オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・コンサート鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログです。

Netflix『新米刑事ヴァランダー~シーズン1』~イヤミスにもほどがある

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(クルト・ヴァランダーが勤務するスウェーデンのマルメ…Pixabay)

 原作は北欧ミステリーの巨匠 ヘニング・マンケルの推理小説『クルト・ヴァランダー』シリーズ。英国の名優であり監督でもあるケネス・ブラナーが作品に惚れ込んでBBCでドラマ化しました😊彼は作者のマンケルとも直接会って役作りに取り組み、ロケもヴァランダーの故郷と言われるスウェーデンイースタで敢行。北欧ミステリーファンのヲタクとしては、ケネス・ブラナーというとシェイクスピア俳優としても高名で「ザッツ・イングリッシュマン」のイメージしかなかったから、当初違和感を覚えていたのですが、いざドラマを見始めると、全くの杞憂であったことがわかりました😊暗く沈鬱な雰囲気、美しい自然の中で起きる陰惨な事件、福祉国家スウェーデンに巣食う社会的な諸問題の提起…。北欧ミステリーそのままで、ケネス・ブラナー自身も、そんな北欧的な光景の中にピタリとハマっていました。さすが英国有数の名優の名に違わない…と、舌を巻いたものです。 画家である実の父親との関係に悩み、離れて暮らす娘が自分と同じ警察官の道を選んだことに喜びと戸惑いを見せるヴァランダー。ごく人間臭い側面を見せながら事件に取り組む彼の姿は多く人々の共感を呼び、英国アカデミー賞(ドラマ部門)を受賞しました。

 

さて、Netflix『新米刑事ヴァランダー』は、原題が"Young Wallander "とある通り、クルト・ヴァランダーの若き日を描いたドラマです。(しかし設定は、『新米刑事モース』とは違い、時代を遡ることはせず、あくまでも現代となっています)主役のヴァランダーを演じるのは、スウェーデン人俳優のアダム・パルソン。ヲタクはお初にお目にかかります…ですが、うん、やっぱり典型的な北欧系イケメンのお顔立ちですよね。ほら、目が奥まってて、眉毛と眼窩の間隔が狭い感じ❓アレクサンダー・スカルスガルドとかマッツ・ミケルセンヴィゴ・モーテンセンとかね。

 

  シーズン1は、ヴァランダーが独り暮らしをする公営のアパートの前で、フェンスに縛られたスウェーデン人の少年が口に手榴弾を咥えさせられ、それが爆発して死亡するというショッキングな事件が発生。彼は優等生で、何も問題を抱えているようには見えなかった。逃亡した容疑者がアラブ系の移民だったことから、全国に広がりつつある移民排斥運動に火がつき…という、推理 +社会派ドラマの融合、北欧ミステリーの典型的なストーリー展開になっていきます。新米刑事時代はマルメ南署に所属しているヴァランダー(後にイースタへ移動)、マルメ…ってどこかで聞いたことあると思ったら、やはり北欧ミステリードラマの名作『ザ・ブリッジ』で、ヒロインのサーガ・ノレーンの勤務地でしたよね。街のどっかですれ違ったかな、ヴァランダーとノレーン(笑)

 

  捜査において、独自の嗅覚とも言える直感力でグイグイ捜査を推し進める「ヴァランダーっぽさ」は、すでに若い頃からその萌芽が見えますね😊一方、どこかのバーで知り合って、ずっとセフレだった女子に「真剣に付き合おう」と持ちかけたら即座にフラレちゃったり、向こう見ずなヴァランダーを心配して(ドラマ中でも不良にボコボコにされたり刺されたり、生傷が絶えない😅)捜査から外そうとする上司に、「ボク、バカだから外されるんだ」って言ってみたり…と、かなりの天然ボケで(笑)母性本能くすぐるタイプ、思わず応援したくなるヴァランダー💕

 

 しかし…しかしですよ、主人公は無鉄砲だけど人の良い癒し系、ストーリーも北欧ミステリーにしてはそれほど陰惨さはなく、結末はスカッとカタルシス🎵だよね❓…と思って見ていたら、あれれ❓😅

結末で犯人はわかったものの…

こ、これで終わり!❓

悪い人、裁かれないの?

うーむ、さすがイヤミスの宝庫、北欧ミステリー(笑)

 

  シーズン2が2月17日から配信開始だそうなので、きっとこの事件はシーズン2に持ち越されるのよ❗…ね、そうよね❓(…って、誰に訊いてるんだ  笑)