「ファーム」という名の暗殺組織で腕利きのヒットマンとして働くサム(カレン・ギラン……出演作『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』❓❓(-ω- ?)あー、あの緑のネビュラかぁぁぁ~❗素顔はこんな美人さんだったんだ😮)。彼女の母親も「ファーム」で働くヒットマンでしたが、15年前にサムを置いて謎の失踪を遂げていました。
ある日、「ファーム」の会計士が巨額の資金を持ち逃げする事件が発生。サムはボスのネイサンの命を受け、会計士を銃で撃って資金を取り戻しますが、盗みの理由が彼の8才の娘エミリー(クロエ・コールマン……このお嬢さん、『マリー・ミー』で、オーウェン・ウィルソンの娘役でしたね。賢そうな雰囲気ありますよね。芦田愛菜ちゃんみたい😊あの時は歯列矯正してたけど、終了したのかな)が誘拐されて身代金を要求された為と知り、義憤を感じたサムは、ネイサンの命令に背いて娘を取り戻しに誘拐犯のアジトに乗り込みます。
一方、以前ファームに命じられた仕事で、マフィアのボスの息子を返り討ちにしてしまったサムは、マフィアから命を狙われるハメに。ところがネイサンは卑怯にも、手のひらを返して「あれはサムの暴走で、彼女が勝手にやったこと。うちの組織には関係ない」とサムを切り捨てます。サムは、彼女が撃った傷が元で父親が死んでしまい、天涯孤独になってしまったエミリーを連れて逃亡の旅に。途中、15年ぶりに再会した母親スカーレット(レナ・ヘディ……『ゲースロ』のサーセイ・ラニスターだ~❗)、図書館(……というのは仮の姿で、プロの殺し屋の為の武器庫😅)の司書3人(ミッシェル・ヨー(『シャン・チー』)、カーラ・グギノ(『シン・シティ』で、食人鬼のイライジャ・ウッドに腕食われちゃった人)、アンジェラ・バセット(『ブラック・パンサー』)……この人たちがオニ強いんだわ。ヒロインのカレンと同様、なにげにマーベルつながり🎵 )と共に、図書館に大挙して押し寄せるマフィアの軍団を迎え撃つことになりますが……❗❓
ナボット・パブシャド監督はイスラエルの人らしいんだけど、映画オタクの匂いぷんぷん(笑)どこの国かわからない(ダイナーが登場するからアメリカだとは思うけど)エキゾチックな感じ、この色彩感覚は、個人的にはディアオ・イーナン監督の『鵞鳥湖の夜』(特に、ネオンに照らされた部屋に血飛沫が飛ぶところ)や『ラストナイト・イン・ソーホー』を彷彿とさせる。架空の街の創造……という点では、ウェス・アンダーソンか、『バットマン』のゴッサムシティか、はたまた『シン・シティ』か。
監督はクェンティン・タランティーノや日本映画の影響も公言していて、確かにカレン・ギランのアクションは『キル・ビル』のユマ・サーマンを思い出させます❗……なんだろう、いろんな映画や映画人たちへの愛とリスペクトに溢れてて、見ててホントに楽しいの。また、いろんな武器が図書館のそれぞれの本に隠されてるんだけど、サムに貸し出されるのが、ジェーン・オースティン、シャーロット・ブロンテ、ヴァージニア・ウルフ、アガサ・クリスティ……っていうのも、小ワザが効いてますよね。ヲタク的にはエミリ・ディッキンソンあたりも加えて欲しかったけど。まっ、8才の賢い少女の名前に使ってくれたから、よしとしよう。(ち、違う❓😅)
名前と言えば、ヒロインのサムはもしかして、アメリカの人気TV番組『奥さまは魔女』❗❓正式な名前はサマンサだけど、ドラマの中では、夫のダーリンだけがサマンサのことサムって呼んでた記憶がある。映画のサムの強さ、人間離れしてるもんね。お母さんのスカーレットは、言うまでもなく、アメリカのフィクション史上最強の女、「明日は明日の風が吹く」スカーレット・オハラでしょう(『風と共に去りぬ』)。この親子、ぜったい負ける気がしない(笑)
パブシャド監督、 日本映画が好き……って言っても、定番の黒澤明や黒沢清の他に、梶芽衣子の『修羅雪姫』や『女囚さそり』シリーズ、『子連れ狼』を参考にして、主演のカレン・ギランにも見せた……って言うんだから、ガチのオタクだよね(笑)かと思えば、ミッシェル・ヨーが鎖でマフィアの一人を吊り上げて処刑?しちゃうシーン、隣で見てた夫は「必殺仕事人みたいぢゃん❗」って言ってました。……いくらパブシャド監督がガチの日本映画オタクとは言え、「必殺仕事人」を観てるかどうかは定かではないけどね😅
また、監督は「アクションにはユーモアがなくてはならない」というポリシーの持ち主だそうで、それが如実に現れてるのが、シビレ薬を打たれて両腕が麻痺したサムが、エミリーを助手にして、ファームから送り込まれた3人の刺客と死闘を繰り広げるシーン。
……もう、最高っすよ❗
スリルに背中ゾクゾクしながら、お腹抱えて大笑いΨ(`∀´)Ψ……忙しいったら(笑)
早速、続編の製作も決定したみたいですね。『355』とどっちが早い❓😉
★今日の小ネタ
図書館でマフィア軍団と女たちが死闘を繰り広げるシーンで流れるジャニス・ジョプリンの『心のカケラ』。もー、わかってるね、監督❗じわるわ~。
But what I'm gonna show you ,baby, that a woman can be tough.
だけどベイビー、証明してみせるわ、女だって強くなれるってことをね。
I'll say come on, come on, come on, come on, and take it.
だから来て、来て、来て、来てよ。そして取ってきゃいいさ、心のカケラを。
完璧に女性が失恋する歌で、男は家出して捨てられたのは女の筈なのに、ジャニスのドスの利いた声でcome on,come on……って歌われると、「アタシの心、取れるもんなら取ってみな」って言われてる感じで。聞いた男性はビビりそう(笑)
(この歌、どっかで聞いたことあるなー)と思った方も多いんじゃないでしょうか❓……そう、ナタポのミス・ディオールのCMです。バージンロードを歩くナタポがウェディングドレスを脱ぎ捨て、ヘリコプターで脱出しちゃうCM。「花嫁の脱出」と言えば、映画『卒業』(マイク・ニコルズ監督)のラストシーン。映画では愛する相手(ダスティン・ホフマン)が迎えに来て、二人で手に手を取って逃げ出したけど、今どきは一人で決めて一人で実行する(笑)
ラストに、このジャニス・ジョプリンへのまるでアンサーソングみたいに、ボブ・ディランの『これで終わりさ ~It's all over now, baby blue』が流れます。
持っていきたいものがあるんなら
早く 持ってけよ
残されるぼくは拳銃を持って
燃え盛る太陽のように叫んでる
気をつけろよ くれぐれも
これで終わりさ ベイビー・ブルー
高速道路は危険だ 気をつけるんだな
……同じ失恋でも、なぜか男のほうは未練たらたら(笑)
あ、もうひとつ、サムの母親スカーレット役のレナ・ヘディですが、性的暴行で訴えられたあの悪名高いプロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインからの性的要求をはねつけたために、仕事を干されちゃった人。ワインスタイン失脚後、『ゲースロ』の諸悪の根源……いやもとい、稀代のファム・ファタール、サーセイ役で見事復活❗まさに「女だって強いってこと、教えてあげる」ですわ😅