オタクの迷宮

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

カリフォルニアの熱い風~『リコリス・ピザ』(小ネタ解説付き)

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  キノシネマ横浜みなとみらいで、『リコリス・ピザ』観賞。映画を見終わってまず感じたこと。

カリフォルニアの風の匂いがした。

 ヲタクは6年前、当時サンディエゴに赴任していた長女ファミリーを訪ねて、かの地に2週間ほど滞在したことがあるのだけれど、その時のことを思い出しました。折しも季節は夏。雲一つない抜けるような青空、乾いた風。滞在中一滴も雨降りませんでした(笑)街を抜けるとそこは砂漠😅季節のせいか会う人会う人皆底抜けに明るくて元気で、見知らぬ外国人の私にもやたら話しかけてきて、そこかしこで始まるスモールトーク。ヲタクの今のイチ推しオースティン・バトラーもカリフォルニアはアナハイム出身で、ついこの間映画『エルヴィス』のキャンペーンで初来日した時、インタビュアーに「暑いですか❓」と聞かれ、「そうだね。ボクがカリフォルニアの熱い風を連れて来ちゃったかな」と超ラブリーに答えたオースティン。あー、彼に惚れない女子なんている❗❓

 

‥‥って何の話してるんだっけ❓(笑)

 

えっとつまり、オースティン・バトラーも尊敬してやまない天才監督ポール・トーマス・アンダーソンの最新作『リコリス・ピザ』は、オースティン語るところの、スクリーンからカリフォルニアの熱い風が吹いてきそうな、「ボーイ・ミーツ・ガール」な青春グラフィティなのだ❗

 

時は1970年代。子役俳優として活動中のゲイリー15歳(クーパー・ホフマン)は、ある撮影で助手として働いていた25歳のアラナ(アラナ・ハイム)にひとめぼれ。猛アタックを開始しますが、「10歳年下のお子ちゃまなんて‥‥」と、はなから相手にされません。そんな二人の甘酸っぱい、そしてちょっぴりほろ苦い恋のエピソードの数々が、カリフォルニアの青い空の下で繰り広げられます。舞台が70年代カリフォルニア‥‥ということで、70年代の数々のヒット曲が全編を彩ります。個人的には、デヴィッド・ボウイの『Life On Mars?』(バリバリグラムロックなボウイ💕)、ドノバンの『Barabajagal(Love is hot)』、ドアーズの『Peace Frog』(『平和のカエル』というわりに、「通りが血だらけで僕の足首まで溢れた」とか物騒な歌詞😅)あたりで、映画館の椅子の上で身体が動いて困った(笑)

 

  この胸キュン青春グラフィティ、ヲタク的に一番のツボは、25歳のアラナ、強がって大人ぶってはいるけど実は中々人生の方向を見つけられない自分に苛立っていて、ユダヤ系の厳格な家庭環境にもいまいち馴染みきれず独りぼっち。一方、若干15歳のゲイリーのほうが世の中の流行(ウォーターベッドにピンボールマシン❗)に敏く、知恵も商才もあり、生活力旺盛なとこ。またねぇ、演じるクーパー・ホフマンがチャーミングなんですよ~💕クーパーくん、ご存知アンダーソン監督の盟友で、ヘロインのオーバードーズで若くして亡くなったフィリップ・シーモア・ホフマンの息子さんですよね。映画初出演とは思えない自然な演技(それはアラナ・ハイムにも言えることなんですが)で、ゲスト出演のショーン・ペンブラッドリー・クーパーと堂々と渡り合ってましたからねぇ。あの超完璧主義のアンダーソン監督が「主役の二人が素晴らしすぎて、何も指示することはなかった。自由にやらせた」と太鼓判を押しただけのことはある❗これからも演技を続けてくれないかな、彼。天国のパパも喜んでくれるんじゃないかしら😊

 

  映画に登場するエピソードは全て監督の故郷サンフェルナンドバレーで自身が体験したこと、また見聞きした事実に基づいたものらしいです。ゲイリーは子役出身、アラナも一時女優を志すという設定なので、当時のハリウッドの映画関係者が次々と登場します。ショーン・ペンが演じた、いつでもどこでもオートバイを乗り回すぶっ飛び俳優はなんと、ウィリアム・ホールデン😮(『麗しのサブリナ』『慕情』『サンセット大通り』)銀幕では端正な正統派ですが、実際はあんなハチャメチャな人だったのか‥‥😅ハチャメチャといえば、ブラッドリー・クーパーも凄かった。まさに怪演(笑)実在のハリウッドのプロデューサー、ジョン・ピーターズがモデルだそう。映画の中ではバーブラ・ストライサンドと付き合ってる‥‥って感じだったけど、それも事実なの❓(ピーターズ氏は、バーブラの映画『スター誕生』(1976年)をプロデュース。そんなピーターズ氏を、『アリー/スター誕生』(2018年)の製作・主演ブラッドリー・クーパーに演じさせるなんて、シャレがきいてる  笑)ジョン・ピーターズ氏、まだご健在のようだけど、こんな描かれ方して大丈夫なんだろうか😅(どんな描かれ方かは、映画を見てお確かめ下さい  笑)

 

  作品を作る度に、作風も自在に変化する天才、ポール・トーマス・アンダーソン。今回、いわば彼自身の原点への回帰、生まれ故郷への郷愁の念に満ちた、一つの名作を産み出しました。これから彼は再びどこへ向かうのか。いずれにせよ、その煌めくような才で私たちを驚かせてくれることでしょう。次回作を楽しみにしていましょう。

 

  監督、カメオでもいいから、オースティン使ってやって~💕(⬅️最近こればっか😅)

 

★今日の小ネタ

・ジョン・ピーターズ(ブラッドリー・クーパー)はバーブラ・ストライサンドの主演映画『スター誕生』のプロデューサーですが、当初バーブラの相手役にオファーされていたのが、かのエルヴィス・プレスリーなんですよね~。オースティン・バトラーが神がかり的にエルヴィスを演じた映画『エルヴィス』(バズ・ラーマン監督)の1シーンで、エルヴィスの悪名高いマネージャー、パーカー大佐(映画ではトム・ハンクスが演じています)とバーブラが折り合いが悪く、話がポシャった‥‥という趣旨のことをエルヴィスが話しています。(実際に演じたのは、クリス・クリストファーソン)

 

・実在の人物として、アメリカの日本食レストランMIKADOのオーナー、ジェリー・フリック氏が日本人妻に日本語訛りの英語を喋るシーンが一部の人からアジア系差別だと批判されたらしいけど、ヲタクはぜんぜん気にならなかった。だってネイティブじゃないんだから訛るの当たり前だし(笑)舞台は70年代だし。あんまり今どきのコンプライアンスに縛られず、映画を楽しみましょ😉