オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・コンサート鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログです。

『響け!情熱のムリダンガム』~もしかして『RRR』よりアツい?


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※日本版ポスター。熱血少年マンガの表紙みたい。この泥臭さ、嫌いじゃない(笑)

 

あー、相変わらず熱い、熱いぞ❗インド映画(笑)

 

  横浜は黄金町のミニシアター「ジャック & べティ」で、『響け❗情熱のムリダンガム』鑑賞。

 

  舞台は南インド、タミルナードゥ州都のチェンナイ。南インド伝統音楽(カルナータカ音楽)で演奏される打楽器・ムリダンガム職人を父に持つピーターは、映画オタクで、映画スターの推し活三昧の学生。父は国から表彰されるほどの優れた技術を持っていますが、インドでは職人の地位は低く報酬も雀の涙。母親はピーターに実入りのいい会計の勉強をさせようと必死ですが、当のピーターはいまいち会計学には身が入りません。ところがある日父の代理でムリダンガムを巨匠ヴェンブ・アイヤルに届けたピーターは、アイヤルの演奏を目の当たりにして雷に打たれたような衝撃を受けます。カルナータカ音楽は本来神に奉納するためのもので、職人の家に生まれたピーターは弟子入りは出来ないのですが、ピーターの熱心さと、彼のリズム感の良さに注目したアイヤル師匠は特例として彼の入門を許します。しかしそれはピーターにとって、古代から連綿と続くインド音楽の伝統と、彼の前に立ちはだかるカースト社会の壁との果てしなき闘いの始まりでした……❗

 

 インド版『セッション』とも評される本作ですが、師匠と弟子の関係は、西欧的なそれよりもむしろ、姿三四郎(冨田常雄)や宮本武蔵(吉川英治)、さらに言えば世阿弥の『風姿花伝』など、日本の「芸道もの」を思い出させるな……と、ヲタクは思いました。「道を極める話」はまた、日本の少年マンガの王道ジャンルの1つでもありますよね😊師匠に昼夜を問わず練習を命じられて、(当然のことながら)手に激痛が走り、ガールフレンド(注・ピーターの彼女は看護師)にコルチゾン注射を打ってもらったピーター、「この痛みは精神で乗り越えられる👊✨」って、『柔道一直線』かいいいっ❗(←古い😅)

 

  紆余曲折あって(詳細は省きます)ピーターが師匠から破門され、インド縦断の旅に出て、伝統の殻を打ち破り、「自分自身の音楽」を見いだしていく過程は、インド各地の美しい風景と土着の祭りの光景と相まって、素直な感動を呼びます。

 

  またね、アイヤル師匠がいいキャラなんだよ~。伝統を死守しようとする厳格な人なんだけど、自分を超えようとする若き天才を受け入れる柔軟さと度量の大きさも兼ね備えてる。ピーターはラスト、階級も生まれも関係なく実力でチャンスを掴みとる音楽オーディション番組に師匠の許しを得て挑戦するのですが、階級社会の弊害を乗り越えて変化しようとしているインド社会の「いま」が垣間見れて、そこも興味深かったです。またね、師匠に破門されて絶望するピーターに、「先生はアイヤル師匠だけじゃない。ほら、雨音に、風に、空に、世界はリズムで溢れてる」と励ますのは彼のガールフレンドだし、当のアイヤル師匠が音楽業界から旧時代の遺物扱いをされ始めた時、「あなた自身が変わらなければいけない時よ❗」と師匠を叱咤激励するのは師匠の奥様。インドのウーマンパワーにも焦点を当てていて、なにげにこの映画の裏テーマになっているのかな……?と思いました。

 

  ヲタク、インド映画観るたびに、「熱い、熱い」って言いまくっているけど、それはきっと、映画を通して、インドという荒削りだけどとてつもない底力を秘めた国の、マグマみたいな熱とエネルギーを、スクリーンを通してビンビン感じるからなんだろうなぁ。

 

  じつはこの映画、東京都荒川区にある南インド料理店「なんどり」の店主の方が直接上映権を買い取ったんだとか❗❗

 

いっちゃんアツいのは、ピーターでもなくインドでもなく「なんどり」さんなんぢゃん❗(笑)