オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、鑑賞後の感想を呟いたりしています。今はおうちで珈琲片手に映画やドラマを観る時間が至福。

『犬も食わねどチャーリーは笑う』~平凡を演じる香取慎吾の非凡

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 KINOCINEMA横浜みなとみらいで、『犬も食わねどチャーリーは笑う』鑑賞。連休の中日、ご夫婦で来られている方、多かったですね。ストーリーをざっと読んで「旦那デスノート」の話だと知り、ヲタク心の中で(ダンナと一緒に見に来てる奥さんたち、みんな勇気あるなぁ。私にはとてもできない)と思ったけど、見終わった後は、(ダンナと一緒でも良かったかな❓)ってちょっぴり思いました。

 

  ホームセンターの副店長・田村裕次郎(香取慎吾)は超仕事人間。店内の全ての製品に精通し、店長に代わって店員たちを取りまとめる主(ぬし)的な存在。子どもはいないけど、妻の日和(ひより……岸井ゆきの)とはそれなりにうまくいっていると彼自身は思っていた気配😅ところがそんなある日、同僚の蓑山さん(余貴美子)が、スマホで「旦那デスノート」というサイトを見せてきます。世の奥さんたちが、自分の旦那に対して罵詈雑言を書き込むサイト。「このチャーリーって人の文章、最高なんだから~」という投稿を読んだ裕次郎は真っ青に。自分たち夫婦の日常が赤裸々に綴られ、いつも笑って料理を出してくれる妻から発せられる暴言の数々。しかも、あろうことか妻は先日、自分のカレーに冷凍マウスのミンチ(注・二人の飼っているフクロウのチャーリーの餌である)を入れたらしい❗

 

ぎゃあああああヽ(;゚;Д;゚;; )

 

  とまあ、始まりはこんな感じ。めちゃくちゃ過激でオソロしくて、どうなることかと思ったけど、おっかなびっくりその先を見ていくと……

 

  妻の日和の「旦那デスノート」の悪口雑言の底には、彼女なりの切ない気持ちが存在することが、私たちにも、じんわりわかってきます。じつは彼女は「良い奥さんであるべき」の幻想にがんじがらめになっていて、夫である裕次郎に本音が言えず、長い間悶々としてきたのです。

 

  何しろ夫役が香取慎吾なので、ブラックユーモアの中に夫婦の深淵を覗きこむような、エッジーなストーリー展開になるのかと思いきや、そうじゃなかった。じつはとってもハートウォーミングな展開でした。……でもそれがかえってギャップ萌えで、ヲタク的には心地よかった😊慎吾くん、妻の本音をネットで聞かされて茫然自失、どうしたらわからずに右往左往する、どこにでもいそうな夫をひじょうにリアルに演じていて、凄いな😮と思いました。いやだって、ちっちゃい頃から芸能界にいて、しかも正真正銘のアイドルで、ある意味「フツーの人生」って経験したことないわけでしょう❓彼。ヲタク、むかしSMAPのコンサート、行ったことあるんですけど、眩しすぎる5人の中でいちばんスターのオーラむんむんだったのが『ダイナマイト』を歌う香取慎吾だった。そんな彼がこういう役をこう見事に演じられるということは、よほどプライベートで人を深く愛した経験があるか、天才的に演技が上手いのかの、どちらかでしょう。

 

  夫婦役を演じる二人の、実際の年齢差は15才。それは映画の設定にも反映されていて、出会った当初は、雑学の知識が豊富でピンチの時に適切なアドバイスもくれて、人生の先輩として尊敬していたのが、いざ一緒に暮らし始めてみると、それまで見えなかった夫の「鈍さ」や、面倒を避けるための処世術が鼻につき始め、次第に結婚生活そのものに幻滅していく妻。そんな妻の心情を、岸井ゆきのが等身大に、繊細に演じて、二人の演技のコンビネーション、ばつぐん😊

 

  日和と裕次郎が理想の夫婦だと思っていたのに、一皮むけば「デスノート」……でショックを受け、結婚直前にマリッジブルーになってしまう職場の後輩が井之脇海。相変わらず可愛いわぁ~~😍なんでこんなに可愛いいんだろ、この人(笑)日和と「デスノート」仲間の※余貴美子がサスガの貫禄、日和の上司で、自分はモテてると信じ込んでいる「なーんちゃってイケメン」を演じる眞島秀和。あっ、そう言えば数年前、眞島さんとゆきのさんの舞台観ましたよ~、紀伊国屋ホールで。あの時は戦争で心の傷を負った夫婦の役でしたね。今回の映画では眞島さん、ゆきのちゃんにこっぴどくフラレてたけど(笑)

余貴美子の「夫婦は鰻をつかまえるようなもの。するする逃げてくから努力しないでいると、ますますつかまらなくなる」とは、けだし名言なり。

 

  主人公二人といっしょに泣いたり笑ったりしながら、

夫婦なんだから

もっと向き合おう

もっと話し合おう

というシンプルなメッセージが、静かに静かに心に沁みてくる、素敵な作品です😊