オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・コンサート鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログです。

ハル王子が憑依した❗トム・ヒドルストン in 『ヘンリー四世』


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 シェイクスピアの、イングランドの歴代の王たちの生涯を描く歴史劇の中で、好きな作品と言ったら、『ヘンリー四世』と『リチャード三世』❗なぜって…

ハル王子とリチャード三世がカッコいいから(笑)

…なんだか、バカみたいな答でスミマセン😅一応英文科出身なもんで、シェイクスピアは学生時代に翻訳で一通り読んでいるんですが(原文はエリザベス王朝時代の英語なので、とても1人では読めません😅)、この大好きな2作品は松岡和子さんの新訳で改めて読んで、またトリコ。になっちゃいました😊学生時代には素通りしていたセリフも、ある程度人生経験を積んでから改めて読むと心に刺さるものが沢山あって、シェイクスピアって本当に偉大な作家だと思います。松岡さんの訳は軽快で読みやすく、こなれた日本語なので、シェイクスピアは初めて…という若い方たちにも取っつきやすいんじゃないでしょうか😊

 

  さて、『ヘンリー四世~第1部第2部』。前作の『リチャード二世』で、王を快く思わない反乱分子にリーダーとして祭り上げられ、追い詰められたリチャード二世(ベン・ウィショー)が譲位する…という、いわば変則的な形で王冠を手にしたヘンリー四世(ジェレミー・アイアンズ)。リチャード二世は、ヘンリー四世に呪いの言葉を残して非業の死を遂げるのですが、その事実に生涯ヘンリー四世は苦しみ、不安の影に脅えるのです。

 

  そんな父王の憂いをよそに、ロンドンの歓楽街で悪友のフォルスタッフと遊び回る放蕩王子ハル(トム・ヒドルストン)。トムヒくん、「アベンジャーズシリーズ」で、小心者で狡猾で、だけどなぜか憎めないソーの弟、トリックスターのロキを演じてます。ワルなのにどこか愛嬌があって、(もう、コイツったら❗)って怒っても、そのスウィートな笑顔を見るとつい許しちゃう…っていう。ソー(クリス・ヘムズワース)もついうっかり騙されて、決まって煮え湯を飲まされるのですが…😅

 

  トムヒくんと言えばテイラー・スウィフトの元カレで、別れてからは恒例の(?)歌のネタになっちゃったわけですが😅その時のエピソードも、なんだか…天真爛漫な憎めない人なんだなぁ…って感じ(笑)そんなキャラのトムヒくんがハル王子を演じるからこそ、いざ王子がヘンリー五世として王位に就いた時の変貌ぶり、フォルスタッフを初め昔の仲間に対する非道とも思える仕打ちの重さが生きてくるんですよね。

 

  ハル王子役、蜷川幸雄演出の松坂桃李(舞台)、ティモシー・シャラメ(Netflix)も見て来ましたが、端正な演技の松坂くん、王子と言うより1人の若者の苦悩を前面に出したシャラメ、王子時代のヤンチャぶりと即位後の国王らしさの変容が素晴らしいトムヒくん…と、『いずれかアヤメ、カキツバタ』でそれぞれ素晴らしい❗見比べてみるのも一興かもしれませんね😊

 

  シェイクスピアが造型したキャラの中でも人気の高いほら吹きフォルスタッフ😅ヲタク的には、断然、蜷川舞台の吉田鋼太郎ですね😍フォルスタッフって嘘つきでズル賢くて体型はビヤ樽(笑)だけど、娼館の女主人が彼に財産根こそぎ貢いじゃったり、若い娼婦に「行かないで、可愛い人」なーんて言われちゃう女たらし人たらしなわけですよ。ただのホラ吹きのおデブさんぢゃ、ないの(笑)やっぱり吉田鋼太郎くらいの、おっさんの可愛さ、色気ムンムンの人に演じてほしい(笑)

 

  ヘンリー五世(ハル王子)は、その生涯を戦いに明け暮れた人なので、BBCNetflixの映像作品ですと戦闘シーンがリアルに描かれていて、歴史劇であると同時に、戦争アクションとしても楽しむことができると思います😉