オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・コンサート鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログです。

『スペンサー / ダイアナの決意』~クリステン・スチュワートの神演技


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『スペンサー / ダイアナの決意』鑑賞。主演のクリステン・スチュワート、ヲタク『トワイライト』シリーズは全部見たけど、ロバート・パティンソンばっかり見てたから殆ど印象に残ってなくて(スミマセン😅)、それよりロブステン・フィーバーや、破局バイセクシュアリティをカミングアウトしたことなど、プライベートのいろいろがインパクト強かった。その彼女がなんと、全く真逆のイメージのダイアナ妃を演じると知ってビックリ仰天、しかも堂々アカデミー賞主演女優賞ノミネート❗……これはもう、見なきゃでしょ❗というわけで、やって来ました、キノシネマみなとみらい。

 

結論❗凄い、凄いよ、クリステン。

神演技だよ❗

 

  ロス出身の彼女、この役のオファーが来た時には、「クレイジーすぎる」と思ったそう。そりゃ、そーだよなぁ。しかし銀幕の彼女は、※クィーンズ・イングリッシュや立ち振舞い、ダイアナ妃のふとした仕草など外面的な要素はもちろん、「英国王室」というある意味鉄壁の要塞に守られた巨大なモンスターに孤独な戦いを挑み、矢折れ力尽き、それでもなお、自分の生き方を貫こうともがく一人の女性の内面すらも完璧に演じ切っていました。

※ダイアナ妃の話し方の習得についてクリステンは……

「ダイアナのしゃべり方のアクセントはとても技術的で簡単に真似できるものではありませんでした。彼女の発音をしようと思ったら、唇や喉、舌など、あらゆるものをこれまでとは違う方法で使って、まったく新しい筋肉の使い方を学ばなければならなかったのです」

と、インタビューで語っています。

 

  エリザベス女王をはじめ、フィリップ王配やチャールズ皇太子は殆どセリフもなく、なんて言うんだろう、人間の温かさを感じさせない、「王族」という仮面(ペルソナ)を被った人たちとして描かれています。これはきっと、意図的な演出なんだと思う。いみじくも、

我々(王族)の中には二人の人間がいる。

国民が望むもう一人の人間にならなくては。

君もやるべきことを順番にやれ。

という、チャールズがダイアナに向かって放つ言葉は、ダイアナが一生涯かけても理解し得なかった王族の一側面を言い表しています。

 

  人間らしさを感じさせる登場人物は、ダイアナを除けば、ウィリアムとヘンリーの二人の子どもたちと、王室内でダイアナが唯一心を許した衣装係のマギー(『シェイプ・オブ・ウォーター』のサリー・ホーキンス。良い味出してます😊)のみ。ウィリアム王子がねぇ……。心を病み、次第に壊れていく母親を守ろうとしながらも一方では、「嫌いなことも、将来国王になる身だからやらなくては」と、彼のDNAの中に刻み込まれたノブレス・オブリージュの片鱗を見せて……なんだか泣けた😢

 

  ストーリーは、英国王室全員がエリザベス女王の私邸で過ごすクリスマス休暇の3日間だけを描いたもの。チャールズとの結婚生活は既に破綻、夫妻は別居中で、二人を憂慮するエリザベス女王の気遣いも、益々ダイアナを追い詰めるばかり。ダイアナの生家スペンサー家は、ヘンリー8世の妻だったアン・ブーリン(男子を産まなかった為、その頃既にジェーン・シーモアを愛人にしていたヘンリー8世から離婚を言い渡され、果てはロンドン塔に幽閉の末処刑された)とゆかりがあり、ダイアナはアン・ブーリンの生涯を自分の身に引き比べて、次第に錯乱し、アンの幻影を見るようになっていきます。ダイアナが、今は廃屋となり、立ち入り禁止になっているスペンサー家に真夜中に忍び込み、アンの亡霊❓と対峙する場面は映画のクライマックスで、英国伝統のゴシックホラーの趣がありますが、亡霊より何より、当時のダイアナ妃の心の暗黒が怖いですヽ(;゚;Д;゚;; )

 

  『トワイライト』シリーズのメガヒットで若くして億万長者になったにもかかわらずそれに安住せず演技精進を続け、UCLAで脚本や小説の通信教育も受けている、じつは「努力の人」だというクリステン・スチュワート。今回の演技を見て、将来きっと、全米、いや世界を代表する俳優の一人になるであろうと、ヲタク確信しましたことよ😉