オタクの迷宮

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

愛と自由と平等を料理に込めて~映画『デリシュ!』(フランス)


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きのシネマ横浜みなとみらいで、『デリシュ!』観賞。ヲタクの場合、夏が過ぎて少し涼しくなるとなぜか、フランス映画の観賞率、高し。なぜだか毎年そう。理由はよくわからないけど😅

 

 題名『デリシュ!(美味しい)』の通り、映画の冒頭から、次から次へと美味しそうな料理のオンパレードで、これ、空腹の時に見ちゃダメなやつです、絶対(笑)

 

  1789年、フランス。一般民衆はその日のパンにもこと欠くほど飢え、一方で貴族たちは美食と歓楽に溺れる毎日。貧しい平民から公爵家の料理長にまで上り詰めた野心家のマンスロン(グレゴリー・ガドゥボワ)。自然の作物を愛でる彼は、公爵が命じるメニュー以外は出してはいけないという禁を破り、ジャガイモとトリュフを使った創作料理「デリシュ」を公爵の午餐に供しますが、出席していた聖職者が、土中にあるものは悪魔の食物と言って、皿ごと床に投げ捨てます。(当時の聖職者ってこんなに傲慢だったんだね。ビックリ😮)詫びを強要する公爵に対して、「自分は何も悪いことはしていない」と頑として居並ぶ貴族たちに頭を下げなかったマンスロンは当然のことながら城をクビになり、息子のベンジャミン(ロレンゾ・ルフェーブル)と共に実家の中継所(旅行者が長旅の途中で休憩したり、軽食をとる場所)に戻ることに。しかし料理の情熱をすっかり失ったマンスロンは、適当なもてなしでお茶を濁すばかり。ところがある日のこと、彼の料理人としての名声を聞きつけ、ぜひ弟子にしてほしいという女性ルイーズ(イザベル・カレ)が訪ねてきます。貴族の館でジャム作りをしていたというルイーズですが、いかにもワケありなふぜい😅下働きに似つかわしくない立ち振舞いにマンスロンは(貴族相手の高級娼婦だったのでは❓)と疑い始めます。彼の推理❓が当たっているかどうかはネタバレになっちゃうんで置いといて。ベンジャミンやルイーズの新しいアイデアや柔軟な思考に助けられ、マンスロンが元々持っていた「身分の別なく、あらゆる人に美味しいものを食べてもらいたい」という情熱は、彼の小汚ない中継所を、予算に応じて美味しい料理が食べられる、現在のレストランの前身へと変えていきます。そんな彼の現在の評判を聞きつけた公爵から、パリからの帰りに食事をしに立ち寄りたいとの知らせが。汚名返上と張り切るマンスロンでしたが……。

 

  折しもフランス革命前夜、包丁一本で、「料理による無血フランス革命」を成し得た一人の男の生きざま。貴族社会で認められることこそ男の本懐と信じて疑わなかった彼が、愛と自由と平等に目覚めていくプロセスが爽快です❗……でもその裏にはちゃんと、息子ベンジャミンやルイーズへの「愛 アムール」がある……というのがフランス映画らしくニクイところ😉

 

  ベンジャミンとルイーズの「オトナロマンス」に、シナモンみたいに(マンスロンは香辛料に頼る料理は邪道だ❗というポリシーですが  笑)ピリッとスパイスを効かせているのが、マンスロンの息子、ベンジャミンのキャラ設定。ジャン・ジャック・ルソーなど新しい思想に傾倒している彼は、「もっと肉を食べなさい」と言う料理人の父に、「肉を食べ過ぎると暴力的になるんだ」とのたまいます😅あの時代にヴィーガンかよー❗(笑)

 

 いけすかない公爵を、マンスロンが彼なりのやり方でぎゃふんと言わせるラスト、思わず拍手かっさい❗👏👏これこそホントの無血革命ぢゃ~~❗

 

  爽やかな秋に相応しい一篇。しっかしマンスロン、1つの料理にバターひと箱ぶんくらい入れてたけど……。クラシックなフランス料理って……やっぱり……ねぇ❓バターの海に泳がせるように焼いたお肉、美味しいには決まってるけど……。まっ、彼みたいな体型になっちゃうのは、致し方ない(笑)