オタクの迷宮

映画・ドラマ・舞台レビュー、ケルト文化、滅びの美学、推し活のつれづれまで── 観て、感じて、考える。 "好きなモノ・人"についてしか語らない偏愛のブログ。そして今日もどこかで、ヲタクが迷走中。

2026-01-01から1年間の記事一覧

映画『落下音』〜むせかえる死の匂いと、少女たちに受け継がれる記憶

「KINOシネマ横浜みなとみらい」にて、『落下音』鑑賞。 〜これは、ひとつの家に染みついた「死の記憶」を巡る物語〜 舞台はドイツ・※アルトマルク地方のとある農場付きの巨大な屋敷。そこは代々ひとつの家族によって継承されています。そしてこの作品は、同…

シネマ歌舞伎『曽根崎心中』感想〜坂田藤十郎“伝説のお初”と映画『国宝』の原点

この舞台が存在したからこそ、映画『国宝』は生まれた❗️受け継がれる芸、引き継がれる魂。『国宝』の奥底に流れていたものの正体を、私は今日、確かに見た。 桜木町駅前のシネコン「ブルグ13」にて、シネマ歌舞伎『曽根崎心中』(原作・近松門左衛門)鑑賞。…

『愛情は深い海の如く』感想〜“愛とは何か”に答えを出せない人たちへ

DVDにて、『愛情は深い海の如く』(2011年)鑑賞。 愛欲に塗れた男女の、どうしようもない腐れ縁を描きながら、どこか静謐で硬質な美しさを纏った映画でした。 --------それはなぜ❓️ その答えを探るためには、まずこの作品を生み出した監督について触れてお…

『幻影師アイゼンハイム』再発見〜幻影は嘘か、それとも真実か

昔むかし、若かりし頃のヲタクが胸ときめかせた名画たち。 記憶の中に棲むそんな名画たちも、今見返すと再び新たな魅力をもって蘇る。 今日ご紹介するのは、『幻影師アイゼンハイム』(2006年)。公開当時ヲタクは主演のエドワード・ノートンの大ファン大ス…

『ハムネット』——喪失は、やがて物語になる

——これは、母が“喪失”を通して、芸術に触れ、魂が救済された瞬間の物語。 上大岡のTOHOシネマズ上大岡にて、『ハムネット』(2025年 クロエ・ジャオ監督)初日鑑賞。 ⋯そう、アイルランド出身の女優ジェシー・バックリーが、見事アカデミー主演女優賞を受賞…

彼女の涙に気づけなかった頃の私へ——映画『さよならをもう一度』(1961年)再訪

昔むかし、若かりし頃のヲタクが胸ときめかせた名画たち。 記憶の中に棲むそんな名画たちも、今見返すと再び新たな魅力をもって蘇る。 今日ご紹介するのは、『さよならをもう一度』(アナトール・リトヴァク監督 1961年モノクロ)。日本では配信中止になって…

祝祷は与えられたのか——『Benediction 祝祷』とジャック・ロウデン、魂を削るラスト

———7年越しに辿り着いた“あの表情”に、すべてを持っていかれた。 たった今、我が最愛とも言える推しジャック・ロウデンが最高の演技を見せたと言われる作品であり、また巨匠テレンス・デイヴィス監督の遺作ともなった『Benediction(祝祷)』(BBC Film 2021…

史上最もアバンギャルドな花嫁『ザ・ブライド❗️』はなぜこんなにも危険で美しいのか❓️

これは、“作られた女”が、自分の人生を奪い返し、真実の愛を見つける物語。 相鉄線ゆめが丘駅前のシネコン「109シネマズゆめが丘」で、『ザ・ブライド❗️』(主演 ジェシー・バックリー&クリスチャン・ベール、監督 マギー・ギレンホール)鑑賞。 ★衝撃のオー…

横浜・大岡川の桜を静かに楽しむ〜上大岡「フォレスタリア」で大人のお花見ランチ

今日は4月1日。 ヲタクの地元・横浜の桜は、ちょうど満開を迎えています。明日からは4連勤。となれば、今日が今年最後のお花見のチャンス——そう思い、ふらりと出かけてきました。 人混みを避けて、静かに桜を楽しみたい方へ。 横浜を代表する桜の名所といえ…

桜の下には何が眠るのか——山手外国人墓地と生の悦び

今日は3月27日。 横浜の桜満開時期は4月1日頃、あと5日後…との予想ですが、明日からまた地獄の連勤のため、一足早くやって来ました横浜・山手。 ★生の悦びを喰らう〜山手十番館 腹が減っては花見は出来ぬ…というわけで、まずは山手と言えばここ、老舗のフレ…

映画の余韻を持ち帰る夜〜JR東日本ホテルメッツ渋谷で味わう“大人の小さな遠征”

今日はヲタク、横浜の田舎町からはるばる花の東京は渋谷のど真ん中へ------。 非日常を味わう"大人の小さな遠征"にやって来ました。 第33回フランス映画祭(3/19〜22)の参加作品である『新凱旋門物語』(ステファン・ドゥームスティエ監督)のチケット、Get…

フランス映画祭『新凱旋門物語』〜フランスに愛され、フランスに捨てられた男の悲劇

今日はヲタク、横浜の田舎町からはるばる花の東京は渋谷のど真ん中へ------。 第33回フランス映画祭(3/19〜22)の参加作品である『新凱旋門物語』(ステファン・ドゥームスティエ監督)のチケット、激戦の中Get❗️(2席だけ残ってたんです) 宿泊先のJR東日…

春分の日、推しを讃える日——ジャック・ロウデン『フィフス・ステップ』NTL感想

2026年3月20日(金)春分の日。ヲタクにとって生涯忘れられない日になるでしょう。何故かって❓️ 我が推しジャクロことジャック・ロウデンが主演し大絶賛を博した舞台『フィフス・ステップ The Fifth Step』がNTL(ナショナル・シアター・ライブ)で上映され…

コンシェルジュは見た❗️〜タワーマンションに潜む夫婦の真実〜

ブログ「オタクの迷宮」管理人としてのヲタクは、直前の記事でも書いたように、滅びの美学を追求する、自称「デカダン的ロマン主義者」。歴史や映画のスクリーンといった「異界」を揺蕩う遊び人 しかし現実世界では、代行派遣の※マンション・コンシェルジュ…

滅びゆくものに、美は宿る——オタクの迷宮1500記事

気づけば、「オタクの迷宮」も、いつのまにか1500記事に辿り着いていました。——けれど不思議なことに、この数字には、あまり実感がありません。 むしろ今、はっきりと言葉にできるのは——「私は、なぜ書き続けてきたのか」ということです。 映画、ドラマ、舞…

なぜ私はアイルランド俳優に惹かれるのか——ケルトの情念と“滅びの美”

ケルトの十字架(ハイクロス)は、神性、永遠の愛、大地、そして魂の再生を意味する。 前回、ジェシー・バックリーが『ハムネット』でアカデミー主演女優賞を受賞したことについて記事を書きました。ジェシーはデビュー直後から、その卓越した演技に魅せられ…

舞台が燃える女優――ジェシー・バックリー、アカデミー主演女優賞へ

かつてオリヴィア・コールマンに 私の頭に浮かぶなかでは最高の俳優 と称されたジェシー・バックリーが『ハムネット』(クロエ・ジャオ監督)の演技で、ついにアカデミー賞主演女優賞を受賞‼️ ヲタクが最初に彼女の演技を見たのは、激推しジャクロことジャッ…

横浜元町で出逢った紅茶と、遠い日の珈琲〜ラ・ティエールとバンドホテル

横浜元町で、忘れられない紅茶に出逢いました。 「ラ・ティエール」のオリジナル『元町ブレンド』 ラ・ティエールは、バンドホテルの跡地に建ったドン・キホーテの横にある、小さな小さな紅茶専門店。 先日馬車道にあるフレンチ・レストラン「ビストロ・コヴ…

宮本浩次『俺と、友だち』Blu-ray感想〜原点のSHELTERからさらに高みへ

宮本浩次さんが、ベーシストのキタダマキさんと 2025年10月8日、 下北沢のSHELTERで決行した「俺と、友だち」ライブがBlu-rayになりました❗️ ★宮本浩次にとって特別な場所、下北沢SHELTER 2013年、当時特発性難聴で療養中の宮本さんは、日比谷野音でのコンサ…

愛すべき最低野郎の青春『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』感想

相鉄線ゆめが丘駅前のシネコン「109シネマズゆめが丘」にて、ティモシー・シャラメ主演『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』初日❗️ 2日後にアカデミー賞受賞式が迫っているから、発表前に見れて良かったぁぁ。毎年この時期になると、このブログの中で、…

孫のプレゼン発表に見た、日本の未来

私には、たった一人の最愛の孫がいます。今日は、その孫の晴れの日。 孫ちゃんは、「高い知性と豊かな人間性をそなえ、心身ともに健全な次世代のリーダー」の育成を目標とする中高一貫校の中学1年生。昭和世代のヲタクが受けてきた、知識偏重・偏差値重視の…

アカデミー賞直前❗️ヲタクが選ぶ“この人に取ってほしいで賞”

もうすぐアカデミー賞受賞式。 とはいえ、例年通り日本未公開作品も多く、映画評論家のような受賞予測はヲタクにはできません。なので今回は——「ヲタクが選ぶ“この人に取ってほしいで賞”」を勝手に発表します(笑) ◆主演男優賞イーサン・ホーク(『ブルー・…

芸術家の愛は残酷-----『センチメンタル・バリュー』感想

「KINOシネマ横浜みなとみらい」にて、ヨアキム・トリアー監督の新作『センチメンタル・バリュー』鑑賞。 主演はレナーテ・レインスヴェ。ヨアキム・トリアー監督×レナーテといえば、レナーテがカンヌ国際映画祭主演女優賞に輝いた『わたしは最悪。』の黄金…

『ブルームーン』感想〜天才ロレンツ・ハートの“最後の夜”

横浜地下鉄ブルーラインセンター南駅前のシネコン「109シネマズ港北」にて、リチャード・リンクレイター監督の新作映画『ブルームーン』を鑑賞。 1943年11月。冷たい雨のそぼ降るニューヨークの八番街。作詞家ロレンツ・ハート(イーサン・ホーク)は、酔っ…

宮本浩次という“混沌の高み”──ROCKIN’ON JAPANインタビューを読んで思ったこと

ROCKIN’ON JAPAN 2026年4月号 Vol.592、宮本浩次さんインタビュー「宮本浩次 至上のヒーロー 決戦前夜」。インタビュアーはもちろん、山崎洋一郎さん❗️待ってましたっっ(笑) 宮本さんは、胸に抱えてる想いがいっぱいあり過ぎて、しかもそれが熱すぎて、時…

【大人の再発見旅】6年ぶりの横浜中華街で「桂宮」のヌーベル・シノワ

桜木町駅前のシネコン「ブルグ13」朝イチの回で、ブレンダン・フレーザー主演『レンタル・ファミリー』を鑑賞。 ほのぼのと心が温まったところで、ちょうどお昼時。そこで少し足を伸ばして、久しぶりに横浜中華街へ向かいました。 あれはちょうど6年前のこと…

海外の目に映った日本の優しさ〜『レンタル・ファミリー』感想

桜木町駅前のシネコン「ブルグ13」にて、『レンタル・ファミリー』鑑賞。 日本で暮らす、売れないアメリカ人俳優フィリップ(ブレンダン・フレーザー)。彼が、人生の大事な時期に友人や家族(役)をレンタルする会社にスカウトされ、LGBTの恋人と海外で結婚…

35年の時を飛び越えるロック〜IMAX『Rolling Stones – At the Max』鑑賞

1991年に初公開されたローリング・ストーンズのコンサート映画『Rolling Stones – At the Max』が、全国のIMAXシアターで1週間の限定上映❗️ 最終日にやっとこさ間に合った⋯ 今作品は、1990年の「Steel Wheels/Urban Jungle」ツアー中に撮影されたのですが、…

ゆっくり味わう贅沢——クロード・モネ展と牛肉の赤ワイン煮込み

古稀を迎えた今、なぜヲタクは夫と共に「モネの雪」に会いに来たのか---------。 そぼ降る雨の中、今日訪れたのは京橋のアーティゾン美術館で開催されている『クロード・モネ 風景への問いかけ』展。 本年2026年は、印象派の巨匠クロード・モネ(1840–1926)…

【2026年2月振り返り】12,000PV突破|読まれた記事ベスト5

いつもブログ「オタクの迷宮」を読んでいただいている皆さま、本当にありがとうございます。 気づけばもう3月。2月の「オタクの迷宮」は、なんと12,000PVを超えました。少し遅くなりましたが、今月よく読まれた記事ベスト5を振り返ってみます。 ☝️2月Google…