オタクの迷宮~ 吉沢亮+宮本浩次+chaos-α

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

2018 観てよかった映画と役者 その4


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君の名前で僕を呼んで

  舞台は1983年、北イタリアの夏の別荘。ひなたのジリジリ焼けるような熱さ、草いきれ、翻って、屋内や日陰の意外なほどの涼しさ、暑さを避けるために水に飛び込んだら思いのほか肌に冷たくて、思わず身震いしたこと……。渋谷のBunkamuraル・シネマのスクリーンから、そんな様々なことが一気に立ち上ってくるようでした。

 

  イタリアの夏の風景も、主人公二人(ティモシー・シャラメアーミー・ハマー)もただただ哀しくなるほど美しくて、監督は、映画のテーマだの何だの、面倒なことは抜きにして、ただ短いイタリアの夏、この一瞬を映像として残しておきたいと望んだからメガホンをとったのかと思うほどでした。

 

  主人公のエリオ(ティモシー・シャラメ)は17歳。父親は大学の考古学教授で、一人っ子のエリオは、両親の愛を一身に受け、考古学の知識や音楽の才能を初めとして、文化的な素養を欲しいままにしている。そんなスポイルされたエリオの前に現れたのが、ひと夏だけ父の教授の研究助手として別荘に滞在することになった院生のオリバー(アーミー・ハマー)

 

  完璧な美貌の持ち主で、年齢も、背丈も、考古学の知識も、社交術も、女の子の扱い方も叶わない相手。初めは反発ばかりだったのが、次第に兄に対するような尊敬に、そして激しい恋愛感情に変化するさまを、ティモシー・シャラメは、心の襞の1つ1つをなぞっていくように、繊細に演じています。アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされたのも、むべなるかな。サフィアン・スティーブンスが歌うMystery of Loveもどこか懐かしいタイプの曲で。昔のサイモン&ガーファンクルのスカボローフェアを思い出すような曲です。

 

  受け止めるオリバー(アーミー・ハマー)は敬虔なユダヤ教徒で、彼の倫理観からしたら、17才の男の子の恋愛感情を受け止めるなんて、本来は考えられないんだけど、プラトニックには、初対面から強烈にエリオに惹かれている設定です。

 

  当然、「ひと夏の恋」には終わりが来るわけで。ひたすらまっすぐ気持ちをぶつけるエリオと、大人としての分別と現実の狭間で悩むオリバーの対比が切ないです😢

 

  そして、最後の場面。真冬、雪が降りしきるイタリアの別荘。オリバーから電話がかかってきて、結婚が決まったことを告げられるエリオ。その時のエリオの表情。ティモシー・シャラメの天才ぶりが如実にわかる場面になってます。

 

  映画っていいですね😊あの芸術とも言える一瞬の表情を永遠に焼き付けることができるんですもの。