2024年エミー賞のノミネートが発表されました❗何と言ってもヲタク的にコーフンしたのは、推しのジャクロことジャック・ロウデン(『窓際のスパイ』助演男優賞)とアンドリュー・スコット(『リプリー』主演男優賞)の名前があったこと。『窓際のスパイ』は作品賞と主演男優賞(ゲイリー・オールドマン)にも名を連ねています。
『窓際のスパイ』、元々の原題は『Slow Horses(鈍足の馬)』あるいは『Slough House(泥沼の家)』。ミック・ヘロンの原作は、版によって題名が違うのが面白いんですが、MI5(英国情報局保安部‥‥国際問題を扱うMI6とは違い、英国国内の治安維持に務める)の中の、「泥沼の家」と呼ばれる窓際部署に寄せ集められた、スパイの落ちこぼれたち(鈍足の馬)という二重の意味になっています。「泥沼の家」のくせつよリーダーを演じているのが、名優ゲイリー・オールドマン。ジャクロはMI5史上伝説のスパイを祖父に持ち、007ことジェームズ・ボンドに憧れ、前途有望なエリートとして入局しながら、新人訓練の時にある失敗を「やらかして」しまい、「泥沼の家」に左遷されてしまったリヴァー・カートライト役。エリートだったリヴァーが1度はプライドをズタズタにされながらも、1人前のスパイとして這い上がっていくさまは胸アツ😭『007』シリーズのようなカッコよさらないけれど、英国に実在するスパイたちの実態を、英国らしい皮肉なユーモアを交えて描いた傑作です。AppleTV+でシーズン3まで配信中。シーズン4も撮了しているようで、配信が楽しみ❗
※英国アカデミー賞、やはり『窓際のスパイ』でノミネートされた時のジャック・ロウデン(右)とゲイリー・オールドマン(中央)。プライベートでも一緒にサッカー観戦をしたり、本物の親子のように仲の良い2人❤
時は1960年代。職業も住所も経歴もわからない謎の男、トム・リプリー(アンドリュー・スコット)。彼はニューヨークの片隅で、身分証明書や公証人刻印、信用状の偽造等で日銭を稼いでいる小悪党。そんな彼に「まともな」大仕事が舞い込みます。造船会社を経営する富豪のグリーンリーフが、「画家を目指す」との触れ込みでイタリアのリゾート地・アトラーニに行ったまま帰らず、彼の財産を食い潰している息子のディッキー(ジョニー・フリン)を連れ戻して欲しい、連れ戻してくれるなら金に糸目はつけないと。二つ返事で引き受けたリプリーは、初めて乗るオリエント急行、贅沢な食事、海贅沢な食事、海辺のリゾート地に心躍らせるのでしたが、初めて出会ったディッキーは、才能もないくせに画家を自称し、作家を目指す美女マージ(ダコタ・ファニング)を恋人にし、「慈善行為」とうそぶいて詐欺師の女に大金を巻き上げられてしまうような放蕩息子の典型でした。彼の邸宅に居候するようになったリプリーは、特権階級の豪奢な生活を何の努力もせずに享受しているディッキーに対して次第に侮蔑と憎悪を募らせていき、ついにディッキーを殺害、彼になりすますのですが……。
冒頭の、オドオドして、いつも人の顔色を上目遣いに窺っているような卑屈な小悪党から、取り返しのつかない犯罪に一旦手を染めるや、自信とカリスマ的魅力に満ちた、ミーナ・マッツィーニの気怠いカンツォーネや年代物のワイン、フェラガモの靴やロレックスの時計が似合うセレブな男に劇的に変化する、そのギャップが凄すぎて、アンスコさまの演技力にただただ驚嘆するばかり。特にディッキー演じるジョニー・フリンの声色からイントネーションから所作からそっくりコピーしてみせる場面は、背筋が寒くなるほど(^_^;)『リプリー』はNetflixで只今絶賛配信中。
※先日開催されたグラストンベリー・フェス2024で一緒に盛り上がっていたジャック・ロウデン(前列中央)とアンドリュー・スコット(前列右)。
まだ作品では共演経験のない2人だけど、先日のグラストンベリー・フェスと同様、エミー賞のレカペでも豪華ツーショが見れたらいいな❗