オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、鑑賞後の感想を呟いたりしています。今はおうちで珈琲片手に映画やドラマを観る時間が至福。

ハル王子、再び~松坂桃李ご降臨

 吉田鋼太郎蜷川幸雄の遺志を継いで、シェイクスピア37作品演出を達成しようという「彩の国 さいたま芸術劇場」ついに、ついに来月2月、松坂桃李のご降臨❗

 

  「ヘンリー4世」(2013年4月、さいたま彩の国芸術劇場)

後にイングランドの名君、ヘンリー5世(⬅️今回は、即位して王としてのご登場ですね😊)となるハル王子(松坂桃李)と、飲んだくれでずる賢くて、でも憎めない名脇役フォルスタッフ(吉田鋼太郎)

 

  当時松坂くんたしか24、5才❔ハル王子に配役が決まった時は、正直言って、(ん❔誰この人。あー、朝ドラに出てた男の子か~。さて、吉と出るか、凶と出るか)と思ってました(ホント、ごめんなさい😢)

 

  ところが、ところが。180センチ以上はありそうな長身を生かした立ち姿の美しさ。あの長丁場の劇で全くブレない発声の確かさ、明確なセリフ回し。何より、これは天性のものなのか、王子にふさわしい気品。シェイクスピアの劇って、主人公ほとんどが王子とか貴族の息子ですから、何より「気品」が大事😅松坂くんにはそれが備わってた。そしてそして、あの、老獪な吉田鋼太郎に堂々と渡り合う、将来の王者の威厳さえ持ち合わせて、あまりの嬉しい衝撃に口あんぐり(笑)

 

 それから5年。蜷川さんは、多くの人の号泣を背に、旅立ってしまった。ワタシの中で確実に、舞台俳優として、第2の藤原竜也になると確信した松坂桃李は、結果的に2度と蜷川さんの舞台に立つことはなかったのです。次はやっぱりロミジュリかな❔若いうちしかできないし。いやいやでも数年蜷川さんのもとでシゴかれれば、「ハムレット」も…なーんて、得意のオタクの妄想広げてたら、あっというまに5年経っちゃった😢

 

無数の若い役者さんが蜷川さんに抜擢されて来たけど、その中を勝ち抜いて、さらに耀けるのは、ほんのひと握り。…でも、蜷川さんのご葬儀の時、前に並んだそうそうたるメンバーの中に松坂くんを発見した時、わけもなくこみあげるものがありましたよ、なぜか。

 

  蜷川さん演出のさいたま彩の国の舞台を最後に見たのは、阿部寛ブルータス、藤原竜也アントニウス吉田鋼太郎キャシアス、横田栄司シーザーによる「ジュリアス・シーザー」でした。余談だけど、昨日TVドラマ「グッドワイフ」見てたら、吉田鋼太郎横田栄司が出てきたから、急に蜷川さんのこと、思い出しちゃった😢演劇界ではシェイクスピアの解釈や演出でいろいろ毀誉褒貶のあった方だけど、やっぱり、理屈じゃない魅力があった。そして、魅力ある男優を発掘する慧眼も。

 

  今回の「ヘンリー5世」チケットはとってないけど、彼がこの6年の役者修行を経て、ハル王子からイングランド史上最高の名君ヘンリー5世として臨む舞台、名舞台にならないはずはないと思う。

 

  陰ながら、舞台の成功お祈り申し上げます。