オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・コンサート鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログです。

パク・チャヌク監督もおススメ❗〜心臓バクバクの『窓際のスパイ〜シーズン2』Apple TV+

 
『窓際のスパイ〜シーズン2』Apple TV+で待望の配信開始〜〜❗

 

 のっけからスリリングな展開。アダルトショップを経営する老人が、店の外を横切った男を目にし、驚愕と恐怖の表情を浮かべます。急いで店を閉め、雑踏の中、男を尾行し始める老人。やっとのことで同じバスに乗り込みますが、老人が生きてそのバスを出ることはありませんでした。


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老人の死は、心臓発作の自然死として処理されましたが、ただ一人、MI5(英国情報局保安部)窓際部署である「泥沼の家」のリーダー、ジャクソン・ラム(ゲイリー・オールドマン)だけが、その死に疑問を抱きます。というのもその老人は元MI5のスパイで、英国社会で一般人として暮らしながらスパイ活動を行う、「蝉」と呼ばれるロシア人たちの存在を主張した、MI5でただ一人の人物だったからです。ラムとは深い繋がりのある副長官のタヴァナー(クリスティン・スコット・トーマス)でさえ、「蝉?ただのウワサでしょ」とにべもなく言い放つその存在。しかしラムがやっとの思いで入手した老人の携帯には、はたして「蝉」の一文字が…。そして、ラムの、いちスパイとしての鋭いカンは、国家全体を巻きこむほどの陰謀を白日の下に晒すことになるのです…❗

 

 ジャクソン・ラムをはじめとして、クセのあるメンバー揃いの「泥沼の家」。シーズン1の前半は、彼らの人となりの紹介に費やされたきらいがありますが(個人的には面白かったけどね)、シーズン2 はのっけからスリリングな尾行シーン、カーチェイス、所轄機関から防犯カメラのデータを盗み出すシーン…等、手に汗握る場面の連続で、ザッツ・スパイドラマ❗になってきました。対ロシアのスパイフィクションはもはや過去のもの…と言われた時代もありましたが、昨今の世界情勢を鑑みれば、ちっとも過去の遺物なんかじゃない、むしろ「今そこにある危機」じゃありませんか。『窓際のスパイ』を見ながら、世界の何処かで今起きている出来事のように感じて、ちょっとゾッとしました。

 

『窓際のスパイ』、元々の原題は『Slow Horses(鈍足の馬)』あるいは『Slough House(泥沼の家)』。ミック・ヘロンの原作は、版によって題名が違うのが面白いんですが、MI5(英国情報局保安部‥‥国際問題を扱うMI6とは違い、英国国内の治安維持に務める)の中の、「泥沼の家」と呼ばれる窓際部署に寄せ集められた、スパイの落ちこぼれたち(鈍足の馬)という二重の意味になっています。


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  ヲタクいち推しのスコットランド人俳優ジャック・ロウデンは、MI5史上伝説のスパイを祖父に持ち、007ことジェームズ・ボンドに憧れ、前途有望なエリートとして入局しながら、新人訓練の時にある失敗を「やらかして」しまい、「泥沼の家」に左遷されてしまったリヴァー・カートライト役。  

 

 シーズン2の冒頭で、民間の調査機関の採用試験に臨むリヴァーの姿が描かれます。シーズン1 の最後、テロを未然に防ぐという手柄を立てても、新人訓練での「やらかし」が同期の策略だったということがわかっても、彼の「泥沼の家」勤務は相変わらず(^_^;)味方でさえも信用できない、生き馬の眼を抜くようなスパイの世界。そんな世界でリヴァーは正直すぎ、人が良すぎる。自らの目指す理想に弾かれてしまった一人の若者の悲哀を、ジャクロはさすが繊細に演じて、『窓際のスパイ』をただのスパイアクションに終わらせない、深みを添えていると思います。

 

 プライベートでもサッカーの試合を一緒に見に行ったりと、日頃から大御所ゲイリーに可愛がられているジャクロ。『相棒』の水谷豊と反町隆史みたいな感じかしら。

 

 ヒネクレ中年ジャクソン・ラム、こっそり民間機関の試験を受けたリヴァーに「金に目が眩んだヤツになんか仕事はやらない」と言い放ち、ラムの出先に気を利かせてリヴァーが迎えに行けば「駅で下ろしてくれ。お前なんかと2時間も車に乗ってられるか」と容赦ありません(^_^;)…しかし最近はリヴァーも負けていません。場末の中華料理屋で麺をすすっているラムに、リヴァーが独自の推理を披露するシーン。珍しく「悪くないな」と呟くラムに、「僕の推理が?それとも麺のこと?」と突っ込むリヴァー。シーズン2では、なんだかんだ言いながらも気の合うバディになりつつある二人の姿が描かれます。シーズン2、最終の2話で急展開があり、こうなるともはやゲイリー・オールドマンの独壇場、老獪なる名人芸。人を人とも思わぬ態度、超毒舌でいながら、そのじつ誰よりも部下思いの親分肌。『窓際のスパイ』終了後は引退を仄めかしているゲイリーですが、彼の俳優人生の中で1、2を争う当たり役であることに間違いはありません。シーズン3も既に撮影終了しているようなので、今から楽しみ〜♥(2では、ラムの秘書、スタンディッシュがかつて愛した上司、チャーリーの死の真相も明らかになったしね。衝撃だったなぁ…。シーズン3ではまた、新たな展開がありそう)

 

…って、いろいろ書いてきましたが、ヲタクが何度もリピして見ちゃうのは、冒頭のジャクロ、面接試験を受ける時のスーツ姿、潜入捜査の為にタイムズの記者に扮した時のジャケット&メガネ男子姿、小型飛行機のアクロバット飛行に付き合わされるハメになった彼の、上空で恐怖に引きつった表情…etcなのよねぇ、結局のところ。リヴァーの、大人になりきれない青いところも、ジャクロが演じるとめっちゃ可愛い😍

※ヲタク大好き、『オールドボーイ』『イノセント・ガーデン』のパク・チャヌク監督もお墨付きの『窓際のスパイ』。…それって、凄くないですか?