オタクの迷宮~映画と舞台と音楽と Chaos-α

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

ベン・ウィショーから吉沢亮へ~『マーキュリー・ファー』

闇落ちした 黒髪マイキーにぽーっとしてる今日この頃♥️吉沢沼の住人のみなさま、いかがお過ごしでしょうか(笑)

 

  ちょっと調べたいことがあって英紙ザ・ガーディアン(The Guardian)の過去記事ネットで検索していたら、吉沢さんが来年舞台で演じる予定の『Mercury Fur』、初演時の劇評がヒット❗😮当初の予定そっちのけで読み始めたのは言うまでもありません😅

 

…で、ヲタクにとっていちばんの発見はなんと、吉沢さんが演じるエリオット役、初演時(2005年:メニエ・チョコレート・ファクトリー(180席)ロンドン・ウェストエンドの劇場)には、ヲタク大好きな英国俳優の一人、ベン・ウィショーが演じたということ❗(ドラマ『嘆きの王冠』リチャード2世、映画『リトルジョー』、『どん底作家の人生に幸あれ❗』、Netflix『ロンドン・スパイ』など)

 

  推しが推しを連れてくる、どこかで推しと推しが繋がる……こういう現象をヲタクは密かに「ラブチェーン現象」と呼んでおります😊

 

   ガーディアン紙によればこの劇は、エドワード・ボンドの『救われて(Saved )』や、 サラ・ケインの『爆破されて( Blasted)』の延長線上にある…って書かれています。両者とも、大英帝国が崩壊して国中に『イギリス病』が蔓延して以降の、英国社会(特に若者)の閉塞感を、過激で絶望的な暴力描写や性描写で描いた人たち。特にボンドは映画の脚本も書いていて(『欲望』『悪魔のような恋人』)、労働者階級出身、「怒れる若者たち」(ジョン・オズボーンの『怒りを込めて振り返れ』が代表作)の跡目を継ぐみたいな人だった。サラ・ケイン、ヲタクはお初でしたが、結果的に人生そのものにも絶望し、自死の道を選んだ方のようです😢

 

  今でこそ世間全体が差別に敏感になっていて、地位の高い人がちょっとでも失言すると社会的に抹殺されちゃうけど😅、そんな中、良いとこ出身のイギリス人って、階級制度がもはや身に染み込んでしまっていて、こっちが「それって、差別だよね」って指摘しても、「え❓なんで❓事実でしょ」って感じなんですよ。天真爛漫に差別用語連発する…みたいな。音楽でそういった差別社会の閉塞感を粉砕しようとしたのが、労働者階級出身のビートルズを初めとして、セックス・ピストルズザ・クラッシュザ・スミスなどブリティッシュロックの雄たち。映画『白い暴動』を見た時、ジョー・ストラマーの歯並びがガタガタだったのが凄く印象的だった。(英国の上流階級の子弟たちは早い時期から歯列矯正をするので、大人になっても歯並びが悪いことは殆どない)ヲタクの推し、ジャック・ロウデンが若き日のモリッシーを演じた映画『イングランド・イズ・マイン~モリッシーはじまりの物語』。「怒れる若者たち」やブリティッシュロックがどんなに暴力的で過激な表現をしたにせよ、そこにはあの映画で描かれたやりきれなさと絶望感、焦燥感が底流として流れているような気がするのです。

 

  『マーキュリーファー』の舞台は、近未来のロンドン、イーストエンド(海外に行くと、旅行客は「ここには近づかないほうがいい」とアドバイスされる地域が幾つかありますが、ロンドンのイーストエンドもそのひとつ)上流階級の暇人相手に「パーティーの余興」を調達するのがエリオット(吉沢亮)とダレン(北村匠海)の仕事。今日も「それ」を用意しようと精を出す二人。しかしある手違いから、運命は思わぬ方向に回り出す。価値観も、言語も破壊され、「蝶」だけが楽しい幻覚を見せてくれる、まるで夢魔のような世界で、身を寄せ合い必死で生き抜こうとする二人の兄弟。ガーディアン紙は、「『時計じかけのオレンジ』を思い出させるが、状況はもっと絶望的」ですと❗あれより絶望的な状況ってあるの❓😅……なんか、見るの怖くなってきた…って、チケット当たるかどうかもわからないけど(笑)

 

ガーディアン紙はウィショーの演技を評して

Ben Whishaw, a recent Old Vic Hamlet, also displays a savage tenderness as one of the party organisers.

最近オールドヴィック座でハムレットを演じたばかりのベン・ウィショーは今回もまた、パーティーの主催者の一人として「野蛮な優しさ」を表現する。

と書いています。

ウィショーくんは、ドラマ『ホロウ・クラウン~嘆きの王冠』のリチャード2世にしろNetflix『ロンドンスパイ』にしろ、絶望の果てに見せる諦観というか、運命そのものを受容しようとするその際の表情がとても巧い人ですが、エリオットという役は、残酷で野蛮な行為を繰り返しつつも、その底に優しさが滲み出る、なかなかの難役のようです。アマゾンで原作をお取り寄せ中なので、予習でボチボチ読んでおこうかな…と。(半分、怖いものみたさ  笑)

 

  大河ドラマの熱血主人公、不良グループのカリスマ、そして破壊的状況の近未来で優しさを覗かせる兄…。推しの演技の七変化を、次々とリアルタイムで見ることのできる贅沢さよ。

 

お楽しみはこれからだ❗

(今回参考にしたThe Guardianの記事⬇️)

https://www.theguardian.com/stage/2005/mar/03/theatre