オタクの迷宮~映画と舞台と音楽と Chaos-α

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

映画館で『デッド・ドント・ダイ』を観る幸せ💓

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  映画館で映画を観る、って行為が、こんなにも人を幸せな気分にするなんて、初めて知ったよ(泣)そもそも映画館って消防法によって換気が義務付けられているし、同一方向を向いて黙って観るものだし、しかるべきルールを守れば(マスク着用とか、飲食を控えるとか)営業可能なのでは…?って確か3月初めの記事に書いたヲタク😅しかしご存知のように一斉閉館の運びに…。

 

  今日行ったのはTOHOシネマズなんだけど、ネット予約も当日の夜中の零時以降しかできなくなっています。 体調の如何によって観賞可能かどうか変化するからでしょうね😊当然ながらマスク着用は必須、入口で体温を計測します。ちなみに予約ネット画面、前後左右一席ずつ空いているから、まるで市松模様状態(笑)

 

  開場時、マナーの良い私たち映画ファンは一定の間隔を保ち、マスクをつけ、うつ向き加減に、一定の速度で入場。様子は静かなるゾンビの行進にも似て、その風体で『デッド・ドント・ダイ』を観賞するシュールさよ(笑)

 

たとえヴァンパイア映画だってゾンビ映画だって、ジャームッシュジャームッシュ(笑)

  キャリア・アスピレーション(出世)を目指している人の映画を撮ることにまったく興味がない。僕のどの映画にもテーマとしてあるのが、そうしたキャリア・ハッスル(出世主義)の外側にいる人たちなんだ。

というジャームッシュの姿勢は、表現方法こそ違っても、もう最初からブレてない。

 

 極地の水圧粉砕工事のせいで地球の自転軸がズレ、死者が生き返るというあり得ない事態に。(どこかの国みたいに、政府はその事実を隠蔽😒💢💢)アメリカの田舎町、銀行強盗もなく拳銃の撃ち合いもなく平和なパトロールの日々を送っていた二人の警官クリフ(ビル・マーレイ)とロニー(アダム・ドライヴァー)は、そのせいで想像を絶する修羅場に立ち向かうハメに…。

 

  いくらオフビートなジャームッシュ作品とは言え、路線バスを運転する時と同じように😅無表情にゾンビの首をフルスィングでハネていくロニー(アダム・ドライヴァー)がある意味ゾンビに負けないくらいブッ飛んでる(笑)ビル・マーレイ自身❓もそれを不審に思っていたらしく、終盤近く、アダム・ドライヴァーを問い詰める場面、楽屋落ちみたいでちょっと笑っちゃいます。(いつもながら、そこかしこにジャームッシュ流くすくす笑いが…)

 

  ジャームッシュのゾンビは、生きていた時の物欲(執着)を忘れてないって設定だから、コーヒーゾンビとかシャルドネゾンビ、抗不安薬Wi-Fiゾンビとか、あってあらゆるゾンビが出て来るんだけど、個人的には、ホラー映画ヲタクで、ゾンビ映画の知識を生かして途中までめっちゃ頑張る(最後には矢折れ、力尽きる…南無阿弥陀仏🙏)ボビー・ウィギンス(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ…『スリービルボード』で、サム・ロックウェルにボコボコにされちゃった人ね😅)にめっちゃ感情移入しちゃいますね😅(ホビットの)ビルボ・バギンスになりたかったのに、ちょっとハズレちゃう哀しい青年(笑)自作の『吸血鬼ノスフェラトゥ』のTシャツを着て、旅行者のお客さんに「このへんにベイツモーテルみたいなバンガローある?」って聞かれ、「『サイコ』に出てくるのはバンガローじゃない」ってつい余計なことを口走り、相手にドン引きされるって言う…😅ヲタクあるあるですね、ハイ(汗)

 

 そしてそして、どこからともなくふらっとやって来て、葬儀屋の女主人に収まった不思議な女性ゼルダ役に、ジャームッシュ監督のマブダチ、我が愛しのティルダ・スウィントンさまぁぁぁ~~😍硝子玉みたいなblank eyesで、柔道着に日本刀を差し、金色の仏像に「阿弥陀仏…」と呟く姿を見ただけで、ヲタク的にはもう、後光が射すようで眩しいくらい(うっとり)しかも、真剣を閃かせながらゾンビをバッタバッタとなぎ倒し…きゃあああ、シビレるぅ(笑)クリフ(ビル・マーレイ)はスコットランド人だって言うんだけど、英語の発音からして、ヲタク的には東欧か北欧辺り❓って思った。しかし最後にまさかの…$@Ψ¥&#そっちかいいーっ❗そう言えば、その前のアダム・ドライヴァーとの会話に伏線があるんだわ。

 

  森の中に住むホームレスだけが(たぶん😅)生き残る象徴的な結末。彼が呟くメルヴィルの『白鯨』の一節…『無数の人間の名状しがたき悲惨』そして、彼のさらなるモノローグ…

ゾンビは、物質文明の遺物なのさ。底なしの欲にかられたあいつらは、最初から魂をなくしていたんだ。金や車と引き換えに、魂を失っちまった。

…は、ジャームッシュ監督の今の偽らざる心境でしょう。

 

  全編を通じて流れる主題歌『デッド・ドント・ダイ』を歌うのは、アウトローカントリーミュージックの雄、スタージル・シンプソン。アメリカでは保守派の代表的な音楽とされるカントリーミュージック界で、『反トランプ』『人種差別反対』『同性愛差別反対』を掲げる彼はまさにアウトロー

 

  警官による黒人男性ジョージ・フロイドさん暴行死に端を発し、各地で抗議活動の火の手が上がり、根底から揺らぐ大国アメリカ。そんな母国を、スタージル・シンプソンは、そしてジム・ジャームッシュ監督は今、どんな思いで見つめるのか…。

 

  ヲタクの耳には今も、哀切なテーマ曲が鳴り響いています。