オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、鑑賞後の感想を呟いたりしています。今はおうちで珈琲片手に映画やドラマを観る時間が至福。

トム・ヒューズの出世作『セメタリー・ジャンクション』


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 以前ヲタク、「Seventh Row」に掲載されたトム・ヒューズのロングロングインタビューを記事にしたことがあるんですが、インタビュアーのAlex Heeneyという方が、トムの出世作としてその演技を絶賛していたのが『セメタリー・ジャンクション』(2010年)。1970年代、英国南部の貧困地域「セメタリー・ジャンクション」に住む若者たちの、いわゆる青春物語なんですが、トムは工場で働きながら、病弱で働く意思のない父親の世話をしている青年の役を演じています。Heeney氏は‥‥

 

ヒューズが彗星の如くスクリーンに登場したのは、2010年「セメタリー・ジャンクション」である。彼は映画全編を通じて観客の目を釘付けにした。彼が演じるブルースは、いわゆる女たらしで、バーでケンカを繰り返す不良青年だが、その心の奥には、幼い頃母親に棄てられたトラウマと、今は体の不自由な父親を介護しなくてはならない抑圧された感情を抱えている。彼の演技は秀逸で、圧倒的なカリスマ性を放つかたわら、時折傷つきやすさと不安定さを垣間見せる‥‥。ある時、彼が演じるブルースは彼の人生を変えるほどの真実を知るのだが、それまで自信に溢れたような振舞いを見せていた彼が、ショックで打ちのめされる場面は、あなたの心を撃ち抜くだろう。

‥‥と、大絶賛❗

 

そんなわけで、胸躍らせ、わくわくしながら見ました、『セメタリー・ジャンクション』❗

 

  もちろんトムの演技はもちろん★★★★★ですが、映画そのものも、70年代英国地方都市の雰囲気と、当時の若者たちの夢を求める気持ちや鬱屈した感情をユーモアを交えて描いた、心暖まる佳作でした。主人公は、一生父親のようにうだつの上がらない工場勤めは真っ平と、保険会社のセールスマンになって、マイホームとマイカーを夢見てるフレディ(クリスチャン・クック)。彼の家庭の雰囲気がなんとも楽しいんですが、下ネタ満載の彼の父親(この映画の監督を務めたリッキー・ジャーベイス)とフレディのおばあちゃんとの会話がもー、最高❗フレディと、我らがトム・ヒューズ演じるカリスマ男ブルース、マッパの女ヴァンパイアの刺青彫ってるキュートなスノーク(ジャック・ドゥーラン)の3バカトリオ‥‥いやいやもとい、仲良し3人組の、バカバカしくも胸キュンな感動物語ですっ🎵

 

  あとね、時代が70年代ってことで、当時のディスコが出てくるのも楽しいし、使われてる曲がDavid Boiwe『All the young dudes~全ての若い野郎ども』やT Rex、そしてそしてラストのクライマックスはレッド・ツェッペリンの『The Rain Song』で決まりぢゃ~~~っ❗

 

  共演陣もゴージャスで、フレディの幼なじみジュリー(フェリシティ・ジョーンズ)のお父さんがレイフ・ファインズで、婚約者がマシュー・グード。人生勝ち組だけど、男尊女卑で鼻持ちならないイヤミなオトコたち。二人ともサスガの存在感😊そしてそして、『博士と彼女のセオリー』(アカデミー賞主演女優賞ノミネート)や『ビリーブ 未来への大逆転』で、今や英国を代表する演技派女優フェリシティ・ジョーンズが、典型的なロマコメヒロインを生き生きと演じていてビックリ😮

 

  英国ワーキングクラスの青春映画にありがちな陰鬱さはあまり感じなかったな。そういえば全編通じて英国特有のどんより曇り空は出てこなくって、カリフォルニアっぽい青空がほとんどだった。こういうライトな青春映画も好きだな~🙆

 

 「若いっていいな」と、 爽やかな気分になりたい時にぜひどうぞ。それにしても我らがトム・ヒューズ、なんであんなに足長いの❗❓体の大部分が足なんですけど(笑)

 

トム、このブルース役でその年の「インディペンデント・フィルムアワーズ」の「最も有望な俳優」賞を受賞、一気にスターダムに駆け上がるかと思いきや、超こじれ男子のトム・ヒューズ、そうはなりませんでした(笑)まあでもこれがきっかけで、以前ヲタクが記事に書きました『ホロウ・クラウン~嘆きの王冠』の中の、リチャード2世(ベン・ウィショー)の稚児的存在、衝撃的なオーマール公役に繋がっていくわけですね。

 

  先日久しぶりにトムの写真がツイッターにUPされてたけど、「久しぶりの公の場だと言うのに、トム・ヒューズは相変わらず笑顔がない」なんて揶揄されてたわ(笑)

 

わかってないなー、そんなこじらせ男子ぶりが超魅力的なのに(笑)

 

  

 

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