オタクの迷宮

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尾上松也氏 絶賛❗~映画『アンタッチャブル』WOWWOW放映決定


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  『アンタッチャブル』WOWWOWプライム

5/22(金)午後2:20~、WOWWOWライブ5/28(木)深夜3:58~にて放映決定❗懐かしや、ケヴィン・コスナー出世作。世界情勢も複雑になった昨今、トレンドは『カメレオン俳優』一癖も二癖もある演技派。しかしかつてのハリウッド映画を振り返れば、演技力で魅せる、というよりは、その人の持つ圧倒的な人間的魅力で押しまくる、っていう俳優さんたちが何人もいました。古き良きアメリカ、イケメンマッチョで誠実で正義感に溢れたヒーローが良く似合う人。『スミス都へ行く』の記事でもちょっと触れましたが、それこそ『スミス~』主演のジェームズ・スチュワート、『真昼の決闘』のゲーリー・クーパー、西部劇のジョン・ウェイン、『風と共に去りぬ』のクラーク・ゲーブル…。ベトナム戦争を契機に、大国アメリカの、世界のリーダーとしての地位に翳りが見え始めたのに時を同じくして、彼らの時代も終焉を迎えるわけですが、ケヴィン・コスナーはそんなザ・アメリカンな俳優たちの最後の砦のような気がします。

 

  時は禁酒法時代のシカゴ。一見合法的な企業経営の裏で、酒の密売、売春、敵に対する数々の残虐な粛清を行い、警察や役所、果ては裁判所まで買収して闇の帝国を築き上げ、そこに君臨する悪名高きギャング、アル・カポネ(ロバート・デ・ニーロ)。そこに一人、勝ち目の見えない戦いを挑んだ財務省の役人エリオット・ネス(コスナー)の、実録を基にした映画です。

 

  (中央政府のひ弱な役人に何ができる)と冷たい視線を浴び、シカゴ警察の内部で孤立無援のネスは、血で血を洗う命がけの戦いに向かう為、一人一人仲間を募って行きます。その結果、集まった仲間たちは、ある意味ハグレ者の集まり(笑)

 

  正義感は人一倍だが、かえってそのために腐敗蔓延る当時のシカゴ市警では認められず、パトロール巡査に甘んじているマローン(ショーン・コネリー)、ネスと同じ役人畑で経理担当、カポネの裏金の流れに執念を燃やすウォレス(チャールズ・マーティン・スミス)、射撃の名手で無口だがすぐキレる😅警官ストーン(アンディ・ガルシア)の四人。彼らが集まってくる過程がね、黒澤明の『七人の侍』にそっくりで…。どこにも話題に上ってないんですけど、ヲタクは自分勝手に、監督ブライアン・デ・パルマの、偉大なる巨匠、世界のクロサワに対するオマージュに思えて仕方ないんだけど…😅深読みしすぎかな(汗)

 

 オマージュと言えば、結末近く、シカゴのユニオンステーションでの銃撃戦のシーンで、有名な旧ソ連サイレント映画戦艦ポチョムキン』の、手に汗握るオマージュが登場します😊(これはいろいろな人が話題にしているので、確かな話だと思います。)『アンタッチャブル』の公開当時、それを知ったヲタクはTSUTAYAで早速借りてきて見ました、『戦艦ポチョムキン』。この映画も、先日ご紹介したサイレント映画メトロポリス』同様、映画史に残る古典です。松也さんもこのシーン、お気に入りだそう。カッコいいんですよ。コスナーとアンディ・ガルシアの共闘の時の目線の合わせ方、男同士の阿吽の呼吸…。アクションも素晴らしい😊この映画から始まって、『ゴッドファーザー』や『ブラックレイン』と、引き続きガルシアにハマったヲタクとしては、松也さんが彼の演技を絶賛してくれているのがめっちゃ嬉しい😍

 

 そしてそして、アル・カポネ役のロバート・デ・ニーロ❗魅力的なアクション映画、ヒーロー映画には魅力的なヒール、これ、鉄則。登場シーンは少ないけど、登場したとたんにその場を席巻しちゃうのはサスガのサスガ。また、ショーン・コネリーがね…。アイルランドの移民で、パトロール巡査のまま平凡に人生を終わろうとしていた初老の男がネスに見込まれ、男の人生の花道を飾ろうとする…切なくて胸を打たれます😢彼はこのマローン役で、見事第60回アカデミー賞助演男優賞を受賞。

 

  この映画の監督、ブライアン・デ・パルマと言えば、自らヒッチコックの後継者を以て任じていることも知られています。この映画もどちらかと言えばアクション映画の分類なんですが、例えば、ショーン・コネリーがカポネの差し向けた殺し屋に自宅で狙われるシーンなど、殺し屋の目線で、カメラがずっと長回しで不気味に動いていくんですよね。ここらへんはパルマ監督お得意のスリラー映画の雰囲気もあり、後々の『殺しのドレス』や『ボディダブル』を彷彿とさせて興味深いです。

 

  最後に、松也さんが「映画の中の、スーツの下にベストを着込む当時のファッションがめちゃくちゃカッコいい」って仰ってましたけど、激しく同感❗カジュアルなインナーを合わせる、今ドキの着崩し方もいいけど、やっぱりベストはクラシックな色気があります😍スーツの上着を脱いで、男性の体の線が、ぴったりしたベストで露わになるあの瞬間…(笑)衣装担当は、ジョルジオ・アルマーニですから特に…ね😉

 

  男の仕事、生きざま、友情、ファッション…全てがカッコいい❗全てが凝縮された、映画のお手本のような作品です😊