恥ずかしながら……である。ロケットがアダム・ウォーロック(ウィル・ポールター…アリ・アスター監督の『ミッドサマー』で、女たらしの軽薄なお兄さんを演じてた人)に襲撃されて瀕死の状態になってから、ずっと。
※ハイ・エボリュージョナリーの命令でロケットを襲うアダム・ウォーロック。彼は創造されたばかりのアンドロイドで、思考は赤ん坊と同じ。善悪の判断がありません。ガーディアンズからセカンドチャンスを与えられ、自らの罪を悔いた彼は最後に…。
ロケットは、カウンターアースに擬人化した動物たちの理想郷を作ろうとするオルゴ・コープの独裁的経営者ハイ・エボリュージョナリー(チャック・イウジ)の実験台だった……という驚愕の事実。ロケットの身体には、キル・スイッチが埋め込まれており、それを無効にするキーを見つけなければロケットを救うことはできない。ガモーラを失った悲しみに呑んだくれのダメダメくんになっていたスター・ロード(クリス・プラット)も親友の大ピンチにとたんにしゃきっとして(笑)、ガーディアンズの仲間たち…ドラックス(デイヴ・バウティスタ)、ネビュラ(カレン・ギラン)、マンティス(ポム・クレメンティエフ)、グルートと共に、オルゴ・コープへ一世一代の殴り込み。
キーワードはもちろん、仲間、そして友情。
……そして、失敗しても、誠実に生きていれば必ず、セカンドチャンスはやって来る。
※読心術に長けたマンティス(左)。自分たちを襲ってきた怪物の心を読み、「この子たちは悪くない。怯えて凶暴になってるだけなの」と言うシーンも、今作のテーマが色濃く出ていると思います。仲間たちからいつも(愛を込めて)バカ呼ばわりされている(^.^;ドラックス(右)ですが、今回は彼が秘めたる才能を持っていることが明らかに❗
そのキーワードは、初めて明かされるロケットの哀しい過去にも呼応します。ロケットは自分同様実験台にされたカワウソのライラ、セイウチのティーフ、ウサギのフロアと強い絆で結ばれます。カウンターアースに行っても変わらず仲良くしようね…と。将来の夢を語り合う4人。しかしある日、ハイ・レボリューショナリーから「おまえらはカウンターアースになど行けない。所詮ただの実験台。用済みだ」と言われ、移住前に処刑される運命だと知った時のロケットの悲しみ、憤り。彼は飛行船を盗んで仲間たちを連れて逃げようとしますが、その直前に計画がばれてしまい……😢生死を彷徨うロケットが、夢に出てきたライラに「ごめんよ。俺は友達を守ることができなかった」と涙ながらに謝る場面。ブログを書いている今でも、思い出すと思わず涙が……。
※死んでなかったガモーラ(ゾーイ・サルダナ)。しかしスター・ロードが愛したガモーラはどっかに行っちゃって(^.^;記憶はすっ飛び元の黙阿弥、再び凶暴なアネゴに…。でもヲタク的にはこっちのほうが好き(小声)
サノス同様、現実を受け入れられず、完璧を求めて手を血で汚すハイ・レボリューショナリー。そんなエセ理想主義者に対して、彼が一番先に処刑しそうな(^_^;)ハミダシ者のガーディアンズが彼にひと泡吹かせる構図が愉快、痛快❗
※ラスト、グルートがなんと❗「アイ・アム・グルート」以外の言葉を喋ります❗その場面も感涙モノなので聞き逃さないで。
結果が気に入らないからといって、自分が創造したカウンターアースを星ごと破滅させようとするハイ・レボリューショナリー。彼は全能の神を気取っていますが、ガーディアンズがラスト、まるでノアの方舟の如く、人間も動物も実験途上の被験者も差別なくノーウェアに受け入れる場面は、(人間の価値は外見や能力ではない。善なる心が大事なのだ)という宗教的なメッセージが読み取れ、無慈悲な独裁主義、全体主義への強烈なアンチテーゼとなっています。
『ガーディアンズ』の最終章を飾るに相応しい感動作❗マーベルファン、アメコミファンならずとも、ぜひ一人でも多くの人に見て欲しい。レディオヘッドの『クリープ』やアース・ウィンド&ファイアーの『リーズンズ』、アリス・クーパーの『虹を追い続けて』など、全編を彩るロックの名曲の数々も胸アツです。