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1968年アメリカ大統領選を控えた8月28日、民主党大会に合わせてベトナム戦争反対の平和的デモを行うはずだった各反戦団体のリーダーたち。しかし、彼らの思惑とは真逆の方向に事態は進み、警察隊とデモ隊の武力衝突によって数百名の怪我人が出るという最悪の結果に…。
社会問題を真っ向から取り上げた骨太な作品だというのに、お題にある通り、萌えポイントが「アメリカ英語を早口にまくし立てるエディ・レッドメイン」だなんて…😅ホントにミーハーでスミマセンm(_ _)m…でも、久々に見るエディはマジでカッコよかったのよ…。英国演劇界ではオシャレ番長のエディだけど、アイビールックも萌え~~😍
…で、『シカゴ7裁判』ですが(笑)各グループのリーダーである彼らは暴動扇動罪のかどで起訴されるんですが、彼らにとって不幸だったのは、起訴されてから裁判に至るまでの間に政権が民主党から共和党に移ってしまい、当時の大統領が後年「アメリカ史上最も腐敗した大統領」と言われたニクソンだったこと。民主党時代の法務長官(マイケル・キートン❗相変わらずダンディ)は、彼らの行動は起訴に値しないと言っていたのに、政権が変わったとたん、ガチガチ保守派の裁判長(フランク・ランジェラ…昔むかしドラキュラ役を演じた時は黒髪のセクシーイケメンだったのだが、もはや髪の毛の色も定かではない=笑)があの手この手で彼らをつぶしにかかる。検事に対してすら、彼らを何とか有罪に持っていこうと圧力をかける始末。
被告人や弁護士に向かって「法廷侮辱罪❗休廷❗」って言ってるだけが裁判長の仕事ぢゃないぞ❗
思わず画面に向かって叫んだヲタク。
7人の中では一番温厚な性格のデリンジャーという中年の反戦活動家でさえ、裁判長の挑発に乗って拘束しようとした警官を殴ってしまう。自分でも自覚していない暴力性が、他者の暴力によって呼び覚まされる瞬間。このシーンは怖いです😭息子さんが裁判見に来ていてね、お父さんの姿見てショック受けて…。見ているこっちがツラい😭😭
そもそも7人は同じ罪で起訴されたとは言え、思想も行動原理も見事にバラバラ😅無罪を勝ち取る為にどうしたらいいかを考える民主社会学生連盟(SDS)代表トム・ヘイデン(エディ・レッドメイン)に反して、アビー・ホフマン(サシャ・バロン・コーエン…写真を見ると本人クリソツ😅彼の演説シーンは映画のクライマックス。アカデミー助演男優賞ノミネートも納得)は法廷闘争を通じて、いかに自らの活動をアピールするかしか考えておらず、ブラックパンサー党の面々は手負いの獅子の如く暴れまわり…😅ドラマ『ミセス・アメリカ』のフェミニストたちと同様あまりにも分断が深刻で、果たして彼らと弁護士のチームは裁判の落としどころを見つけることができるのか…❓と、どんどん目が離せなくなる見事なストーリー展開。だからこそラスト、トム・ヘイデンの答弁で敵も見方も一体となっていくさまが、深い感動を呼ぶのです。
脚本・監督は『ソーシャル・ネットワーク』でアカデミー賞脚色賞を受賞したアーロン・ソーキン❗面白くないわけがない😊『ソーシャル・ネットワーク』もそうだったけど、作品のテーマと同時に、端役に至るまで「一人一人の人間性がバッチリ描かれている」点が何よりも素晴らしい。
アメリカには、権力側の恥部を容赦なく抉り出してリベラリズムを追求しようとする映画の系譜がありますよね。古くは『大統領の陰謀』から最近では『ペンタゴンペーパーズ』『スポットライト~世紀のスクープ』等々。こういう映画を見る度に、自由と平等の為に闘い、社会変革の一翼を担おうとするアメリカ映画人の気概はやっぱり凄い…と思ってしまいます。
しっかし、今年のアカデミー賞、Netflixの一人勝ちだな…。