BAFTA英国アカデミー賞の受賞式が例年通りロンドンのロイヤルアルバートホールで開催され、日本のネットもその話題で持ち切りですが…。ご存知でしょうか?BAFTAにはスコットランド部門があることを。英国アカデミー賞に先立ち、前年の秋に受賞式が行われます。
2022年のBAFTAスコットランドで主演男優賞を受賞したのは、ヲタク熱烈推しのジャック・ロウデン❗彼はテレンス・デイヴィス監督の『Benediction』で、第一次世界大戦に軍人として参戦、そのあまりにも非人道的な戦場の惨状に精神を病み、戦後反戦詩を書き綴ったジークフリート・サスーンの若き頃を演じました。ノミネートは3名。他の2人は、同じ映画で晩年のサスーンを演じたピーター・キャパルディと、『オペレーション・ミンスミート ナチを欺いた死体』のマーク・ボナー。同じ映画から主演男優賞に2人ノミネート…って珍しいよね。
ナイスガイすぎるジャクロはスピーチの冒頭でまず、大先輩であるマークとピーターに賛辞を送ります。
2人とも僕がずっと尊敬してきた先輩俳優です。後で僕お祝いしてあげるんだ❗
マーク、この後マリブ&コークのカクテルをご馳走するね。
ユーモア溢れるジャクロのスピーチに、客席にいるピーター・キャパルディをはじめ、全員が大笑い。
※スコットランドのイケオジ代表、ピーター・キャパルディ(上)とマーク・ボナー(下)。ジャクロの将来の姿ね❤
サスーンは同性愛者で、厳格なカトリック教徒でもあった彼は当然のことながら社会的にそれをカミングアウトすることはできず(当時の英国で同性愛は犯罪だった)生涯罪の意識に苦しみます。スコットランドで撮影が行われ、ジャクロ的には、エディンバラのプリンス通りで撮影された※ウィルフレッド・オーウェンとの別れのシーンが印象的だったそう。
※サスーンの助言を受けて詩作を始め、『死すべき定めの若者のための賛歌 (Anthem for Doomed Youth)』 など反戦詩の傑作を残しました。サスーンの反対を押し切って第一次世界大戦の西部戦線に復帰。休戦の1週間前、サンブルの戦いで戦死。享年25歳。
そして、一昨年閉館の運びとなった※エディンバラ・フィルムハウスについて触れ、
エディンバラ・フィルムハウスの閉館に伴い、八十余名の人々が職を失いました。エディンバラは、あなた方の助けを必要としています。
…と、会場に集まった映画関係者たちに訴えかけるジャクロ。エディンバラはかつて、映画の中心地だった。その燈火を消すまいと、映画製作や演技を目指す若者たち向けのワークショップの講師をボランティアで引き受けることもあるジャクロ。
※エディンバラ・フィルムハウスは、毎年6月にエディンバラで開催される世界最古の国際映画祭の1つであるエディンバラ国際映画祭(Edinburgh International Film Festival)の会場だった。
エディンバラには、インディペンデント映画の題材に最適な、これまで語られていない物語がたくさん眠っています。
映画産業のインフラ強化だけでなく、これまで映画化されたことのないエディンバラ…ひいてはスコットランドで紡がれた数々の歴史や物語にどうか、今一度目を向けてほしいと業界人たちに訴えかけるジャクロ。
君は本当に男前だよ❗
俳優としてだけでなく、一人の人間として素晴らしく魅力的な人。
これからもずっと、映画のスクリーンやインタビュー記事を通して、あなたを追いかけていきたい。
★今日の小ネタ
ジャクロがマーク(ボナー)に奢ってあげると約束したマリブ&コーク。マリブ(ココナッツリキュール)とコーラをステアした爽やかなカクテル。
Don't forget to claim your drink at the afterparty, Mark 🍹 pic.twitter.com/64peu2LBC8
— BAFTA Scotland (@BAFTAScotland) 2022年11月20日
BAFTA Scotland on Twitter: "Don't forget to claim your drink at the afterparty, Mark 🍹 https://t.co/64peu2LBC8" / Twitter