オタクの迷宮

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

もの思ふと過ぐる月日も知らぬ間に~『音楽の日』の宮本浩次さん

   2011年3月11日2時46分。

 

あの時被災された方々にとって、10年経った今も行方不明の方々のご家族にとって、まさに「もの思ふと過ぐる月日も知らぬ間に」……。

あれから時が止まったままであることも少なくないでしょう。

 

  ヲタクは不思議なご縁から、10年前の4月末、被災地のボランティアに参加することになりました。グループを組んで毎日仙台市役所に出向き、その場で1日の日程表と訪問先のお宅の地図を貰います。津波でめちゃくちゃになったお宅の内部整理が主な内容ですが、1ヶ月以上経ってその泥水が乾いてカラカラになっていました。風の強い日はそれが粉塵となって舞う中、ゴーグルと防塵マスクをつけて作業を進めました。壁にくっきりとついている浸水の跡、泥の中に埋もれている家族のアルバムや高価な和服、賞状やトロフィー。作業が終わって宿泊地に帰る途中で目に入る、川の中に横転している幼稚園バス…。石巻市の海岸近くでは自衛隊がご遺体の探索をしており、探索済みの場所には白い旗が立っていて…。あの光景は今思い出しても胸が絞られます😢

 

  日本列島は4つの地殻プレートの上に存在しているから、どこに住んでいても巨大地震に見舞われる可能性がある脆弱な存在なのだと頭では理解していても、いざ目の前でその現実を見せつけられると、さすがに打ちのめされました。それ故、阪神大震災東日本大震災熊本地震も「明日は我が身」、決して他人事ではない。だからこそ絶対に「あの日」の記憶を風化させてはならないし、防災の為の自助努力をする一方で、いざという時には互いに助け合わなくてはいけない。

 

  名だたるアーティストたちがその音楽の力で苦難を乗り越える勇気と明日へのエールをくれる「音楽の日」(しかも初めて宮城スーパーアリーナからの生放送)。最愛の推しの宮本さんがご出演~😍今年はソロアーティストとして、アルバム『宮本、独歩。』の中から『夜明けのうた』披露❗しかもしかも、マブダチ小林武史さんのBANK BANDとのコラボレーション❗

 

  あらためて耳を傾けると、なんて今日この日にぴったりな歌なんだろうか。

辛く苦しい日々。悲しみにうちひしがれて涙が頬を伝う。けれど…。

町に風が吹き

明日がわたしを誘いに来る

 

会いにゆこう 私の好きな人に

 

風がいざなうその先の

あたらしい明日に

  10年前、荒れ果てたかの地に渺渺と吹き渡っていた、どす黒い粉塵混じりの風。それはいつか、宮本さんが今宵『夜明けのうた』で歌い上げたように、未来へと誘う涼やかな風に変わるのだろうか。

 

いやきっと、変わるに違いない❗

 

 ……そう確信させてくれるような宮本さんの、明日へと届くさやけき歌声だったことよ😊