オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・コンサート鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログです。

オタクの『ストーリー・オブ・フィルム』その①~『ブックスマート~卒業前夜のパーティーデビュー』


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先日マーク・カズンズ監督の『ストーリー・オブ・フィルム』(2010年から21年にかけて公開された111の映画に焦点を当て、その内容を独自の視点で捉え、製作の背景を探ったドキュメンタリー)を観てからというもの、ヲタクは監督の映画愛と慧眼のトリコに(笑)監督の紹介する映画の中で、ヲタクが感動した作品を、ぽちぽちと折に触れてご紹介したいと思います。ブログを読んで、動画配信やレンタルビデオ等で見てみたい……と思っていただければ幸いです😊

 

……というわけで、第1回目は、A24の青春映画の傑作『ブックスマート~卒業前夜のパーティーデビュー』。カズンズ監督によれば、主人公二人のテンポの良い、知性溢れた会話とボディランゲージ、そしてジャンプショット(同一動作、同一サイズ、同一方向のショットをつなぐ)が効果的に使用されているのが特徴だそう。監督は、俳優のオリヴィア・ワイルドハリー・スタイルズのパートナーですよね。初監督作品がコレなんて、どんだけ才人なんだ……。

 

さてさてこの映画、題名の 「卒業前夜のパーティー」って言ったらプロム❓ポスター見ると、右側の女子はかなり立派な体格だから、体型にコンプレックスがあってパーティーデビューに悩む話❓でも実は「そんなキミがホントは好きだった」って学園の王子様が現れてプロムのパートナーに…❓今までのステロタイプの青春映画って言ったらそんな感じなんだけど、ノンノンノン(ヾ(´・ω・`)

全然違う❗

それに、白馬の王子様は全く出てこない❗(笑)

今ドキ女子は、白馬を奪ってじぶんの欲望を遂げるのじゃ(爆)

 

ガリ勉の優等生モリー(ビーニー・フェルドスタイン)と社会活動に熱心なエイミー(ケイトリン・ディーヴァー)は、鉄壁の友情を誇る親友同士。モリーは高校生活の全てを生徒会活動と勉強に投げうち、悲願のイェール大学に合格。ところが、トイレでの同級生の会話から(トイレがそもそも男女共用なのがツボ)、イケイケリア充の彼らが実は、軒並みハーバードやらスタンフォードに受かっていたことを知ってしまったから、さあ大変。(ワタシが犠牲にしてきたモノを何食わぬ顔してちゃっかり楽しんできたあいつらが許せない、きーーっ💢)…てなわけで、モリーは嫌がるエイミーを巻き込んで、最初で最後の高校生活の思い出に、副会長の人気者ニック主催のパーティーに殴り込み❓(笑)をかけようと目論みますが…。

 

  何がキモチいいかって、モリーのハンパない自己肯定感の高さですね(笑)一瞬だけ弱気になる瞬間があるんだけど、そんな時は相棒の魂の片割れ、エイミーが「何トボケたこと言ってんの❗あんたは地球最高の人間なんだよ」って、ちゃんとどやしつけてくれる(笑)

 

ひょんなことからドラッグ盛られちゃって😅二人で自分たちがバービー人形みたいなスタイルになった幻覚を見る場面。モリーの「何コレ❓女性を縛るフェミニストの幻想❓手足の比率がおかしいんだけど。脂肪が欲しい脂肪がぁぁぁー」ってセリフに思わず吹き出しました(笑)彼女はパーティーで、同級生たちの、今まで彼女が理解しようとしてこなかった、じつは愛すべきさまざまなキャラを初めて知っていくことになるのですが、相手を真の意味で理解し、愛するためにはまず、自分自身を受け入れ、愛することが大前提なのだと、この映画は笑いの中にそっと教えてくれるのです。またね、登場人物たちの描き方、ことごとくこちらの思い込みというか固定観念

の裏をかいてくれて、そこが愉快爽快です😉…そして、今までアメリカの青春映画につきものだった、ステロタイプのヒールも出てこない❗

 

  勉学&社会奉仕活動一直線のマジメ子ちゃんでクラスメートとの交流が皆無だった二人は、まずもってパーティーの場所がわからない😅電話をかけても、(どーせ生徒会の用事だろう)と思うのか、誰も出てくれない(悲しいね=笑)あってあらゆる方法を駆使して目的地にたどり着こうとする二人。この女同士のバディ、まるで『テルマ&ルイーズ』、青春ロードムービーの味わい❤️女の味方はやっぱり、女よね(笑)

 

  人種もジェンダーも軽々と飛び越える柔軟なリベラリズム、真の意味の「個」の尊重、社会参画の意識の高さ…。この映画に登場するアメリカの若者たちは誰も彼も非常に魅力的です😍彼らが高校を卒業し、大学に散っていって、アメリカの中枢でそれぞれの夢を実現したとしたら…。

 

  (これが初監督作とは信じられない)ツボを押さえた職人芸、オリヴィア・ワイルド監督が願いと祈りを込めて描き出すアメリカの未来は、限りなく明るい😊…たとえそこに至るまでに想像を絶する困難があったとしても。