オタクの迷宮~映画と舞台と音楽と Chaos-α

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

吉沢亮 in リバーズエッジ

f:id:rie4771:20181203182624j:plain 映画「ヘルタースケルター」を観た時、登場人物の醜悪さに気分が悪くなり、まるで悪夢のような映画だと思ったけど、「リバーズエッジ」は、それがなぜか、叙情に昇華されていた。それは、青春の物語だから。高校生の物語だから。青春とは得てして、醜悪で、滑稽で、残酷なものだから。

現実世界に眼を背け、ひたすらUFOの再来を願い、同性愛の対象であるサッカー部の上級生を見つめ続ける山田一郎。物言わぬ死体の傍でしか泣けない山田一郎。吉沢さんは、その虚無的な眼差しで、その人物像を具現化していたと思う。

彼のその虚無が、一瞬の狂気を帯びる、最後に近い場面、あの瞬間が巷で評判になったけど、私はどちらかというと、愛する上級生が、女の子とじゃれ合っているのを眼にして珍しく動揺した山田が、思わず田島カンナに残酷な言葉を投げつける場面が好きだったなぁ。ああ、山田も傷つきやすい、愛に飢えた普通の少年なんだということが、吉沢さんの表情だけで理解できたよ、うん。

インタビューなんか読むと、吉沢さんはあの年齢にしては驚くほど老成していて、自己確立がしっかりしている感じだから、対極に位置する山田を演じるのはしんどかっただろうな。まあ、だからこそ役者冥利に尽きるのかもしれないけど。

彼の人並み外れた美貌、普通はそれが演じる役柄を狭めるようなマイナス要因として働きがちだけど、演技力がそれに負けてない。

あとね、高身長じゃなくて、良かったよね。あの顔で身長高かったら、山田一郎や日下部くん、鈴木頼みたいな役はできないでしょ?

役者としての進化がますます楽しみです。