オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

2022年 オタクが選ぶ日本映画ベスト10プラス1~前編

 今年も早いもので、あと2週間で大晦日。トシをとると1年、いや1ヶ月、いや1日の経つのが早いこと😅そんな中、ヲタクの乾いた?心を癒してくれた映画作品たち。今日はそんな作品をご紹介したいと思います。順位なんてとてもつけられないので、順不同です。


f:id:rie4771:20221218150426j:image

★決戦は日曜日(監督・坂下雄一郎)

保守系のベテラン議員が衆院選を目前に脳梗塞で突然倒れ、周囲はてんやわんやに。そんな中、後継者に指名されたのは、政治のイロハも全く知らない議員のワガママな一人娘、有美(宮沢りえ)。有美は根拠のないナゾの熱意はあるものの、失言は繰り返すわ、後援会の重鎮たちとはケンカするわ、空回りばかり。そんな彼女を支える役目を仰せつかったのが、長年昌平の私設秘書を務めていた、よく言えばクール、悪く言えば事なかれ主義の谷村勉(窪田正孝)。全く噛み合わない二人がバディを組む、前途多難な選挙戦の行く末は……?

  日本では珍しいポリティカルコメディ。宮沢りえ窪田正孝という演技巧者同士の組み合わせがとても新鮮。選挙戦のドタバタに日本特有の親子愛の情愛を絡ませて、面白うてちょっとしんみり。続編も作れそうな終わりかたしてましたけどね。ムリかな?😅


f:id:rie4771:20221218150720j:image

★破戒 (監督・前田和男)

 島崎藤村の名作の映画化。信州の部落出身の瀬川丑松(間宮祥太朗)は、部落民への苛烈な差別があった時代、父から「部落出身だということは決して口外してはならぬ」という戒めを固く守り、苦学の末、夢であった尋常小学校の教師となります。そんな彼が、様々な人々、そして教え子たちとの触れ合いを通じて、いかにその戒めを破るに至ったのか。その苦悶と、究極の自己肯定に至る過程を描いた感動作。

  この映画の成功の1つに、主演を務めたのが間宮祥太朗だったということが挙げられるでしょう。いみじくも、前田監督がインタビューで

この役は間宮さん1本押しでいきました。何が一番の決め手になったのかというと美しさですね。これは皆さん納得していただけると思いますが。

と語ったように、佇まいや台詞回しの美しさは言うに及ばず、静かに抑制の利いた演技は、優れた資質に恵まれながらも、ただその出自のせいで蔑まれ、社会から追われる青年の苦しみを余すところなく表現していました。


f:id:rie4771:20221218151103j:image

★ヘルドッグス(監督・原田眞人)

  その並外れた身体能力と強固な意思を見込まれ、日本最大の暴力団で悪徳の限りを尽くす東鞘会の潜入捜査官に命じられた出月悟郎(岡田准一)。彼のミッションは兼高昭吾という架空の人物になりすまし、会の中でのし上がって、最終的には会を壊滅に導くこと。その糸口として、東鞘会の若手組員で命知らずなサイコパス、室岡秀喜(坂口健太郎)を手なずけるのですが……。

  サイコパスのくせに妙にピュアで人懐っこくて、どんなに大立回りをしても汗もかかない、衣服を纏えば細身なのに、「脱いだらボク、スゴイんです」(笑)な、冷血・白面の貴公子に、坂口健太郎がハマりすぎるほどハマってます。室岡は、岡田くん演じる出月に惚れぬいていて、(二人は良いバディ~🎵)とばかりに彼らのツーショットをルンルン見てたヲタクは、ラストのあまりの衝撃にがーーん❗そりゃないでしょーっ。#俺たちの室岡を返せーーっ(笑)


f:id:rie4771:20221218151350j:image

★アイ・アムまきもと(監督・水田伸生)

 牧本壮(阿部サダヲ)は、のどかな庄内地方の市役所で、引き取り手のいない(大概は独居の)ご遺体の「おみおくり係」を務めています。とはいえ、係に所属しているのは彼一人。空気読めない、会話が成り立たない、思い込んだら猪突猛進で、おそらくはどの部署に配属されてもはみ出してしまうであろう彼に、上司(篠井英介)が温情から割り当てた役職です。そんな、彼にとっては天職とも言える「お見送り係」も、せちがらい世の中、効率化のあおりを受けて、今手掛けている蕪木(宇崎竜童)を最後に廃止となるハメに……。自分にとって最後の任務……と張り切る牧本。蕪木のために奔走し、彼の関係者たち(一人娘の満島ひかり、同棲相手の宮沢りえなど)と触れあううちに、牧本自身の人生観もまた、次第に変化を見せていきます。

 イタリア映画『おみおくりの作法』を翻案したものだそうですが、イタリア式の明るく乾いたユーモアの中に、日本的な湿った情緒や人情話が上手く絡んだ佳作といえるでしょう。主役の阿部サダヲをはじめとして、宮沢りえ満島ひかり、でんでん、國村隼松尾スズキ……と、日本演劇界を代表する「クセの強い」芸達者たちが勢揃い。台詞の応酬も阿吽の呼吸で、そりゃもう、見事なもんです😊


f:id:rie4771:20221218152630j:image

★犬も食わねどチャーリーは笑う(監督・市井昌秀)

  ホームセンターの副店長・田村裕次郎(香取慎吾)は超仕事人間。店内の全ての製品に精通し、店長に代わって店員たちを取りまとめる主(ぬし)的な存在。子どもはいないけど、妻の日和(ひより……岸井ゆきの)とはそれなりにうまくいっていると彼自身は思っていた気配😅ところがそんなある日、同僚の蓑山さん(余貴美子)が、スマホで「旦那デスノート」というサイトを見せてきます。世の奥さんたちが、自分の旦那に対して罵詈雑言を書き込むサイト。

「このチャーリーって人の文章、最高なんだから~」という投稿を読んだ裕次郎は真っ青に。自分たち夫婦の日常が赤裸々に綴られ、いつも笑って料理を出してくれる妻から発せられる暴言の数々。しかも、あろうことか妻は先日、自分のカレーに冷凍マウスのミンチ(注・二人の飼っているフクロウのチャーリーの餌である)を入れたらしい❗

 

ぎゃあああああヽ(;゚;Д;゚;; )

 

……とまあ、こんな感じの導入で、コワくてコワくて。だってさ、何しろダンナ役が、エッジーな役ならおまかせの香取しんごちゃんだし。優しそうに見えたダンナはじつはサイコパスで、最後は『Mr. & Mrs. Smith』のブラピとアンジーみたいに夫婦で殺し合ったりしちゃうわけ?……とか、ヲタクは映画見ながらアタマぐるぐる(@_@)しちゃったけど、違った(笑)……とってもハートウォーミングな展開で、しんみりほっこり。図体は大きいけど、ちょっとニブくて優しいダンナ役にしんごちゃんがピッタリハマってて、嬉しいギャップ萌えでした😊

 

……というわけで、後編はまた後日❗

 

★後編6作品についてはコチラ⏬⏬⏬⏬⏬