オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

オースティン・バトラー『エルヴィス』沼から抜けられない😅

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 観たい新作映画はごまんとあって、(仕事帰りに今日はアレを見よう❗)と思って職場を出るんだけど、ついつい『エルヴィス』上映館にフラフラと足が向いてしまうのが、7月のヲタクでした。8月に入って、悲しいかな上映回数も減ってきて、(3時間弱の長編だから時間を合わせるのが難しく)仕事帰りにはもう観るのムリかな~と思っていたけど、今日(2日)また観てきちゃった~😅ブルグ13(桜木町)がちょうどいい時間に上映してたんだもん🎵館内はほぼ満席でした~🎉✨😆✨🎊

このぶんだとロングランになるかしら😊

 

  観る度に新しい発見がある(……だからリピートしちゃう)のが名作の証だと思うのだけれど、今日観た『エルヴィス』、バズ・ラーマン監督が着目したエルヴィスの人間像に改めて敬服❗……オースティンがエルヴィスのヴィジュアルや話し方、歌をいくら完コピしていたとしても、「人間エルヴィス」がしっかり描かれてなければ、ヲタクだってこれほどまでにどっぷりハマらなかったと思う😅

 

  エルヴィスの巨万の富の半分を吸い上げた「悪徳マネージャー」パーカー大佐(トム・ハンクス)は、反面、鋭い人間観察の人でもありました。……まあだからこそ、エルヴィスを生涯に渡ってあれほどまでに巧妙に繰ったわけよね……。

 

  おそらく100年に一度くらいの割合で、ただそこにいるだけで、触れる人触れる人次々に魅了してしまう天才、圧倒的カリスマが出現するのではないかとヲタクは思うのだけれど、パーカー大佐は一瞬にして天才エルヴィスの本質を見抜いた。後年、ラスベガスでのステージやアメリカ全土縦断ツァーで「エルヴィスは、ファンから浴びる愛の中毒に陥っていた」と、大佐が呟くシーンがあるんだけど、「ルイジアナヘイライド」のライヴで客席を熱狂の渦に巻き込んだ瞬間から、彼の運命は決まっていたのだと思う。彼のママはその母親としての鋭いカンで早くからその真実に気づいて、「あなたに熱狂する女の子たちとあなたの間には得体の知れない何かがあった。それが私とあなたを永遠に隔ててしまう」とさめざめと泣きます。自分の可愛い息子はもはや息子ではない、いや、人間ですらなくなってしまったかもしれない。「観客によって生きたまま食われてしまう禁断の果実」、手の届かない存在になってしまったのだと。

 

  同じ事が、エルヴィスに献身的に尽くした妻プリシラ(オリヴィア・デ・ヨング)にも言えるでしょう。二人は後に離婚しますが、夫妻の間に最初の亀裂が走ったのは、皮肉にもラスベガス・インターナショナルホテルでの「エルヴィス・オン・ステージ」の大成功でした。ステージが終わっても観客の熱狂は収まらず、駆け寄る女性ファンと次々とハグし、キスを繰り返すエルヴィス。それを見つめるプリシラの表情が泣かせます😢そこに、「彼女(プリシラ)は、エルヴィスのファンに対する愛には、自分自身が到底叶わないという事実に気づいてしまった」というパーカー大佐のモノローグがカブるんですよ……残酷すぎる😭

 

  エルヴィスとプリシラの、最後の別れの場面。プライベートジェットで飛び立つエルヴィス(その頃はもう肥満でまともに歩けず、杖をついています)。空港で見送るプリシラに、"I'll always love you." とエルヴィスが呟くんですが、その時のプリシラの表情がまた秀逸なんですね。youって誰……ってゆうね。哀しみと、諦めと、憐憫の情。今まではエルヴィス演じるオースティン・バトラーの、エルヴィスが憑依したかのような神がかり演技にばかり目が行っていたけど、オリヴィア・デ・ヨングの抑制の利いた受けの演技によって、愛を渇望し続けながら遂には、自分の求める愛の真の「正体」が理解できなかったエルヴィスの悲劇が、くっきりと浮かび上がった気がします。

 

エルヴィス最後の舞台、『アンチェインドメロディ』の絶唱。オースティンからエルヴィス本人の実際の映像に切り替わる演出が心憎いばかりですが、果たして死の直前のエルヴィスが語りかけた「You」とは誰だったのか❓

 

Rivers flow to the sea, to the sea
孤独な川が海へ海へと流れて
To the open arms of the sea
海が両手を広げて迎えてくれるんだ
Lonely rivers sigh,
孤独な川はひたすら願うよ
“Wait for me, wait for me
僕を待ってて、僕を待ってて
I’ll be coming home, wait for me”
僕は家に帰るんだ、僕を待ってて

 

 

  「エルヴィスはある意味、富と成功を手中にしてそれに飲み込まれてしまった。僕自身、これから成功を収めることがあっても、自分自身を失わないようにしたい」と、インタビューで語っていたオースティン・バトラー。うん、ホントそう。プライベートでも、しっかり地に足をつけて、堅実な幸せを手にして下さい。そして、銀幕でますます素敵な演技を私たちに見せて❗

★制作費8500万ドルに対して、世界の総収益2億3400万ドルを売り上げた『エルヴィス』。Congratulation❗