけないグラサン姿の岸くんがカッコいいこと、お茶を嗜むじんくんの指先の美しいことや上品な所作等、見る度に新たな発見のあるMV。『GOAT』に引き続き、Number_iがアーティストであると同時に、卓越した演技者でありコメディアンであることを証明してみせたMVだと言えるでしょう。

 

 老若男女一億人、祭りだワッショイ……じゃなくて、老若男女全てをトリコにする国民的アーティスト、それがNumber_iだッッッッ❗❗

 

 

 

★今日の小ネタ

①逃亡とNumber_iとヒッチコック

巨大な迷路を必死で逃げるシーン。ここはとても象徴的です。名匠ヒッチコックの映画の中で、主人公が「逃げる」シーンがとても多いんですね。ヒッチコック本人は英国人ですが、保守的な英国映画界から「逃亡して」ハリウッドに進出して成功した人。自分を縛る様々な軛(くびき)を断ち切って、新たな世界にチャレンジした自分の姿を主人公に重ね合わせているんです。逃げて新しい世界に飛び込むこと、「変身」することは決して罪ではないって。(『ヒッチコックの映画術』というドキュメンタリーの中で、彼がはっきりとそう語っています)日本の社会ではまだまだ「辛くても1箇所で頑張る」ことが美徳とされているので、Number_iの生き方をあれこれ言う人がいまだに多いんですが、それって戦時中の「敵前逃亡は罪。捕虜となることを潔しとせず」と根底は同じなんですよね。組織全体の利の為に「個」は蔑ろにされるっていう…。Number_iも「間違いじゃない俺のAnswer」を信じて日夜突き進んでいるので、私たちファンもまた彼らを信じてひたすら付いていけばいい……ってことでしょうか。

あーだこーだうっせーやつらキリがねー

愛でもってみんなまとめちゃえ

枯葉に水

Anti は Freeeze

…ホントにね。彼らは既に、お釈迦さまが悟空を手のひらで遊ばせたように、アンチを転がしてる(笑)彼らを悪意で傷つけようとしてもムダだよ。ダイヤモンドは決して傷つかない。

 

②タイムマシンと光格子時計

 今日本が有する最先端技術といえば、東京大学の香取教授が開発した300億年に1秒しか狂わないという光格子時計ですが(教授はこの画期的技術によって2022年本田賞を受賞、ノーベル賞候補にもなった)、それを使えば地球のCTスキャンが可能になって重力場の存在も把握でき、ワープが可能になって理論的にはタイムマシンもできるかも……になるわけですが、そこまで読んで紫耀くんがタイムマシンのメタファをMVに織り込んだとしたら、彼は間違いなく天才です。光格子時計とかけてNumber_iと解く。その心は❓海外に誇れるニッポン🇯🇵🇯🇵🇯🇵❗

 

 

 

 

 

ウカシュ・ジャルが『ハムネット』の撮影監督に❗


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 今ヲタクが公開を楽しみにしている映画の1つに、クロエ・ジャオ監督の新作『ハムネット』(主演 ポール・メスカル&ジェシー・バックリー)があるのですが、撮影監督をあのウカシュ・ジャルが務めると聞いて、またテンション爆上がり(笑)現在日本で公開中の『関心領域』も彼が撮影監督を務めていて、ヲタクは近日中に観に行こうと思っていたから、just in timeなNEWS❗

 

『ハムネット』は、マギー・オファーレルによる同名のベストセラーの実写化です。この作品は、謎の多い英国の文豪シェイクスピア(ポール・メスカル)の家庭生活を、妻のアン・ハサウェイジェシー・バックリー)の視点から描いたもの。シェイクスピアにはジュディスとハムネットという双子の兄妹がいましたが、一人息子であるハムネットを11歳で亡くしています。あの4大悲劇の1つである『ハムレット』が発表されたのは、息子の死から4年後のことでした……。

 

 夫がロンドンに働きに行って長期不在の間、夫の実家で義理の両親と子ども達を守り、ペストが蔓延する英国の田舎で奮闘する逞しい女性、アグネス(もちろん、アン・ハサウェイがモデル)。彼女は不思議な能力を持っている設定。薬草のエキスパートであるだけでなく、未来を予知し死者の魂をも感じることもできる。そんな彼女が、最愛の息子の死を予知できなかった筈はありません。原作は、裕福な家に生まれたアグネスが、8歳も年下の、横暴な父親から精神的虐待を受けているラテン語教師(もちろん、シェイクスピアがモデル…原作にはなぜか名前が出てこない(^.^;)と恋に落ちていく過程と、結婚後母として奮闘する姿をタイムリープしながら描いており、「自立した女性の魅力を余す所なく描いた」として、英国に一大旋風を巻き起こしました。

 

 

 今作で撮影監督を務めるポーランド出身のウカシュ・ジャルは若干43才にして、撮る映画撮る映画、欧米の各映画賞総ナメの映像の天才。公開された『ハムネット』のティザーフォトを見ると、彼が以前撮ったモノクロ映画の傑作『COLD WARあの歌、2つの心』、『イーダ』(2作とも監督は同じポーランド出身のパヴェウ・パヴリコフスキ)を思い起こさせますね。一方、『ゴッホ最後の手紙』や『もう終わりにしよう。』の鮮やかな色彩感覚も素晴らしい。さて今作はモノクロなのかカラーなのか?はたまたタイムリープものということで両者を混在させるのか?……そういえば、ヒロイン役を演じるジェシー・バックリーとは以前『もう終わりにしよう。』で組んでますね。ジェシーは主人公をさんざん翻弄するファム・ファタル的な役柄でしたが、素晴らしく綺麗に撮られていた記憶があります。

 

 監督がクロエ・ジャオ(『ノマドランド』『エターナルズ』)で、主演がポール・メスカル(『After sonアフターサン』『異人たち』)とジェシー・バックリー(『ロスト・ドーター』『MEN 同じ顔の男たち』)ってだけでも凄いのに、ウカシュ・ジャルがそこに加わるとなれば名作の予感しかしない。


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※主役を務めるアイルランド人俳優、ジェシー・バックリー(上)とポール・メスカル(下)

 

 しかしそれにしても、英国を代表する文豪が主人公の映画に係る人たちが、中国(クロエ・ジャオ)、アイルランド(ポール・メスカル&ジェシー・バックリー)、ポーランド(ウカシュ・ジャル)って、なかなかに今の世相を反映してますな(笑)

 

★今日の小ネタ……ウカシュ・ジャルが手がけた作品


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※『イーダ』(上)と『COLD WAR あの歌、2つの心』(下)特に『イーダ』は、その静謐且つ冷徹なリアリズムに貫かれたモノクロのカメラワークが、ブレッソンを支えたギスラン・クロケ(ベルギー…『少女ムシェット』『バルタザールどこへ行く』)、あるいは『ダムネーション 天罰』や『サタンタンゴ』でハンガリーの名匠タル・ベーラと組んだ撮影監督メドヴィジ・ガーボルを彷彿とさせる……と思うのはヲタクだけ❓^^;

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※全編、鮮やかな映像美に溢れた『もう終わりにしよう。』(Netflix)。監督は、『マルコビッチの穴』『エターナル・サンシャイン』など、シュールで難解なストーリー展開で知られるチャーリー・カウフマン

 

 

 

 

演劇界最強のアンドロギュノス〜NTL『ワーニャ』のアンドリュー・スコット


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 アンドリュー・スコットの圧倒的な演技力にただただ圧倒される至福の2時間、ナショナル・シアター・ライブ『ワーニャ』。19世紀末のロシアから現代のイギリスに設定を替えて、サイモン・スティーブンスが書き下ろした脚本で、当初は数名の俳優で演じられる予定だったそうですが、アンスコさまがそのうちの何役かを演じるのを見たサイモンが彼の演技の素晴らしさに驚嘆、急遽一人芝居に変更した……という曰く付きの作品。

 

 亡くなった妹の夫である映画監督アレクサンダーを崇拝し、自身は50才近くになるまで結婚もせず、農場を経営しながらアレクサンダーの映画制作の為に長年仕送りを続けてきた主人公アイヴァン(ワーニャ)。アレクサンダーは年老いて、親子とも年の違う若い後妻ヘレナを連れてアイヴァンが営む農場に帰ってきます。しかし彼が長年心酔してきたアレクサンダーは、実はとんでもない俗物で、身体が利かなくなった今では自分の境遇を呪い、妻のヘレナに怒鳴り散らす毎日。そんな姿を見てアイヴァンは、今までの自分の人生は一体何の為にあったのかと絶望を感じ始めるのでした。そんな折、アレクサンダーは突然、農場と一族が暮らす家を売り払い、ヘレナとマン島で余生を送りたいと言い始めます。「じゃあ、僕たちはどこに住めばいいの?」と尋ねるアイヴァンに、「知ったことか」とうそぶくアレクサンダー。その言葉にアイヴァンの積年の恨みが爆発して……❗

 

 アンスコさまは、主人公のアイヴァン、その母エリザベス、アレクサンダー、ヘレナ、家庭医のマイケル、アレクサンダーの娘ソニア、使用人のモーリーン、リアムの何と8役を、声音と話し方(7色の声…ならぬ8色の声^^;)、立ち振舞……等々により絶妙に演じ分けました。

 

★★★★ 

アンドリュー・スコットの一人芝居の演技はベスト・オブ・ザ・イヤーだ

(iNews)

★★★★★

マスタークラス!

(Evening Standard)

★★★★★

文句なしに最高の演劇

(Broadway World)

★★★★

アンドリューに魅了される

(Telegraph)

★★★★ 

素晴らしい

​(Independent)

……とまあ、普段は辛口で知られる英国の演劇評も絶賛の嵐。当然のことながらカーテンコールでは観客総立ち、拍手いつまでも鳴り止まず。

 

 ヲタクはナショナル・シアター・ライブをこれまでかなり見てきて、鑑賞後必ずと言っていいほど「ああやっぱり、生の舞台で見たいよね」と呟いたものだけれど、今回に限っては、映像で良かった気がする。……だって映像でなければ、アンスコさまが役に応じて、目線や口元や微かな眉の動きに至るまで、いかに繊細に演じ分けているかがわからなかったもの。そして、時に応じて涙がとめどなく溢れてくる、見事な「泣きの演技」もね。直近の作品『リプリー』(Netflix)でアンスコさまは、友人を殺害してその友人になりすます詐欺師の役を演じました。ヲタクはアンスコさまが、友人役を演じたジョニー・フリンの声音からイントネーションまで完コピして喋っていたのを見て仰天しましたが、あれはほんの序の口だったのね(笑)

 

 1人8役の会話はともかく、マイケルとヘレナがある夜ついに一線を越えてしまう場面はいったいどう表現するのかと思いきや、さすがアンスコさま、あまりにリアルすぎてヲタク思わず映画館の暗闇で赤面しちゃったよ(笑)凄いわ……凄すぎるわ……。

 

 アンドリュー・スコットが、英国……いや世界の演劇界最強のアンドロギュノスであることを証明してみせた作品でしたね。

 

★今日の小ネタ

英国の芝居だけあって言葉選びはやっぱり上品。若く華やかなヘレナと我が身を引き比べて、ソニアが「私、皆から気立てがいいって褒められるけど、後で必ずordinary-lookingって付け加えられるの」って落ち込む場面があるんですが、この単語ってつまりはugly(ブス)ってことで……。でもさ、ヲタク的にはズバッと「ドブス!」とか言われるより、遠回しなordinary-lookingのほうが、いくら上品な表現でも地味に傷つく。きっと後からジワジワ来る(笑)

 

 

 

オモテ『BON』を呟いてみる〜Number_i と盆栽


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 先日のMステで初披露されたNumber_iの新曲『BON』。BONと一言で言っても、盆栽、盂蘭盆、盆踊り、煩悩……等等、様々なイマージュが派生する懐の深い歌でしたね。ヲタクの先日の記事の中では、裏BONと題して、歌に隠された「盆踊り」のエロティシズムについて呟いてみましたが今日は、

 

盆栽”にフォーカスを当てて、盆栽が成長する過程だったり、ファンの皆さんとの関係だったりを自分たちと重ね合わせています。

 

と紫耀くんも語っていたように、この歌のメインテーマとも言える盆栽……つまり表『BON』について語ってみたいと思います。

 

 日本の誇る伝統芸術の1つである盆栽をテーマに、元来ニューヨークのブロンクスに住むアフリカ系アメリカ人貧困層の音楽であるヒップホップに日本語を乗せて歌う『BON』。以前ヲタクは、どこかの評論家モドキが「Number_iは世界進出なんて謳っているが、全部英語の歌詞にしなきゃ世界進出なんてできないだろう」みたいな記事を書いていたことを取り上げましたが、再度言います。

 

そんな考え方はもはや古いんですよ❗

……自己分析するに、よほどあの記事が腹に据えかねたらしいヲタク(笑)

 

 あのYOASOBIの曲だって、海外では英語より日本語の歌詞の方が売れる時代だよ。日本語の美しさに惹かれる人たちが海外でも増えてきてる。まっ、ヲタクは若い頃は洋楽一辺倒だったけど、意味もわからないままに繰り返し聴いて、オウムみたいに口真似して、英語の響きを楽しんでいたもの。

 

……つまり何が言いたいのかというと(笑)

 

 紫耀くんが「日本語は英語と違って1カウントに1文字しか入らないから、そこを生かしたキャッチーさがある。日本語のメタファー、言葉運びでしか表現できないこともある」と「Zach Sang Show」で語っていたように、周りが何と言おうと、世界進出を目指す上でのNumber_iの目の付け所は間違ってないよ❗って言いたかったの。ヲタクは、推しの私生活について重箱の隅をつついてるような記事は全然スルーできるんだけど、推しが心血を注いで作り上げた作品や、アーティストとしての方向性について、ろくに見もしないで聞きもしないで上辺だけであれこれ言う自称評論家は無視できません(断言)

 

 これだけ注目度が絶大だと、一挙手一投足が話題のタネになってしまうNumber_i。しかし周囲の雑音は気にせず、これからも、貴方たちの素晴らしい歌声で、圧倒的なダンスで、魅力的な人柄で、どんどん世界中の人たちをトリコにしちゃって下さい❗

 

★今日の小ネタ

 最近の輸出額が100億円に迫る勢いの盆栽。ニューヨーカーのオシャレな趣味は盆栽作り……と、世界的なブーム到来……といった感がありますが、盆栽と言えばこの人❗ヘヴィメタバンド・モトリー・クルーのドラマー、トミー・リー。トミー・リーといえばロック界いちの暴れん坊で、元妻であるパメラ・アンダーソンとの破廉恥きわまるスキャンダルがあまりにも有名ですが、そんな彼が日本の禅文化に憧れ、還暦を過ぎて盆栽作りに勤しみ、自宅の庭には鯉を泳がせ、「令和」のタトゥーまで入れてると聞けば、なんだか可愛くなっちゃう(笑)トミーに『BON』を聞かせたいわぁ。きっと気に入ってくれると思うの。モトリー・クルーを一時脱退して、ヒップホップを取り入れたミクスチャーに傾倒してた時期もあったしね。
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※トミー・リーのハチャメチャ半生に興味のある方は、ディズニー+で配信中のミニ・シリーズ『パム&トミー』をご覧下さい。アベンジャーズのウィンター・ソルジャーことセバスチャン・スタンがフル◯ンで熱演しとります(笑)
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韓国ピカレスク・ロマン〜『ジェントルマン』


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 韓国映画『ジェントルマン』鑑賞。

 

 

 これまで依頼の解決率100%を自称する興信所の社長ヒョンス(チュ・ジフン)は、ある若い女性から「行方不明のペットの犬を探して欲しい」との依頼を受け、依頼人と共に訪れた山深いログハウスで、いきなり謎の男に襲われて意識を失ってしまいます。目覚めた彼は、依頼人若い女性が行方不明になっていること、そしてなぜか自分が誘拐事件の容疑者にされていることを知り、驚きます。ヒョンスは、近くを車で通りがかった休暇中の検事に逮捕されてしまいますが、走行中逃げようとしたヒョンスにハンドルをとられ検事の車は横転、検事とヒョンスは重傷を追って病院の救命室に運び込まれますが、IDカードが取り違えられてヒョンスは容疑者ではなく、なぜか検事だということに(^_^;)意識不明の検事が目覚めるまで1週間ほどかかると聞いたヒョンスは、その間検事になりすまして行方不明の女性を捜し出し、興信所の部下たちと共に身の潔白を証明しようとします。しかし関係者のところに出入りするうち、事件の担当者であり、捜査への尋常でないのめり込み方から「監察部のイカれ女」の異名を持つキム・ファジン検事(チェ・ソンフン)に目をつけられてしまいます。ついに素性を見破られてしまい、ヒョンス絶体絶命の危機❗……だったはずが、なぜかファジン検事が言い出したことにヒョンスはビックリ仰天、そこから事態は途方もない方向に……^^;

 

 いやー、すっかり騙されたよ 笑

 

 

 そういうことだったのか…。タネ明かしを頭に入れて、もいっかい最初から見直してみよう、うん。それにしても韓国の法曹界や経済界ってこんなにカネと欲と収賄にまみれてるの❓……ヤバいんですけど。

 

 それはさておき、熱血刑事役のチェ・ソンフンは綺麗だし、依頼人の代わりにヒョンスに懐いちゃうワンちゃんがめっちゃかわゆす。ワンちゃんがヒョンスの顔をベロベロ舐め回すシーン、横で見ていた夫が「絶対顔にワンちゃんの好物塗ってたんだよ」って言っていたけど、ホントかいな(笑)

 

 ラストの瞬間まで何がウソか真実かまったくわからず、結局ヒョンスにすっかり騙されてちと悔しいけど、騙されても騙されなくても、ヒョンス役のチュ・ジフンは最初から最後まで超イケメン❤……これだけは紛れもない事実(笑)

 

 続編もアリなのかなー❓って終わり方だったけど。シリーズ化してくれないかなぁ。