オタクの迷宮~映画と舞台と音楽と Chaos-α

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

脇役を貫く生き方も…アーミー・ハマー in 「ホテル・ムンバイ」

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  109シネマズ湘南で、「ホテル・ムンバイ」を。2008年インドのムンバイ。駅で、レストランで、ホテルで起きた同時多発テロの悲惨さはまだ記憶に新しいところですが、改めて映画で見ると、刻々と過ぎていく時間を追ったドキュメンタリータッチの映像も相まって、心を抉られます😢無抵抗主義、徹底した非暴力を訴えたガンジーを生んだインドが、史上最悪とも言えるテロ事件の舞台に選ばれてしまった。実行犯は、パキスタンから携帯電話でその度に指令を受ける、いたいけな十代の少年たち。彼らの貧困をダシにして、「お前たちが搾取されたものを異教徒どもから取り返せ❗これは聖戦(ジハード)だ」と、少年たちの憎悪を煽る当時の黒幕(未だその正体は不明)の卑劣さと、洗脳の恐ろしさ。

 

  テロの実態を映画で見ると、滞在者全員が犠牲になってもおかしくない状況なのですが、それをギリギリのところで食い止めたのが、タージマハールホテルの従業員たちでした。映画の冒頭で総料理長が「我々にとってお客様は神と同じである」と、従業員たちを前にして訓辞を言うわけですけれども、それを命をかけて証明することになるとは、なんという人生の皮肉、人生の不条理😢

 

  総料理長の片腕となって宿泊者たちを命がけで守るのが、「スラムドッグミリオネア」ムンバイのスラム育ちのクイズ王で鮮烈な印象を残したデーヴ・パテール。インドいちのホテルの従業員のプライドをかけ、何があろうと「お客様は神様」の任務を遂行しようとする心意気に涙します。

 

  インド人の富豪令嬢と結婚し、タージマハールホテルに家族で宿泊するアメリカ人の役にアーミー・ハマー。レストランで、あろうことかビーフハンバーガーを注文してしまい、妻にたしなめられて悪びれもせず「あっ、知らなくてゴメンね」とチャーミングに笑う夫。この天真爛漫さ、人の良さが、生まれたばかりの赤ちゃんとベビーシッターも含め、彼らがその後に巻き込まれる凄惨な事件の悲劇性を際立たせているのです。

 

  アーミーもこの映画では端役と言ってもいいくらいの役なのですが、あれだけの容姿と俳優としてのキャリアを持っていて、自分が演じる役にはさほどこだわりがなさそうな感じがまた、彼らしい。ただ、彼の出演作品を見ると驚くほど名作揃いで、ワタシが最近見た映画の中で、感動した映画にはたいてい彼が出てるんですよね😅主役を張った映画は1本もないんですが、脚本選びには鋭い慧眼をお持ちのようで…。

 

  ザッカーバーグフェイスブック立ち上げの顛末とその後の訴訟の数々を描いた「ソーシャルネットワーク」。彼は、後年ビットコインで名を馳せた実在の双子ウィンクルボス兄弟を演じてましたね。演技派の俳優さんなら、(どんな演じ分けしてくれるんだろう)とワクワクするんですが、アーミーはいつものように飄々と演じていて全くどっちがどっちだかわからない(笑)ワタシは思わず(おいーっ、いくら双子ってったって、ちっとは違いだせよー)って画面に思わず突っ込んじゃいました(笑)だけど周りがザッカーバーグ役のジェシー・アイゼンバーグやらアンドリュー・ガーフィールド等、クセモノ演技派ばかりなんで、かえって目立ってたという…😅そんな彼の個性は、自己主張のカタマりみたいな俳優が多いハリウッドでは珍しいんでしょうか❔出演作がひきもきらず。共演者も、ジョニー・デップ(ローンレンジャー)レオナルド・ディカプリオ(エドガー)、ティモシー・シャラメ(君の名前で僕を呼んで)、フェリシティ・ジョーンズ(ビリーブ~奇跡の大逆転)など、きら星のような天才ばかり😅次回はアガサ・クリスティ原作の映画「ナイルに死す」で、御大ケネス・ブラナーと共演❗うんとシゴかれてちょーだい(笑)

 

  少々話が逸れましたが(汗)「ホテルムンバイ」。テロの一部始終を臨場感溢れるドキュメンタリータッチで追っているので目を背けたくなるような場面の連続ですけれども😢事件から10年経過しても解決の兆しが見えてこない、世界が抱える様々な問題。その現実だけは、目を逸らしてはいけないと訴えかけてくるような映画でした。