オタクの迷宮

映画・ドラマ・舞台レビュー、ケルト文化、滅びの美学、推し活のつれづれまで── 観て、感じて、考える。 "好きなモノ・人"についてしか語らない偏愛のブログ。そして今日もどこかで、ヲタクが迷走中。

アカデミー賞直前❗️ヲタクが選ぶ“この人に取ってほしいで賞”

もうすぐアカデミー賞受賞式。


とはいえ、例年通り日本未公開作品も多く、映画評論家のような受賞予測はヲタクにはできません。
なので今回は——
「ヲタクが選ぶ“この人に取ってほしいで賞”」を勝手に発表します(笑)

 

◆主演男優賞
イーサン・ホーク(『ブルー・ムーン』)

盟友リチャード・リンクレイターの新作で、終生肉体的なコンプレックスに悩んだ作詞家ロレンツ・ハートの孤独と矜持を巧みに演じて、ベテラン俳優の演技の深みを見せつけたイーサン・ホーク。

 

 悲願のアカデミー賞受賞なるか❗️❓️
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-------ただし、受賞式の前に『マーティ・シュプリーム』を観る予定なので、
もしプリンス・オブ・ハリウッド、ティモシー・シャラメがとんでもない演技をしていたら、あっさり心変わりする可能性あり(笑)

 

【追記】

この記事を書いたあと『マーティ・シュプリーム』を観ました。
……そしてヲタク、秒で心変わりしました(笑)
やっぱり主演男優賞は
ティモシー・シャラメに取ってほしい❗️
いやだって、あれ観たら仕方ないでしょう。
“プリンス・オブ・ハリウッド”、完全に覚醒してました。

 

👇️ティモシー・シャラメ覚醒❗️『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』レビューはコチラ👇️

https://www.rie4771.com/entry/2026/03/13/%E6%84%9B%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%8D%E6%9C%80%E4%BD%8E%E9%87%8E%E9%83%8E%E3%81%AE%E9%9D%92%E6%98%A5%E3%80%8E%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A0_

◆主演女優賞

ジェシー・バックリー(『ハムネット』)

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 シェイクスピアからミュージカル(エディ・レッドメインと共演した『キャバレー』でローレンス・オリヴィエ賞受賞)まで、英国の舞台で鍛え上げた強靭な演技力が映画でもいかんなく発揮され、シゴデキ秘書(『虹の彼方に』)から満たされぬ結婚生活に悩む人妻(『ロスト・ドーター』)、人生の荒波に立ち向かうシングルマザー(『ワイルドローズ』)…と、34歳の若さで実に様々な役を演じてきたカメレオン女優、ジェシー・バックリー。

 

 『ハムネット』で彼女が演じたのは、あの文豪シェイクスピア(ポール・メスカル)の妻アン・ハサウェイ。海外記事を読むと、キャリア最高の演技を見せているらしいので、期待大❗️(アメリカ人以外が受賞するのはなかなか難しいアカデミー賞だけど、激烈アイルランド魂を見せてくれ❗️笑)

 

◆助演男優賞 ジェイコブ・エロルディ(『フランケンシュタイン』)

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 ギレルモ・デル・トロ監督の新作『フランケンシュタイン』で、史上最高に魅力的で、哀しく愛しい怪物を造型したジェイコブ。

 

 今までは俳優業よりも、そのファッションセンスが注目されて、「イットボーイ」(今ドキの、いわゆるファッションアイコン的な存在)と呼ばれていたジェイコブ。しかし今作で、キズだらけの顔をしてボロボロの服をまとった彼のほうが、いつもの、ハイブランドな服を着ている彼よりも100倍セクシーに見えたのはヲタクだけ❓️(笑)

 

 昨年はジェイコブのフランケンシュタインにどっぷりハマったヲタクが、今年予感しているのが怪物映画の新たな波。

 

 ギレルモ・デル・トロ版『フランケンシュタイン』では、異形への偏愛に満ちたゴシック世界が展開され、怪物役のジェイコブも、恋人役のミア・ゴスも、デル・トロ監督の紡ぐ妖しき耽美世界観にぴったりハマってた。


 それに続いて近々公開予定の『ザ・ブライド!』では、なんとジェシー・バックリーがシェイクスピアの妻役から一転、パンクでアバンギャルドなフランケンシュタインの花嫁に❗️しかもフランケンシュタインがクリスチャン・ベールって言うんだから、
もう今からワクワクが止まらない(笑)

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◆助演女優賞 エル・ファニング

(『センチメンタル・バリュー』)

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 アイドル女優から演技派への脱皮を目指して、尊敬するノルウェー人の監督(ステラン・スカルスガルド)の映画出演に志願するアメリカ人女優レイチェル役。しかし監督が本当にヒロインとして使いたかったのは、レイチェルではなく、自分の娘ノーラ(レナーテ・レインスヴェ)だった--------。

 

 監督を失望させまいと必死に役に取り組み、ノルウェー訛りの英語を練習するいじらしい姿に涙した人も多かったのではないでしょうか。(ヲタクもその一人😅)レイチェルの心の襞をなぞるような繊細な演技で、エル・ファニングは女優として新境地を開いた感あり。

 

◆監督賞 ヨアキム・トリアー『センチメンタル・バリュー』

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 似た者同士、愛情表現が不器用な映画監督の父(ステラン・スカルスガルド)と女優の娘(レナーテ・レインスヴェ)の葛藤の末の和解------感動の人間ドラマかと思いきや、実はその裏に、家族の愛さえも作品ネタにしてしまう芸術家のエゴイズムをさりげなく潜ませるトリアー監督。

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※『わたしは最悪。』以来の黄金タッグ。ヨアキム・トリアー監督(左)と、ヒロイン役のレナーテ・レインスヴェ(右)

 

 そんな二重構造をさらりとこなしてしまう監督の異能の才にヲタクはメロメロですわ(笑)

 

★ヲタク激推しセバスチャン・スタンは…

 去年の今頃は、ヲタク最推しセバスチャン・スタンが『アプレンティス ドナルド・トランプの創り方』で主演男優賞にノミネートされてたから、ドキドキ落ち着かなかったなぁ。

 

 ちなみにセバスタは、現在複数の映画を撮影中。
その中には、『センチメンタル・バリュー』で最優秀女優賞にノミネートされているレナーテ・レインスヴェとの共演作もあるので、来年のアカデミー賞ではぜひ、再度のノミネートを期待したいところです。(セバスタとレナーテの共演は、昨年セバスタがゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞した『顔を捨てた男』以来2度目の共演となります)

 

……つまり、来年のアカデミー賞は「セバスタ祭りよもう一度」の可能性あり(笑)

 

この記事を読んだあなたは、"とって欲しいで賞"誰にあげたいですか❓️(笑)

 

 

https://x.com/i/status/2030931634795757682

芸術家の愛は残酷-----『センチメンタル・バリュー』感想

 「KINOシネマ横浜みなとみらい」にて、ヨアキム・トリアー監督の新作『センチメンタル・バリュー』鑑賞。

 

 主演はレナーテ・レインスヴェ。
ヨアキム・トリアー監督×レナーテといえば、レナーテがカンヌ国際映画祭主演女優賞に輝いた『わたしは最悪。』の黄金コンビです。

 

 ヲタクは、あまりにも素晴らしい作品、あまりにも素晴らしい演技に出逢うと、感動したシーンの一つ一つを脳内で反芻して、いつまでもその中で彷徨していたいタイプ。今回の『センチメンタル・バリュー』もそんな作品の1つだけど、読者さんの中にはヲタクの新作レビューを楽しみにしていて、「新作映画を選ぶ時の参考にしてます」って言って下さる方もいらっしゃるので、脳内妄想を振り払ってレビュー書いてみますね😅

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 長年シングルマザーとして自分たちを育ててくれた母親の葬儀。舞台女優として名を成しつつある姉のノーラ(レナーテ・レインスヴェ)と、妹のアグネス(インガ・ブリスドッテル・リレアス)は、参列客の対応に追われていました。そんな中、母と離婚後ろくに連絡も寄越さなかった父グスタフ(ステラン・スカルスガルド)が、突然家に戻ってきます。彼は世界でも名を知られた映画監督です。

 

 業界では巨匠扱いのグスタフでしたが、15年ぶりに、過去の集大成とも言える新作映画を撮ることになり、その主役をノーラに依頼しにきたのでした。母の死を悼むでもなく、自分の新作映画の話ばかりする父。「せめて脚本でも読んでくれ」と懇願する父に対して激怒し、けんもほろろに脚本を突き返すノーラでしたが--------。

 

★父の監督作品の脚本とは❓️

(以下、ネタバレあり)

 ノーラが一切目を通さず父親に突き返した脚本の中身が、今作を貫く重要なテーマになっているんですよね。当初は、第2次世界大戦中国家反逆罪(ナチス・ドイツに対するレジスタンス運動)で捕らえられ、拷問の末投獄されて、そのトラウマから7歳のグスタフを残して自死したグスタフの母カリンについてのストーリーかと思われたものが、実はノーラへの壮大なラブレターだった…というラスト。(この脚本のナゾが解けるまでは、ちょっとヒューマン・ミステリ風味もアリ)

 

 繊細で誇り高く、傷ついた心を自分自身で立て直すことのできない、孤独な芸術家肌のノーラ。父グスタフに「捨てられた」と思い込み、少女期から彼を恨んでいたノーラが、一俳優として父親の脚本と対峙した時はじめて、舞台と映画、ジャンルは違えども同じ芸術家としての父の「業」を理解し、許していくシーンは最大のクライマックスです。

 

★素晴らしい演技アンサンブル

 この作品の演技でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされているレナーテ・レインスヴェ演じるノーラはもちろんのこと、娘たちを彼なりのやり方で愛しながらも、芸術家としての冷酷さをちらつかせるグスタフ(ステラン・スカルスガルド)、似た者同士であるが故に反発し合うグスタフとノーラの間を取り持とうと心を砕くしっかり者の妹アグネス(インガ・ブリスドッテル・リレアス)、演技派女優への脱皮を目指してノーラの代役を引き受けたものの、グスタフの真意を掴みきれず悩むアメリカ人女優(エル・ファニング)-------と、それぞれの視点で紡がれる物語ですが、それがバラバラにならず、綺麗に融合していくさまが、まるで弦楽四重奏のよう。そして、その弾き手たち(演技者)のアンサンブルが何より美しいのです。

 

★涙なくして見れないシーンは…

 父と娘の、芸術家同士の息詰まるような葛藤が主軸の作品ですが、そんな中、私たちが何もかも忘れて、素直な涙を流せるワンシーンがあります。それは---------。

 

 女優としては成功していても、結婚もできず自身を社会不適合者と考えてコンプレックスを抱き続けてきたノーラ。そんなノーラが、温かい家庭を築いているアグネスに向かって

貴方は成功してる。ちゃんと家庭を築いて。でも私は失敗作だわ。2人ともひどい境遇で育ったのに、どうしてあなたは立派に育ったんだろう。

と呟くのですが、それに対して妹のアグネスが

 

それはね、私には姉さんがいてくれたから。

朝は髪を梳かしてくれて、一緒に学校についてきてくれて。

そう言ってノーラを抱き締め、「大好きよ」と囁くのです。ヲタク涙で霞んでスクリーン見えず(笑)

 

★芸術家のどうしようもない性(さが)

 観終わった後。父と娘の和解に涙しながらふと、ヲタクが思ったこと。

 

 芸術家一家に育ち、自身も映像芸術を紡ぐ鬼才、ヨアキム・トリアー監督。彼の分身であるグスタフは、確かにノーラを自らの映画の主役に据えることによって、彼女への愛を作品という形で結実させました。

 

 しかし同時に、ノーラは父を許すことで、父の芸術世界に「取り込まれて」しまったのです。

 

そう気づいた時、ヲタクはちょっとゾッとした😅

 

 題名のセンチメンタルバリュー(Sentimental value)は、客観的・金銭的な価値ではなく、持ち主の感情や思い出(愛着)に結びついた「情緒的価値」を意味します。巷の口コミや批評では、物質的な価値を越え、家族の価値や思い出に気づいた父娘のストーリー…っていうのがこの映画の定説になっているけど、ヨアキム・トリアー監督、そんなに素直な人❓️(笑)

 

 家族の思い出や愛すらも超越した、「至高の芸術性」の希求が、父グスタフ、いやトリアー監督にとってのセンチメンタル・バリューだとしたら…❗️❓️

 

芸術家とは
私生活を切り売りし
家族の愛すらも作品として消費してしまう
世の中で最も高貴で
同時に残酷な存在なのかもしれない-------と。

 

★今日のトリビア…クヴィスリング政権の闇

 作中で語られるレジスタンスの悲劇は、実際のノルウェー史と深く結びついています。

 

なぜ、ナチス・ドイツへのレジスタンス運動が「国家反逆罪」になったのか❓️

 

 それは当時、「ノルウェーのヒトラー」と呼ばれたファシスト党主ヴィドクン・クヴィスリング(1887 - 1945)が第2次世界大戦下に政権を握り、ナチス・ドイツをノルウェーに招き入れ、反ナチス・ドイツのレジスタンス活動家を弾圧してたからです。

 

 アグネスが当時の警察資料から、数々の拷問の写真を見るシーンがあるのですが、目を背けたくなるほど残酷😭

 

 こういったノルウェーの歴史の闇も直視するストーリー展開は、ノルウェーという、表面的には豊かで成熟した社会の裏に潜む歪みや問題点を描き続けてきた監督らしい視点だと思います。

 

👇️ヨアキム・トリアー監督とレナーテ・レインスヴェの黄金コンビ作品『わたしは最悪。』のレビューはコチラ👇️

https://www.rie4771.com/entry/2023/01/14/%E5%BF%83%E3%81%AB%E5%88%BA%E3%81%95%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%8F%E3%82%8B%EF%BC%93%EF%BC%90%E6%AD%B3%E3%81%AE%E8%82%96%E5%83%8F%E7%94%BB%E3%80%9C%E3%80%8E%E3%82%8F%E3%81%9F%E3%81%97%E3%81%AF%E6%9C%80%E6%82%AA

 

 

 

 

 

 

 

 

『ブルームーン』感想〜天才ロレンツ・ハートの“最後の夜”

 横浜地下鉄ブルーラインセンター南駅前のシネコン「109シネマズ港北」にて、リチャード・リンクレイター監督の新作映画『ブルームーン』を鑑賞。

 

 1943年11月。
冷たい雨のそぼ降るニューヨークの八番街。
作詞家ロレンツ・ハート(イーサン・ホーク)は、酔った足取りでふらふらと歩きながらゴミ箱にぶつかり、そのまま泥の中に倒れ込みました。動かない彼の横顔に容赦なく雨が打ち付けて------。

 

 場面は変わって8ヶ月前、1943年3月31日の夜。

 ハートはブロードウェイの劇場で、かつての相棒リチャード・ロジャース(アンドリュー・スコット)が作曲したミュージカル『オクラホマ!』の初日を、複雑な思いで見つめていました。

 

 満場の拍手喝采を浴びるロジャース。『オクラホマ!』は、ロジャースが20年に渡るハートとのパートナーシップを休止した直後、新たにコンビを組んだオスカー・ハマースタイン2世との作品第一作目でした。

 

 その夜、ブロードウェイのレストラン「サーディーズ」で開かれた祝賀パーティに招待されたハート。圧倒的な孤独感と報われぬ愛、旧友への嫉妬、自らの将来への焦りと不安に苛まれるハートの、忘れがたい一夜が幕を開ける---------❗️

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★これはイーサン・ホークのキャリア最高演技かもしれない

 低身長(152cm)の割に頭が大きい、醜い容姿であるが故に自分は愛されないんだと思い込み、生涯激しい劣等感を苛まれていたと言われるロレンツ・ハート。さらに彼は、当時アメリカでもタブー視されていた同性愛者でした。

 

 まるで舞台劇のような構成で、イーサン・ホークは徹頭徹尾、膨大な台詞量を喋りまくり、それはほぼ一人芝居のよう😅

 

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※ハート(左)の皮肉や毒舌を柔らかく受け止めるバーテンダーのエディ役にボビー・カナヴェイル。イイ味出してます❗️

 

 心の中に巣食うどうしようもない抑鬱やコンプレックスをストレートに出すことができず、自虐や皮肉に転化させ、自ら道化役を演じてみせるハート。

 

 彼が唯一心を曝け出せることができたのが、彼の文学上の弟子、当時20才のイェール大学生エリザベス・ウェイランド(マーガレット・クアリー)。しかし彼女もまた、「…僕のこと、少しは愛せる❓️」と、おどおどと問いかけるハートに、戸惑うような表情を見せた後、「本当にごめんなさい。愛が…愛の種類が違うの。貴方のことは尊敬してる」と絞り出すように言うのです。何という残酷な成り行き。(エリザベス・ウェイランドは、アメリカの考古学者、言語学者、テキスタイル研究家。この映画は、彼女とハートが交わした書簡に基づいて作られています)

 

蒼い月
いつもひとりたたずんでいた夜
夢をみるわけでもなく
胸に愛のかけらもなく

 

蒼い月
僕がたたずむ理由を知っていたのか
祈りをとなえるのを聞いていたのか
心底、愛する人がほしいと

 

 映画の題名にもなっている『ブルームーン』の歌詞そのままのシーンですが、エリザベスの返事を聞いた時の、イーサン・ホークの何とも言えない表情❗️----------切なすぎて、ヲタク一生忘れられないかも😭

 

 しかも彼女は、その後詩人として認められたい野心から、「サーディーズ」にハートを一人残して、ロジャースと共にロジャースの自宅で開かれる祝賀パーティーへと去っていってしまいます。

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※ロレンツ・ハート晩年最後の想い人を瑞々しく演じたマーガレット・クアリー(左)

 

 今作の演技で、イーサン・ホークはアカデミー賞主演男優賞にノミネートされていますが、今までの長いキャリアを考えても、受賞はかなり濃厚なんじゃないか…って思ってます。

 

 この映画は、全編ブロードウェイのレストラン「サーディーズ」で進行するワン・シチュエーションドラマ。

 

 つまり私たち観客は、破滅に向かう天才ロレンツ・ハートの“最後の夜”を、同じ部屋で静かに見守る目撃者となるのです。

 

 彼の不安も、絶望も、そして彼を待ち受ける残酷な運命を知りつつ、何もなすすべがないまま--------。

 

★アンドリュー・スコットの静かな名演

 

 この作品の見どころは、ロレンツ・ハートとリチャード・ロジャース、2人の天才の対照的な生き方の描写と、それぞれを演じるイーサン・ホーク、アンドリュー・スコットの、静かな火花散る演技合戦にあると言えましょう。

 

 今までヲタクは激推しアンドリューについて絶賛記事を多数書いてきましたが、またひとつ増えました。…いやだって、毎回毎回彼の演技が素晴らしすぎて、絶賛するしかないんだもん(笑)

 

 イーサン・ホークの「動」の演技に対して、アンドリューは「静」。

 

 彼が演じるリチャード・ロジャースは、『オクラホマ❗️』や『王様と私』、『サウンド・オブ・ミュージック』等々、誰もが知る人気ミュージカルの作曲を手掛けたアメリカ音楽界の巨人。

 

 かつての相棒ハートの才能に深く敬意を表しながらも、アルコールによって破滅に向かう彼を切り捨てなくてはならない非情さと、その裏に滲む逡巡を、アンドリュー・スコットは穏やかな眼差しと、ため息交じりの会話、静かな怒りを湛えた表情で表現してみせました。

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※この夜を境に、アメリカ音楽界のトップに駆け上がっていくリチャード・ロジャース(左…アンドリュー・スコット)と、破滅へと突き進むロレンツ・ハート(右…イーサン・ホーク)

 

 ロジャースその人になり切るため、作品中ピアノを弾く場面が無いにもかかわらず、撮影の数カ月前からピアノの特訓に臨んだというアンドリュー。リチャード・ロジャース特有の、ピアノを撫でるように弾く優雅な手の動きをマスターしたそうです。

 

 ロジャースは何とかハートを立ち直らせようと、2人の旧作『コネティカット・ヤンキー』(マーク・トウェイン原作『アーサー王宮廷のコネティカット・ヤンキー』を基にした、ハート&ロジャースコンビによるミュージカル)改訂版の作詞をハートに申し出ます。エンタメ界の言わば職人であるロジャースは、第二次世界大戦下の陰鬱な世相において、人々が求めているものは、明るく楽しく元気が出る作品だと知っていたからです。しかしあくまでも詩的な芸術性を志向するハートは納得せず、2人の話は最後まで平行線を辿ります。

 

 都会的で、人生の苦さを歌う物憂げな名曲『ブルームーン』が流れる中、
かつてブロードウェイを輝かせた二人の天才は、
全く違う未来へと歩き出していく。

 

 この映画は、華やかなブロードウェイの成功物語ではなく、一人の天才が、友と、そして栄光の瞬間と訣別し、ゆっくりと転落していくさまを封じ込めた“時間の密室劇”でした。

 

★トリビアあれこれ

その1『ブルー・ムーン』とイーサン・ホーク

 作品の題名にもなっている、ハート&ロジャースコンビによるジャズのスタンダードナンバー『ブルームーン』。あまり知られてませんが、イーサン・ホークは『ブルーに生まれついて』(2015年)という映画の中で、1950年代の有名なジャズ・トランペット奏者・歌手のチェット・ベイカーを演じ、『ブルー・ムーン』を歌っています。

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 その時はまさか、ロレンツ・ハート本人を演じる時が来るなんて、イーサン自身想像もしていなかったでしょうけど。

 

★その2 スティーヴン・ソンドハイム少年

 ほんの一瞬ですが、オスカー・ハマースタイン2世の愛弟子で、当時10代の少年だったスティーヴン・ソンドハイムがハートに挨拶するシーンがあります。

 

 「作詞には内部韻(Internal rhyme)が大事なんだ」と言うハートに、「そんなこと知ってます」と切り返していて、早熟な天才の片鱗をうかがわせます。(ソンドハイムは後年、レナード・バーンスタインと組んで、アメリカミュージカルの最高傑作と称される『ウェストサイド物語』を生み出すのです。)

 

その3 『オクラホマ❗️』

 『オクラホマ❗️』はね、ヲタクが中学生の時に、宝塚ファンだった叔母に連れて行ってもらった舞台。牧歌的で、中学生のヲタクにも充分理解できる、明るく楽しい舞台でしたよ。西部の荒くれ男を演じた上月晃と古城都は従来の宝塚の華やかな化粧ではなく、ブラウンのドーランを塗っていて、リアルな芝居にトライしてました。宝塚史上、初めてのブロードウェイミュージカルだったそうです。

 

 一方ハートが作詞した歌の数々は、例えば、ニューヨークの社交界を皮肉った『The Lady Is a Tramp』のtramp(浮浪者)とdamp(ジメジメした)の韻の踏み方や、

『Bewitched, Bothered and Bewildered』の歌詞

Couldn't sleep, and wouldn't sleep / Until I could sleep where I shouldn't sleep."

(眠れなかった、眠りたくもなかった / 眠っちゃいけない場所で眠れるようになるまでは。)の、助動詞の使い分けによる感情表現など、天才だけがなし得る知的な言葉遊びに満ち、その底から、何とも言えない人生の苦さ、やり切れなさが浮かび上がってきます。

 

 ----------こう考えると、ロジャース(アンドリュー・スコット)は、新たな相棒であるオスカー・ハマースタイン2世の詞を陰で「少しばかり退屈で、健全な歌」と評していた-----というのも頷けます。

 

 ロジャースはハートを切り捨て、代わりに地位と名声と莫大な富を得たけれど、果たして彼の中に達成感はあったのだろうか…。

 

 その答えを、今となっては誰にも確かめることはできないけれど。

 

 

 

宮本浩次という“混沌の高み”──ROCKIN’ON JAPANインタビューを読んで思ったこと

ROCKIN’ON JAPAN 2026年4月号 Vol.592、宮本浩次さんインタビュー「宮本浩次 至上のヒーロー 決戦前夜」。インタビュアーはもちろん、山崎洋一郎さん❗️待ってましたっっ(笑)

 

 宮本さんは、胸に抱えてる想いがいっぱいあり過ぎて、しかもそれが熱すぎて、時に混沌とした言葉の洪水になっちゃうことがあって(笑)それを読んでるヲタクも(え、え、それってどーゆーこと❓️もしかして宮本さん、早期引退とか考えちゃってるの❓️)なんて、いらぬ心配で混乱したりすることが多々ある。

 

 それをいつも交通整理して、咀嚼して、言語化して下さるのが山崎洋一郎編集長。ユニークな「宮本文学」もきっちり編集して下さっているの。宮本さんって存在そのものがもう、文学みたいな人だから(笑)

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 山崎さん、今回の「新しい旅」ツァー武道館初日をご覧になったそう。ヲタク自身も初日に参戦して、もうもう宮本さんの史上最高の歌声に出逢えた気がして、涙出るくらい感動したんだけど、『音楽と人』2026年3月号で宮本さん

 

の、完璧さを求める緊張感みたいなものがライヴに出ちゃって、楽しめなかった気がしたんです。

だからライヴが終わって、俺、すごく反省したんだよね。

実はその日、寝られなかったの。

なーんて言い出すもんだから、ヲタクなんだかザワザワしちゃって😅そんな納得いかないライブだったの❓️聴いてる私たちは物凄くHappyだったのに、宮本さんはそんなに苦しんでたのか…って。

 

 でも今回山崎さんが

それぞれの歌と演奏はこれまでのどのツァーでも到達し得なかったほどの「混沌の高み」へと到達していた。

以前のツァーでは静謐さを湛えていた"光の世界"が、このツァーでは激情と美のギリギリのバランスを極めんとビリビリ震えるような曲と化していた。

って素晴らしく適切にヲタクの感動を言語化してくれた。嬉しい❗️ヲタクも、武道館初日第1曲目の"光の世界"には、雷に打たれたみたいに感動したから。

 

 そう、芸術家というものは、本人が苦悩の只中にいても、その苦しみが至高の芸術として結晶することが、ままある。
ベートーヴェンが聴力を失ったあと、第九や後期弦楽四重奏曲という傑作を生み出したように。

 

 今回のインタビューで

やっぱり意味がないんだよ、生きてるって。

生きるって、その人なりの快を、最高の気持ちを求めることだっていう。

そうすると、意味なんかないじゃんね。

 

と突然、なんだか古代ギリシャの哲学者アリスティッポス(ソクラテスの弟子でキュレネ派の哲学者)みたいなことを言い出す宮本さん——。もっとも彼の場合、「快」といっても、かつてのミック・ジャガーみたいに酒でも女でもなく、歌うことそのものなんでしょうけど。

 

 でもね、ヲタクはちょっとここで言いたい(笑)

 

 宮本さんご本人は混沌と苦しみの只中にいたとしても、宮本さんの歌を聴いている私たちは「快」を、最高の気持ちをもらってるんで、宮本さんの人生は大いに意味があるんです❗️(注:私たちにとっては…ね(笑) 全くもって自己中な考え方で申し訳ないけど😅)

 

 60才になって歌い続けること、妥協を許さず「最高の音」を追い求めること、そして曲を産み続けることが、時に宮本さんにとって苦しみ以外の何物でもなかったとしても、どうかそれも、歴代の楽聖たちと同様、「神さまに選ばれし者」の宿命だと思って腹くくって下さい。

 

憂患に生き、安楽に死す

(逆境は人を成長させ、安楽は人を堕落させる)

by 孟子

----------なので(笑)

 

 ……でも、そんなことを言いながらも宮本さん

コンサートの打ち上げに飲みに行くこともやめて「孟子」を読んで精神統一して

全国ツァーの合間には、スタジオに籠ってアルバム制作中。

 

 ロックシンガーなのに精励恪勤、やってることがほとんど儒学者な、我らが宮本浩次なんでした(笑)

【大人の再発見旅】6年ぶりの横浜中華街で「桂宮」のヌーベル・シノワ

 桜木町駅前のシネコン「ブルグ13」朝イチの回で、ブレンダン・フレーザー主演『レンタル・ファミリー』を鑑賞。


 ほのぼのと心が温まったところで、ちょうどお昼時。
そこで少し足を伸ばして、久しぶりに横浜中華街へ向かいました。

 

 あれはちょうど6年前のこと。

 

 横浜沖に停泊したダイヤモンド・プリンセス号で新型コロナが猛威を振るい、日々その恐怖と不安が報じられる中、中華街の目と鼻の先、元町にヲタクは勤務していました。

 

 お昼時はちょっと足を伸ばして、中華街でお粥や麺のランチに舌鼓を打つのが楽しみのひとつでしたが、それからあっと言う間にお客がいなくなり、中華街はゴーストタウンのようになってしまった-----。コロナ禍の経営難で、数々の中華街の名店が閉店になってしまったのも、記憶に新しいところです。

 

 ヲタクはと言えば、その後職場も変わり、中華街からは自然と足が遠のいていました。ゴーストタウン化した中華街、そしてあの頃誰もが抱えていた先行きの見えない不安や閉塞感の残滓が、ヲタクの心の片隅に淀んでいたせいかもしれません。

 

 6年ぶりの今日の中華街は、土曜日ということもあり、朝陽門から人がぎっしりですれ違えないほど(笑)マスクをしている人も殆んどいなくて、あの時の苦しさが嘘のようです。

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 今日ランチを頂いた「桂宮(けいきゅう)」は、コロナ禍で経営難に陥り、一旦は閉店したものの、その後の2022年にリニューアルオープンした広東料理の名店です。

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 中国で15年、日本で18年腕を振るい続けて来たシェフのお得意は「創作料理」。本日頂いたのは、ランチコース5,500円。

・四種前菜盛合せ
・つぶ貝と黒ニンニクのスープ
・ふかひれの醤油煮込み
・スズキと豆腐の香港風蒸し物
・梅菜入り豚角煮(花巻添え)
・空芯菜の炒め物
・点心2種
・炒飯
・デザート(杏仁豆腐)※鯉を形どったゼリーつき

(飲物は「宮廷プーアル茶」を注文。小さなコンロで温められており、最後まで熱々です)

 どのお料理も見た目麗しく繊細で、まるで中華と和食のマリアージュ、胃にも優しいヌーベル・シノワでした。

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 出入り口が狭いため、小さな店舗かと誤解されがちですがなんのなんの、奥には絢爛豪華な空間が広がっていて、外の中華街大通りの喧騒が嘘のよう。まるで異世界に紛れ込んだような錯覚に陥ります。

 

 久しぶりに歩いた横浜中華街は、かつての記憶と、今の賑わいが重なり合う場所でした。

 

 

海外の目に映った日本の優しさ〜『レンタル・ファミリー』感想

 桜木町駅前のシネコン「ブルグ13」にて、『レンタル・ファミリー』鑑賞。

 

 日本で暮らす、売れないアメリカ人俳優フィリップ(ブレンダン・フレーザー)。彼が、人生の大事な時期に友人や家族(役)をレンタルする会社にスカウトされ、LGBTの恋人と海外で結婚するためダミーの夫を必要とする若い女性(森田望智)の夫役、私立小学校お受験のための父親役、世間から忘れられた大御所俳優(柄本明)の励ましコンパニオン❓️役を務めることによって学んだ人生の真実とは--------❗️❓️

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★外国人の視点から日本を見つめ直した作品

 最初のエピソードで、LGBTの若い女性が、フィリップを雇って偽りの結婚式を挙げるのですが、フィリップにはどうしてもそれが理解することができません。(なんで真実を両親に話して、現実に向き合わないのか)というわけです。この最初のエピソードが、日本とアメリカ、異文化の違いを浮き彫りにしたという点において、ヲタク的には1番強烈だったかな。

 

 キリスト教文化が思想の基盤にある欧米人にとって、嘘は罪、言葉は契約。当初は、日本人の本音と建前の使い分け、社会への過剰適応、白黒つけないファジーな灰色対応に困惑していたフィリップが、様々な体験を経て、ラスト、「どうしてあなたは私のお父さんだって嘘をついたの❓️」と尋ねる少女に、「誰かを守るための嘘もあるんだよ」と答える場面には、彼の中で芽生えた異文化への理解が滲んでいて、心がほっこりしました。

 

 地下鉄で口を開けて爆睡しているオジサン(もちろん、日本の治安の良さの表現)、自分たちが使う教室を一生懸命雑巾がけする子どもたち、山のそこかしこにある道祖神一つ一つに手を合わせる行為(日本にはあらゆるものに神が宿っている⋯と聞いて、「日本には自販機より神様が多い」って呟くフィリップの台詞には笑っちゃいましたが)、天草地方の海の美しさ、満開の桜⋯等々、日本人の私たちでさえ、ともすれば忘れがちな日本的光景の美しさ、古き伝統を改めて気づかせてもらった気がします。

 

 以前はあちらこちらの神様に手を合わせる老人(柄本明)を苦笑いして見ていたフィリップが、ラスト、神社でその神様の本体❓️を知り、思わず微笑むシーンがヲタクは1番好き❗️HIKARI監督の訴えたかったテーマが凝縮されていたように感じたよ😉

 

 HIKARI監督は高校卒業後アメリカに移住してずっと海外で活躍されてきた方のようです。今作で彼女が描いた日本の原風景は、ひと昔前の、ちょうどヲタクが幼少期の頃のもので、なんだか見ているうちに、ノスタルジーで胸いっぱいになっちゃった(笑)

 

★ブレンダン・フレーザー最高

 観る前に、ブレンダンの役が「日本に住んでる売れないアメリカ人俳優」って設定だって聞いただけで、ヲタクはウルウル😢

 

 『ハムナプトラ』シリーズで一躍ハリウッドのドル箱俳優にのし上がったブレンダン。しかし同シリーズでの激しいスタントがたたって、手術やリハビリを繰り返し、第一線から退いている間に離婚、莫大な慰謝料の支払いに苦しんで10年。2023年『ザ・ホエール』で、演技派俳優として奇跡の復活を遂げ、見事アカデミー主演男優賞を受賞した時のスピーチでは、自らを「長い間海に潜っていた」と語っていましたね。

 

(ここからは少し個人的な話になりますが)

 そんな彼の文字通り「苦節10年」を思い起こした時、今作『レンタル・ファミリー』での、ブレンダン演じるフィリップが、自分が偽りの役を演じることによって人々を励ますことができると知り、俳優の使命を再確認していくプロセスは、私たち観ている者の心にさらに深く、沁み入ってくるのです。

 

★日本で撮影してくれてありがとう❗️

今作『レンタル・ファミリー』だけではなく、あのプリンス・オブ・ハリウッドことティモシー・シャラメが最新作『マーティ・シュプリーム』のロケを昨年日本で行なったことについて

"僕らはどうしても日本で撮影したいという目的意識を持っていました。もちろんニューヨークでセットを組んで、日本のようにみせるチートはできるけれど、この作品には日本や東京という要素が大きく関わっているから、きちんと日本で撮影することがすごく重要だったんです。世界のみなさんがこの作品を気に入ってくれているので、日本のみなさんもそれに続いてくださるといいなと思っています"

(ジャパン・プレミアにて)

と発言したことで、マスコミの皆さんは「いよいよハリウッドでも日本ブーム到来か❗️❓️」って騒いでいるけど---------。

 

 ハリウッドの日本ブームって、実は今に始まったことじゃないのよ。

 

 日本特有の歴史、文化、近代的な建物と古い建築物が混在した独特の光景は、昔からハリウッドの映画人たちを限りなく惹きつけてきました。ただ、日本の場合撮影条件が極めて厳しく、税金の優遇措置もないので、なかなかそのハードルが超えられず、やむなくセット撮影や景色の似た東南アジアの国(台湾など)になる場合が多かっただけなんです。日本側スタッフに英語を喋れる人が少ない⋯っていうのも理由の1つだと言われています。

 

 そんな中、様々な困難を乗り越えて日本ロケ(しかも長期😭)を敢行してくれたブレンダン、監督、スタッフの皆さん、本当にありがとう❗️

 

★今日の小ネタ…日本の小学生の雑巾がけ

 数十年も前になりますが、家族でヨーロッパ赴任した頃、娘たちは現地の小学校に通っていましたが、もちろん教室の清掃は専門の清掃員さんの仕事。子どもたちが(どうせ後で掃除のおばさんがやってくれるから)と、お菓子の包紙を校庭にポイポイ捨てていくのにはビックリしました。

 

 当時、欧米の人たちからすれば、教室を子どもたちに清掃させるのは一種の虐待ではないか…という意見もあったようです。一方で、清掃員が仕事を得るチャンスを奪ってるのでは❓️という疑問も。

 

 しかし今は時代が変わり、小学校からの「自分が使った場所は自分たちで綺麗にする」習慣が、道路にゴミ箱がなくてもゴミが落ちていない、日本の高い民度に繋がっている…と称賛を受けるまでになりました。

 

 日本古来の習慣が、何でもかんでも時代遅れ…と評価されていた頃を知っているヲタクのようなシニア世代にとって、近頃の日本に対する海外の再評価は嬉しくもあり、なんだかこそばゆい感覚も覚える今日この頃です(笑)

 

👇️ハリウッドと日本の長い関係について書いた過去記事はコチラ👇️

『プレイバック・プレイバック❗️ハリウッド映画と日本ロケの長い関係』

https://www.rie4771.com/entry/2026/01/12/%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%EF%BC%81%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%83%E3%83%89%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%81%A8%E6%97%A5

35年の時を飛び越えるロック〜IMAX『Rolling Stones – At the Max』鑑賞

  1991年に初公開されたローリング・ストーンズのコンサート映画『Rolling Stones – At the Max』が、全国のIMAXシアターで1週間の限定上映❗️

最終日にやっとこさ間に合った⋯😅

 

今作品は、1990年の「Steel Wheels/Urban Jungle」ツアー中に撮影されたのですが、このツァーはローリング・ストーンズの歴史において、そして世界のロック史においても伝説的なもの。

 

その理由は2つあります。

 

グリマー・ツインズの復活

その強力なパートナーシップから「グリマー・ツィンズ(仄かに光る双子)」と自称し、2人で協力して数々の名曲を世に送り出してきたミック・ジャガーとキース・リチャーズ。1980年代後半には2人が音楽の方向性から激しく対立、ローリング・ストーンズももはやこれまでか⋯と囁かれていましたが、一転して2人はこのツァーをきっかけに劇的和解を遂げ、ストーンズ復活ののろしを上げたのです。

 

・巨大ステージとツァーのビジネスモデル確立

マーク・フィッシャー考案による高さ20メートル、幅60メートルの鉄の要塞のようなステージは、建設するのにトラック80台分の機材を要したと言われています。

 

 さあ、上映開始まであと30分。

35年の長い月日を飛び越え

今から私たちは

巨大セット、レーザー、パイロテクニクス(花火)を駆使したド迫力のステージで、合計630万人動員、約1億7,500万ドル(当時のレートで約260億円以上、現在の価値に換算すると4億ドル以上)を売り上げ、それまでのロックコンサートの歴史をあらゆる面で塗り替えたと言われる『Rolling Stones – At the Max(最高のローリング・ストーンズ)』誕生の瞬間を、IMAXの巨大スクリーンで目撃する❗️

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★IMAX史に残る作品

 まずド肝を抜かれるのが、ステージに屹立する、まるで近未来のメトロポリスか京浜工業地帯の工場群のような巨大な鉄の建造物。コンサートの間中スモークとレーザー光線がステージと観客席を駆け巡り、大量の紙吹雪が舞い、ミックの歌声と観客の手拍子と大歓声、バンドの大音響が私たちを『Steel Wheels』と『Urban Jungle』の目くるめく世界に引きずり込む。

 

 特に※『ホンキー・トンク・ウィメン(Honky Tonk Women)』では、アイアン・メイデンのエディ人形より数倍大きな巨大な「イットガール」人形が登場、彼女たちのセクシーダイナマイトぶりに興奮したのか❓️ミックが鉄の建造物の途中まで駆け上って歌うんだけど、カメラがミックの視点で遥か下の波のようにうねる観客席を映し出すもんだから、あまりの高さに見てるこっちが怖くてクラクラしたわ(笑) 

※ホンキートンクとは安酒場/バー(場所)のこと。19世紀末、南部・南西部で労働者層がダンスや酒を楽しんだ賑やかな酒場の別称。

 

★ミック&キース⋯まさにグリマー・ツィンズ

 メンバーたちがステージに出ていく直前から始まるこの映画、ステージの袖でグータッチしてるミックとキースの姿が、なんだか胸熱😭

 

 キースがコンサートの間中ニコニコして上機嫌、そんなテンションのまま『Happy』(数少ないキースのヴォーカル曲)を歌ってくれて、見てるこっちもHappy😆

 

 キースの陽気なノリノリロック『Happy』の直後には一転してミックが、メロトロン多用の不穏なサイケサウンド『2000光年のかなたに』、悪魔の視点で語られるダークな世界観『悪魔を憐れむ歌』を歌い上げる-------という心憎い演出。やっぱり2人は「グリマー・ツィンズ(光る双子)」😆

 

 そしてそして、ギターリフの名曲として名高い『サティスファクション(Satisfaction)』❗️キースが夢の中で思いついたという、歪んだ(ファズ)ギターによる5音の繰り返し。その中毒性のあるリフはこちらの脳髄に直接響いて、正常な思考能力を狂わせるよう。


★ストーンズの歴史的意味

 デンジェラスでセクシー、英国の階級制度にFuck you、権力に歯向かい続けて早や60年❗️❗️(今回も『ブラウン・シュガー』の歌詞とか改めて読むと、その猥雑さ、差別観、倫理観の無さに驚くばかり。ミックの歌詞って案外ミソジニーっぽいのよね😅)

 

 そんな彼らが向かうところ敵無し、イケイケどんどん黄金期の「Steel Wheels/Urban Jungle」ツアー。あなたたちはもはや生ける伝説、今さら畏まって悟ったフリなんてしなくていい。

 

永遠の不良青年⋯いやもとい、不良老人でいてちょうだい❗️(笑)

 

★Steel Wheels/Urban Jungleセットリスト

1.  プログラム・スタート (Program Start)
2.   コンチネンタル・ドリフト (Continental Drift )
3.   スタート・ミー・アップ (Start Me Up)
4.   サッド・サッド・サッド (Sad Sad Sad)
5.   ダイスをころがせ (Tumbling Dice)
6.   ルビー・チューズデイ (Ruby Tuesday)
7.   ロック・アンド・ア・ハード・プレイス(Rock and a Hard Place)
8.   ホンキー・トンク・ウィメン (Honky Tonk Women)
9.   無情の世界(You Can't Always Get What You Want)
10.   ハッピー (Happy)
11.   2000光年のかなたに (2000 Light Years from Home)
12.   悪魔を憐れむ歌 (Sympathy for the Devil)
13.   ストリート・ファイティング・マン(Street Fighting Man)

14.   イッツ・オンリー・ロックン・ロール(It's Only Rock 'n' Roll)
15.   ブラウン・シュガー (Brown Sugar)
16.   サティスファクション (Satisfaction)
17.   エンド・クレジット (End Credits) 

 

★今日の小ネタ

その1 この映画がIMAXである意味

実はこの映画、IMAX映画史においても重要な作品。

 

 1991年当時のIMAXは自然ドキュメンタリーなどが中心でしたが、『Rolling Stones – At the Max』は世界初の本格的IMAXコンサート映画と言われています。

 

 巨大70mmフィルムで撮影されたストーンズのライブは、観客席のスケールやステージの巨大さを圧倒的な臨場感で映し出し、IMAXという映像フォーマットの可能性を一気に広げたのです。

 

 ヲタクが今回IMAXで1番シビレたのはキースの神技的指使い❗️彼のギターは決して速弾きタイプではないけれど、IMAXの巨大スクリーンで映し出されるその指の動きは、まるでリズムそのもの、そこからグルーヴを生み出しているかのようで、見ているだけでゾクゾクする。

 

 そしてそして「ロック界のアスリート」ミック様。今作でもほぼMC無し、2時間ぶっ続け全速力でステージを縦横無尽に走り回り(1度も水飲まず💦)歌いながらジャンピングジャックフラッシュ、観客を煽りまくるわ、ミックガールズ❓️引き連れて踊りまくるわ…🤯しかも全く息上がらず(驚愕 どんな肺してるんだ 笑)。

ミックの飛び散る汗を全身に浴び続けた2時間IMAXでありました。

 

その2…キース・リチャーズのハチマキ

キース、🇯🇵日の丸のハチマキしてる❓️

東日本大震災が起きた後、日の丸ハチマキをした自分のTシャツ販売して、売上を復興にと寄付してくれたキース。

--------この頃から親日家だったの❓️

ゆっくり味わう贅沢——クロード・モネ展と牛肉の赤ワイン煮込み

 古稀を迎えた今、なぜヲタクは夫と共に「モネの雪」に会いに来たのか---------。

 

 そぼ降る雨の中、今日訪れたのは京橋のアーティゾン美術館で開催されている『クロード・モネ 風景への問いかけ』展。

 

 本年2026年は、印象派の巨匠クロード・モネ(1840–1926)の没後100年。工業化が進み、写真技術が発達した19世紀末、まるで周囲の近代化に逆行するかの如く自然光の移ろいをカンヴァスにとどめようと生涯をかけたモネ。

 

 本展ではモネの作品41点を含む、オルセー美術館所蔵の約90点に、国内の美術館や個人所蔵作品を加えた合計約140点が展示されています。

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 ヲタクの今回のお目当てはモネの〈かささぎ〉❗️後にも先にも〈かささぎ〉笑(1869年)。モネにとって雪は白いキャンヴァス。その白い色は決して単調なものではなく、時刻や光の濃淡、周囲の色彩により、薔薇色や薄紫、碧色…と様々に変化していきます。

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 ヲタクは何を隠そう「雪マニア」(笑)若い頃スキーに凝っていたのも、雪や樹氷が朝焼けに染まる瑠璃色から、日が高く上って眩しい白銀の世界に変化するさまを見たかったから。-------むろんヲタクは全く画才というものが無いので😅ただただその自然の芸術に感嘆するほかなかったのだけれど。最近もYouTubeで「雪中キャンプ」や「雪見温泉」「ホワイトアウト」の動画ばかり見てる(笑)

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 モネの筆が雪の上にそっと置いた光と影。

 ヲタクは感動で打ちのめされ、彼が紡ぐ一連の雪景色の前に立ち尽くすのみでした。

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 これは、セーヌ川に張った氷が溶けていくさまを描いた1880年の〈氷塊〉ですが、真冬の雪景色とはまた一味違って、氷塊に柔らかな朝日や木々の色が映り込んで、どこかから春の足音が聞こえるような暖かみのある作品でしたね。

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※ブリジストン美術館時代からのシンボル的存在、クリスチャン・ダニエル・ラウホ(19世紀ドイツの彫刻家)作「勝利の女神」(左)

 

★Bistro Covellのフレンチ

  今日のランチは、横浜・馬車道の太田町通りと六条の辻通りが交わった角、小さなビルの2階にあるフレンチ・レストラン「ビストロ・コヴェル」で、黒毛和牛ホホ肉の赤ワイン煮込みランチコースを頂きました。

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※ランチコース

・前菜(パテ・ド・カンパーニュ、キャロットラペ、ラタトゥイユ、ポテトサラダ、リエット、キッシュ、イチジク)※まるで懐石料理の向附のような繊細さ

・人参とジャガイモのポタージュ※ピンクペッパーがアクセント

・黒毛和牛ホホ肉の赤ワイン煮込み※お箸でホロホロと崩れるほどの柔らかさ

・デザート(ピスタチオのアイスクリームと林檎のコンポート)※コンポートは林檎のシャキシャキ感が残っていて絶品❗️

 

 若き才能あるシェフが創作するのは、隠し味にお醤油を少し垂らしたり、牛ホホ肉もフレンチ式の香草煮込みではなく、日本酒を入れたお湯で何度か煮溢した後にワインで煮込む……という、和食の粋を取り入れたヌーベル・キュイジーヌ。

 

 シェフ曰く、開店当初はステーキを売りにしていたけれど、先輩から「君は本来煮込み料理が得意だったはず。どうして煮込み料理を出さないの?」と問われて、牛ホホ肉の赤ワイン煮をメインにするようになったのだとか。

 

 シェフのお話を聞きながらヲタクは、(ああそれって、モネの絵画への向き合い方と同じだ❗️)って思ったの。火の強弱を常に気にしながら、コトコトとお肉を煮込む「コヴェル」のシェフと、刻一刻と変化する同じ風景を、長い長い時間をかけてキャンヴァスの上に留めたクロード・モネと-----------。今日はモネ展に相応しい、素晴らしいお料理を頂くことができました。シェフ、本当にありがとう😆また、寄らせて頂きますね。

 

 そして、古稀を迎えた私たち夫婦も、今日はモネとコヴェルのシェフに大事なことを教えてもらった気がするのです。美術鑑賞も、若い頃ルーヴル美術館や大英博物館でしたように、駆け足でアドレナリン全開、目一杯詰め込むようなやり方はもうできない。

 

 しかし今は、お気に入りの絵の前で立ち止まり、心の裡に沸き起こってくる感情と向き合い、それを醸成して、噛み締める。

そして思考する。

 

 これからは旅も美術鑑賞も「選んで」

 数ではなく深さを大事に

 余白を楽しんでいこう。

 

★今日の小ネタ

その1…ミモザのカクテル

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※ミモザ…シャンペン(またはスパークリングワイン)とオレンジジュースを1:1でステアしたカクテル

 

 今日のお料理にヲタクが合わせたのは、カクテル「ミモザ」。このカクテルの名前を初めて知ったのは、ちょうど20歳の頃読んだ伊丹十三のエッセイ「女たちよ❗️」。伊丹十三が飛行機の中で必ず注文するのがミモザだって書いてあって、初めての海外旅行、香港行きキャセイパシフィック航空の機中で勇気を奮って頼んでみたものの、客室乗務員に怪訝な顔で首を振られて見事撃沈(笑)

 

 ヲタクの英語の発音が悪かったのか、はたまたエコノミークラスじゃミモザなんて洒落た飲物は置いてなかったのか---------半世紀経った今でもナゾのまま😅

 

 でも今日は、半世紀ぶりに話が通じて(笑)ミモザ頼めて良かった。

 

その2…ゲイシャコーヒー

 八重洲地下街(ヤエチカ)の「アロマ珈琲」で、人生初のゲイシャコーヒー飲みました〜🎵

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サイフォンで丁寧に淹れられたそれは、ぱーっと周囲にまで香り立つ華やかなアロマが鼻腔をくすぐり、口に含めば柑橘系の果実に似た爽やかな酸味が広がります。苦味は殆んど感じなかったな。一緒に頼んだアップルパイも甘さ控えめ上品なお味🎵

 

--------しっかしコーヒー2杯とアップルパイ1つで5,000円近くは目玉飛び出た🤯

 

深さを味わうって、時にお値段も深いのね(笑)

 

 

 

 

 

 

【2026年2月振り返り】12,000PV突破|読まれた記事ベスト5

いつもブログ「オタクの迷宮」を読んでいただいている皆さま、本当にありがとうございます。

気づけばもう3月。
2月の「オタクの迷宮」は、なんと12,000PVを超えました。
少し遅くなりましたが、今月よく読まれた記事ベスト5を振り返ってみます。

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☝️2月Google Analyticsのスクショです

 

◆第1位 オタクの迷宮 930PV

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※サムネのイラストは大大大好きなセバスチャン・スタン演じるウィンター・ソルジャーの可愛いバージョン💗Chat GPT(Gくんって読んでます 笑)に描いてもらいました。

 

 

 よく読まれた記事がオタクの迷宮ってどういうことだよ❓️って思われた方もいらっしゃるかとかぞんじますが😅、おそらくGoogleやYahooで直接「オタクの迷宮」の名前で検索をかけて下さっている方⋯つまり常連さんか、ある記事を読んで気に入って再訪して下さった方々かな⋯と。じつは今回の記事を書きたいと思ったのはこれが1番の理由。「オタクの迷宮」そのものを愛して下さっている方がこんなにいらっしゃるんだ⋯と思ったら感動しちゃって(笑)

 

◆第2位 『イントゥ・ザ・ラビリンス〜二大名優が仕掛ける究極のマインドファック』896PV

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 これ2022年10/21の記事なんですけど、なぜか今になって謎のバズり方をしてます(笑)この記事を筆頭として、最近、数年前に書いた記事が突如として読まれ始めることが多くなってきました。配信開始がきっかけなのか何なのか⋯。これって所謂ロングテール現象❓️(笑)

 

『イントゥ・ザ・ラビリンス』は、ダスティン・ホフマンとトニ・セルヴィッロという世界に名だたる二大名優が演技合戦を繰り広げる、マインドファック(あっと驚くどんでん返しのラスト)なサイコサスペンスです。

👇️ブログ記事はコチラ👇️

https://www.rie4771.com/entry/2022/10/21/%E3%80%8E%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%93%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%80%8F%EF%BD%9E%E4%BA%8C%E5%A4%A7%E5%90%8D%E5%84%AA%E3%81%8C%E4%BB%95%E6%8E%9B%E3%81%91

 

◆第3位 アンドリュー・スコットを超えた❓️---稲垣吾郎『プレゼント・ラフター』比較考察 709PV

 ノエル・カワード作の喜劇『プレゼント・ラフター』で、誰からも愛されてしまうが故にどんどん面倒な事態に引き込まれてしまうスター俳優のドタバタ劇を軽やかに、スタイリッシュに演じた吾郎ちゃん。Xにポストしたところ、(おそらく)長年の吾郎ちゃんファンの方々がたくさんイイネ❗️して下さり、リポストもして下さいました。吾郎ちゃん自身の俳優としての実力もさることながら、ファンの方々のアツい思いを感じた記事です。

👇️ブログ記事はコチラ👇️

https://www.rie4771.com/entry/2026/02/19/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%92%E8%B6%85%E3%81%88%E3%81%9F%E2%9D%93%EF%B8%8F----%E7%A8%B2%E5%9E%A3%E5%90%BE%E9%83%8E%E3%80%8E

 

第4位 世代を超えて響いた夜〜One Republic"From Asia With Love "参戦記 454PV

 2月25日横浜みなとみらいのKアリーナで開催されたOne Republicのライブレポ(セトリ付き)です。フロントマンのライアン・テダーが今回プロデュースした人気ボーイズグループ&TEAMがゲスト出演、ワンリパの大人ファンだけでなく&TEAMファンの若いお嬢さんたちも大勢詰めかけ、世代を超えたアツいライブとなりました。3月に入ってからも多くの方々に読んで頂いていて、その中にはあの夜一生懸命ペンライトを振って&TEAMを応援していたお嬢さん方も入っているのかな⋯なんて想像して、ちょっとニヤニヤしちゃってるヲタクです😅

👇️ブログ記事はコチラ👇️

https://www.rie4771.com/entry/2026/02/25/%E4%B8%96%E4%BB%A3%E3%82%92%E8%B6%85%E3%81%88%E3%81%A6%E9%9F%BF%E3%81%84%E3%81%9F%E5%A4%9C%E3%80%9COneRepublic_%E2%80%9CFrom_Asia%2C_With_Love%E2%80%9D_%E5%8F%82%E6%88%A6%E8%A8%98

 

第5位 Entry is not found 291PV

 これはですね、ヲタクが削除してしまった記事がデジタルタトゥーで残っていて、タイトルに興味を持ってクリックしてくださった方が291人もいらした⋯ってことですね。

 

 ヲタクは1年にいっぺんくらい「過去記事を削除したい発作」が起きるんですよ。昔の記事読み返して、あまりにも現在の心境とかけ離れてたり、リライトしても間に合わないくらい文章の稚拙さが際立ってたりすると⋯ね😅ブログ運営8年間のうち、削除した記事って500くらいあるかも⋯。

 

 数字はもちろん嬉しいけれど、
こうして読んでくださる方がいることが何よりの励みです。
ブログは、ヲタクが好きな本だけを並べた小さな図書館みたいなもの。
これからも、自分の「好き」と「考える」を大切に、
気ままに書き続けていこうと思います。
またふらっと、迷い込みに来てくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

魂の同一化か、共依存か?フェネル版『嵐が丘』IMAX感想

 相鉄線ゆめが丘駅前のシネコン「109シネマズゆめが丘」にて、IMAX版『嵐が丘』鑑賞。

 

 没落した名家の令嬢キャサリン・アーンショー(マーゴット・ロビー)と、貧しい孤児ヒースクリフ(ジェイコブ・エロルディ)は、幼い頃から兄妹同然に育ち、成長するにつれてそれは激しい恋愛感情へと変わっていきます。魂の領域まで上り詰めた愛。

 

 しかしキャサリンは富を求めてエドガー・リントンと結婚、絶望したヒースクリフはアーンショー家から出奔します。数年後、巨額の富を得て嵐が丘に舞い戻ってきたヒースクリフは、裏切りの愛に憎しみを募らせ、復讐鬼と化していました-----------❗️

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★『嵐が丘』はロマン主義の代表的作品

 理性や社会の規範を破壊するほどの激しい感情、迸る情熱を描いたエミリ・ブロンテ作『嵐が丘』は、まさに英国ロマン主義の代表的作品です。

 

 ブロンテが描くキャサリンとヒースクリフの恋愛は、

「ヒースクリフは私以上に私自身なの。彼の魂と私の魂は同じ」(キャサリン)

「(キャサリンは)私の人生そのものだ」(ヒースクリフ)

という2人の言葉からもわかるように

 完全なる魂の同一化

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 ヲタクは高校生の頃『嵐が丘』と、エミリのお姉さんであるシャーロット・ブロンテ作の『ジェイン・エア』を同時に読んだのですが、キャサリンとヒースクリフの、社会的規範はおろか、自分たち自身の存在すらも破壊し尽くす狂気とも呼べる愛の形にすっかり面食らってしまい、「見てはいけないものを見てしまった」後悔を覚えたことを今でもはっきり覚えています(笑)どちらかと言えばヲタクは、恋しても決して溺れない、自立したジェイン・エアの

は鳥ではない。どんな網も私を捕らえられない。

って台詞にシビレていたから(笑)

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★トキシック・マスキュリニティにFUCK YOU❗️(ネタバレあり、注意)

  しかし、エメラルド・フェネル版『嵐が丘』は原作をかなり改変しています。冒頭、罪人の絞首刑を眺める幼いキャサリンには恍惚の表情が。その瞬間、彼女は運命に翻弄される悲劇のヒロインなどではなく、どこか暴力的嗜好を秘めた、支配欲の強い性格を隠し持っていることが示唆されます。

 

 にも関わらず、一旦家に帰ればキャサリンは、家の没落に絶望して大酒を飲み、荒れ狂う父親のDVの被害者。彼女が本来持っていた支配欲は、専制的な家父長(父親)から、完膚なきまでに抑圧されているのです。

 

 そんな境遇から這い上がるために、ヒースクリフへの愛も押し殺して富裕なエドガー・リントンと結婚するキャサリン。しかし、貧しい孤児から莫大な富を得て成り上がったヒースクリフが嵐が丘に舞い戻った時から、彼女の人生の歯車は狂い始めて--------。

 

 キャサリンは暴力的な父親から逃れるため、表面的には理性的で穏やかなエドガー・リントンと結婚したものの、結婚後、キャサリンが身ごもったのを知ったとたん「この子は息子だ」と決めつけてしまうエドガーの中に、キャサリンを世継ぎを産むための道具としてしか見ていないミソジニーが潜んでことを知って愕然とします。

 

 原作ではキャサリンは女児を産んで亡くなってしまい、エドガーが娘にキャサリンという同じ名前を付け、忘れ形見として育てるのですが、フェネル版『嵐が丘』では、キャサリンは流産した後、敗血症で死ぬ⋯という救いのないラストが待っています。(かなりショッキングなシーンなので、気の弱い方はご注意)

 

 『プロミシング・ヤング・ウーマン』そして『ソルトバーン』と、いまだ世界に蔓延る家父長制、「有害なる男らしさ」に中指を立て、恋愛における男女のパワーゲームを暴いてきたエメラルド・フェネル。

 

 今作品においてもフェネルのフェミニズム思想は全開😅ブロンテ原作ではキャサリンを溺愛し、甘やかすばかりだった父親は、フェネル版では人生に絶望してそのはけ口に娘を抑圧する暴力的な父親に変貌し、原作版での優しい夫エドガーは、フェネル版では暗に「男(自分の跡継ぎ)を産め」と圧をかけてくる----------。原作の主要テーマであるはずのキャサリンとヒースクリフの「魂の同一化」ですらも、「奪うか、奪われるか」の凄まじい愛の闘争として描かれているのです。

 

 フェネル監督はキャサリンの人生を通して、自らを、いや女性全体を縛り付ける様々な軛を断ち切ろうともがき苦しみ、結局は果たせなかった女性の悲劇を描こうとしたのではないかと、ヲタクは推察しています。

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 --------とここまで書いてくると(なんて陰鬱な小難しい映画なんだろう)と尻込みする向きも出てきそうですが😅何せキャサリンを演じているのが愛嬌があってキラキラのマーゴット・ロビーで、彼女のキュートな所作や取っ替え引っ替え身に付けるポップな衣装を観ているだけで楽しくて、フェネルの強めの❓️主張が甘いオブラートに包まれているのでご安心を(マーゴットの衣装だけで51着だそうだ⋯ビックリ🤯)それにお相手も、今ハリウッドで大注目、新生007ジェームズ・ボンドにオファーされたと専らのウワサのジェイコブ・エロルディだし〜😆

 

★ヒースクリフの愛と狂気を演じ切ったジェイコブ・エロルディ

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 支配欲に駆られ、庇護よりもむしろ、胸を焦がす刺激と挑戦を追い求めるキャサリンに比べて、どこか傷つきやすい、愛に飢えた若者感を漂わせる今作品中のヒースクリフ。

 

 『嵐が丘』は全世界でも1、2を争う人気小説なので、幾度となく映画化されてきましたが、ヲタクが観たのは、英国の伝説的名優サー・ローレンス・オリヴィエがヒースクリフを演じたウィリアム・ワイラー監督版(1939年)のみ。ローレンス・オリヴィエは、彫刻のような美貌も相まって、こちらの心まで冷え冷えするような、ちょっとサイコ的で冷徹な復讐鬼を演じました。

 

 今回ジェイコブ・エロルディが造型したのはそれと真逆、キャサリンへの激しい恋情を持て余し、キャサリンに向かって

は僕のものだ。

のように世界の涯までも君を追う

と叫び、愛の刃で自らを傷つけてしまうヒースクリフ像です。

 

 報われない愛ゆえに次第に狂気に陥り、キャサリンへの復讐のために偽装結婚した妻イザベルから「怪物」と呼ばれるまでに⋯。ギレルモ・デル・トロの『フランケンシュタイン』(Netflix)で、その醜い外見ゆえに創造者からも愛を得られない怪物の焦燥と絶望を繊細に演じ切ったジェイコブならではの人物造型だったと思います。

 

★IMAXで観るヨークシャーの荒野(ムーア)

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※本作品の舞台ヨークシャーの荒野(ムーア)

 

 吹きさらしの荒野(ムーア)の光景は、キャサリンとヒースクリフの荒れ狂う激しい気性を映す鏡。

 

 IMAXの巨大スクリーンがムーアを“風景”ではなく“感情そのもの”として叩きつけてくる。

 

 ヲタクは英国が大好きでヨーロッパ赴任時代4度旅しましたが、ブロンテ姉妹の生家(ヨークシャー州ハワース)にはとうとう行かずじまい😭今回の『嵐が丘』で、念願のハワース旅行が堪能できました。エメラルド・フェネルありがとう❗️

 

★そして--------エメラルド・フェネルがエミリ・ブロンテに対峙した時

原作では娘が生まれ、キャサリンは亡くなるけれど、名前は受け継がれ、物語は次世代へと続いていきます。
しかしフェネルは、その継承そのものを断ち切ってしまいます。


それは偶然ではありません。

 

魂の同一化という名の愛は、結局は破壊しか生まなかった。
そうフェネルは結論づけたのではないでしょうか。
そして現代にもなお息づく女性の搾取と、
トキシック・マスキュリニティという社会構造を、
次世代には決して引き継がせない。
あのラストには、そんな強固な意志が宿っているように思えたのです。

 

-------ヲタクはこんなふうに考えました。
あなたは、どう受け取ったでしょうか。

雪に滲む虚構と人の情け──映画『木挽町の仇討ち』考察

 相鉄ゆめが丘駅前のシネコン「109シネマズゆめが丘」にて、『木挽町の仇討ち』鑑賞。

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★仇討ちに隠された驚愕の真実とは⋯❗️❓️

 文化7年、ある雪の夜のこと。江戸の芝居小屋・森田座、「赤穂浪士の仇討ち」芝居がはねたばかりの時刻。芝居帰りの人々が見守る中、街でも鼻つまみ者のゴロツキ作兵衛(北村一輝)が、赤い着物の町娘の手を掴み、手籠めにしようとしますが、着物を剥がれたその下は、白装束姿の美濃遠山藩士・伊納菊之助(長尾謙杜)でした。作之助は、菊之助の父(山口馬木也)の仇。匕首と小太刀の激しい切り合いの末、菊之助は作之助の首を高々と掲げ、高らかに「父の仇、討ち取ったり❗️」と叫んだのです。

 

 白皙の華奢な美男が、むくつけき大男を見事に討ち取った顛末は目撃者たちの心を打ち、稀に見る孝行者よと、美談として語り継がれるのでした。

 


 ところがその2年後、菊之助の義理の兄を名乗る浪人・加瀬総一郎(柄本佑)がふらりと森田座に現れて、仇討ちの真相を探り始めます。総一郎が当時の関係者たち-------森田屋の木戸芸者(瀬戸康史)、立師(滝藤賢一)、衣装方(高橋和也)、小道具方(正名僕蔵)などに聞き込みをするうち、事件の全貌が徐々に明らかなっていきますが、果たして彼が知った驚愕の真実とは-----。

美談は本当に美談だったのか❓️

それは"裏切り"だったのか、"救い"だったのか❓️

 

真実は、雪の奥に埋もれている。

 

その1 雪に散る鮮血⋯日本の様式美

 菊之助が作兵衛の首を掲げ、鮮血が純白の雪に飛び散るシーンは、この事件の裏にある悲劇性を一層際立たせていますが、映画『国宝』を観た方なら、否が応でも冒頭の、主人公(吉沢亮)のヤクザの父親が敵に撃たれ、雪にじわじわと真っ赤な血が滲んでいくシーンを思い出すことでしょう。また、舞台は芝居小屋だし(なんと『娘道成寺』の一場面も登場)、重要人物で渡辺謙も出てるしね(笑)

 

 和製ミステリーの謎解きもさることながら、『国宝』同様、日本的な様式美が印象的な作品になっています。

 

しかし、『国宝』の血は、宿命・悲劇性の象徴。

『木挽町の仇討ち』の血は、虚構の象徴。

真実を覆い隠すための、美しく整えられた血。

----------観終わった後、私たちの胸に残るのは、はみ出し者の溜まり場「森田座」の人たちの熱い人情、そして笑いと涙と感動❗️

 

 

その2 キャスティング、見事なり

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 主役の浪人探偵❓️(笑)総一郎を演じる柄本佑、これ以上の適役はいないでしょう⋯っていうくらい見事にハマってます。日本人って、金田一耕助にしろ浅見光彦にしろ久能整にしろ「能ある鷹は爪を隠す」っていうか、普段はヌボーとしてるけど実は頭脳明晰っていうタイプの名探偵が好き。(それに比べて欧米の名探偵は、見るからに頭脳明晰なキレッキレタイプが多いの。シャーロック・ホームズとかエルキュール・ポアロとかね)

 

 派手に推理をひけらかすのではなく、静かに真実を暴く。
それが日本の探偵の美学なのかも-------。

 

 総一郎もまさに日本人好みのヌボータイプ(笑)でもそこはそれ、柄本佑が演じるから、ただのヌボーじゃなくて(笑)時折見せる鋭い視線や、ふとよぎる冷徹な表情に、(コイツ、只者じゃない)感を漂わせて、新しい探偵像を創り上げてる。サスガでございます。

 

 事件のカギを握る若衆侍役の長尾謙杜(なにわ男子)。彼の演技はお初だけど、若衆姿が「水も滴る」美男っぷり、イメージぴったりでしたね。司馬遼太郎の新選組をテーマにした短編『前髪の惣三郎』とか、演じたらハマるだろうなぁ。着物の着こなしも上手なので、もっと時代劇演じたらいいと思う。

 

 この2人の他にも、渡辺謙、北村一輝、滝藤賢一、イモトアヤコ、山口馬木也⋯と、これでもかっ❗️っていうくらいの豪華な布陣。それぞれがまた適役で、演技のアンサンブルもお見事。特に、女形崩れの衣装方を演じる高橋和也の「怪演」は一見の価値アリ(笑)『国宝』で存在感を見せつけた田中泯に負けてなかったよ、いやホント。

 

 

 『木挽町の仇討ち』白い雪の上に残ったのは血ではなく、後世に語り継がれる熱い「人の情け」だった------。

江戸の名探偵・総一郎、そして愛すべき森田屋の面々。

 

あなたたちの人生のその後を、ヲタクは観てみたい。

 

 

 

 

 

世代を超えて響いた夜〜OneRepublic “From Asia, With Love” 参戦記

 半年以上前に手に入れた、
Kアリーナ横浜みなとみらいでのOneRepublic公演チケット“From Asia, With Love”

 

 それがまさか、今宵2026年2月25日、世代を超える奇跡の夜になるとは——。

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 ヲタクがチケットをゲットした直後――
超人気ボーイズグループ&TEAMのスペシャル参加が電撃発表。
え、ちょ、ちょっと待って?
一粒で二度美味しいって、こういうこと?(ちなみに昔むかしのグリコのキャッチフレーズです😅)


ヲタク、持ってるなぁ(自画自賛 笑)
入場は17:00。
だがしかし、昨年12月に古稀を迎えた大人のロック戦士としては事前準備が肝心。
15:00にはホテルにチェックインし、体力温存モードへ――。

 

★今夜のベースキャンプ❓️は、京急EXホテルみなとみらい横浜

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 みなとみらい線・新高島駅徒歩1分。
シンフォニックステージ26F〜に位置する高層ホテル。
今回のお部屋は27Fのセミダブル(1人使用)。
窓際にはカウチ付きの大きな窓。
開放感、優勝❗️

 

 ドアを開けると左に洗面スペース、隣にタンクレス最新型TOTOあり。
右に独立したバスルーム、この造りで1泊16,000円って、正直言って、コスパ神です。
はちみつ紅茶を片手に、右下にKアリーナを見下ろしてカウチでまったり……。


危うく開演前に寝落ちしかける古稀ヲタク(笑)

 

★いざ出陣

 寝落ちしかけた自分にムチ打って、そぼ降る雨の中、やって来ましたKアリーナ。

 

 今回の座席はA6ブロック12列(Gold)。
最前Platinumはあえて回避。
昨年膝を痛めて以来、無理な跳躍はリハビリの先生に禁止されてる。最前列だと、絶対膝痛めても跳びたくなっちゃうのよ。だからあえて避けた。


でもね。
Goldはアーティストの表情が肉眼で見える距離。
それでいて、最前の狂熱には呑み込まれない絶妙ポジション。
これぞ、大人の神席。

★&TEAM、コ・ウ・リ・ン👼🪽

  弾けるように、舞台に躍り出てきた9人。

 

 躍動感溢れるダンス、強靭にしなる身体、力強い歌声。メンバーみんな仲良しみたいで、MCの間中くすくすワチャワチャ(笑)やっぱり、若いっていいなぁ。

 

 アリーナ席はほぼワンリパ目当て。(その代わり、2階スタンド以上は色とりどりのペンライトが揺れて若さムンムン 笑)アリーナの私たちに向かってKくん

「あ、あの…TVのバラエティとかでボクたちのこと1度でも見たことある方います❓️去年の紅白歌合戦にも出させて頂いたんですけど⋯。(見たことある方)手挙げてもらっても❓️」

 もちろん私たちワンリパファンも力強く手挙げましたよ(笑)そしたら&TEAMの他のメンバーたちが

「わぁ、嬉しい。ホントにありがとうございます。尊敬してやまないワンリパブリックさんのステージ、精一杯頑張ります」って最敬礼😆

 

なんて礼儀正しい、天使ちゃん👼🪽たちなの❗️

オバサン感激だわ(笑)

 

 シンガーでもあり、名プロデューサーでもあるライアン・テダーが、&TEAMの楽曲「Dropkick」のプロデュースに携わっている関係で、実現した夢のステージ。

 

 私たち大人は&TEAMという未来を約束された次世代アーティストを知ることができ、ペンライトを懸命に振っていた若いお嬢さんたちはOne Republicという世界に名だたるエンターテイナーに触れることができる…こんな世代を超えた、双方向のライブもステキね😉

 

 それにしても今の子たちってどうしてあんなに手足長くてスタイルいいの❓️

 

 昭和生まれのヲタクから見たらもはや新人類🤯今までヲタクが生で目撃した芸能人の中でスタイルピカイチだったのは俳優の向井理くんだったけど、&TEAMのKくんはその記憶をまんまと上書きしてくれました(笑)

 

【今夜のセトリ】

1.Back to Life 🇯🇵
2.Lunatic
3.Go in Blind (月狼)
4.Under the skin
5.Heartbreak Time Machine
6.MISMATCH
7.Dropkick(⇐ライアンのプロデュース曲💗)
8.Who am I
9.FIREWORK

 

★ワンリパと観客席、Mutual Love😘

 疾走感溢れる"RUNAWAY"に乗ってライアンの"I love,love,love……(5回くらい言った❓️笑)J・A・P・A〜〜N❗️"で始まり、ラストの"If I Lose Myself"まで、疾風怒濤の如く駆け抜けた今宵のライブ。

 

 フロントマンのライアンはじめ、アニメオタクの親日家で知られるワンリパの面々だけど、「アリガトゴザイマス」から「サイコー」「アイシテル」「キンチョウスル」「ホント❓️」「ギョーザ」まで、ライアンの日本語の語彙力はかなり増えたもよう。ライブ中、私たちのこと「カイジュウ」って呼んでた気がしたけど…気のせい❓️😅

 

 お話上手なライアン、MCも楽しいエピ満載🎵

 

 2008年初来日のサマソニであまりの暑さに失神しそうになりながらも歌い切った思い出や、"Halo"の前振りで、ビヨンセとジェイGの熱々ぶりは結婚前から知っていて、ジェイGは自分が女性だったら結婚したいくらいイイ男なんだっていう話とか。(その時、&TEAMを今プロデュースしてることも付け加えるのを忘れない優しいライアンなのでした)ライアンはまた、自分の腕に日本への愛の証のタトゥーを彫った…って言ってましたね。

 

 "Run"では例の"run,run,run……son, son,son……"、"Apologize"では"It's too late, too late"を私たち観客側から自発的に大合唱したかと思えば、「今度はボクがコア・コンダクターだよ、いい❓️」というライアン先生のご指導で、"Secrets"の"my secrets awa〜〜y"を三部合唱。終わっても1人で「あうぇーーい」って歌ってた男性、ライアンから「イイ声ネ」ってお墨付きもらってました😅

 

 でもって、まだまだ全力疾走が終わらないライアン、"I ain’t worried"や"Counting Stars"の時は最前列のファンとハイタッチするわ"I love you"のファンサウチワ取り上げて仰いであげるわサインはするわ、挙句の果てにはアリーナ席の通路をスマホでセルフィーしながら行ったり来たり(SP追いつけてなかったかも😅)。「ゴールドはオトナの神席」なんてカッコつけたけど、やっぱプラチナにしとけば良かったかなぁ…(未練が過ぎる 笑)

 

★"Need your love"のリリースはいつ❓️

 もうすぐリリース予定だという新曲"Need your love"も披露してくれました❗️エレキサウンドが印象的な、ワンリパらしさ全開の素敵な楽曲です。

 

 それにしてもこの曲、バレンタインデーに発売予定じゃなかったっけ❓️今日のライブでライアンは確か4月1日って言ってたけど、後ろのメンバーは3月って言ってたような…(このへん、定かじゃない、ゴメンナサイ😅)。初めはハリー・スタイルズのアルバムと被って(あ、こりゃ話題持ってかれる)と思って延期したら、今度はBTSと被って延び延びになってるんだって。

 

 ハリーはともかく、BTSはライアン自身がプロデュースに関わってるからガチンコするわけいかないよねぇ⋯⋯。ワンリパのアルバムor シングル発売が延期になるのって割とあるあるなんで、まあ気長に待ちましょう。でもそれもこれも、ライアンのオトナの気配りのせい😅

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※プラチナ、ゴールド席のグッズ。お守り入ってる〜〜😆カラオケ上手くなるかな 笑

 

★今宵もセクシーイケボ爆烈だったライアン

 えっとですね、ヲタク的にライアンは「世界一セクシーな声を持つ男」だと思っていて。もう、彼の声を聴くだけで、背中に電流が走って腰砕けになるわけ(笑)

 

 彼の声って、所謂「ライト・リリック・テナー」っていう、 明るく透明感のある「少年の面影を残した大人」の声……なんだけど、声が細かく揺れるR&B特有のフェイク(音を転がす独特のテクニック)が、私たち聴き手に何とも言えないドキドキ感を与えてくれるの。

 

 そしてそして、彼特有の地声と裏声の境界線を感じさせない、蕩けるような「ミックスヴォイス」。そんなセクシーヴォイスで、今宵は儚げなファルセットを効かせてくれたわ😘

 

 ワンリパってポップ・ロックやオルタナにジャンル分けされることが多いけど、じつはライアンが10代の頃熱狂してたのはBoyz II Menなどの90年代R&B。ブルースやR&Bに影響を受けた歌い手ってめっちゃセクシーヴォイスの人が多いわ…エルヴィス・プレスリーとかね。

 

 今宵もライアン、特に"Beatiful Colors"では語尾を吐息のように歌ってくれちゃって、もう……。そしてラスト、あの声で"If I lose myself tonight, it'll be by your side…(もし僕が今宵自分自身を見失ったとしても、僕は君の傍にいるよ)"なんて歌われた日にゃ一体どうしたらいいの。こっちが正気失うわ(笑)

 

★そしてKアリーナ横浜みなとみらいの「音」はやっぱり最高‼️

 ライアンの歌声やメンバーの奏でる音が今まで聴いた中で最高だったのは、やはりKアリーナだから。どのアーティストよりも、「東京」の街を愛するライアンが、今回初めて開催地にKアリーナを選んだのはその素晴らしい音響ゆえだろう⋯と改めて認識しました。ズレや残響の無いクリアな音は、さすが音楽に特化した世界最大級のアリーナだと、今回改めて思いましたね。横浜市民として誇らしい‼️

 

See you again.

 観客席が感動で波のようにうねり、ワンリパと私たち観客が完全に一体になった、あの瞬間をヲタクは一生忘れないよ。

 

 彼らの音楽は年齢も世代も性差も超えて、私たちを同じ場所に立たせてくれる。

 

"See you again❗️"と最後に叫んでくれたライアン。

 

I can't wait to see you again at K Arena ❗️

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※ホテルから雨に滲むみなとみらいの夜景🌉Kアリーナを見下ろします。

 

★今夜のセトリ

1.RUNAWAY
2.Feel Again
3.Good Life
4.Stop and Stare
5.Light it up
6.Singapore
7.Secrets
8.Rescue Me
9.Run
10.Something I Need
11.Artificial Paradise
12.Life In Color
13.Halo (Beyonce cover.)
14.Bleeding Love (Leona Lewis)
15.Ships+Tides
16.Lose Somebody
17Apologize
18.Nobody
19.I Ain’t Worried
20.Don’t Look Down
21.I Lived
22.Beautiful Colors
23.Sunshine
24.Counting Stars
25.I Don’t Wanna Wait
26.If I Lose Myself


 

『マーロー殺人倶楽部の事件簿』考察〜コージーミステリーが今、心に沁みる理由

 U-NEXTにて、英国ミステリーのミニシリーズ『マーロー殺人倶楽部の事件簿(原題:The Marlow Murder Club)』(全4話…原作ロバート・ソログッド)鑑賞。

 

 英国屈指の美しい街マーローで起きた、身も凍る連続殺人事件。元考古学者の素人探偵(なんと77才❗️)、ジュディス・ポッツ(サマンサ・ボンド)が、考古学で鍛えた分析能力を駆使してシリアルキラーに挑戦する❗️

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最近ヲタクは、刺激の強いドラマに少し疲れていることに気づきました。

今日の私は、アバンギャルドなぶっ飛んだ話じゃない(笑)“安心して観られる物語”を求めているんだって。

 

★英国コージー・ミステリーの典型

 澄み渡る青空と、目に染みるような木々の緑。それを背景に、「マーロー橋」やオール・セインツ教会の高い尖塔がそびえ、テムズ川では水鳥たちが優雅に泳ぐ美しい英国の街、マーロー。そんな静かで平和な街である日、美術商の男が銃殺された。それも額に銃口を突きつけられて引鉄をひかれるという、「処刑」のような残酷な形で。しかも使われたのは、ナチス・ドイツの旧式の銃でした。

 

 美術商の隣人で、偶然事件時の銃声を聞いてしまった元考古学者のジュディス(サマンサ・ボンド)は、「こんな平和な街で殺人事件なんか起こるはずがない。自殺かも」などと謎理論を展開する地元警察を尻目に、ふとしたきっかけで知り合った仲間たち(司祭の妻のベックス(カーラ・ホーガン)と、シングルマザーで犬の散歩代行業を営むスージー(ジョー・マーティン)と共に独自の捜査を始めます。果たしてジュディスたちが恐れていた通り、第2、第3の殺人が❗️しかも彼らの口の中には聖書の言葉が刻まれたメダリオンが押し込まれていて-----。

 

★ドラマの見どころ

その1 マーローの絶景

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 1番の見どころは、英国でも屈指の絶景を誇るマーローが舞台になっていること。ヲタクは数十年前のヨーロッパ赴任時代、休暇を利用して大好きな英国とアイルランドを何度も旅しましたが、マーローは行きそびれた😅なので、今『マーロー殺人倶楽部の事件簿』を見て、遅まきながらバーチャル英国旅を楽しんでいます。英国ミステリーは、ロンドンなど都会だけでなく、地方都市を舞台にしたドラマが幾つもあって(例えばストラットフォード・アポン・エイボン『シェイクスピア&ハサウェイの事件簿』、オックスフォード『刑事モース』、ブライトン『警視グレイス』など)楽しい💗

 

その2 ミステリーとユーモアのバランスが絶妙なコージー・ミステリー🥳

 ミステリーチャンネルさんのキャッチフレーズ、そのまま使わせてもらっちゃいました(てへ😅)

 

 はい、コージーミステリーとは、cozy(気楽な、居心地のいい)という言葉そのままに、バイオレンスな描写はできるだけ避け、観終わった後はほっこり(つまりイヤミスじゃない)するミステリー作品で、探偵役は素人でたいていフツーのオバサン(笑)、事件も都会じゃなくて小さな田舎町で起きることが多いです。アガサ・クリスティのミス・マープルものがその典型で、最近では『お菓子探偵ハンナ』、『アガサ・レーズン』(都会から英国のコッツウォルズ村に越してきた中年女性アガサが主人公)などが大人気です。

 

 本作の主人公ジュディス・ポッツは77歳らしいので、コージーミステリーの中でも最高齢なんじゃ…。しっかしテムズ川をマッパで泳ぐのが日課だったり、悪漢と格闘したり…最近のシニアは恐るべし😅ヲタクも負けてらんないわ(笑)

 

その3 名探偵たちとオトボケ❓️警察の攻防戦

 素人探偵大活躍のコージー・ミステリーあるあるで、事件を担当する地元の警察当局は、きまってあまり地頭がよろしくなく😅捜査も後手後手にまわり、レストレード警部(シャーロック・ホームズシリーズのスコットランドヤードの警部。ホームズからは「無能だが熱心」のお墨付き 笑)やジャップ警部(エルキュール・ポアロの相棒的存在。足で稼ぐもやはり真相に辿りつけず、最後はいつもポアロの「灰色の脳細胞」に頼ることに…)も真っ青の迷走ぶりです。まあただ、『マーロー殺人倶楽部の事件簿』の主人公たちは明晰な頭脳やばつぐんの推理能力を持っていてもあくまでも一般ピープル。逮捕権を行使したり、立ち入り禁止区域に入れないので、ストーリーの展開上、彼女たちの代わりに「足で稼いでくれる、しかし推理能力はイマイチ」な警察官たちが必要になってくるというわけ。

 

★なぜ今、コージーミステリーなのか❓️

 今コージーミステリーが大人気な背景には、謎解きの面白さと共に、若い世代の「スローライフ志向」があると言われています。世界情勢が不安定な今だからこそ、フィクションの世界くらいは暴力描写や社会問題の深掘りより、安心感で癒されたい。

 

 本作品でも、主人公のジュディスが暮らす古い英国式の邸宅や骨董品、司祭夫人ベックスの焼く美味しそうなケーキやアフタヌーンティー、ルノワールの『舟遊びをする人たちの昼食』を思わせるような川べりのボート・シーン、そして事件をきっかけに友人になるジュディス、スージーのユーモア溢れる会話のシーンが度々登場します。

 

★ヒロイン・ジュディスが投げかける価値観の転換

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※ヒロイン・ジュディスを演じるサマンサ・ボンド。人気ドラマ『ダウントン・アビー』では、グランサム伯爵ロバートの妹で、因習に囚われない貴族ロザムンド役で出演していましたね。

 

 また、本作の主人公ジュディス・ポッツは77歳。
しかも元考古学者という、人生をかけて「過去を掘り起こしてきた」女性です。
年齢的には“保護される側”に見えがちな世代。
けれど彼女は違う。
自分の頭で考え、警察の“常識”に疑問を投げかける。

 

ここに、今この時代の私たちシニア世代が感じているある種のカタルシスがあるのではないでしょうか。
若さや体力ではなく、豊富な人生経験と知性で勝負する、年老いても自立したヒロイン。

 

 これは単なるコージーミステリーのステロタイプを超えた、「年齢を重ねることの肯定」を描いた人生ドラマでもあるような気がします。

 

 こんな寒い日は、美味しい紅茶を片手に楽しもう。
美しい英国の街並みを眺めながら、77歳の名探偵と共に謎を解く時間を。

 

排除の快楽——ヨルゴス・ランティモス監督『ブゴニア』が映す現代の病理

 横浜地下鉄ブルーライン上大岡駅前のシネコン「109シネマズ上大岡」にて、ヨルゴス・ランティモス監督の最新作『ブゴニア』鑑賞。第98回アカデミー賞では、作品賞、主演女優賞ほか計4部門にノミネートされた問題作…いやもとい、稀に見る怪作❓️であります。

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 『聖なる鹿殺し』で、人間の持つ弱さや狡猾さ、暴力的嗜好を乾いたブラックユーモアで描く監督の手法に魅入られたヲタクは、『女王陛下のお気に入り』(2018年)、『哀れなるものたち』(2023年)、『憐れみの3章』(2024年)------と、彼の作品を観続けてきました。作品の中でランティモス監督は、観ている私たちの心の裡にも眠っている醜悪な部分を容赦なく暴いていくので、新しい作品が公開されると一旦は映画館に足を運ぶのをためらいます。しかし結局観に行ってそのたびに絶望に打ちひしがれる(ドMかじぶん 笑)

 

ランティモスは、人間を信じていないのか❓️

彼の映画には一貫して「救済」がない。
カタルシスも、倫理的勝利も、
観客を慰める言葉もない。

 

あるのは、
冷たい観察。

 

まるで神が、
実験動物を見下ろすように。

そして---------

 

 ★ざっくり、あらすじ

 世界でも有数の製薬会社オクソリスのCEOミシェル(エマ・ストーン)が、ある日何者かに拉致されてしまいます。犯人は、オクソリスの配送係で、母親が社の新薬の被験者となり、その結果ミシェルを死ぬほど憎むようになったテディ(ジェシー・プレモンス)と、彼に無理矢理犯罪に引き込まれた従弟のドン(エイダン・デルビス)でした。テディはなぜか、ミシェルが地球を侵略するために送り込まれた宇宙人だと言い張り、なんとか彼を言い含めようと必死になるミシェルと激しい論戦を繰り広げます。しかしミシェルの努力も虚しくテディは激昂し、事態は坂道を転がるように悲惨な方向へ-------。

 

 これって韓国映画の『地球を救え❗️』っていう作品のリメイクらしいんですが、元ネタを知らなくても、ラストの結末はSF好きなら十分予想できるものだし、それよりも見どころは前半の、「俺は宇宙人に搾取されてる〜〜❗️」と叫ぶ陰謀論者テディと、資本主義社会の権化みたいなミシェルの激しい論戦で、ランティモス流の「思考する映画」になっているので、結末がわかっている方でも十分楽しめると思います。

 

★人間って醜悪な存在かもしれない、でも-------

 特にテディの、実家の養蜂業がうまく立ち行かないのも母親が病気になったのも自分がボンビーなのもみんなみーんなミシェル=宇宙人のせい------っていう他責エコチェン思考、被害者意識は

 

 彼が自己責任に向き合えない人間

 複雑な社会構造から弾かれてしまった人間

 敵を単純化し、叩くことで悦に入る人間

 

であることを示してる。

 

 もちろんそれは私たちの暮らす一般社会にも政治の世界にも普通に見られることで、そういう「誰かに罪を被せれば自分は無罪放免になる」という、他責による快楽思考は、確実にヲタク自身の中にも存在する。

 

 一方でミシェル。
 彼女は合理的で冷徹な、資本主義社会の絶対的勝者。
しかし彼女もまた、生命の危機を感じるほど追い詰められた瞬間、テディに向かって
「あんたみたいな負け犬に生きてる価値はない」
と吐き捨てます。


----そう、他責と排除は、実は同じ構造。
テディはミシェル(絶対的権力)を排除しようとする。
ミシェルはテディ(敗者)とドン(社会的弱者)を排除しようとする。

テディとミシェルはまるで合わせ鏡。
異質なものを排除したいという衝動は、どんな立場にも宿るのだから。

 

★ランティモスは希望を捨てた❓️

 『哀れなるものたち』と『憐れみの3章』を観てヲタクは、(あ、あれ❓️ランティモス監督、人間たちの醜悪さの中にも一筋の光を見いだしたのか❓️)って思ったけど、『ブゴニア』観て、(甘かった)って思った(笑)

 

 そこに救済はない。

 和解もない。

 カタルシスもない。

 ランティモスは人間の愚かさを決して裁かない。

 ただ観察する。
 まるで沈黙する神のように。

 

ランティモス監督はこれからも、『ブゴニア』同様、神の視点から「排除の暴力」を描き続けるのだろうか❓️

 

★それでも、私は生きていく

 でもね監督、ヲタクはいくら卑怯で傲慢な存在であっても、その人を永遠に排除しようとは思わない。愚痴を言いながら、泣き言を言いながらでも、そんな不条理な社会に何とか折り合いをつけて生きていきたいの。

「甘さ」でもなく「逃げ」からでもない(……と思う 笑)

それは排除よりもむしろ、乗り越えるのに困難な、勇気のいる選択だと思うから。

 

★ランティモス監督のこれから

-----ん❗️❓️でもあれかな、ランティモス監督、『ブゴニア』みたいに救いがたい結末であっても、映画を作り続けて、私たちに警鐘を鳴らし続けてくれてるってことは、やっぱり監督も、人間や世界の未来に対する希望を失っていない……ってことになるよね❓️

 

 なぜなら映画を作り続けるという行為そのものが、ランティモス監督の

人間はまだ思考する存在

思考することによって変化できる存在

という大前提に立っているように思えるから。

 

 だからヲタクはこれからも映画を観る。

そして考えてみる。

そうすれば人生が少しずつ変わってくるかもしれない。

少なくとも考えないで排除するよりはきっと------。

 

 

 

アンドリュー・スコットを超えた❓️――稲垣吾郎『プレゼント・ラフター』比較考察

 2026年2月19日、渋谷PARCO劇場にて稲垣吾郎主演『プレゼント・ラフター』(夜公演)鑑賞。

 

 稲垣吾郎の舞台歴を語る上で、今後必ず口端にのぼるであろう感動的な舞台でした❗️

 

 役者・稲垣吾郎の今宵の素晴らしさを語る前に、ヲタクがなぜこの作品を鑑賞することになったのか、その成り行きをひと言、語らせて下さい。

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★『プレゼント・ラフター』について

 作者は20世紀前半に、劇作家、俳優、演出家、作詞・作曲家…と、多彩な才能を発揮したノエル・カワード(1899–1973)。軽妙洒脱なウィットとユーモア、英国人らしい社会風刺の毒がヲタクは昔から大好き❗️(『陽気な幽霊』や『ビター・スウィート』など)中でも、彼の代表作が今回の『プレゼント・ラフター』というわけです。

 

 舞台はイギリスのロンドン、1900年代前半。主人公のギャリー・エッセンダインは大人気、脂の乗り切った舞台役者。まさに今、笑いが止まらない(=プレゼント・ラフター)絶頂期なはず。

 

 ところがところが、人生ままならない。綺羅びやかなスターであるが故に、ワンナイトラブの相手からは「愛してる結婚して❗️あなたを理解できるのはワタシだけ」と猛烈に言い寄られ、チェーホフカブレのオタク作家に「新作を読んでくれ、ボクはあなたに執着してるんだ」と追いかけ回され、セレブ仲間うちの恋愛沙汰、不倫騒動に否が応でも引きずり込まれる(傍観者のはずがいつの間にか当事者に 笑)。さりとて、今でも影になり日向になり自分を支えてくれている元妻リズと復縁する勇気もない……。そんな大人子ども、(しょーがないなぁ)と呆れながらも憎めない、愛すべきピーターパン症候群❓️の中年男の右往左往を軽妙なタッチで描いたコメディ作品です。

 

★アンドリュー・スコット版に魅せられたヲタク

 実はこれ、ヲタク激推し、アイルランド人俳優のアンドリュー・スコットが2019年にロンドンのオールド・ヴィック劇場で主役のギャリーを演じ、その卓越した演技でローレンス・オリヴィエ賞主演男優賞にノミネートされた作品。このアンドリューの舞台はNTL(ナショナル・シアター・ライブ)により、日本でも一部の映画館で何度か上映されてきましたが、いよいよ昨年の5月上映契約が終了との知らせ😭何度も観た舞台でしたが、今生最後の上映をヲタクは横浜から宇都宮まで観に行きました。淋しさに胸を締め付けられつつ…。

 

 ---------こんな経緯があったので、日本版を観るのはちょっと逡巡があったんだけど、スターがスター自身の華やかさと矜持、そして悲哀と孤独を等身大で演じる、いわゆる「メタ・シットコム」なこの作品を、SMAP時代から早や40年近く、日本屈指のスターであり続けている稲垣吾郎が演じるとなれば話は別(笑)ヲタクの手は自然とオンラインチケット申し込みをクリックしていたのでありました😅

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★クィア・コーディングは果たして描かれる❓️

 ノエル・カワードがこの戯曲を書いた1930年代には英国で同性愛は違法だったため、初演当時はギャリーのセクシュアリティ設定はヘテロであるように書き換えられていたようです。(ノエル・カワード自身もゲイだった)

 

 しかしアンドリュー・スコット版は明白な「クィア・コーディング」芝居(しかもちょっぴりミソジニー寄り😅)それもそのはず、アンドリューは2013年に、プーチン大統領の発表した反同性愛法制定に際して、自身がゲイであることを堂々とカミングアウトした超男前。ゲイであるということに関して彼は、「嬉しいことに、今じゃみんなゲイのことを性格的欠点とは見なさないよね。でもこれは「親切」といった美徳じゃないし、バンジョーが弾けるみたいな特技でもない。ただの事実なんだ」と淡々と語り、ヲタクはアンドリュー沼にドボン(笑)

 

 アイルランド人らしく率直で気さくなアンドリューに対して、その私生活は謎に包まれている日本のスター中のスター稲垣吾郎は、そのセクシュアリティをはじめとして、ギャリーの人物像をどう演じるのか❓️

 

--------さあ、あと30分で開幕のベルが鳴る❗️❗️待ち受けるは、日頃の稲垣吾郎の殻を破った驚くべき爆弾投下か、それとも彼の特性をさらに進化させた陰翳の美か❗️❓️

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※さすが稲垣吾郎様、お祝いの花束も飾りきれずリスト化されてる(笑)

 

★ギャリーを演じるために生まれてきた吾郎ちゃん❗️❓️

 誰かに「愛している」と迫られればイヤと言えずに、自らを危機的状況に追い込んでしまうギャリー役を、吾郎ちゃんは上品に、そしてスタイリッシュに演じて、舞台上で軽やかに飛翔してみせた。それは幼い頃からアイドルとしてスポットライトを浴び続け、大勢のファンに惜しみなく愛を与えてきた彼だからこそ。その華麗なるオーラは、ヲタクの中でアンドリュー・スコットを超えた❗️

 

 ことこのギャリー役に関しては、吾郎ちゃんに軍配をあげましょう(断言)

 

 スター特有の「博愛主義」から、迫りくる相手をうっかり受け入れてしまうくせに、さらに踏み込まれると狼狽えて右往左往してしまうギャリー。そんな彼の首根っこを掴まえて、ガッチリ手綱引き締める女丈夫の元妻リズ(倉科カナ)。2人の掛け合いが楽しく面白く、まさに「男は愛嬌 女は度胸❗️❓️」の好感度爆上がりカップル(笑)2人の演技の相性もバッチリでしたね。

 

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※幕間の楽しみと言えば、バーで飲みながら前半の振り返りをしつつ後半の期待に心を躍らせるひととき。今日のお供はレッドシアタースカッシュ(パイナップル、苺、柑橘類、クランベリーに炭酸を注いだモクテル)

 

 さてさてヲタクが注目していたクィア・コーディングですが、今回は完膚なきまでに封印されていましたね😅(アンドリュー版では重要な役割を演じた親友のジョーはそもそも登場しない 笑)1930年代の初演版に回帰…ってことみたい。でもその代わり、世代を通じて楽しめる、お洒落でソフィスティケートな艶笑喜劇の味わいに。-------でも日本で上演するには、それでちょうどよかったかも。アンドリュー版みたいなアバンギャルドな芝居は、まだまだ日本の客層には馴染まないかもしれません。

 

 ヲタクの深掘り「スターの仮面(ペルソナ)」

〜ノエル・カワードとギャリーと稲垣吾郎と〜

 今回の舞台には亡きものにされていたけど、「人生はパーティーのようなもの。しかめつらで生きるなんてバカバカしい」と、生真面目さを笑い飛ばしたノエル・カワードの戯曲の底流には、自らのセクシュアリティを抑圧し、生涯仮面を被って生きなければならなかったカワードの「心の闇」が横たわっていることを考えると、稲垣吾郎版『プレゼント・ラフター』もまた、違った視点で観ることができるかもしれません。

 

 ノエル・カワードは、そのセクシュアリティを公には語らずに生涯を終えました。1930年代の英国では、同性愛は犯罪だったからです。俳優でもあった彼は、軽妙洒脱な笑いの裏で、常に“仮面(ペルソナ)”を被り続けていました。


 本作品の主人公、ギャリー・エッセンダインもまた、スターという仮面を被る男。誰からも愛され、誰にも嫌われたくない。求められれば応じてしまう博愛主義。しかし本心では、誰かに本気で心の中に踏み込まれることを恐れている。

 


 そして、稲垣吾郎。


 40年近く日本のトップスターとして在り続けてきた彼もまた、公と私の境界をきっちりと守り続けてきた人。多くを語らず、決して素顔を安売りしない。その佇まいは、ある意味で“完璧な仮面”とも言えるでしょう。


 今回彼が演じるギャリーには、その仮面の奥にほんの一瞬、孤独の影が差す瞬間があったように思います。


 笑っているのに、どこか脆い。

 華やかなのに、どこか切ない。
 

 その陰翳は、演技のひと言で片付けることができない、長年スターであり続けた人間だけが纏うことのできるオーラ。
 

 今回の舞台では、アンドリュー版が白日の下に晒したクィア・コーディングは完全に封印されました。しかしそれでも、この舞台が薄味にならなかったのは、“仮面を被って生きること”の切なさが、吾郎ちゃん自身と重なったからではないでしょうか。
 

 スターとは、常に光を浴び続ける存在。
 光が強ければ強いほど、影もまた濃くなる。


 その光と影を、軽やかなコメディという衣に包みながら、観客に手渡してみせた『プレゼント・ラフター』。

カーテンコールでは観客総立ち。
今宵私たちは――
稲垣吾郎という、
笑いの奥に人生の苦さと哀愁を滲ませることのできる
正統派喜劇役者誕生の瞬間を目撃した証人となったのです。