オタクの迷宮~映画と舞台と音楽と Chaos-α

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

珠玉の作品『テロルンとルンルン』&小野莉奈さん舞台挨拶


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『珠玉の作品』…ってよく聞く言葉ですよね😊立派で美しいものを表していることは間違いないんですが、それは例えて言うなら、真珠など小さな宝石を指すのであって、大作や長編には使わないそう😮そっか…。珠玉の長編って聞いたことないね😅だとしたら、キノシネマみなとみらいで今日初日を迎えた映画『テロルンとルンルン』は、まさに珠玉の短篇あるいは小品と言えるでしょう。

 

  突然難聴になってしまった少女瑠海(ルンルン。演・小野莉奈…セリフでは語られていないけど、彼女が普通高校に通っていて、彼女の症状に周囲がまだ慣れず、戸惑っている様子を見ると、そのように推察できる)。周囲に心を閉ざし孤立している彼女は、ふとしたきっかけから、寂れた町工場に引きこもって日用品の修理を細々と続けている青年類(テロルン…演・岡山天音)と知り合う。彼の父は一人息子を喜ばそうと自分で花火を製造し、それが誤って爆発した為に亡くなってしまった。一歩間違えば大惨事になりかねなかった為か、小さな町の住人たちの驚きと怒りは、不条理且つ無慈悲にも残された息子類に向かい、いまだに工場のシャッターには次々と心ない落書きが書きなぐられる日々…。

 

  苛酷な状況に置かれてはいるけれど、瑠海にはまだ生きる意欲と希望が残ってる。当初自分と全く目を合わそうとしない類の、厚いカーテンを引いた窓を力いっぱい叩き続けてとうとう根負けさせる根性がある。ビッチな同級生に負けずに殴りかかるガッツも持ってる(笑)だけど類は、父の死、それに続く周囲の人たちの差別や酷い仕打ちに、心を喪いかけてる。生きることを諦めかけてる😭そんな時、瑠海が、壊れたオモチャを彼のところに無理やり置いていった。「絶対直せよ。直ったら連絡しろ」のメモとともに…。

 

  そのオモチャは、ルンルンがテロルンに投げた、彼と外界をつなぐ、一本の細い、細い、クモの糸。さあ彼は、その細い糸をどうするのだろうか…❓

 

もう、もう、岡山天音くんがサイコーです❗なんて繊細で深い、心に沁みるお芝居をする人なんだろう…。

  その柔らかい笑い声、表情、走り方…広島の海辺の町の片隅に、類という心優しい青年はきっと、暮らしているに違いないと思える。

 

 上映時間は49分。若い二人の、青春のある一時を切り取って映像化するのに、まさに絶妙な時間。そしてまた、全編を流れる日食なつこさんの『Vapor』という主題歌が、類の心象風景と作品のテーマを素晴らしく的確に表現しています。"hide in the vapor from the pain…"(痛みから逃れて、霧の中に身を潜めるんだ)という歌詞が、この記事を書いている今も、ヲタクの頭の中に鳴り響いています(笑)

 

☆小野莉奈さん舞台挨拶

  2年前の撮影時は実際に高校生だったそうですが、今はすっかり大人の素敵な女性に😊いやー、お年頃の女性の2年間はスゴいものがあるなぁ(笑)

 

  『テロルンとルンルン』が女優としての初デビュー作だったそう。1週間の撮影中、岡山くんとはほぼ会話なし。ただ、最終日にあちらから突然話しかけてきて、(あ、こんなに明るい人だったんだ)って思ったそう😅小野さんは「役に入り込まれる方なのかも」とおっしゃっていたけど、それって単なる人見知りなんぢゃ…(笑)

 

  作品の中でも重要な場面、二人が心通わせる町工場の窓ごし。真冬の撮影でそれはそれは寒かったとか(あー、ほぼ制服姿だったものね😅)「女優って寒い仕事なんだと思いました」って…可愛い😍

 

  聴覚障害の役なので殆どセリフはないのですが、強い意思を秘めた澄んだ瞳と、凛とした孤高の佇まいが強烈な印象を残すルンルン。これから楽しみな女優さん、期待してます❗