オタクの迷宮~映画と舞台と音楽と Chaos-α

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

純情こじらせ男子~吉沢亮 in 『青くて痛くて脆い』

  まさに、青春、されど、青春。

 

じぶんに自信がないから人の些細な言葉に傷ついて、でもあまりにもプライドが肥大しすぎているものだから、傷ついてる弱いじぶんを認められずに強がってみる。堂々巡りの負のループ(@_@)

 

 主人公のこじらせ純情男子、田端楓を演じる吉沢さんの美しい姿を大きなスクリーンで惚れ惚れと眺めながら(こじらせてようが、ゲスだろーが、美しいものは美しい=笑)、ン十年前の、それこそ「青くて、痛くて、脆かった」じぶん(外見は天と地ほどの違いがあるが😅)に重ね合わせていたヲタク。あー、こう書いてるそばから心臓の辺りがちくちく痛いー(映画の影響であって、老齢化に伴う動脈硬化のせいではありません、念のため=笑)

 

 なりたい自分になること、世界が平和になること、人が人らしく生きること、それは必ずいつかは実現すると信じて、何のてらいもなく口にする秋好(杉咲花)。原作を読んだ時、この役を自然体で演じるのって凄く難しいだろうなぁ…と思っていましたが、そこは花ちゃんマジック、スクリーンには生き生きと、リアルな秋好寿乃が息づいていた❗…そして、それを見つめる楓(吉沢さん)の、今まで見たこともないような柔らかな表情と優しげな眼差し(いつもの目力のある三白眼は意識的に封印😅)。吉沢さんの表情を見ていれば、楓の気持ちは、わかる。明らかに、わかる。目は口ほどにモノを言い、ここは吉沢亮の独壇場、表情の離れ技❗

 

しのぶれど

色に出でにけりわが恋(こひ)は

ものや思ふと人の問ふまで

 

誰かさ、楓くんに聞いてあげれば良かったんだよぉぉ~❗「なんで、楓くんそんな顔してあの人のこと見るの❓もしかして…」って。

(///∇///)そしたら、楓くんは自分の本当の気持ちに気づいて、あんな大それたことしでかすこともなかっただろうに。彼の暴走を、早い時期に止めてあげられたかもしれないのに😢

 

「僕は間に合わせに使われてただけなんだ」と、涙する楓に、「…いいじゃない、間に合わせだって。人はみんな、誰かを間に合わせにして生きてるんじゃないかな。いいじゃない、その時は必要とされてたんだから」と優しくアドバイスする、柄本佑パイセン演じる脇坂さん。悩める若者に対応する時、周囲の大人はかくありたいですな、うん。そうなんだよ、青春時代は、相手にも自分にも100%を求めて苦しくなるけど、人生、たとえ間に合わせでも人に必要とされなくなる日が、寂しいけれど、いずれ来る。それを人は「年老いた」と呼ぶ(笑)またねー、この時の吉沢さんの泣き顔、もう、ぐちゃぐちゃで😅『ホロウクラウン~嘆きの王冠』ベン・ウィショーの伝説の泣き演技に匹敵するリアルさ。吉沢亮の役者魂を見た気がしましたゾ。

 

 最初は楓の尻馬に乗って、復讐をゲーム感覚で楽しんでいた友人の董介(岡山天音)。しかし彼は、復讐しようとする相手の人柄を知るにつれ、このままつっぱしっていいのかと感じ始める。その微妙な気持ちの揺れが岡山さん、絶妙なあんばい。吉沢さんもおっしゃっていたけど、このお二人の場面の空気感が素敵で、演技の相性もばつぐんな感じで、ぜひ再共演希望~🙏コメディの凸凹コンビとか、見たい、見たいぞ。「お熱いのがお好き」のトニー・カーティスジャック・レモンみたいな、「蒲田行進曲」の風間杜夫平田満みたいな。いちおう、ブログの片隅で叫んでみる(笑)

 

 吉沢さんが舞台挨拶で「いろいろな世代の方が、いろいろな見方のできる作品。それぞれの役柄に共感したり、意見を持ったりできるのでは」とおっしゃっていた通り、どの角度から切り取っても素敵な映画。狩山俊輔監督のお話によると、撮影方法もとても凝ったものだったもよう。過去と現在を行き来する映画なのですが、そのたびに撮り方を変えているそうです。暑い夏の草いきれとか、ビニールプールの水の揺らぎとか、夏の宵闇の独特な匂いとかが、スクリーンから立ち上って来るように感じました。

 

青春映画でもあり、サスペンスでもあり、ロマンスでもあり、SNSの多面性や大学生の就活問題に焦点を当てた社会ドラマでもあり…。いろいろな楽しみかたができる『青くて痛くて脆い』別名『くてくて』。映画では、ある登場人物のついている「嘘」の謎解きが、原作より早く明かされる印象。そのぶん、登場人物たちのその後の心理が丁寧に描かれていて、原作ファンの方たちも、また別の楽しみ方ができるしくみ😊