オタクの迷宮~映画と舞台と音楽と Chaos-α

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

インテルメッツォはひこばえの木の下で🎼『青天を衝け~篤太夫、再会する』

   懐かしい故郷血洗島の、青々とした藍の葉を掻き分けて篤太夫(吉沢亮)が辿り着いたその先、ひこばえの木の下には、尾高長七郎(満島真之介)が待っていました。これまでずっと、苦悶にうちひしがれていた彼の姿に心を痛めていた私たちは、昔のように涼しげな瞳で笑いかける長七郎の姿に安堵し、彼もついに長い間の絶望から立ち直ったのだと喜んだのもつかの間、悲しい事実を知ることに…。

 

  この導入部の見事なこと❗

そして今夜の題名のなんと深いこと❗

 

 2週間ぶりに再開した『青天を衝け』。前回まで怒涛の展開だった本作品が、篤太夫の人生と共にしばし歩みを止め、血洗島の美しい自然を背にして、ほんのひと時、幕間に優しい間奏曲(インテルメッツォ)を奏でるかのような第26回。

 

  志半ばで逝った者、今も遠い地で戦っている者……。一方で、動乱の世の中で生き延びた者たちも、それぞれ心に深い傷を負い、明日からの生き方を必死で模索している。

 

残された者達の悲しさ、悔しさ、怒り

それでも前に進みたい、生きている限り

(吉沢亮)

 

  残された者たちの悲しさ、悔しさ、怒りを、黙ってじっと見つめている、血洗島のシンボルとも言える「ひこばえの木」。どんなに世の中が、人々の暮らしが変わっても、自然の営みは何百年も何千年も変わらない。昨日の土スタでとっさまこと小林薫さんが仰っていましたが、実際にあの大木は不思議な木で、昨年の夏、コロナ禍で苦しい撮影を続けている間、ロケ隊の癒しの場所であったとか。ひこばえの木の下とその外では、なんと気温が5度も違ったそうです😮

 木が水を吸い上げて、木そのものに水の流れが出来ているのではないか?

と仰有っていましたね、小林さん。

 

  とっさま、かっさま、千代、うた…家族の愛と励まし、長七郎から渡されたバトン、そして血洗島の自然と人々の変わらぬ日々の営みに癒され、励まされ、明日への生きる希望を見出だした篤太夫。そんな彼が、駿府(現在の静岡県)で謹慎生活を送る慶喜(草彅剛)を訪ね、今度は慶喜に対して、生きるためのちいさな心の灯りを点すことになる…。

 

  人を思い遣る心、愛は必ず連鎖するのだと、今夜の『青天を衝け』は見ている私たちに教えてくれたように思います。篤太夫然り、慶喜然り、そして、パリ救護院の思想に感銘し、遠い箱館で敵味方なく怪我人の手当てに奔走する高松凌雲(細田善彦)然り……。

 

  予告を見る限り、次回からまたダイナミック且つスピーディーな展開に戻りそうな『青天を衝け』😊(「あとは最後まで突っ走るだけだ~」って、吉沢さんも仰有っていることですし  笑)

 

  今夜は、吉沢さんはじめ素晴らしい役者さんたちの演技のアンサンブルに酔い、清々しい感動の涙に心洗われ、癒される……そんな回だったのではないでしょうか。