オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・コンサート鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログです。

パリを舞台にしたおススメ映画〜PART2『ミッドナイト・イン・パリ』(2011)


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 パリを舞台にした映画……というと、真っ先に頭に浮かぶくらい、ヲタク大好きな、大好きな映画『ミッドナイト・イン・パリ』(2011年)❤監督のウッディ・アレンの分身のような主人公が、現代のパリと、1920年代、さらには1890年代のパリを行ったり来たりする…というタイムリープストーリーなんだけど、アレン監督のいつもの皮肉ないぢわる爺さんぶりは影を潜め、ヘミングウェイをはじめとして当時の文豪たちと※パリの街そのものへの熱いリスペクトに満ちた温かな雰囲気の作品になっています。

※モネのジヴェルニーの家と睡蓮の池、ロダン美術館、ヴェルサイユ宮殿ピカソ達が住んでいたモンマルトルの集合アトリエ兼住宅「洗濯船」、 オペラ座、「ムーラン・ルージュ」 、コンコルド広場、モンマルトルの石畳…パリの観光名所が次々登場。


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※モネの睡蓮の池で。最初はラブラブなギル(オーウェン・ウィルソン)とイネス(レイチェル・マクアダムス)でしたが…。

 

 ハリウッドで脚本家として売れっ子になりながらも、長年の夢だった小説家を目指して、処女小説の執筆に悪戦苦闘中のギル・ペンダー (オーウェン・ウィルソン…彼のモサッとした感じがとてもイイ) は、フィアンセのイネス (レイチェル・マクアダムス) と、彼女の富豪の両親とともに憧れの地パリを訪れます。ギルはパリに魅了され、ずっとこのままパリに住みたいとまで思い詰めますが、イネスの反応はイマイチ(^_^;)彼女はマリブのようなリゾート地がお気に入りなのです。そんなある日の真夜中の12時。ギルがほろよい気分でパリの街をふらふら歩いていると、高級なアンティークカーが脇に止まり、車中から1920年代風のお洒落な服装をしたカップルがギルに声をかけてきます。誘われるまま一緒に向かった先はパーティの会場。なんとそこは詩人のジャン・コクトー主催のパーティーでした❗ああ、いいなぁ……ギルになりたいっ❗(笑)


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★スコット&ゼルダフィッツジェラルド夫妻(トム・ヒドルストン&アリソン・ピル)。トムヒが当時の人気スター、ルドルフ・ヴァレンチノ顔負けの雰囲気。フィッツジェラルドご本人も、当時の写真を見るとかなりのイケメン❤

 

 彼の眼の前に、憧れの文豪たち……コール・ポーター(イヴ・エック)やスコット・フィッツジェラルドトム・ヒドルストン)が次々と現れます。そこでギルは、自身の熱烈な憧憬の対象である1920年ベル・エポックのパリにタイムスリップしたことに気づくのです。その後訪れたクラブでは、当時「黒いヴィナス」と呼ばれ、後に反ナチスレジスタンスに身を投じたジョセフィン・ベイカー(ソニア・ロラン)やアーネスト・ヘミングウェイ(※コリー・ストール)と出会い、さらにヘミングウェイからガートルード・スタインキャシー・ベイツ)を紹介され、ギルはもう有頂天。夢見心地の彼に、さらに衝撃的な出逢いが。あのピカソの愛人アドリアナ(マリオン・コティヤール)にギルは一目惚れ。イネスを愛しながらも、一方でアドリアナへの恋心が抑えきれず、ギルは悩みますが……。

※ご存知『アントマン』シリーズのダレン・クロス。最新作ではハンプティダンプティ化して本人とは認識できませんでしたけど(笑)個人的には、ドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』の、欲望にまみれて転落していく政治家の役が印象的。本作品ではひたすら二の線でカッコいいです。


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サルバドール・ダリエイドリアン・ブロディ

映画の中でも「ダリ、ダリ、ボクはダリだよーん」とか、「サイ、サイ、サイだ」(ダリの作品ではサイがよく登場する)とか叫んでて、そのぶっ飛び具合がさすがダリ(笑)

 

 トムヒやエイドリアン・ブロディサルバドール・ダリ役。シュールな雰囲気がイメージぴったり)、キャシー・ベイツなどそうそうたる顔ぶれが1920年ジャズ・エイジの文豪や芸術家を演じていて、ギルならずともドキドキが止まりません。


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※左から主人公のギル(オーウェン・ウィルソン)、アーネスト・ヘミングウェイ(コリー・ストール)、ガートルード・スタインキャシー・ベイツ…サスガの貫禄❗)。 

 

 恋愛に関してはアメリカン・ピューリタニズムの典型のような主人公のギル。フィアンセがいながら別の女性にどんどん惹かれていく自分に悩みますが、さすがアムールの街パリが舞台(^_^;)ダリやルイス・ブニュエルから「それがなんで悪いん?人間だったら自然のことぢゃん」と簡単に片付けられてしまいます(笑)アレン監督自身、ここ20年ほどはスペインやイタリア、フランスを舞台にした作品が多かった印象ですが、アメリカの恋愛観特有の潔癖さが少々息苦しかったのかな……なーんて、勝手に想像したりしてます。


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※モンマルトルの石畳の坂道でデートするギルとアドリアナ(マリオン・コティヤール)。 

 

 美しいパリの街を舞台に憧れの芸術家や文豪に出逢い、会話を楽しみ、恋をする……という、まるでパリオタク、映画オタクの夢を100%映像化してくれたような作品。機会がありましたらぜひ❗全米脚本家組合賞、ゴールデングローブ賞アカデミー賞のそれぞれ脚本賞に輝いた名作です。

 

★今日の小ネタ

 ギルが初めてベル・エポックのパリに紛れ込んだ夜、連れて行かれた場所が詩人のジャン・コクトー主催のパーティー(但し、ご本人は登場しません)。コクトーと言えば、今年(2023年)は没後60年。詩人であると同時に優れた映画監督であった彼の作品上映が、「ジャン・コクトー映画祭」と称して、昨年末より各地で開催されています。

 

 の特権はすばらしいものである。美は美を認めないものにさえも働きかけるのだ。

…という言葉を遺したほどの耽美主義者だったコクトーコクトーについてはまた後日❗

https://twitter.com/CinemaKOBE/status/1634145198367297539