オタクの迷宮~映画と舞台と音楽と Chaos-α

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これぞ英国スパイのリアル~BBC『THE GAME』(主演/トム・ヒューズ)

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  先日ブログの記事で、第二のベネディクト・カンバーバッチとして取り上げました英国俳優トム・ヒューズ。今のところ、彼の主演作としてイチオシなのが、BBCのドラマ『THE GAME』(2015年・6話完結)。

 

  1970年代、米ソ冷戦時におけるBBCのスパイドラマとしては、名作として名高い70年代の『ティンカー、テイラー、ソルジャー &スパイ』があります。これは、ジョン・ル・カレのスパイ小説三部作のうちの第一作目で、同じ原作を映画化したのが、『裏切りのサーカス』(2011年)❗主人公のMI6のスパイ、ジョージ・スマイリーをゲイリー・オールドマン、腹心の部下、ピーター・ギラムをベネさまが演じました。ル・カレはMI5やMI6での勤務経験があるので、スパイの内幕が非常にリアルに描かれており、映画の中でも、諜報活動に必要な隠れ家の予算計上を上司に掛け合う場面が印象的でした😅

 

  今回の『THE GAME』、何が良いかって、『裏切りのサーカス』と同様、立場は一介の公務員でありながら『大義』の為に国家の手足となり、虚々実々の情報戦に身を置き、時には汚いことにも手を染め、自らの命も犠牲にしなくてはならないスパイのリアル、悲哀がつぶさに描かれていること。重く低い雲の垂れ込めたロンドンの街並み、暗い色調の画面も魅力的😊

 

  トムくん演じるMI5のスパイ、ジョー・ラムは、東欧勤務時代、ソ連の女スパイと恋に落ち、それが敵側に発覚して恋人を殺されたトラウマを抱えています。それはMI5側から見れば『手痛い失敗』と見なされ、本国に帰ってからは、一片の情報を得る為に女性とベッドを共にするような空虚な日々。そんな彼が、ソ連から寝返りたいと保護を求めてきた男の尋問を担当したことから、米英ソ連三国を巻き込む大きな謀略、血で血を洗う過酷なスパイ戦争の中に再び身を投じていくことになります。

 

  恋人を失ってから心がどこか壊れてしまったようで、底知れない淡いブルーの瞳に虚無感を漂わせながら、淡々と任務を遂行していくジョー・ラム。ヲタク的にはめちゃくちゃソソられるタイプ(笑)

 

  トム・ヒューズ、巷では『第二のベネディクト・カンバーバッチ』って言われてますが、現在英国演劇界を席巻している、パブリックスクール出身の高学歴おぼっちゃまくんたち(ベネさま初め、エディ・レッドメイン、トムヒ、ダン・スティーブンスなど)とはちょっと違う雰囲気。彼は北部チェスター出身。イギリスの場合北部は衰退する工業地帯で失業率も高く、そんな鬱屈から、『怒れる若者たち』を生み出した地域でもあります。(北部出身のバンド、オアシスやザ・スミスなど)彼自身も俳優になる前はインディーズのバンドを組んでいたこともあり、ジェントルマンな風貌の中に、反骨精神というか、ロックスピリットのようなものが見え隠れするところが、ヲタク的には最大の魅力かな😉 第二のベネさま…というよりむしろ、第二のゲイリー・オールドマンに近いかも。

 

  余談ですがトムくん、ダニエル・クレイグ引退後の007ジェームズ・ボンド役の候補者の一人なんですよね😊ボンドはそれこそジョー・ラムの真逆を行く、言わばスパイ・ファンタジーのヒーロー。個人的にはトムくんと、Q役のベン・ウィショーの掛け合いが見てみたいわ~~😍

 

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