横浜駅直結のシネコン「Tジョイ横浜」にて、『モノノ怪 唐傘』鑑賞。
フジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」の第8作目として、2007年7月から9月まで2ヶ月間放送された、知る人ぞ知る「伝説のアニメ」の映画化らしい。
うん、「伝説のアニメ」の名に恥じない作品だったと思います。
主人公は、この世に蔓延るモノノ怪の姿を認知し、自身の持つ「退魔の剣」によりモノノ怪を退治することができるという謎の薬売りの男性。しかし、百発百中の威力を持つ「退魔の剣」も、「形・真・理」が明らかにならなければ発動しないという縛りがあります。『形』とは、モノノ怪の姿。 『真』とは、表面に現れいでたる事のありさま(事件)。 『理』とは、『真』の原因となった心のありさまを示すようです。生まれつき神を冒涜する絶対悪の存在である西洋の魔物たち(吸血鬼、狼男、メフィストフェレスなど)と比べ、日本の怨霊は、平凡な人間が非業の死を遂げたことでその恨みつらみが凝り固まって怨霊となる場合が多く(『四谷怪談』『番町皿屋敷など』)、そういった意味で言うと、イケメン薬売りは怨霊の業を解き放つ、いわば安倍晴明の生まれ変わり、江戸の陰陽師とも申せましょうか。
今回、モノノ怪が跋扈する舞台は、言わずとしれた「大奥」。モノノ怪が登場するまでもなくじゅうぶん魑魅魍魎が蠢いている気もしますが(笑)そんな中、新人女中として此度大奥に入ることを許されたアサとカメという2人の少女を中心にストーリーは展開していきます。これまでの「大奥」を舞台にした映画やドラマと言えば、「将軍様の寵愛をゲットするために戦う女たちの悲劇」がテーマだったわけですが、そこはそれ「令和の大奥」(笑)、お上の愛をゲットしてのし上がるだけではなく、自身の技倆を磨いてキャリアアップを図りたい女たちもいて、さらに野望欲望はドロドロと複雑怪奇、魑魅魍魎。薬売りさんも「理」を解明するまで苦労するはずです(^_^;)
大奥の話……とのことでヲタク、浮世絵や錦絵の絵柄を予想していたのですが、もっと極彩色でしたね(笑)「形」、つまりモノノ怪の実態の表し方も意表をつくものでした。極彩色の万華鏡に入り込んだかのような、めくるめく世界が展開します。
ラストに次回作の告知がなされたので、今から楽しみ❗️