『オルフェ』(1950)に続いて今回ご紹介するのは、『美女と野獣』。ディズニーのアニメ版・実写版、劇団四季の舞台等で有名すぎるほど有名なお話ですが、元祖はコチラ❗
原題は『La Belle et la Bête』、まんまです(^_^;)ディズニー版ではたしか「Belle ベル」って固有名詞になっていた筈ですが、コクトー版では「La Belle(美人さん)」って呼ばせてるんですよね。冠詞(La)がついてるの。現代だと、ルッキズム問題に引っかかりそうだけどね。……とまあ、長い前置きはこのくらいにしまして(笑)
いつの間にか壁から燭台を持った人間の手が差し伸べられ、動かぬ筈の石像の目がキョロキョロと動き、宝物館に据えられた月の女神ダイアナ像が、宝物を盗もうと侵入した不埒者に矢を射る……。もはや全編が、コクトーの高い美意識と趣味に走ったモノクロ映像美のオンパレード。父を案じる美女が流す滂沱の涙が、流れ落ちる度にキラキラと輝くダイヤモンドに変わっていくシーンは、有名すぎるほど有名。
野獣を演じるのは、長年コクトーと愛人関係にあり、同棲相手でもあったジャン・マレー。ギリシャ神話の美神みたいなマレーに野獣メイクさせて、美女役のジョゼット・デイに「貴方は醜い」とか「近寄らないで」とかさんざん言わせる。まあ、だんだん美女は野獣の優しさにほだされてくるわけだけどね。当時のコクトーの心境ってどうだったのかなぁ……。サディスティック・ラブ!?……それとも反対に、「キミの外見が年老いて醜くなっても、ボクのキモチは変わらない❤」っていう、永遠の愛の告白?(^_^;)
カフェで寛ぐジャン・マレー(左)とジャン・コクトー。2人の写真を見ると、必ずコクトーがマレーに熱い視線を送っています(笑)
『美女と野獣』当時、ジャン・マレーは33歳。野獣から王子に変身した時のイケメンぶりは眩いばかり。美女役のジョゼット・デイの気品ある美しさと共に、一見の価値アリ❗
明日から
— 横浜シネマ・ジャック&ベティ (@cinemaJandB) 2023年3月17日
【没後60年 ジャン・コクトー映画祭】
3/18土〜3/24金 ☞ 09:15〜
3/25土〜3/31金 ☞ 19:05〜
『#詩人の血』
『#ブローニュの森の貴婦人たち』
『#美女と野獣』
『#オルフェ』
あらゆるジャンルの垣根を飛び越え
真実以上の<真実>を描き出したコクトーの傑作が
美しい映像スクリーンで甦る pic.twitter.com/2KKGvBPCXJ
【没後60年 ジャン・コクトー映画祭】
— 【没後60年 ジャン・コクトー映画祭】絶賛開催中! (@jeancocteau2022) 2023年3月20日
今週末からは岡山 シネマ・クレール丸の内にて開催です:゚・*☽
3/24(金)〜30(木)
連日 9:50〜
流麗な映像で蘇る『詩人の血』『ブローニュの森の貴婦人たち』『美女と野獣』『オルフェ』!お楽しみください🌹
▼劇場HPhttps://t.co/UXZYAaa5db pic.twitter.com/CkUp7ds5Qp