オタクの迷宮~映画と舞台と音楽と Chaos-α

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

積善の家なれども…『青天を衝け~栄一と千代』

  今夜の『青天を衝け~栄一と千代』。渋沢栄一(吉沢亮)は、自らの生き方を根底から揺るがしかねない出来事に遭遇します。

 

  …そう、最愛の妻であり、共に戦う同志であり、最大の理解者であり、時には人生の師でもあった千代(橋本愛)の突然の死です。

もうお千代、勘弁して下さい。by 吉沢亮

…全くね…ホント勘弁してくれ~~😭😭

 

  海運業界において岩崎弥太郎(中村芝翫)に対抗すべく立ち上げた栄一の船会社は、岩崎の仕掛けたマスコミを使った情報戦略のために、設立にも至らずあえなく頓挫。(あの時代からすでにフェイクニュース作戦があったとは…)それどころか、大隈重信(大倉孝二)と伊藤博文(山崎育三郎)の政争に否応なしに巻き込まれ、理想と現実に引き裂かれて悶々とする栄一。同時に彼の運営する養育院も、「惰民を増やすばかりではないのか、国による支援などすべきではない」と、批判の対象になっていきます。下野して以来、順風満帆に進んで来た栄一にとって、初めての挫折と言えるのではないでしょうか。

 

  これまで栄一が人生の岐路に立たされた時、必ず行く手を照らす灯りとなってくれたのは、千代の聡明さと的確な助言でした。 今回も、千代の励ましによって栄一がようやく気持ちを奮い立たせようとした矢先に、千代は病に倒れてしまうのです😭

 

  今回、ヲタクの胸に最もぐさっと刺さったのは、千代がコレラに罹患し、重篤な伝染病であるがゆえに面会謝絶、母の側に行けず悲しむ長男の篤二に栄一がかける言葉…

後でとっさまと一緒に庭の草むしりをしよう。

いっぱい良いことをすれば、かっさまはきっと、よくなる。

……よくなるからな。

(こんなはずはない、こんなはずは…)と狼狽しながらも自分自身に言い聞かせるように呟く父と、ただ「はい」と頷くばかりの息子に、もはやヲタク、目が涙で霞んで前が見えず…。

 

 渋沢栄一が心の拠り所にしていた書物の一つである『易経(えききょう)』には「積善の家には余慶有り」(善行を積み重ねた家は、子孫にも幸運が及ぶ)という言葉があります。ヲタク思うのですが、栄一の理想主義、苦難をものともせず乗り越えてきた彼のオプティミズムの根底には、この思想があったと思うんですね。たとえ数々の苦難が降りかかってきても、天地の道理に沿って生きていけば、必ず正義は勝つ…といったような。

 

  ところが、仕事でも家庭でも栄一は、今まで信じて生きてきた「善因善果、悪因悪果」思想とは相反する、どうにもならない人生の不条理にぶち当たるわけです。

 ( そういった考え方は無論子どもたちにも受け継がれており、渋沢家の長女うた(小野莉奈)の

かあさまはなぜ亡くならなくてはならないのですか?

かあさまは素晴らしいお方でした。

かけがえのないお方でした。

なのになぜ…?

という慟哭へと呼応していきます)

 

  ラストの表情を見るにつけても、今まさに栄一は、公私両面において、人生最大の危機に直面していることをまざまざと感じさせます。

(…そして、先週に引き続き、吉沢亮さんと橋本愛さんの演技がもはや…神業だよ❗栄一と千代が完璧に憑依しているぞ😮)

 

  彼はこの人生の局面をどう、乗りきっていくのか❓

次回、心して見守っていきたいと思います。

 

(ついしん)

  渋沢家の長女、うた役の小野莉奈さん。ヲタク、『テロルンとルンルン』キノシネマみなとみらいでの舞台挨拶、拝見しましたよ~❗強い意思を秘めた瞳と凛とした佇まいが印象的だった莉奈さん。今回、渋沢うた役にピッタリですね❗

岡山天音くんと共演の『テロルンとルンルン』、短編ですが、「珠玉の佳作」と呼ぶに相応しい名作です。興味のある方はぜひ♥️