オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

フィギュア選手にも愛される『誰も寝てはならぬ』~MET『トゥーランドット』

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  WOWWOWで録画しておいたMETライブビューイング『トゥーランドット』(プッチーニ・作)鑑賞。METライブビューイングとは、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場が世界中のオペラファンの為に劇場プログラムを映画館に生配信してくれるという画期的な試み。日本の場合は時差の関係で生配信はムリだけど、私たちは映画館の高音質で、生で見たら五万円くらいする一流のオペラを楽しむことができる❗昨今のコロナ禍でメトロポリタン歌劇場も只今閉鎖中😢早く、安心して、素晴らしい芸術を楽しむことができる時が来ますように…。

 

  さて、『トゥーランドット』はオペラの大作曲家プッチーニの未完の大作で、ラストは他の作曲家が完成させたもの。『トゥーランドット』を観ずしてオペラを語るなかれ…とも言われるほど。エキゾティシズムに深い憧憬を抱いていたプッチーニ、この作品の舞台はなんと北京の紫禁城❗氷の心を持つ絶世の美女トゥーランドット姫には異国の王子たちの求婚が引きも切らない。ところが残忍な処女姫は王子たちに3つの謎をかけ、解けないと首斬り役人に処刑させてしまう😮なんちゅう…スフィンクスじゃあるまいし😅西太后か誰かのイメージなんですかね。トゥーランドットに扮するのはクリスティーン・ガーキー。トゥーランドットは高音域が続き、オーケストラや合唱(この作品はとにかく合唱が多い😅)をねじ伏せるかのような強さと美しさを併せ持つ難役。ガーキーはワーグナーブリュンヒルデが当たり役だけあって、なんと言うか、鋼鉄みたいな高音美声、サスガです。ちょっと人間離れしてる(笑)インタビューで、「ドイツオペラもベルカント唱法で歌う」って言ってました。

 

  そしてそして、トゥーランドット姫に一目惚れ、果敢に3つの謎に挑むダッタン国のカラフ王子に扮するのは当代きってのドラマティックテノール、ユシフ・エイヴァゾフ❗(大人気美貌のソプラノ歌手、アンナ・ネトレプコのダンナ様ですね😍)ルチアーノ・パヴァロッティに心酔する彼(このアリアはパヴァロッティのおハコ。じつはヲタクは、パヴァロッティよりも「黄金のトランペット」と言われたマリオ・デル・モナコの『誰も寝てはならぬ』が好きだったりするのですが😅)、上演前のインタビューで「このアリアはパヴァロッティに捧げます」と緊張の面持ちで語っていましたが、なんの、素晴らしく伸びやかな歌唱、最高のカラフ王子を見せてくれた❗カーテンコール、満場のスタンディングオーベーション、彼の目が潤んでいたように見えたのは気のせいでしょうか。

 

  テノール歌手の憧れと言われるアリア『誰も寝てはならぬ』。トリノ五輪のオープニング、パヴァロッティその人が歌ったアリア。彼の最後の舞台😢そして偶然にも、フィギュアスケート女子フリーで日本の至宝、荒川静香さんが選曲して見事金メダル❗宇野昌磨くん、銀メダルを獲得した平昌オリンピックでもこの曲で滑りましたね🎵カラフ王子がトゥーランドット姫との言わば「愛の戦い」において、どんなに相手が氷のように心を閉ざしていても、最後に愛は勝つのだと朗々と繰り返す「ヴィンチェロ(私は勝つ)」がクライマックスで、内容的にもファギュアのプログラムとしてピッタリなんですよね😊

 

METの『トゥーランドット』は特にフランコ・ゼフィレッリ演出版なので、もう目がチカチカするくらい衣装も舞台装置も豪華絢爛 、異国情緒たっぷりです。 不要不急の外出を控える毎日。METライブビューイングで別世界に飛翔しましょう❗😊