オタクの迷宮~映画と舞台と音楽と Chaos-α

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

さよならなんて言わない~吉沢亮 in なつぞら

 昔むかし、日本はアニミズムの国であって、人びとは畑の土にも、海にも、川にも、木の枝にも、すべての自然には神さまが宿っていて、私たちを邪悪なものから守ってくれている…と考えていました。だから、自然を崇めこそすれ、いたずらに汚したり、破壊したりすることができなかったのです。

 

 「なつぞら」は、吉沢さん演じる天陽は、その、本来日本人が胸に抱いていた美しい心根を思い出させてくれました❗今朝の、天陽が大事そうに土を触り、畑に倒れていく…朝ドラ史上確実に五本の指に入るであろう美しい、美しい場面。

 

  土から生まれ出た不世出の画家、山田天陽は、苛酷な現実世界と精一杯戦い、芸術を愛し、家族を守り抜き、また再び土へと還っていきました。演技者としての吉沢さんが浮かべたあの、言葉では到底表現しきれない天陽の表情は、自らが還るべき場所に辿り着いたことへの安堵だったのでしょうか❔磯Pは、「自分が耕し、育てた土に最期は帰るというところで、ある種、至福感を湛えた表情だったと思います」と吉沢の演技を絶賛した…と。

 

  天陽くんの肉体はなくなってしまっても、その魂は永遠にそこに留まり、土の精霊、いや神となって、靖枝さんを、子どもたちを、ご両親を、なっちゃんを、雪次郎を、いや、彼を忘れない全ての人を守っていくに違いないのです。だから、山田天陽という役は、人間離れした美しさに、並外れた演技力を兼ね備えた吉沢亮という稀有な役者でしか演じられなかったのだと思うのです。

 

 だから天陽くん、さよならなんて言わない。

 

 山田天陽の生きざまを通して、さまざまなことを私たちに教えてくれた「なつぞら」。そしていみじくも吉沢さんが、「最後のほうは、役柄が体に染み込むようだった」と表現した、あたかも天陽くんと溶け合ってしまったかのような圧倒的な演技。本当に半年間ありがとうございました❗そしてお疲れさまでした😢

 

  あっ、もちろん、なっちゃんはじめ、他の愛すべき人びとの生きざまも、最後まで見届ける所存でございます(笑)