オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

まだ間に合う~ヒッチコックの『レベッカ』

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 シネマヴェーラ渋谷で今月はずっと、ヒッチコックの特集していたんですね…知らなかった…😅残すところあと3日、明日明後日と『レベッカ』(1940)上映~~🎉✨😆✨🎊

 

  ヒッチコック監督は元々英国出身。随所に見られる、言わば皮肉の効いた陰鬱なユーモアは、さすが英国人と言った感じですね。この作品はイギリスの女性作家ダフネ・デュ・モーリアの同名小説を映画化したもの。それまで英国内で映画を製作して名声を得ていたヒッチコックの米国進出第一作、アカデミー賞作品賞・撮影賞を受賞して、華々しいハリウッドデビューとなりました。

 

 昔欧米では、 裕福な老婦人が旅行する際、一緒に旅行しながら身の回りの世話をしたり食事時の話相手になったりする若い女性がいて、コンパニオンと呼ばれていました(現代の意味とは全然違うんですよね😅)ヒロインはコンパニオンとしてヨーロッパを旅行中に、大金持ちのイケメン紳士マキシム・デ・ウィンター(ローレンス・オリヴィエ)に見初められて、シンデレラよろしくめでたく結婚。彼の住まいである、霧深い古城マンダレイで暮らすようになります。

 

  ところが彼には亡くなった前妻レベッカがいて、しかも彼女は謎めいた事故死を遂げていたことがわかります。使用人たちを取り仕切るダンヴァース夫人は、社交界の華だった前妻レベッカに心酔していて、ことあるごとにヒロインをレベッカと比較し、「マキシム様は(コンパニオンあがりの)何の取り柄もないあなたなんて、本当は愛しちゃいない。旦那様はレベッカ様をまだ愛しているのよ。レベッカ様に比べたらあなたなんて…」と、ヒロインのコンプレックスを刺激し、じわじわと心理的に追い詰めていきます。そしてある日…。

 

  霧深い古城、まるで亡霊のように古城のそこかしこに潜むレベッカの影、夫は何か秘密を抱えていて、いつも自分との間には何か隔たりがあるよう。夫は本当に自分を愛してくれているのか❓そして謎めいたレベッカの本当の死因とは❓

 

  観ているこちら側の嗜虐心をソソる薄幸なヒロインにアカデミー賞女優のジョーン・フォンティーン。謎めいた蔭のある美男の夫に英国演劇界の至宝、伝説的シェイクスピア俳優のサー・ローレンス・オリヴィエ❗そして、ヒロインを苛み、追い詰めていくダンヴァース夫人役のジュディス・アンダーソンの演技がもう、怖いったら、ありゃしない😅オバケやゾンビよりよっぽどコワイのよ~(笑)

 

  だいたいヒッチコックという人、かなりサドっ気があるもよう。キレイな女優さんを映画の中で困らせて、怖がらせて悦に入ってるというか。パーソナルな趣味が高じて😅❓『鳥』(これも原作はデュ・モーリア)では、ティッピー・ヘドレン(娘はメラニー・グリフィス、孫はダコタ・ジョンソン❗)とスザンヌ・プレシェットという二大美人女優をあろうことか大量の鳥につつかせるっつう…。

 

  アカデミー賞撮影賞を受賞しただけあって、モノクロの画面がミステリアスに美しく、美と恐怖が融合したゴシック・ホラーの傑作、お近くの方はこの機会にぜひ❗