オタクの迷宮

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ついに完結!Netflix『THE SINNER / 隠された理由』シーズン4

 
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既に老境を迎えた刑事ハリー・アンブローズ(ビル・プルマン)が、ある事件の裏に潜む、隠された真実を追及していく『THE SINNER~隠された理由』、ついに最終章のシーズン4です。(全8エピソード)

 

  アンブローズは幼い頃、自分のせいで母親を死なせてしまったという罪悪感から、それを忘れる為に命をも賭けて犯罪捜査にのめり込み、容疑者の心情に入り込み過ぎるが故にかえってそれが相手を追い詰めてしまうことが多々あります。その最悪な例がシーズン3の「ジェイミー」。(副題に、アンブローズがその心理を探ろうとする相手の名前が付いています)事件の関係者の過去を探るうち、アンブローズはその関係者が次なる犯罪を起こしそうだと予想、なんとか罪を犯させまいと奮闘するのですが、それがかえって相手を刺激し、最悪な結末を招いてしまう…という展開でした。アメリカの刑事ドラマにしては珍しくイヤミス風味とは言え、さすがにちょっと後味は悪かったですね。製作陣にも多少反省があったのか❓😅最終シーズンは、前作のサイコスリラー的な展開から、再び本格的な推理モノに戻りました❗(ホッ😊)ストーリーも二転三転して先が見えず、最後までハラハラドキドキ。

 

  今回、アンブローズは長い刑事人生についに別れを告げ、シーズン3のラストで結ばれた画家のソニヤ・バーゼル(ジェシカ・ヘクト)とのパートナー関係を継続中…という設定。ソニヤは前作で巻き込まれた事件の後遺症から長い間絵筆を握ることが出来なかったのですが、復活を目指し、画題を求めて心機一転、メイン州のとある小さな島にアンブローズと共に移り住むところから物語は幕を開けます。

 

  島は漁業(特にロブスター漁)を主な産業としており、漁場は水産物の加工会社を営むマルドゥーン家が仕切っていました。ある日アンブローズは、マルドゥーンの女主人メグから会社の跡継ぎと指名されている孫娘のパーシーと浜で会話を交わします。パーシーは女性でありながら、天才的な漁師、有望な後継者と周囲からも認められていました。しかし彼女は聡明さの中にどこか闇を抱えている様子で、アンブローズは心に引っ掛かりを感じたようです。ところがそれから間もなく、眠れぬ夜に外へ出た(相変わらず不眠症に悩まされている😅)アンブローズは偶然、パーシーが奇妙なうなり声を上げながら岬に向かう姿を目撃、思わず後を追います。そして岬の断崖に辿り着いたパーシーはあろうことか、茫然と見守るアンブローズの目前で眼下の海に身を投げてしまいます…。

 

  アンブローズの通報により、地元警察は必死になって捜索を試みるも、パーシーの遺体は数日経っても海から上がってきません。また、投身する直前振り返ったパーシーは、アンブローズの頭越しに何かを捉え、驚愕と恐怖の表情を浮かべていたようです。死の直前、パーシーは一体何を見たのか❓

 

  島に赴任して初めての大事件に右往左往するお人好しの警察署長ルーにその経歴を見込まれ、捜査協力を頼まれたアンブローズ。パートナーのソニヤが危惧するのをよそに、いつも通り、贖罪の意識から、自分の命も顧みず捜査に没頭し始めます。…で、ソニヤとの関係がギクシャクし始めるのは欧米の刑事ドラマあるあるですね😅

 

  パーシーがある宗教的な儀式に傾倒していたことが明らかになり、ケルトの神話や民間信仰(マルドゥーン家はアイルランド大飢饉時にアメリカに移民したという設定)との繋がりも示唆されたりして、『火刑法廷』(ジョン・ディクスン・カー)みたいなスピリチュアルな方向に行くのかな…と思って見ていたら、ぜんぜん違いました(笑)小さな島の濃密な人間関係と確執、同業者同士の漁場争い、家の重圧に押し潰される若者の悲劇、移民問題……等々、様々なテーマが複雑に絡み合う中、何度もどんでん返しがあり、最後の第8エピソードまで息をもつかせません。最終章を飾るに相応しい緻密なストーリー展開だったと思います。

 

  主役のビル・プルマン、70近くの高齢なのに、暴漢と闘うわ、全速力で走って逃げるわ、冷たい海に飛び込むわ、まあ見事なもんです😅ビル・プルマンといえば、昔むかしサンドラ・ブロックと共演した『あなたが寝てる間に』でイケメンのロマコメ王子演じていたんですよねぇ…。でもヲタク的には、シワと弛んだ身体、白髪に人生の哀愁を滲ませたハリー・アンブローズ役のほうがずっと好き😍

 

  これでおしまいなのはすごく寂しい😢元々4シリーズで終了の予定だったのかしら❓心の闇に苦しみながらも人間の良心を信じて奮闘する、ハリー・アンブローズの活躍をもう少し、見てみたい気がするんだけどな😊