オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

これぞ北欧サスペンス〜『刑事ヴィスティング~殺人者の足跡』

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(舞台となるノルウェー雄大な自然‥‥Pixabay)


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WOWWOW『刑事ヴィスティング~殺人鬼の足跡』(製作国ノルウェー)観賞。

 

 うーーん、面白かった❗北欧サスペンスのあらゆる要素がぎゅっ、と詰まってて、それにエンターテイメント要素が絶妙な割合で加味されてる感。今までヲタク的に北欧サスペンスの映像化No.1は『特捜部Q』シリーズだったんですが、もしかすると‥‥‥‥越えたかも。

 

  北欧サスペンスの特色として、推理ドラマであると同時に、北欧社会が抱える諸問題‥‥離婚の増加に伴う家族の崩壊とそれが青少年に与える影響(これが日本の場合、シングルマザーの貧困等経済的な問題がクローズアップされますが、福祉の発達した北欧ではむしろ、精神的な問題に焦点が当てられます)、薬物やアルコール依存、家庭内のDV、政治の腐敗‥‥等々が提示されること、テーマが陰惨であることと対照的に、映像が非常に美しいこと、人間の心の暗部を抉り出すようなストーリー展開であること‥‥でしょうか❓どちらかといえばエンターテイメント色は極めて薄く、社会派ドラマの特徴が色濃いので、全体的に雰囲気は陰鬱で暗いです(笑)北欧サスペンスが日本で爆発的な人気が出ないのは、このへんに原因があるかもです😅

 

‥‥って、前置きが長くなりましたが(汗)『刑事ヴィスティング』。全10エピソードですが、前半と後半全く違う話。原作本2冊をベースにしているようです。

 

  前半5エピソードは典型的北欧サスペンスというより、「北欧サスペンスをハリウッドでリメイクしたような」印象(もちろん、良い意味で😊)というのは、主人公ヴィスティングが勤務するノルウェーのナルヴィク署の管轄内で起きた若い女性の猟奇的な連続殺人事件がじつは、アメリカでも連続殺人事件を起こしたサイコパスが犯人ではないかという疑惑が持ち上がり、犯人を追ってノルウェーにやって来たFBI捜査官と共同捜査を行うことになったからです。

 

あくまでもコンプライアンスを守って地道に捜査しようとするヴィスティング率いるノルウェーチームと、犯人を挙げるためなら、「正義」の名のもとに盗聴やら情報のハッキングやら何でもござれのFBIチーム😅最初はいがみ合っていた両者が、犯人を追ううち、次第に理解し合っていく過程が見どころです。ノルウェードラマ史上最大の経費を投入しただけあって、手を汗握るカーチェイスやヘリコプターのスカイアクション等、エンターテイメント性もたっぷり。FBIの女性捜査官をキャリー・アン・モス(『マトリックス』『デアデビル』『メメント』)が演じていて、凛々しくて美しい「ハンサムウーマン」の面目躍如❗

 

  前半のエピソードで、FBIと協力の上、見事事件を解決、一躍「ヒーロー警官」として世間の注目を浴びたヴィスティングですが、一転して17年前の事件捜査が違法であったとして、告発されてしまいます。責任をとって停職処分となったヴィスティング。それでも彼を慕うチームのメンバーの協力を得て、17年前の事件を洗い直すうち、次々と衝撃の事実が‥‥❗

 

 ハリウッド大作のエンターテイメント性が加味されていた第1部と比べると第2部は地味で暗く、「北欧サスペンス本来の姿に戻った」感が😅‥‥でもじつはヲタク、こっちのほうが好きだったりするかも。

 

  ヴィスティングの娘リーネは事件記者。父と娘は頑固でワーカホリックで命知らずで向こう見ず、性格が似ているせいかいつもぶつかってばかり😅しかし両エピソード共、彼女が担当する事件(独居老人の孤独死や、通りすがりの衝動殺人)がじつはヴィスティングの追う事件と深く係わっていて、最後には父娘が協力して事件を解決する‥‥というストーリー展開になっています。

 

 第1シーズンは評判が良かったようで(‥‥だって面白かったもん  笑)すでに第2シーズンは撮影済み、第3シーズンの製作も決定しているそうです😊