オタクの迷宮~映画と舞台と音楽と Chaos-α

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

ナヨ系イケメン❗❓ベン・ウィショーが…~映画『リトル・ジョー』

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 109シネマズ港北で、『リトル・ジョー』鑑賞。

 

  見たいなぁ…と思う映画(だいたいミニシアター系のマイナー映画😅)って、自宅あるいは職場から一番近い映画館では上映されていないことが多いので、今日も仕事帰りに50分ブルーライン(横浜市営地下鉄)に揺られてセンター南駅へ。

 

  映画のキャッチコピーは「ゾッとする幸せ」。このコピー、素晴らしくよく出来ていて、この一言で映画のエッセンスを表していると言ってもいいほど。

 

  監督はジェシカ・ハウスナー。ウィーン出身の女性の監督です。ヲタクはこの監督の作品は『リトル・ジョー』がお初ですが、あのミヒャエル・ハネケ監督(『ピアニスト』『ハッピーエンド』など)に師事した…って聞いて、(なるほどなぁ)と思いました。ハネケ監督の映画って、後味悪い系というか、人間の負の感情を冷たく見据える感じ。それが引き起こす一種の恐怖感。でもハウスナー監督の場合、そこに母としての、女性としての視点が加わって、恐怖…というよりむしろ、見終わった後、生きることの哀しさ、辛さが胸に迫ってくるしくみ。

 

 生物学者の アリス(エミリー・ビーチャム)がある禁じ手を使って完成させた花。それは人に他幸感をもたらす香りを放ち、大量の花粉を放出するにもかかわらず不稔性(ふねんせい)の植物で、生殖機能はない。「植物の存在意義である種子」を生まない…というこの花は生き延びる為に何をしたか…?

 

  リトルジョーの花粉が舞い散る時に奏でられる、故・伊藤貞司氏による尺八・琴・和太鼓の不穏な音楽が、ひたひたと恐怖を煽り立て、私たち観ている者の肌を粟立てるのです。

 

  彼女は一人息子のジョーにちなんで花を『リトルジョー』と名付けます。ところが、息子のジョーをはじめとして、彼女の周囲にいる親しい人々が、花の花粉を吸い込んだ途端に、じわじわと人格が変容してくる。自分が大事にしているその人が、外見は同じでも全くの別人に思えてくる怖さ。アリスが感じる違和感、孤独感は、彼女の心を締め上げ、彼女から少しずつ理性を奪っていきます。

 

  アリスは離婚して一人息子のジョーを育てているシングルマザー。仕事にかまけて、息子との時間を犠牲にしてきた、自分は悪い母親だ…という罪の意識がある一方で、正直な自分の気持ちを極限まで抑圧しているという設定。この映画のラスト、結局のところリトル・ジョーは人間たちに何をしたのか?感情を奪ったのか、人格を変容させたのか、それとも元々その人が抑圧してきた欲望を解放させたのか…?その答は何通りも考えられて、明確には提示されません。結局のところその判断は、私たち観客に委ねられているような気がしました。

 

  同僚役に、英国俳優ベン・ウィショー。日頃は、007シリーズのQ(秘密兵器開発担当主任)役や『嘆きの王冠~ホロウ・クラウン』のリチャード2世、Netflix『ロンドン・スパイ』など、繊細なナヨ系イケメンの役が多いウィショーくん。特に『ホロウクラウン』、とめどなく流れる涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにしながらシェイクスピアの長台詞を延々と喋るウィショーくんに役者魂を見た思いでしたが、この映画ではね、ちょっと違うんですよ。お花の魔力❓のせいで、次第に性格の変容をきたすウィショーくん、かなりオレ様セクシー系でドキドキします。ウィショーくんのファンには、彼の「新たな魅力発見💓」作品にもなっていますので、お楽しみに😉

 

  温室に並ぶリトルジョーの深紅の花弁、ペールグリーンに統一された研究所の内部、緋色のスクリーンにテロップで流れる黒い文字、アリスが通うカウンセラーが身に纏うボタニカルな柄のブラウス…。色彩が妖しく美しく、闇深いストーリー展開と対照的に鮮やか且つお耽美。

 

 主演のエミリー・ビーチャムはカンヌ映画祭で見事主演女優賞を受賞。今世界で大注目、ハウスナー監督独自の世界観に酔いしれる作品です。

 

〈おまけ〉

11月公開予定の007『ノータイム・トゥ・ダイ』のポスターを発見して、思わずパチリ(笑)コロナ禍のせいで予定より大幅に遅れて11月公開となりました。ダニエル・ボンドの最後の作品ですねぇ…。寂しいなぁ。しかし、有終の美を飾るべく、ラミ・マレック、レア・セドゥ、アナ・デ・アルマス(ダニエル・クレイグとはすでに『ナイブズアウト』で共演してますが、このセクシーさ、まるで別人😅)など、キャストがいつにも増して豪華ですなー。ボンド役が代わっても、Q役のウィショーくん(右から2番目のメガネ男子ね)続投お願い😍


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