オタクの迷宮~映画と舞台と音楽と Chaos-α

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

軽妙洒脱な会話劇がここに❗~『まともじゃないのは君も一緒』

U-NEXTで『まともじゃないのは君も一緒』観賞(監督・前田弘二、脚本・高田亮)。

 

いやー、面白かったっす❗

秋の長雨で気分もパッとしない中、久しぶりに、大いに笑かしてもらいました😊

 

  アップテンポで軽妙洒脱、全編ユーモア溢れた会話で紡いでいく、いわゆるスクリューボールコメディの一種です。

スクリューボールコメディ……戦前のハリウッドで人気を博したコメディのジャンル。違う世界に住む男女が、不測の事態を乗り切るために奮闘する、テンポのいい会話が特徴のドタバタコメディ。ヲタク的には、「風と共に去りぬ」レット・バトラー役で有名なクラーク・ゲーブルが主演した「或る夜の出来事」、身分違いの男女がひょんなことからホテルで一夜を過ごすことに😅二人の軽妙でお洒落な会話が印象的でした。あの有名な『ローマの休日』とかも、このジャンルに分類できるかな?

 

  日本映画では珍しいですよね、こういう、純粋に会話の面白さで繋いでいくコメディ作品。他に比較できるのって何かあるかな…と考えた時にやっぱり日本映画では思いつかなくて😅、頭に浮かんだのは、古くはビリー・ワイルダー、最近ではウッディ・アレンの数々の名作たち。ウィットに富む会話に織り込まれた、鋭い人間考察とアイロニー。私たちは登場人物の右往左往に、(あー、こういうこと、あるある、こういう人、いるいる)とクスクス笑いながらふと、毎日重ねている小さな欺瞞や、現実に向き合えない自分自身を秘かに反省してみる……というしくみ😊この『まともじゃないのは君も一緒』、ベースになる原作(小説とかマンガとか)のない、映画独自のオリジナルストーリーと聞いて、二度ビックリです😮うーーん、もっと見たいよねー、こういう優れたオリジナル作品。

 

  これまで数学にしかロマンを感じたことのないコミュ障ぎみの予備校講師・大野(成田凌)は、教え子の香住(かすみ…  清原 果耶)からいつも「なんでマトモに話せないかなぁ。先生フツーじゃない、そんなんじゃ一生結婚できないよ」と、さんざんバカにされています😅そういう香住も実は恋愛経験ゼロで、恋バナと人の悪口ばかりで盛り上がる同級生に表面的には相づちをうちながら、心の中ではなんだかモヤモヤする毎日。一方大野も、香住に授業のたびにどやされるうちに、(…ひょっとして、オレは一生このまんまなんだろうか❓)と、自分の孤独な行く末が心配になって、夜眠れなくなってしまいます(笑)そんな、じつは「似た者同士」の二人、大野の孤独な老後を阻止するため、ハッピーな恋愛人生を目指して、あるトンデモナイ計画に着手しますが……。

 

  とにかく、主人公二人を演じる成田凌と清原果耶の演技が巧すぎる😮

 

  あの若さで、二人とも緩急自在、驚くほどのコメディアン & コメディエンヌぶりを発揮します。特に、生真面目でコミュ障ぎみの予備校講師を演じた成田凌、この人はつくづく巧いですよねぇ…。クズなダメ男から、恋愛経験ゼロの真面目くん、なんでもござれで極めてナチュラルにやりこなす…😮まったくもって驚きです。今回の映画の、彼の爬虫類みたいな笑いかた(…って、爬虫類が笑うのかどうかわかんないけど=笑)聞くだけで、こちらも笑いがこみ上げてきて困っちゃいました😅

 

  ハマっ子としては、ラブコメによく登場するキラキラでお洒落なみなとみらいや日本大通りではなく、ちょっとDEEPなヨコハマ……山手から元町に至る汐汲坂や、天ぷらの老舗「天七」界隈、弘明寺商店街辺り?など(あの商店街、黄金町とはちょっと違ったよね…間違ってたらゴメンナサイ😅)が登場するのも嬉しいところ。

 

   「人生って、人と同じじゃなきゃいけないの?絶対多数が幸せなの?」

「マトモって何?自分ってどこかヘン?」

「フツーとフツーぢゃない境界線ってどこにあるの?」

…と、誰でもふと感じる、そんな時。

 

  この愛すべき佳作は、そんな私たちのちいさな不安と疑問に、きっとステキな答を与えてくれることでしょう😊