リスベット・サランデル(北欧ミステリー『ドラゴンタトゥーの女』)やハーレイ・クイン(DCコミックス、映画『スーサイド・スクワッド』ジョーカーの元カノ)、サイコなニックス(映画『ガンズ・アキンボ』)も形なしの、ぶっ飛んだダークヒロイン、爆・誕❗
クラブで何故か一人、超ミニスカでキレイな脚を広げて泥酔している一人の女。男が一人、親切そうに近寄って来る。
「キミ、一人❓ボクちょうど帰るとこなんだ。UBERで送ってあげる」
自宅のベッドで覆い被さってくる男。
泥酔した無抵抗な女にコトをいたす事は、立派にレイプという史上最悪な犯罪なんだということを認識すらもできない男に、
「アンタ、いったい何してるの❓…何してるのかって聞いてんだよ!」と冷たく言い放つ女
(その顔をふと見れば、全くのシラフ 笑)
そして茫然自失、男の顔のアップ。
場面変わって、血だらけの手で掴んだホットドッグを食べながら、裸足で車道を歩く女。
(男の生死は明らかにされず😅)
…こんな、超衝撃的なオープニングで幕をあけたこの映画、優秀な医学生だったヒロイン、カッサンドラ(キャリー・マリガン)がなぜ、大学を中退して、夜な夜な卑劣なレイプ犯の男たちに正義の鉄槌を下すに至ったのか?彼女の過去がサスペンスタッチで次第に明らかにされていきます。
女性側が勇気を奮って告発しても、周囲の好奇の目に晒され、
「全て合意の上」
「襲われる方にも落ち度があるのでは?」「あんな短いスカートはいて。誘ってるのも同然だよ」
といった心ない言葉に、女性がさらに傷つくレイプ裁判。
(英国のドラマ『SILK~王室弁護士マーサ・コステロ』でも、レイプ裁判の難しさをテーマにした一連のエピソードがありました)
この映画のヒロインであるカッサンドラも、自分自身の人生をまるごと賭けて、刺し違える覚悟を持たねばならない。カッサンドラは、ストーリーの始まりには、道行く人々が瞠目するような美貌と、医学部でも一二を争った知性を武器に次々と卑劣な男たちに復讐を遂げていく。けれど、彼女が最大の敵に対峙する為には自らの性的魅力に頼らざるを得ないし、やはり男側の圧倒的暴力の前にはなすすべもない…というアイロニー。『オイディプス』のロマン的アイロニー、すなわち「運命のいたずら」(ironie du sort)を感じましたね。
この映画のプロデューサー、マーゴット・ロビーですよね❓ヲタク思うんですが、映画『スキャンダル』で、FOXテレビの元プロデューサー、ロジャー・アイルズのセクシャルハラスメントのえじきになるキャスター役を演じていたマーゴット、役柄上とはいえ、かなーりストレス溜まったんじゃないかしらん(笑)これ、絶対リベンジだよ、『スキャンダル』の。監督は、Netflixドラマ『ザ・クラウン』で、いい年こいてピーターパン・シンドロームのチャールズ皇太子を翻弄する、サッチャー顔負けの鉄の女、カミラ・パーカー・ボウルズを演じたエメラルド・フェネル。そして何と言っても、主役のキャリー・マリガンが華奢で可愛くてポップでキュート、しかも頭が良くてオニ強くてカッコいい❗「キャリー・マリガン劇場」と言ってもいいくらい😅挿入歌として使われているブリトニー・スピアーズの『Toxic』そのもの、中毒性のある危険な魅力。特にラストのナースのコスプレにはヤられますね。椎名林檎とどっちが毒があるかな(笑)
今最旬の女性たちが作り上げた、超スタイリッシュなブラックコメディと言えるでしょう😊……って、東京オリンピックたけなわの今、わざわざこの映画見に行ってるヲタクがいちばんブラックなヒネクレ者かしら(笑)
(ついしん)
…ってブラックにヒネクレつつも、帰宅したら体操の村上茉愛がなんと前回の東京オリンピック以来57年ぶりの体操女子銅メダル、卓球女子団体のパワーを見て、やっぱり胸アツになるヲタクなのでした、ぢゃん、ぢゃん❗