オタクの迷宮~映画と舞台と音楽と Chaos-α

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』吸血鬼から『デッド・ドント・ダイ』ゾンビへ❗

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  ジム・ジャームッシュ監督の最新作『デッド・ドント・ダイ』本日公開❗諸々の事情で映画館に観に行けるのは来週になりそうなヲタクであるが、まっその前祝い❓的に、今日は同監督の『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』(2013年)のお話を😊

 

  今回の『デッド・ドント・ダイ』、「ジム・ジャームッシュ監督の新作はまさかのゾンビ映画❗❓」…と、意外だという声が大多数のようですが、その前に『オンリー・ラバーズ~』を観ておくと、当然の帰結…というか、自然な流れのように感じます。

 

  主人公は、何世紀にも渡って生き続けて来たヴァンパイアの夫婦、その名もアダム(トム・ヒドルストン)とイヴ(ティルダ・スウィントン)。アダムはアングラのカリスマミュージシャンとして、デトロイトの廃屋のような古い大きな家にひっそりと暮らし、古書収集家のイヴはタンジールで大量の本に囲まれて暮らしています。アダムは最近、人間たちの蛮行に心を痛め、ひどく厭世的になっていて、なんとはなしにそれを感じ取ったイヴが、夫を励ましに訪れることからお話が進んでいきます。

 

  彼らは人間に噛みついて血を吸う…なんて野蛮なことは決してしません😅「質の悪い、汚れた血液を飲むと体に悪い」と言って憚らず、ヴィーガン好きのセレブよろしく、医者から闇取引でゲットした「キレイな血液」で、細々と生きています😊

 

  この二人の愛の交歓場面は、ヲタク的には映画史上5本の指に入るラヴシーンだと思います😊まるで美術品…みたいな。ロダンの彫刻『接吻』を彷彿とさせる…みたいな。

 

  愛を確かめあった二人は、月に浮かび上がる深夜のデトロイトの街をドライブします。パッカード工場、ジャック・ホワイトの生家、元ミシガン劇場…。様々に美しい廃墟を眺めながら、アダムは古き良き時代の終焉、欲にまみれた人間たちの愚行の産物だと嘆きますが、あまりにも長く生きすぎたせいか?😅ひどく人生を達観して楽天的なイヴは、

「大丈夫❗デトロイトもきっと再び繁栄する時が来るわ」

と、アダムを励ますのです…。

 

 キャリア・アスピレーション(出世)を目指している人の映画を撮ることにまったく興味がない。僕のどの映画にもテーマとしてあるのが、そうしたキャリア・ハッスル(出世主義)の外側にいる人たちなんだ

…と語り、アメリカという物質主義、マッチョ文化の権化のような国で、主流から外れた人々へ温かい眼差しを注ぎ続けて来たジム・ジャームッシュ監督。『オンリーラヴァーズ~』の中でアダムは、欲望を肥大させ、それを得る為には手段を選ばない人間たちのことを『ゾンビ』と呼んでいるんですね😅

 

  はてさて、そんなゾンビたちの末路はいかに❗❓映画館で、この目で確かめてまいりましょう。