今年は偉大なるオペラ作家プッチーニ没後100周年。その記念すべき2024年、テノールの神、ロベルト・アラーニャ、サントリーホールに降臨❗18年ぶりの来日ということで、もう始まる前から客席はファンの熱気でムンムン。
白いタキシードで身を固め、にこやかに登場したロベルトは、まさに水も滴るイケオジ😍御年61歳にはとても見えない若々しさ。(確実に10歳は若く見える❗)情熱的で、豊かな表現力に満ちた歌唱は、「三大テノール」が一線を退いた後、現代テノールの覇王と言っても過言ではありますまい。
最初の数曲……『幸せに満ちたあの日々』(『妖精ヴィッリ』より)、『快楽の宴、ガラスのような目をしたキメラ』(『エドガール』より)『栗色、金髪の美人の中で』『何と素晴らしい美人』(『マノン・レスコー』より)辺りまでは私たち観客もガマンして❓大人しく聴いていたんだけど(笑)前半の最後の曲『ご覧下さい、狂った僕を』(同じく『マノン・レスコー』)が終わった途端、ほぼ総立ちで「ブラヴォー❗」と拍手の嵐。日本のクラシックファンは大抵遠慮がちで、座席で静かに感動を噛みしめることが多いけど、やはり偉大なる神アポロンの前にはなすすべもなく理性のタガが外れるらしい(^_^;)私たち、今日だけラテン民族(笑)
休憩を挟んでの後半は、『冷たい手を』(『ラ・ボエーム』より)、『星は光りぬ』(『トスカ』より)、『さらば、愛の家』(『蝶々夫人』より)、『やがて来る自由の日』(『西部の娘』より)、『誰も寝てはならぬ』(『トゥーランドット』より)……と、誰もが知る名アリアの数々を怒涛の如く歌い上げ、天上で聴く音楽とはかくの如きか❓と、その素晴らしさにただただひれ伏したい思い。特に『誰も寝てはならぬ』〜All’alba vincero! Vincero! のくだりには、本当にトリハダが立ったよ、ゾワゾワ〜って。最近の美容医学研究によれば、トリハダが立つと肌の立毛筋が刺激されて肌のハリが戻るって言うから(カズレーザーの番組で言ってた)、ヲタクは今日確実に5歳くらい若返ったはず。いや、ホント。
アラーニャは音大卒のエリートではなく、クラブで歌っていたところを認められてオペラ歌手に転身、独学で歌唱をマスターした叩き上げの苦労人だから、気さくで愛嬌があって、その人柄を愛するファンも多数。今日も指揮者の三ツ橋敬子さんの手を取って、まるで社交界のデビュタントをエスコートするかの如く会場の隅々まで挨拶して回り(何度三ツ橋さんの手の甲にキスしたかしら。三ツ橋さんも華奢でとても綺麗な方なので、これまた絵になるのよねぇ)、東京フィルの面々にも立ち上がって拍手を受けるように促し…。とうとう客席からも「ロベルト、ステキ〜〜❗」の黄色い声が飛び、お花を持って行くファンもいればウチワを振ってるファンもいて、さながらアイドルのコンサート状態(笑)その親しみやすさで、大勢の人たちにオペラを身近に感じさせたロベルトの功績は偉大だと思うなぁ。アンコールで『ジャンニ・スキッキ』を歌う時は、「これ、ホントは若いテノールが歌う歌なんだ…。もうボク、年取っちゃったからなぁ。歌えるかしら。でも、みんなのために頑張るね😉」と、どこまでも気取りのないロベルト・アラーニャ。歌というものがこんなにも、人を癒やし、励まし、勇気を与えるものかと、まざまざと見せつけられた至福の2時間でした。
ヲタクは、史上最高のメゾ・ソプラノと称されるエリーナ・ガランチャと組んだ『サムソンとデリラ』や『カルメン』を観てロベルトのファンになったんだけど、偶然にもガランチャも今月末に来日するのよねぇ……。ガランチャの方は観に行けないけど😭でもまた、MET公演でアラーニャ&ガランチャのゴールデンコンビでオペラが観たい❗
世界を股にかけるテノールの覇王、ロベルト・アラーニャ。今日夜の便で奥さまと共にスペインに飛び、明日の夜にはバルセロナでコンサートだそうです🫢どうぞ、また近い内に日本に来て下さいね❗