オタクの迷宮

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知れば知るほど好きになる♥️マイク・ファイスト in『ワシントン・ポスト』


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(マイクの故郷はオハイオ州。州都コロンバス‥‥From Pixabay)

「マイク・ファイストは「ブルーカラー(労働者階級)の舞台俳優だったが、今や『ウェスト・サイド・ストーリー』で注目される存在となった」

というお題で、トーマス・フロイドという方が『ワシントン・ポスト』に寄稿しています。3021年12月10日の記事ですからちょっと古いですが、アメリカで『ウェスト・サイド・ストーリー』封切された時期で、それまでは舞台俳優としてトニー賞助演男優賞にノミネートされるなど「知る人ぞ知る」存在だった彼(その頃の彼は知らない‥‥‥‥くすん😢)が、にわかに人気を集め始めた頃ですね😊

 

ご存知の通り、『ウェスト・サイド・ストーリー』の映画には、1960年巨匠ロバート・ワイズによって製作された大傑作が既に存在し、「なぜ今ウェストサイドストーリーのリメイク❓」といった声があったのは事実。しかし、脚本家のトニー・クシュナーは、スピルバーグがこのミュージカルの古典に新たな息吹を吹き込んだと断言しており、今回のスピルバーグ版を見た人たちの中に、彼の意見に異を唱える向きは誰もいないでしょう。クシュナーは、その新たな息吹はすでに冒頭のジェッツとシャークスの乱闘場面で見てとれる‥‥と語っています。

 

  さらに彼は、私たちマイク・ファイストファンにしたら感涙モノの胸アツエピソードを語ってくれました❗それはジェッツの面々が、敵対するシャークスによって壁に書かれたプエルトリコの国旗にペンキを塗りたくる場面。シャークスにとっては耐え難い屈辱的行為。クシュナーが撮影現場を訪れた時、ちょうどその場面を撮了して、スタッフたちがペンキ部分をゴシゴシ洗っていたそう。その時クシュナーは驚きました。

「なぜって、スタッフに混じってマイクが一生懸命ペンキを洗い落としていたからさ」

 マイク~~、なんていい人なの~~😭

単純に喜んだヲタクでしたが、クシュナーによれば、そのマイクの行動には深い意味があったようです。

 

それはね、次の撮影に必要だから、その前準備のために洗浄を手伝っていた‥‥ということだけではないんだ。演技とは言え、国旗にペンキを塗りたくって相手を侮辱するなんて行為は、彼の人柄を考えると、きっと我慢できなかったんだろうね。だから、自分が何かできることをやりたかったんだろう。言葉を変えて言えば、それだけ自らが作り上げる世界に深く没入していると言える。

あっ、なるほど😮そういうことか~❗ただのいい人ではないのね😅一瞬の行動にマイクの演技者としての資質を見るなんて、さすが名脚本家、深い、深いよ‥‥‥‥。

 

ニューヨークの演劇界では、マイクの才能、そして作品や役柄に対し深い理解と共感を示す彼の生真面目さはよく知られた話のようですね😊20才で『Newsies~ニュージーズ』のオリジナルキャストとしてブロードウェイデビューを果たし、その5年後、『ディア・エヴァン・ハンセン』でトニー賞助演男優にノミネートされるまでに頭角を表し始めたマイク。
 

  そしてついに❗彼は『ウェスト・サイド・ストーリー』でクレジットでトップ5に入る役をゲット、その圧倒的な演技によって批評家たちを魅了しました。クシュナーの新たに練られた脚本によって、深みのある悲劇的な人物として生まれ変わったリフ。

 

ワシントン・ポストの主席映画評論家のアン・ホーナデイは、マイクのことをこう評します。

彼はまるでひとつの神の啓示のよう。才能溢れる歌い手でありダンサーであるだけじゃない。ジェッツのリーダーであるリフを刺々しい悪意と反抗心、そして柔らかな優雅さで演じきった。

マイクは言います。「周りの人たちが高く評価してくれてる。もちろんそれは嬉しいことだけど、考えているうちになぜ?どうして?僕のどこが…ってなっちゃう😅結局自分自身の愛と情熱が大事なんだよね」

ま、真面目過ぎるぞ、マイク 笑

ニュージーズで成功を修めた後、マイクは『デイア・エヴァン・ハンセン』のコナー・マーフィー役(悩み深い若者の役で、自殺してしまう)を射止めます。

彼が部屋に入って来てコナーとして動き始めた時、彼が極めて独自性のある、特別な俳優であることがはっきりわかった。絶望し、危機的な状況にあるコナーという役を非常に的確に演じていたからだ。

と語るのは、『ディア・エヴァン・ハンセン』の演出家であるマイケル・グリーフ。

 

  マイクは、『ウェストサイドストーリー』のオーディションを受けたものの、よもや受かるとは思ってなかったみたいで😅どこまで謙虚なんだよ‥‥。

だって僕なんて、その日暮らしの、いわば舞台俳優のブルーカラー(労働者階級)みたいなもんだし  笑

そんな僕がスピルバーグの映画に出るなんて、「死ぬ前にやりたいことリスト」みたいなもんだよ。

今BAFTA(英国アカデミー賞)助演男優賞にノミネートされて、ゼンデイヤと一緒にあのルカ・グアダニーノ監督(『君の名前で僕を呼んで』で、ティモシー・シャラメをスターダムに押し上げた)の新作にオファーされたりして、自分を取り巻く環境の変化にいちばん戸惑っているのは、マイク自身なのかもしれないね。そんなとこにヲタク、ラブだよ(笑)

 

前述の脚本家トニー・クシュナーは、マイクの類いまれな資質についてさらに語ります。

  
マイクは1つの役柄を演じる時、可能な限り演じる役柄について知識を得、深く理解しようとする俳優の1人だ。

彼は当時の時代背景や政治経済、心理的背景についてまで調べあげる。役柄を造型する際、彼のように出来る限り正確を期し、鋭敏な知性を発揮することは、偉大な俳優の特質だと僕は思うんだ。
 
自分自身の内側から沸き起こる愛と情熱を信じて、演技に全精力を傾ける演技者、マイク・ファイスト。次はどんな作品で、その類いまれなる資質を発揮してくれるのか❓

 

楽しみに待ってるよ、マイク❗💕

 

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